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2007年04月01日

六本木曜『スーツの玩具』

 大企業の社長×タネ違いの弟。
 自分を捨てていった母への恨みから弟につらくあたる兄=攻め、に抱かれたり身体をつかった接待に行かされたりで辛くなった受けは、亡き社長の愛人だった青年と出会う。その青年と取り引きをして、彼を愛人にするのですが云々。

 まあ本筋はありがちな兄弟和解もの、ですが、最後のあたりの兄のとまどいっぷりがよかった。弟にどう接したらよいのかわからなくなってぐるぐるして、入院のお見舞いに画集大量に差し入れして、こんな重いものばっかり気の毒ですよ、とか人に言われて気付くとか、かわいらしい(笑。
 しかし何より、愛人がかわいそうで…(涙。いいやつじゃん。最後にはあまりにあからさまなアテウマ的な使われ方をして退場させられてしまうし。あったかくっていい雰囲気だったのになあ。
 兄との物語も愛人との物語もそれぞれ別個によかったので、別個の物語として読んでみたかった。二つの物語はあんまりうまくかみあってないし、合わせたことでどっちも中途半端になってしまった感じでもったいない印象。

 どうでもいいけど、空色…?のスーツ、とか、私服が柿色…???のスラックス?とか…え?あれ?大丈夫かな?この言葉のまんま想像しちゃっていいのかな?とか…。

 …ん?桜桃書房?(新刊購入なのですが。あれ?別にいいのか。

大和名瀬『デキる男の育て方』2

 …あんまり面白くなかった…。
 ショックだ。しかもなぜ面白くなかったのか、よくわからない。丁寧に描かれてるし普通に良質なBL作品として成立し得ている気がするのに。なのにつまらない…なんでだろう…。
 山咲中心だったからかなあ…(山咲は好きなんだけど…)そしてそのせいで、和葉や本郷が後景っぽくなって、キャラとしても脇っぽくなっちゃったのかなあ。わかんないけど。

2007年04月02日

角田緑『Open air』

 デイトレーダーが大学時代に憧れていた先輩経営の牧場に遊びに来たら、先輩の過労とか奥さんの出産とか大変な状況で手伝い始めたら居ついてしまいました。高校出たてくらいの先輩の甥っ子=養子がひどいツンデレです。

 ちょっと薄いけど普通にまとまったBLという感じで、普通に楽しめた。
 牧場とか農場のお話は結構ある気がしますがジャンルと呼ぶには希少かも。
 攻め=デイトレーダーは結構ふつーのゲイのお兄さんなんですが、先輩の息子が幼い頃の事故のせいで接触嫌悪症(あっ)でツンツンしてて、地主に狙われてたりするのですがだんだん攻めになついていくのがかわいい。

ハナミハ。

 なんだかよくわからないことを一生懸命話しかけようとする三橋と、煩がらずにそれを聞こうとするもやっぱり伝わらずにトンチキな返事をしてしまう花井、というのがいいと思います。
 最近メガネの花井って描いてないな、と思って。

2007年04月03日

麻々原絵里依『ダブルキャスト』

 俳優×俳優、ある舞台でダブルキャストのふたり。ベテランだけど実力派とはとうてい言えない見た目派手男と、若手だけれど基礎からきちんと勉強して仕舞いなんかも修行してる実力派。前者はセフレ的関係のPが若手に興味を持ったことに焦って自分が先にコナかけてみたり、結局そのせいで足元見られたり、しかし結局Pの企画ドラマで共演することになったりなんだり。

 原作つきでも麻々原絵里依は麻々原絵里依なのだ。
 つまらなくはないけれど…地味だ。麻々原絵里依はこんな花のある絵柄なのに、何を描いても地味にならないか?『マカロニ』もド派手な絵ヅラにとうてい及ばない地味な物語だったし…、『Darling I Love You』は流石に多少は華やかだったけれど(だから話が結構トンデモだけれどわりかし好きなんですが)…。うーん。

