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2006年10月01日

しいな貴生『傲慢すぎて…愛しい男』

 お坊ちゃんでイケメンらしいがある事情で酒タバコ色の日々、グダグダでヤな奴な攻め×リストラ父と一家のために攻めのお世話係(当然下半身込み)をはじめた受け。

 個人的に傲慢な攻めは好きなので(くりかえすが、ファンタジーとして、です)割り合い楽しめた。

 けれど、もっと傲慢でいてほしかった。かなり初期から事情があるんですよーというのをバラしていて、受けにもそんなに無体でもないし、特に中盤のモトカレ討ち入り(笑)以降はわざと冷たくしてるのがあからさますぎて、あんまり傲慢さを堪能できなかった気がする。
 受けがなぜ攻めに惹かれたのかも、もう少し説明がほしかったなあ。受けが女の子だったらほだされちゃうのもわからんでもないけれど、受けが性別まで一気に超えてしまうのは少し違和感。これもストックホルム症候群の一種(笑、という感じもするけど。
 あと、狙ってるのかそうでないのかわかんないけど、語りの視点の切り替えがムチャクチャで…これ無意識だったら、ここまで視点がごたごたなのはちょっとどうかと思うぞ…。傲慢な攻めの言動を受け視点で辛く思った直ぐ後に、攻め視点で後悔しちゃう感じ(流石にそこまであからさまではないけどニュアンスとして。

 あと、西村しゅうこの絵が最近ニガテかも。なんかワンパターンに見えてきた(実際そうかもしれないけど。

2006年10月02日

小塚佳哉『恋におちる、キスの瞬間』

 面白かった、よ!

 外車ディーラー×車の名を持つ全寮制高校生。

 受けは元気だけどかわいい(変な逆接だ。子どもだけどねー(笑。高校から入った名門校でいじめにあってるという設定はちょっと読んでてイタイけど、その原因が話の主軸にきちんとからんできてて、結末もなかなかカタルシスがありよかった。仲良くなった子達は二人とも個性的で面白そうだし、この二人が出張る話も読んでみたいし、続編あるといーなーと思う。
 攻めは最初はカコイイお兄さんって感じなんだけど、いろんな要因で子どもっぽさが出てくるとしだいに崎義一っぽくなってきて…(笑、ギイよりもうちょっと現代的な感じだけどね。攻めのお兄さんもよかった。性格キツくてでも話せばわかってくれて、エリートでメガネで(アレ?メガネだった…よね???
 お話もしっかりつくられててよかったと思う。受けのいじめ&学校生活、フィアットリトモの因縁話、攻めの過去とかお兄さんとの確執、といろんな筋がどれもちゃんと面白い上にちゃんと回収されてて、満足。
 タイトルもわたし好み。

 佐々さんの絵も洗練されてきたなあ。

 どうでもいいが、冷徹そうなのに実は親切とか実は情熱家という意外性をもった性格、エリートとか企業家とかのバックグラウンド、ブランドスーツにメガネという外見、これを三種の神器と呼んではどうか(本編にゼンゼン関係ありません。

2006年10月03日

高井戸あけみ『君が寝息をたてるまで』

 最初のリーマンものは、軽い遊び人系×真面目くん、かと思ったらさにあらず。むしろ年下モテ男のメロメロ系で、だけど妙に先が見えないしんどさもあって、面白かった。メガネ受け(表紙↑の美人のこと)が守村さんのようでよかった。メガネをとると幼くなってしまって残念というか。

 次の喫茶店で出会うリーマン話は、前編と後編がなんか全然違う世界というか…前編の、つぶれそうな喫茶店で見知らぬ男と毎日顔をあわせるという妙な雰囲気と非日常性が面白かったので、後編は違和感があった。
 覗き部屋の話はちょっと舌足らずというか、物足りない気もした。これは攻めがメガネ。

 やはりメガネでお願いします。

2006年10月05日

Mr.Children&the pillows new big bang tour ~This is Hybrid Innocent~@Zepp Tokyo その1

今日はァゥィェではなくァゥェィ…だった。
正直すごい散財をしてしまったと思った。
でもまあ、聴かないで後悔するよりはいいと思おう。

面白かったこともいっぱいあった!
欝はちょっとだけ下記!
明日には持ち越しません!明日はちゃんと感想書きます!

セトリも合ってるかよくわからない!

1. ノンフィクション
2. Ride on shooting star
3. カーニバル
4. プロポーズ
5. Funny Bunny
6. 空中レジスター
7. アナザーモーニング
8. スケアクロウ
9. つよがり
10. バビロン天使の詩
11. I know you
12. サードアイ
13. その未来は今
14. ハイブリッドレインボウ

1. Tomorrow never knows
2. 光の射す方へ
3. 箒星
4. ストレンジカメレオン
5. Prism(仮タイトル:さわお)
6. ロードムービー
7. しるし
8. フェイク
9. ニシエヒガシエ
10. 終わりなき旅
11. Worlds end

EN1. 名もなき詩
EN2. everybody goes

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2006年10月06日

Mr.Children&the pillows new big bang tour ~This is Hybrid Innocent~@Zepp Tokyo その2

 に、行ってきた、よー!

