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[ 音楽/その他 ]

100s『希望』

 #1「希望」初聴きではエェ~………、とへこんだけれど、繰り返し聞いているとそう悪くもない気がしてきた。『OZ』の「いきるもの」に少し似ている。「いきるもの」は『OZ』の中で数少ない好き曲なのだ。
 #2「シンガロング」はいまいち。しかもライブバージョン…100sのライブバージョンって、あんまりうれしくない気がする…あたり、やっぱりあたしはバンド形式にこだわる中村一義についていけてないんだろうなって思う。

 いずれにしてもだ。あたしはいいかげんそろそろ、この〈初恋〉を過去のものにしなければならないんだろうなあ。
 中村一義に関する一番有名な評言はやはり、渋谷陽一の「日本のロック史において10年に一人といったクラスの才能の持ち主である」という『犬と猫』のブックレットに掲載されてる文章だと思う。けれどその文章のなかで一番印象に残っているのは、個人的には「若い世代の表現者をやたら褒めたり、やたらけなしたりするようになったら、それは批評家としての老化の危険信号、そう思ってきた。しかし、中村一義、21才の才能を前にすると、こいつと心中して音楽評論家としてのキャリアに汚点を残しても、それはそれでいいじゃないか、という気がしてくる」という冒頭の部分なのだ。
 この部分が渋谷陽一と環境も過程もまったく共有できてないあたしにもこんなに響くのは、これが最早恋愛のディスクールだからだと思う。『犬と猫』を前に全面的に投降して、誰に笑われても間違いだと言われてもいい、だってどうしても自分はコレが大好きだって、そんな気持ちになれた時間が確かにあったのだ。
 その時間は永久に続かなくても仕方がない。少なくとも今の中村一義は、これ=100sがやりたいんだ。そしてあたしは100sであっても、〈中村一義〉を聴くのをやめられないのだ。

 こんなことなんだか今更な気もするんだけれど、久々に『犬と猫』を取り出して見たりして、感慨にふけってみたのでした。

 しかし、100sもエイベックスに移籍したのね…(笑。今後あたしの買う音楽CDはエイベックスばっかりになりそう…。

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