 わたしはすごくいろんなタイプの絵にほれ込んでいるので、絵に関してはかなりストライクゾーンが広い方だと思うのですが、キレイなだけの絵、ってあんまり好きではないのです。でも麻々原絵里依はわりとキレイなだけの絵、という気がするけれど、にもかかわらず好きです(笑

 若手が攻めなのはよかった。ベテランに嫉妬したり露悪的なこと言ったりするのもカワイイ。でも紙幅の都合上か、あんまりそのカワイイ部分がかかれてないので、後日談とか続編みたいのもっと読みたかった…。

英田サキ『バカな犬ほど可愛くて』

 高校時代の後輩×先輩、大学もいっしょでもう十年来のともだち付き合い、つくろわない外見・料理はできないなどなど、いろんな面でダメ犬な後輩の面倒を見てやってきた受け。受けはゲイなのだが、後輩のことはそういう対象としてみてなかった。しかし手痛い失恋をした折に、わんこ後輩の世話をやくことでキズをいやされていった辺りから後輩を意識するようになる。だが後輩は、つれていったゲイバーで出会ったかわいこちゃんをすきになってしまいました、とか言い出してすったもんだ。

 まあ展開もオチも定型であんまり面白くなかった。せめてあれが本当だったらなあ…。ノンケだから諦めようと思っていたのに…とか、不条理な現実をさめざめと嘆くせつない片思い描写はまあある程度面白いと思うけれど、BL物語のアベレージを超えてはいないし特記すべきことはないかな、という印象。

 しかしなにしろ文体が…わたしとはものすごく相性が悪い気がする。辛かった。なんだろう、テンポとかタイミングとかがすごく合わなくて、そのせいで余白を全く読めないというか、想像の余地が全くない。作者がヘタというよりはわたしと合わないんじゃないか、という印象…たぶん…。

2007年04月04日

『スケアクロウ』

 #1「スケアクロウ」もうすっかり耳に馴染んでしまった(笑。しかしやっぱりあんまり好きではないかなあ。
 #2「BOYS BE ROCKSMITH」うーん…イントロとかAメロとかはすごく好きなんだけど、サビがいまいち好きになれない。
 #3「つよがり」桜井和寿となんとなく比較してしまうのは仕方がないと思うけれど…さわおの声は時々えろい。

 それはさておき、「つよがり」を聴いていて、さわおの声はわたしにとってやはりイコールピロウズなのだ、とも思った。だから「スケアクロウ」もあまり好きではないけれど、やっぱりさわおの声で歌っているのでピロウズの曲なんだよね、という気になる。そして同時に、好きではない曲があっても別にいいんだ、ってことをちゃんと思い出す。無理に「スケアクロウ」を好きになろうとするようなことは出来ればしたくない。ニガテな曲もあって、それでもピロウズが大好き、という状態で居たい気がするので。

 しかしほんと、ピロウズというかさわおは、わたしの中二病をひどくするなあ…(笑。今更なんだけどさ。

 DVD!キャンユーフィーーーーーール?キャンユフィールザットハイブリッドレインボウ?

2007年04月05日

「君が心を閉ざしたのはどこの誰のせい」

 なんだかんだ言いつつ聴いてますが、三回も続けて聴くと飽きてしまう…『スケアクロウ』…。

 「ボーイズビーロックスミス」というタイトルはもうその語呂を聞いただけで超アゥイエなタイトルでイカス、と思っていたんだけれど、実際聴いてみると昨日書いたようにやっぱりサビがいまいち。っていうか、サビっていうか、むしろ歌詞が全体的にいまいち好きになれないんだよなあ、と思った。まあ、特にサビの歌詞なんだけれど。

 だって、「僕はキミに恋してるのさ」とかさあ。あんまりだよ。あんまりだろう?(どこのサリーマイラブだ?