side:P
「アゥイエ!!」あまりのさわおの絶好調ぶりに、今日こそケガをするんじゃないかとか思ったよ!(笑
 Zeppツアーでは各地でアウェイ気分を味わってきたそうで、むしろそれが活力になってきたと言うさわお。東京では「意外とピロウズ人気あるじゃん?」とか思って拍子抜けしたらしいさわお。「オレってドM?」とか言い出すさわお。あげく「オレに優しくするな!」とか言い出すさわお。
 昨日も書いたけど、さわおって気位が高い、とゆう言い回しがピッタリ(プライドが高いとか高慢とかなんて言葉じゃゼンゼン言い表せない)な気がして(笑、ネコみたいな、あんまり客席に返事しない辺りも気位が高いように見えて(笑、昨日とかなんて嬌声ぽいのに対して「珍しい鳥発見」はまあいいけど、その前に「ヘッ」て言いませんでした?(笑
 ともあれ、気位の高いドMなさわお、てことでまたひとつさわおが好きになりました(笑
 日本ストレンジカメレオン協会会長(自称)になったそうだし(笑

 あ、ええと、曲のことを。
 ノンフィクションはなんとなく最近のピロウズのメルクマールっぽい印象があるので、これで始まってうれしかった。
 ライドオンなんて大好きだ!
 高所恐怖症のパイロット、プロポーズは、まだ二回しか聴いてないけどかなりお気に入り。どっちもライブで初めて聴いたのと雰囲気が似てる気がするのとで、空中レジスターの後継って印象。
 ファニーバニーやっぱいいわぁ。こないだの初Zeppの弾き語りが忘れられない…。
 新曲スケアクロウは、よかったような気もするけど…どんなんだか忘れてしまった…印象薄かったのか??

 で、つよがりですよ。正直あんまり好きな曲ではないので、ネットでこれをカバーすると知って、なんでこんな地味な歌!とか、プリズム熱がきてた(後述)のでプリズムが聴きたいよ!とか、あと、もっとミスチルっぽいシングル曲聴いてみたい、とか最初は思ってた。
 んだけど、さわおが「一番好きなアルバム、Qから」と言った瞬間に、そうだったんだ~!と、一気に盛り上がってしまった。
 あたしもQが一番好きだよ!いいよね!
 そんなわけで、つよがりもすごいいい感じにカバーされてて、これはほんとマスタリングされたものを聴いてみたいと思った。

 ラストのハイブリはちょっとテンポが荒れてた気がした。流石にお疲れだったのだろうか。なんか全体に短かったような気がしたけど、曲数は結構やってるんだよね。短い曲多いからなあ。

side:M
 ミスチルはよくもわるくも桜井バンドだなあと改めて思った。
 なーんて、さわおさわおさわおでピロウズ聴いてるあたしが言えた義理ではないですな(笑

 一曲め、トゥモローネバーノウズはすごい丁寧に演奏するなーと思って、この調子で最後までいくのかなーと期待半分不安半分で聴いてた。
 光の射す方へはかなり好き曲だしよかった。
 ストレンジカメレオンは、メロディフェイクも多かったけど、結構…荒れてたような。録音で聴くとまた違うのかなあ。でもかなり思い入れがあるようなことを言っていたので、気合は伝わってきたようにも思ったし、うれしかった。
 新曲は…。
 ニシエヒガシエは、やっぱこの辺りの曲があたしは好みだなあと思った。ディスカバリーもQと同じくらい好きだ。
 最後の曲は知らなかったですスミマセン。

 で、順番前後するけど、プリズムですよ。前から割り合いに好きな曲ではあった(前から思ってたんだけど、「何もかもが憂鬱」とゆう歌詞さえなければなあ、と(笑。あれは、ちょっと…)けど、この夏にミスチルファンの弾き語り少年に弾いてもらって、プリズムいいじゃん!と再度思っていたところだったので、結果的に聴けてよかった、というか、何しろ。
 プリズムの仮タイトルは、さわおって言うんだって!(笑
 …ほんとかな!(笑
 一番ピロウズに影響受けてる曲とのことだけど、言われてみれば、ちょっと昔のピロウズっぽいところは確かにあるかもしれないと思った。
 あたし多分プリズム好きだよ!(笑

 しかし、全体的にはドームとかでやる公演とあんまし変わんない気がした。どうせならもっとライブっぽい構成、アレンジで聴いてみたかったなあという気もしたけれど、ストレンジカメレオンを聴いててそういうのはちょっとムリかなという気もした。
 曲としては、蘇生とかセンターオブユニバースみたいなのも聴いてみたかったなあ。ピロウズの他の曲も聴いてみたかった。

EN:
 名もなき歌は以前も思ったけど、会場合唱用なんだね。
 エブリバディゴウズ、なんかさわおの声があんまり聴こえなかったような…。


 正直、色々思うことはありました。でもやっぱり聴いておいてよかったと思う。ライブはなるべくその瞬間に聴いておきたい。
 まあ多少はガマンしてましたので、最後にちょっとだけ贔屓の引き倒しを書いちゃうけれど、桜井は抱かれたい男性ランキングとかに名前が上がってたようなルックスだけど、ミスチルのセールスはピロウズとはダンチだけど、会場はアウェイぽかったけど、
 ライブ中のさわおは、どう少なめに見積もっても桜井和寿の数倍はカッコイイ。
 と思いました。

 (あ、海外ツアーをやってるという点では、ピロウズもミスチルに勝てるかも、ですね
 (勝ってどうするんだ

2006年10月07日

高口里純『世の中は僕らに甘い』5

 ふやけてます…。

 人が増えてきたけど、相変わらずの感じです。だらだらだら、だけど、続きが気になる。しかしあとどれくらい続くのかな…。いや、面白いですよ、ちゃんと。
 椿×紬、にはならなそだね…椿は東悟かなあ。紬は…どっちだろうか。どっちでもないのか(笑。

