高岡ミズミ『我儘なリアリスト』
ひとつ仮説というか予測がありまして、あたりはずれの激しいBL作家って、編集のよしあしにかなり作品の出来が左右されてるんではなかろうかと推測。なので、レーベルである程度期待値も見えるかも、と思うのですよ。
というわけで、高岡ミズミはルチル文庫が面白かったからルチルの別作品を読んでみた。ルチルならどれでもいーやと適当に買うたら、シリーズものの三作めでしたよ(笑、なのでちょっと入り込めないところもあった。攻め三兄弟のおうちの事情とか、なんとなくわかったものの感情移入はできない…あ、これは勿論前作を読んでないあたしが悪いんですが、でも作品事自体のはいりこめなさもあったかな。
写真家になりたい高校生×専門学校講師兼無名写真家。
受けの教えている専門学校に入りたいんです、とか言ってしばしば遊びに来る高校生、ってのはちょっとウザくないかそれは…と、少し引き気味に読み始め、人当たりのよい大人なせんせいが突如、高校生に襲い受け(笑、ろくでなしダメ人間に豹変しちゃった辺りであまりの変化についていけないよ…!とあわをくって、しかし結局とんだツンデレでしたね、というあたりで落ち着いた。
一方攻めの頑張りは賞賛にあたいするのだが、ほとんどストーカーまがいのような頑張りように、これまたちょっと引くし、読んでて少しつらい。でもそれくらいしないとお話進まないもんなあとか妙に諦めてしまったりした。
まあ最後のあたりでは受けの振幅もしっくりくるし、攻めの努力もきちんと報われるので、振り返れば結構面白かったように思えた。とりあえず、ルチルの高岡ミズミは信頼してみようかな、と思える程度には楽しめた。
ていうか、つまりダメ人間がすきなんですよねあたしは。受けがあまりにダメなので、面白く読めたというか。
しかし最近広い意味で性格の悪いダメ人間キャラが好きなんですが、攻めはともかく、受けの場合性格の悪いキャラというのは最終的には結局ツンデレになってしまうのか、とかも思った。
蓮川愛のこの絵はなんだか百合的だね。この攻めは普段蓮川愛が受けとして書いてるキャラに近い気がする。たぶん三男を攻め攻めしい長男次男よりもかわいくしたら、こう(受け的な外見の攻めに)なったのだろうなあとか思う。それはそれでよし。
あ、タイトルのリアリスト、はちょっと不似合いな気も。
---
そういえば。
その高岡ミズミの面白かった『天使の啼く夜』のオビを見て、ルチル隔月刊化記念小冊子に申し込もうと思い、ルチルをはじめて買ってみた。ら、どうやら小冊子に入るのは『天使の…』関連話ではないらしい…なんだよそれ、と思いつつ折角本誌買ったわけだし、小冊子は申し込むけど…。
しかし、ルチル本体が…むちゃくちゃつまんなかった…読むとこないじゃないか。