2006年10月08日

夏木ひまわり『皇帝円舞曲』

 明治初期、プロシアぽい国の皇太子殿下×見聞をひろめるために日本大使館の職員として滞在している武家の美形少年。
 18才で大使館職員て…と思ったけど、明治ヒトケタならアリ…、かな。
 華奢さをバカにされて頭にきて、女装して殿下を欺く受け。その後も事情がかさなって、受けが殆ど全編で女装しているし、だんだん気持ちも女性的になっていくので、なんかBLという印象が薄い。ハーレクインかいな。
 末尾がこの後どうなるの?君たちどうするの?って感じでやや消化不良。男同士、身分違い、とかの点をどうすんのか、それを書かないのも手ではあるだろうけれど…。

 あと、もうとにかくあれです、文章が…体言止めの多用とか、「ええ~って感じの」とか、…全般的にツライ。うーむ。
 絵はキレイだった。

 ショコラのコミックスの方は、ゴージャスをうたいながらもさほどでもないなあと思ってたけど、ショコラノベルスの方はもうイカニモーな設定だらけで…たまげたなあ。シークとかマフィアとか王侯貴族とか、だらけ。新刊平積みみてたら三分の一くらい砂漠とかなの。砂漠化進行しすぎ。大丈夫か地球。
 あれだね、コミックだと豪奢な絵を描くのが大変だからかな。文字のほうがまだしも楽だものね。ノベルスの方は豪奢な設定がマジ大盤振る舞い。

2006年10月09日

諸君、私はピロウズが好きだ。

 NINNY「キミが誰のものでも多分不安じゃないこの気持ちは色褪せない」My girl「どこかで誰かと笑ってるのならそれでかまわないなんて思えない」…アレー!さすがさわお!(笑。でも多分おんなじ意味なんだろう。

 そんなわけで先日来、ピロウズを観たり聴いたり、めざましテレビにちょっと写ったのも見てわはー、とか思ったり、してます。
 めざましでもちょっとエブリバディゴウズが流れたのを見て、先日も思ったんだけど、なんかやっぱりさわおが窮屈そうに見えるなあと思った。いや、多分曲のせいじゃなくて(笑。ハンドマイクがイカンのか。ギター弾きながらスタンドマイクの前で歌ってる時の方が、何故か自由に見える。とんでハネて、ギターふりまわして、体中で歌ってる感じがするのだ。
 youtubeで他にもいろいろピロウズ動画を見てたら、サンフランシスコのライブ動画のコメ欄で「みんなキライ!ピロは絶対ノースカロライナになんか来ないもの!こんな無名な州なんかもうイヤ!」「ピロがフィラデルフィアに来たら、心臓麻痺おこすかも!」「南オーストラリアに来て欲しい、ピロは自分がミュージシャンになるきっかけをくれたんだ」とかいう各地のバスターズのコメを見て、あたしはどうにもちいさい人間なので、すごくうれしく思った。
 なんでか知らないけどこんなに(ここまでの状況は、まるっとFLCLのおかげだけだとは思えない)世界各地でピロウズの音楽をきいてる人が居てうれしい。ああ~もっといろんなバスターズにライブを見て欲しい、共有したい。でも新曲もレコーディングしてほしいし、やっぱり東京でライブして欲しい…ってただのワガママですな。

 とりあえず、あれです。
 キミたちピロウズを聴いてくれ。
 サイド→、カーニバルを入れました。これはマジカコイイ曲だし、PVも割り合いカコイイので、オススメ。大きいのも貼ろう。

the pillows"Carnival"

 最後に、いろいろ廻ってる中で面白かったコピペから。

 さわお「もうっ!かず君!」
 桜井「ごめんよさわチン━━━━━━━━!!!」
 以降も仲良く吉祥寺の井の頭公園でTiny Boatを歌いながらボートを漕ぐ二人の姿が目撃されている。

2006年10月10日

50000ヒット御礼&7周年記念。

 五万ヒット!アゥイエ!!
 いつもマヨイガをご覧くださりありがとうございます。本当に感謝してます。今更ながらによくわからんブログですみません。少しでも楽しんでいただけてましたらうれしいです。常連様に感謝感激です。いちげんさんも愛してます。さわおはもっっと愛してます。悠さまも花井も愛してます。
 ってか、気づいたら「ゆずり絵日記」はこの十月で七周年!でもありました。ビックリです。
 ということで、五万ヒットに感謝をこめつつ七周年を記念しつつ、大プレゼント大会を開催します。

1.田村由美『7SEEDS』1
 …目が覚めたら海の上だった!人類滅亡サバイバル漫画(以下続刊
2.ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』1
 …オレらのエースは暗くて卑屈!こんなに面白い高校野球漫画(以下続刊
3.秋月こお 富士見二丁目交響楽団シリーズ第一部『寒冷前線コンダクター』【女性向け】
 …階段から落ちてヴァーグナー!変態指揮者とメガネバイオリニストの古典ジュネ(以下続刊
4.大和名瀬『デキる男の育て方』【女性向け】
 …傲慢なレストラン経営者と野菜と話す純朴少年!ライトコメディBL(以下続刊
5.the pillows『The third eye』
 …平凡なシーラカンス、満ち足りてるって言えなくなった。ピロウズ最新シングル!

 今回は全部新品です。
 yuzuriアットa3.shes.netもしくはchloexアットmail.goo.ne.jpまで、ご希望のプレゼント番号をお知らせください。確認のため返信しますので、返事がこなかったら再送してね。
 複数の応募があった場合はゲンミツに抽選します。あみだクジで。
 応募の締め切りは十月末日です。
 お品物はゆずりが手作業でクロネコメールで発送します。可能であればお届けもします。
 こんなことをしてなんかゆずりに利益があんのかと言われれば、まあそう思われるのも無理はないんですが、別に個人情報収集とかの趣味はありません。もうただの布教活動ですと言うしか。
 ご応募、お待ちしてます!

2006年10月11日

浜田翔子『魔王の系譜 眠れる魔王』

 神様の腕の中がヤバイ!ヤバイです!キてます!…三巻買っておくべきだった!(涙

 魔王の三巻!
 やっと出た…!

 前からうすうす思ってたけど、あたしがBLでメインカプに萌えないのってこの漫画くらいじゃなかろうか。

 あたしBLって大抵主人公CP萌えとか主人公CP贔屓で読んでるんですよ(この場合問題になるのは、アテウマがいるのに、ってこと。
 セックスピストルズなら国政のりりん、犬ならテルミキ、彩おとこなら少佐長男に黒鬼次男、とか。
 あーまあファインダーとか…例外もありますが(笑、あれも基本的にフェイ秋仁もイイけど麻見秋仁も勿論好きで、って感じじゃないですか(誰に同意を求めてるんだ。

 だがしかし!魔王は紅月が好きだ…黒羽はどうでもいい!(笑、というかむしろ紅月のジャマだ!瞳夜の黒羽びいきもヒドいよ!…なんて、思う(笑
 脇キャラに萌えるのはアリとしても、メインCPに全然萌えないってのが、なんかむしろ新鮮というか。
 もともと掲載誌はZEROだったし、BLの定型ではないのかもしれない(BLの定型って何だ、ってことになりますが。

 ところでこれ、ゴールドで連載になるの?ワーイ!またゴールドでの楽しみが増える!

2006年10月12日

眉山さくら『姫君と不夜城の覇王』

 今度はマフィアですう。
 数年前に東京で助けた男が香港マフィアでした!なんかどっかで聴いた話ですが、そんなことはどうでもいい!

 だって、受けがメガネ外科医…!ktkr!!!伊集院先生!!(笑

 天涯孤独で頑張ってるメガネ外科医、が、マフィアと再会して、刃向かって、ズタボロになって、受け入れていく過程がすごく丁寧にかかれてたと思う。医局の話、島の話、香港マフィアの問題、攻めの甥っ子のケガ、イタリアマフィア、李とのやりとりなど、盛りだくさんのエピソードがそれぞれしっかり活きてて、面白かった。メガネ外科医の性格も、ただ受け身なだけでもなくて、反発したり嘆いたりってだけには終わらなくて、好感がもてた。

 攻め=マフィアはあんまり紳士系極道ではなくて、ちょっとワイルド系なかんじですが、それがまたイイんですよ。わたしは基本的にはインテリマフィアのが好みなんだけど、これは結構イイ、というかかなりイイ。怯えてるメガネ外科医に傷つくマフィアとか、ブチ切れるマフィアとか、それを後悔するマフィアとか、イイですよ!物語は基本的には受け視点なので、そういうマフィアの描き方の濃淡も面白かった。マフィアの気持ちは直接的にはほとんど書かれてないのに、きちんと読み取れるんだよね。あとマフィア、意外と芸術系にも明るい!トゥーランドット!(笑、故宮でのイタリアマフィアとのオペラに関するやりとりなんか意外過ぎた(笑。しかしトゥーランドットはあんまし活きてなかったかな。面白い差し色だと思ったけど、なんかうまくかみあってなくてもったいなかった。

 タカツキノボルの絵はキレイだが、ちょっと動きがないかなというのが気になったのと、最後の絵はメガネ外科医の前ははだけてるんじゃ…とか細かいとこが気になったり。
 しかしそういう細かいとこが気になるのは、たぶんかなりこの話を気に入ったからかなとも思う。物語が凝ったつくりで面白かったので(わたしは技巧を凝らした物語が大好きだ)、イラストとかにも精緻さを求めたくなってしまうのだと思う。
 あと、タイトルがなあ。こういう設定ものって、タイトルに同じような語彙ばかり並んでしまいそう(マフィア、なら不夜城、とかね)でちょっとどうかなあと思う。でも一発で内容が判るタイトルを、という思惑もあるんだろうなあ。

 というわけで、きれいにまとまっていて面白かったです。甥っ子とかも気になるし、続編が読みたいです。

2006年10月13日

太田光・中沢新一『憲法九条を世界遺産に』

 『The Ruby』が出ましたが…、フジミ、わたしのすごくニガテな感じの番外編で…した…。タクミはなんか異様に文字が大きかった。

 詳しく批評しようかとも思ったけどめんどくなったというかバカバカしくなったので、感想だけにします。

 とりあえずこのタイトルは太田のジョークのつもりらしい。ので、ちょっと安心したんだけれど(笑、しかし、こうしたタイトルも含めた自分のディスクールを、「新書」という形態で世に問うことの意味までしっかり考えてるとはとても思えないジョークだと思う。内容に関してもやはりあまりに幼い思想もあり、目配りの足りてない部分も多く、総じて甘いとは思ったけれど、結構色々なものを読んでるなあと思った。自分の妻に政治的な言動を批判されてることとかも書いてるし、結構柔軟な人なんかなあとも思った。
 ただ、一応反論への目配りもしてますよー、柔軟に考えますよーという留保は、言い訳がましいというか、信頼しづらい部分もある。自分は自己批判できてるから大丈夫、と思っちゃう人って、案外死角に気づかない気がする。無知の知を得たつもりになって満足してしまうというか。まだ知へたどり着いてないかもしれないのに。
 失礼な物言いだけど、この人がまだ学生くらいの年齢だったらこれからすごく期待できただろうなあと思う。
 んで、逆に言えば、中沢新一は…いいや、もう(笑。

 ってかこれを読んだのは、宮沢賢治に随分言及してるからだったんだけど、国柱会に共鳴しちゃう宮沢賢治のアブナサを看過すべきではない/けれど『宮沢賢治殺人事件』とかも違う、って目配りしてあなたはどこへ行くのか、希少生物とかいうラベリングして新しい神話を立ち上げてるだけじゃん、と思ったところで、ああこれは研究業界でも自己反省すべき点だよなあ、って思ったり…。
 ちなみにこの流れは主軸の憲法論にほぼまんまなので、まあそういう内容なわけですよ。実りはないですね。

2006年10月14日

高岡ミズミ『天使の啼く夜』

 顔はよいがハイパーダメなヒモ×謎のエグゼ。

 行くところがなくなっていたヒモが、謎のエグゼに拾われてピグマリオン(笑。エグゼはある目的のためにヒモを利用するつもりで云々。
 冒頭はヒモがダメすぎて面白かった。しかしその鬼畜ダメ男描写を、あとから反省したりする視点がハッキリとはでてこないので、ちょっとどうかなあ、とか思ってしまうのはなんか規範批評ぽくてよろしくないかもしれない(わたしが。

 謎のエグゼがなぜヒモに惹かれるようになったのかは、なんとなく判る気もするんだが、もうちょっとはっきり書いちゃってほしかった。

 しかしお話の展開的には、ダメヒモがエグゼに惚れて変化して成長して、という線が中心だし、そこはじっくりとっくり書かれてて面白かったし、ヒモはダメな時期から変化した後まできっちり魅力的なキャラだなあと思った。
 ヒモなので女性をたぶらかす部分もあって、それはニガテな人もいるだろうけど、展開に活きていたのでわたしは良いと思った。

 絵も好きです。特にカラーとかがBLっぽくない人だと思うけど、そこも好きだ。

2006年10月16日

響かつら『蜃気楼と灼熱の恋』

 砂漠化進行中。

 復讐のシーク×母は日本人な欧州小国の王子。
 王子の母のせいで自分の母が虐げられてたシークは王子に復讐。

 普通に面白かったです。
 王子は何度も生命の危機に瀕してたような(笑。
 王子の兄が王子大好きとか、もうちょっと活かしてほしかったというか、なんかもうちょっと兄×弟な雰囲気あってもよかったかもしれない。
 ラストがいまいちカタルシスが少ないような…王子はよく頑張った(笑。シークはもうちょっと努力が見られたらよかった(笑。

 砂漠化進行はまあいいとしても、アラビア半島の元首とかってこんなヤオイだらけにしちゃってどうなんだ。そのうち国際問題になるのではなかろうか。
 あと黒髪に青い目とか、浅黒い肌に金髪とか、遺伝的にどうなんだ。
 しかしそんなこと気にしてたら読めないので、フタをしておくことにする(魂源はサル@セックスピストルズ。

2006年10月18日

藤村裕香『エンジェルガーデンの花嫁』

 キモノ大好き英国貴族×陶器会社の長男兼社員。

 取引先の貴族との見合いを蹴ってカケオチした姉に、身代わりに振袖着せられたのを貴族に見られて、英国まで謝罪と商談に行ったら帰れなくなってしまった話。

 邸の見取り図とかあったから、妙に期待してしまったのだった。殺人事件とか幽霊事件とか。浅はかだった。BLなんだもんなあ…。
 貴族はちょっと変でガーデニング好きでいいやつなんだけど、微妙にこなれてないというか。文体のせいかな。
 どうも文体が平坦というか、人物の感情の動きがギクシャクしてる印象があって馴染めない。展開もいまいち見所がないので、全般的にあんまり面白かった印象がない。

 あんまり着物がミソな気もしないので、この表紙はどうだろう。
 あとタイトル、エンジェルガーデンって言葉本編に出てこなかったような…?
 というか、改めて見るとっていうか、オビがないと、表紙すごいな…どうなんだこれは。

 かんべさんの絵は表情に乏しい印象で、あまり好きではない気がしてきた。

2006年10月19日

秋山みち花『運命の砂丘』

 また砂漠化が…!

 砂漠の王女と恋に落ちた双子の弟の駆け落ちを手伝って身代わりをするため砂漠に来たら、王女の長兄に弟の罪をつぐなえ、とかゆわれて云々。
 作者が後書きに書いてるように、かなり王道設定展開小道具ではあるんですが…なんかイマイチ盛り上がれない。

 どうも、受けの軽率さで攻めに迷惑をかける、という展開がわたしはイヤなのです。あとどうも第三王子とかもアホで…。萎えるのです。
 しかし、大抵の攻めは強引さで受けに多大なる迷惑をかけたりしてるわけで。受け差別はよくないかも、とも思う(笑。

 シークものとかってとくに、受けがただのお姫さまだとダメみたいで、仕事を頑張ってたり才能があったりして、シークと結ばれた後もそれを活かして活躍できるようになる、って展開が多いね。これってやおいに特有の現象なのかなあ。受け攻めが対等であってほしいという欲望が介在してんのかね。それともハーレクインのシークものとかでも、女性はバリバリ仕事してんのかな。
 それはともかく、この作品では受けの特徴が幼少より言語習ってて多ヶ国語をあやつれる、って…なんかムリめだな…。そういうムリっぽさも萎えた原因かも。

 ただ、シークが長髪なのは良いです(笑。いや短髪も好きですが。たまには長髪もよいです。

2006年10月20日

ふさ十次『十文字蓮二の苦難』

 もしかしたら、アゥイエ!って、何だ?と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、AhYeah!のことです。…多分な!

 警視庁内、おじと甥。

 …と言っても、甥×おじだけどね!

 …少しエグかった。
 前から思っていたんだが、ふさ十次のおじさん絵ってちょっとキラキラしててキモい。社長受けのとかはそれでも面白かったけど、今回はちょっとなあ、という感じ。攻めがかわいいからかなあ。その甥を狙ってた先輩がなんか不幸で面白いキャラだった。その上司とかもね。

2006年10月21日

遠野春日『ブルームーンで眠らせて』

 「2」だと気づかずに買ってしまいました。

 バーのオーナー兼マスター×建設会社の若手エリート。

 とにかくマスターがキモい。なんか話し方とか服装とか好みとか総てにおいて80年台のかおりがして、しかもそれがカッコいいという設定らしいので、キモい。カコイイ攻めなのに細めの体型というのも、この性格とあいまってキモい。

 ええと、お気づきかもしれませんが、だがそれがいい!…のです、あるいは。

 展開とかは特に面白いこともなかったし、特に後編は豪華客船という舞台とかアテ馬キャラとかもイマイチなんだけど、とにかくこの攻めのキモさだけは捨てがたい。93ページとか、山ジュンを思い出したよ!キモくて笑えて、そこがイイのです。

 またいかんせん沖麻実也の絵がよくも悪くもピッタリですな。この受けの絵は男らしくていいですね。

2006年10月22日

高岡ミズミ『この男からは取り立て禁止!』

 高校時代のあだ名がプリンス、今は覗き部屋のバイト…は仮の姿!×高校時代はプリンスにあこがれてたサラ金会社社員。

 表面的には結構クールめに対応してるので、受けが攻めに憧れてて今でもドキドキ、というのがなんかうまくしっくりこない。
 攻めはなんか独特の話法とふんいきがあってよかった。
 攻めにホれてる攻めの同僚が、やはりそうくるか、って感じで面白かった(笑。
 覗き部屋の店長やバイトもいい味を出してて、ヤクザがらみのオチもおいおいって感じで面白かった。

 しかしあれです、桜城ややってあんまりうまいとは思わないし、好きな絵でもないし、なのになんか気になる…これはやはり好きだということなのだろうか…。攻めはタレ目でもツリ目でもニヤリってかんじでいつもいやらし系で(笑、大人受けはなさけな顔で子ども受けはわたしのニガテなやんちゃ系。デッサンもあぶなくて線が色っぽいわけでもない。カラーも特筆すべき点はなし。…好きになる要素が見付からないのだが、それでもなぜかこの絵を見ると気になってしまう…。

2006年10月23日

高遠琉加『この胸をどうしよう』

「ただの勘違い片思いに興味はありません。
 この中にガチのノンケ、恋人婚約者持ち、本命の身代わり、恋愛不感症のBLがあれば
 あたしのところに来なさい。以上!

 ハルヒ?は観ても読んでもいませんごめんなさい。
 しかし片思いものは良いです(これまたファンタジーとしてね。これって昨今また流行りの純愛、ともちょっと違う。むしろ落窪なんだとあたしは思ってる。なんというか「かわいそう」「せつない」がポイントのような気がするんですよ。だからもうこれは、少女漫画時代を経て王朝ブンガクまでさかのぼる日本人の好みなんではなかろうかとも思うんですが…流石にうがちすぎか(笑。
 ともあれ、片思いってよくないです?

 というわけで、高遠琉加は結構読みましたが、まだあんまり感想書いてないですね。

 幼馴染で昔からお日さまのような人気者だった若手俳優×コミュニケーション不全で攻めしか友達がいない大学生。
 上京して同居中、攻めは恋愛体質で次々に恋をして、フラれるたびに受けに泣きついて。でもいつか攻めが本命と結ばれたら、友達のいない受けはそのあとずっとひとりきりになってしまうんじゃないだろうか?

 すごく面白かったですよ。
 受けの孤独さとか、ある意味での身勝手さとか、受け視点でとつとつとした文体で語られていくのでよくわかる。ひとりは怖い、ってのは大概の人が理解できる感情だし、その意味でもかなり同調して読ませる感じだと思う。だからその受けが変化していくのも、攻めやその他の人々をちゃんとまなざせるようになるのも、自然に読めるしほっとする。
 攻めはあんまり語られてない。でも、ダメな部分もちゃんとかかれてるのにキレイすぎる、というのが面白い。この物語の終りの時点でもまだ受けの自我があんまり育ってないから、受け視点で見た攻めはきれいなまんまなのだろう。もうちょっとしたら、この二人はケンカしたりもするようになって、それでも仲良く付き合っていくんだろうな、とか思ってしまえる、そんな余韻が残った。偉いなあ…この文体が(笑。
 脇キャラもよかった。放送作家は言うに及ばず、プロデューサー?とかもやや大味だったけどよかった。

 あ、しかしこれは片思いかどーかっていうと微妙というか、誰の片思いなのよ、って感じも…ま、いいか(笑。

2006年10月25日

『アフタヌーン』十二月号

 今号はバイトの曜日と日程がうまく合ったので、神保町で早売り買えて昨日読みました。
 (勿論ついでにBLを数冊、もっと買いたかったけどこれでもガマンして数冊買って、おもたい本の山をかかえて嵐の中帰宅するのはタイヘンでした。しかし書泉の四階はやはりスゴイ。今までBLノベルは読んでなかったから、初めてあの辺りの棚チェックしてあまりの量に気が遠くなった…)

 しかし絵が荒れてるな~…。作者はこれから新婚旅行に行くそうで、一月にはやっとコミクスも出るみたいだけど、来月も連載休まないのか。大丈夫かなあ。

 冒頭、天然かわいこコンビ再び(笑、がちょっと拝めましてわはは。
 三橋「花井君は何か 言いかけてなかったか?」ちょっと成長したな(笑。
 今回は打者が三橋からというのも楽しみにしてました。しかし「阿部くん この投手は オレを よけてる」いや心のなかでまで阿部に話しかけなくても(笑、いくら直前に怒鳴られたからって。でも、うまくヒット!よかった!
 敬遠されちゃう泉はマジカコイイ。惚れそう。

 花井はようやくですな!
 で、打者が三橋からなので、もしかしたらあるかなーと思ってた、花井が打って&三橋がホームイン!が見られた!上に!打つ前にサードランナーでアイコンタクト!わー!!!
 もしかして、新ジャンル・ミハナ

 嘘です。本当に嘘です。
 それはともかく、めっさ見返してきた三橋はよかった。自分が投げるだけではなく、勝つために、みんなが自分のためにコールド勝ちしようとしてくれるんなら絶対勝ちたいし点にからみたい、という意識で三橋が頑張ってて、そしてそんな時にはオドオド癖を忘れたかのようにぐっと花井に目線を送る、三橋。いいねえ。
 しかし花井、スクリューが打てたのはいっちゃんがスクリュー連投でヒジいためてたからかもしれない…ってことには気づかないでいてね(笑。

 田島の花井へのカラミは正直いまいちな幕切れだった。身長のこととかちょっとわかりやすすぎで拍子抜け。田島の言葉自体がわかりづらいのもいまひとつ。わかりづらくても、つきぬけた視点があればいいんだけどなあ。
 まあしかし、彼が四番にこだわるのは、あたりまえだけど、単に自分が自分が、ってことでなくって、がんばって競って四番でいたい、ってことなのね。三橋も「ヒイキ ないんだ」ってこだわってたものね。

 ラスト、ロカさん…そうか、どこを狙うって、西浦というチームの、という意味だったのね。阿部に目をつけるとはさすが…なのかな(笑。正直すげー怖いんですが、でも楽しみでもある。
 西浦がビジョウに勝てるとすれば、あるいは勝てないまでも破滅的な負け方をしない限りは、きっと崩されかけた阿部をみんなが支える展開になるだろうから。それはみんなの、そしてきっと阿部の成長にもつながると思うし、面白いだろう。願わくは、ビジョウ戦では三橋が阿部の支えになったりしたら、さらに面白いと思うけどね。
 西浦、ビジョウにはぜひ勝って欲しい。

2006年10月26日

乃木坂太郎『医龍』1~3

 ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッドが出ました。一章が終わったとこですが…ちょ、難しいというか…冗長すぎ…。とほほ。もうちょっと進んでからレビューします。


 ということで、医龍を遂に読み始めてしまいました。
 いややっぱ面白いわあ。なんだこれ。続きが気になって仕方ない。

 どのキャラもドラマとかなり違うので、でもみんなどっちも魅力あるキャラになってるし、一粒で二度おいしいというか。
 鬼頭せんせいとかカッコよすぎ。
 伊集院はどうも、伊集院といわれると、あの顔も身長も動作も声も言葉も全部、やることなすこと立ち居振る舞いのすべてがかわゆいアレ、を思い浮かべてしまうので(笑、どうもこの陰険っぷりに違和感が(笑。でもそれも面白い。しかしつくづくコレにアレを配役した人間は天才なんではなかろうか。誰だか知らないが一度じっくり話し合ってみたい。

2006年10月27日

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』2

 若干インパクトが薄まったような気もしなくもない。
 というか、一巻が神すぎた。

 映画とか東京タワーの話はいまいち。レコーディングとかは面白かったけど。
 あと、○玉ガールズがこんなに活躍するとは思わなかった…(笑。相川さんは鈍すぎるというかどんどん頭が弱くなってないか。木林くんはもうちょっと活かせないだろうか。信者その1が妙に憎めないキャラになってきたように思う。

2006年10月28日

乃木坂太郎『医龍』4、5

 今日は勤務先の文化祭にいちきました。おんなのこがいっぱいいた。スカート男子もいっぱいいた?

 それにつけても、つくづくわたしは熱しやすく冷めやすい人間です。
 DVD出ましたね。買っちゃおうかしら。

 この辺はドラマとほぼおんなし展開か。

 それにつけても伊集院なんである。朝田もいいけど、加藤もいいけど、伊集院である。
 彼の鬱屈したみにくい顔と、きらきらした顔の落差がとってもよい。
 しかしおんなじ手法で、野口やらの魑魅魍魎を描いてて、もはや人間というか藤田和日郎の描く妖絵みたくなってきてるので、よくもわるくも一目で悪い奴らは悪い奴らとわかってしまう。
 デフォルメきつくするのは、漫画表現の強みを最大限に活かす武器にもなるけど、わかりやすすぎるという面もあって、一長一短である。
 伊集院にかんしてはかなり面白い表現になっていると思うのだ…が、あのなにをしてもかあいい役者のことを抜きにしても、わたしは伊集院にかなり肩入れして読んでしまっている自覚があるので、客観的な視点なんて持っていないさ!わかってるさ!

 この作家はこの作品しか知らないんだけど、特に最初の方は絵が昔の小畑健にちょっぴり似てる気がした。しかしだんだん荻野真ぽくなってきた気がする。

2006年10月29日

『BE×BOY GOLD』12月号

 なんか風邪っぽい。

 最近マヨイガのBL濃度が下がっているので、ほこらしいきもちでした。
 (ちっとも誇れることではない上に、BL読みを卑下する必要もべつにないはずなんですけどね。
 でも今日はまたBLです。そして明日は青猫が出るお。

 表紙、このアオリはどうかと…アフィ、下のほうに張ろうっと。
 表紙が桜城やや。やはり桜城ややはなぜかわたしの心を惹きつけるなあ、不本意にも。不本意なんだよなあ。な、何よ桜城ややなんて…デッサンおかしいじゃない!べ、べつに表紙が桜城ややだからゴールドを買ったわけじゃないんだから!ま、毎号買ってるんだからね(それもどうかと。…ふ、ふん!結構萌えるじゃない!
 …と言いたいところだけど、しかし本編あんまり面白くなかった。まあ連載ものの最終回をいきなり読まされているらしい(ビブロス倒産のあおり?)ので仕方ない。

 などとツンデレてる場合ではない。

 今回は何よりも犬!犬スタイル!ミキティ!!逃げる小犬!
 そして落ち込んでもまたテルを追いかけるミキティの意外なガッツにやられましたわ。追いかけるっていうか「我慢できたのは一週間だけでした」なのかー。離れてたのはテルのためかー。
 しかし今後どういった展開になるのか。犬はびみょうに落窪なので(かわいそうなテル、かわいそうなミキティ)柏兄弟とそのカノジョをまた活かして欲しいなあ。
 なんかミキティのテル萌えって急激な変化だったような気もしたんだけど、でもよく考えたら最初から視点人物はミキティだし、コミクスでまとめてよむともっとニュアンスの流れが把握できて面白いだろうな。コミクス二巻が出るそうなので楽しみ。

 ネイキッドトゥルース。まじ期待通りの展開(笑…ながらも、やっぱ二人とも(たぶん)本命(?)は麻見かよ…とガックリもきたり。いや、当たり前ですよね、本命麻見なのは…(笑
 まあ最終的には秋仁は麻見にとられる(というか返却する)としてもだ、フェイロンと秋仁の交流はもうちょっと掘り下げてくれるといいなあ。
 あのロシア人にひっかきまわされて秋仁が危ない目にあって、秋仁のためにフェイと麻見が一致団結、とかはベタすぎるがありえそうだし見てみたい気もする。

 みなみ遥は受けの頭がわるい上にテキトーすぎる…こんな社会人いやだ。まっとうな社会人、ではないキャラを描いて欲しいなあ。
 大人の大和名瀬はなんだか昼ドラになってきてしまった。
 ホームラン拳は短すぎてどうもこうも。
 しおべりはやはりスイーツが活きてないような。
 千歳はやはり絵がどうもダメだ。話も常に趣味に合わないし。
 円陣さんは面白い展開。原作が面白いのか。
 にったゆうかはなんかこういう回読むとこの作家が売れるのも判るようなきがしてきた。
 四谷シモーヌは決して似顔絵がヘタではないのにやおいとなるとゼンゼン似てないのがどうも…って、この永田町漫画は連載だったのか。あとわたしは民主小沢は801的にはちょっと…


2006年10月30日

本仁戻『探偵青猫』5

 うぐいす。早乙女鶯もいいね!ちょっと脇道に逸れすぎなきらいもあるが。この人らはもともと誰とでもからむって設定だけど、それは果たしてうまく消化できてる設定なのか、設定しておくのはいいけど本編に出張る必要はあるのか…なんて言いつつ、あたしは鶯大虎が見たい。大虎鶯でもいい…!虎!虎をもっと!(笑

 早乙女…なんか本誌で読んだ時とは印象が違った。
 猫パパ男爵はちょっとまだよくわからない人だ。また描かれることはあるのかなあ。早乙女はよく考えたらこの漫画では珍しくダントツ一番の恋人を持っている人なのですな。故人だけれど(だからこそ誰とでもからむことが出来るのだろうか、悪い意味ではなく。
 ところでテクストの推敲というのはそれ自体ひどくエロティックな行為だ。もっとも気持ちの良い言葉を捜して、可能な限りテクストの快楽のK点を上げていくという…それってマスターベーションな気もするけど(笑
 うん、猫パパを失った早乙女には、必要な行為なのだろう。

 水蓮鏡。久々に青猫は探偵ものなんだってことを思い出させてくれましたね。「神々しいほどキュート」って、なんかアンビバレントで笑える。そして「燃え尽きるほどヒート」に似ている。
 蜂王子くんの早乙女萌えは面白いんだけど、途中から猫さんが妬かなくなってしまうのがもったいない(笑。早乙女と蜂のカラミは是非また見たいなあ。あとオチがよくわからないというか、ポイズンチェリーみたいなノリだ…青猫でやっちゃっていいのか?(笑

2006年10月31日

一之瀬綾子『姫式家族計画』

 基本的には義理の兄弟もの。
 この作者は人数の多い話が多いような気がするんだが、書き分けが全くといっていいほど出来てないのでいたいがい厳しい。ただ今回は、メガネとかヒゲのおっさんもいるので、見分けられる確率が上がっている(笑。弟と成が見分けづらいくらい。成が髪が長いとかって言ったって、時々弟とおんなじくらいじゃないか…。
 話の内容はまあ特に思うことはなし。

 しかし「追憶」の前後編は珍しく(失礼)面白かった。少し背の低い、美少年系の梁が攻めだとゆうのもよかった。生まれつきの銀髪のせいで周囲から距離置かれているくらちの梁を受け入れていくありようも面白かったし、梁のせいで泣いたり梁にお礼言ったりという後編のあれこれがすごく印象的でよかった。梁の絵ヅラもこの作家にはめずらしいふんいきでよかった…のに、惜しむらくはその梁の絵が気を抜くと(たぶん)すぐにありふれた顔になってしまうこと。やっぱり、書き分けにもう少しくらい神経つかってほしいです。

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