 まあでもその後すぐ「気付いてくれ」とかついてくるあたりはピロウズなのかな、という気もする。

 しかし歌詞だけではなく、音もなあ。気付いたんだけれど、「ロックスミス」のサビと「スケアクロウ」のサビは、最初の辺りがちょっと似ているのではなかろうか。

 「赤い月に見下ろされて今日も不機嫌かい」という終わり方はいい。そして三分一秒という長さも愛らしい(笑、わたしは短い曲が好きなのです。

 でもこうしてグダグダ言ってても、一月も待たずに『Wake up!Wake up!Wake up!』が出るんだ!なんてアゥイエーなんだ!

2007年04月06日

愁堂れな『身代わりの愛のとりこ』

 こ、これは遺憾…。

 アメリカの超でかい投資会社CEO×平凡な大学生。
 受けは大学の友人である某旧財閥系グループの御曹司のかわりに、グループ主催のクラシックコンサートに出かけた際、隣りに座った攻めに友人の御曹司とかんちがいされてしまう。攻めに妙に気に入られ、いっしょに京都へ観光に行こうと誘われ困ってしまうものの、グループとの商談のためにと友人・友人の父=社長に頼まれて、流されるままに攻めと行動をともにすることに。

 受けが終始周囲に流されどおしで発話も少なく、もうちょっと主体性持とうよ!とイライラするし、舞妓の衣装着せられるとかの小道具が萎え系だし、攻めは受けのことを友人の名で呼び続けるし(実はわたしの中ではこれは結構地雷なのです…)、展開もつまんないし、もう果てしなくダメダメ。

 なんだがしかし、一番萎えるのは攻めの職業ですよ。
 受け友人パパ所有の会社が危険な経営状況になっているため、攻めの会社に融資してもらいたくって色々接待してるのだけれど、友人パパはなんとか今の体制を維持したまま融資を…とか甘いこと考えて、息子の友人である受けを攻めに差し出す(笑)し、考えが甘すぎるってかそれはどうでもいいけれど、つまり攻めはたんなるハゲタカファンドなんじゃないか…BLでこの職業の王子様は、マフィア以下、ヤクザ以下、フリータ以下、っていうかもうヒモ以下だと思うぞ…(すいません、職業差別のつもりはないんですが、攻め差別ではありますね…。

2007年04月07日

アニメCM。

 おお振りのCMが来たよ。

 …ちょ、その阿部はないわ。

 …ええ?(何度見てもくりかえす。

 三橋はうまいというか、うまいかどうかはまだわからないけれど、もうこれくらいのクオリティなら御の字というか。
 田島があんまりはじけてない気がするけど、最初はこんなもんだったかも。
 メガネ花井はどうかなあ?
 千代ちゃんとモモカンは別に問題はないかと。

崎谷はるひ『ANSWER』

 もう崎谷はるひの新刊は買わない、とか思っていたけれど、復刻そのままらしいので読んでみた。
 あらすじ読んで、設定とか展開とかむちゃくちゃっぽいなあ…と思っていたのだけれど、面白かった。

 イケメンゲイの営業マン×ノンケ保父さん。
(保父さんという言葉があったころのお話だそうだ。

 攻めは元カレが結婚してヤケ酒後、受けと街中でぶつかって面倒見のよい受けにお持ち帰りされてタンホイザー(わたしそろそろワグナーのことちゃかさないほうがいい気がするんだが…いや勿論別にワグナーをちゃかしてるつもりはないのだけれど)、その後週3くらいで受け宅を訪れてはタンホイザーな関係に。

 身体から、というかタンホイザーからはじまってしまうのに情がわくのはストックホルム症候群なのか、受けが面倒見がよいからなのか、それとも攻めがイケメンだからなのか。全部か。
 というわけでもう出会いからして偶然だし展開は強引だし視点の移動はむちゃくちゃだしで、でも面白かった。この作品にかぎらず、視点の切り替えとかグチャグチャなのに、それでも面白い作品ってのはあるものなのだ。

 過去をふくめて受けのひととなりや攻めの受け入れ方は普通に面白かったし、何より地下鉄での攻めの告白シーンが大変愛らしくて…!かなりよいです。

 元のレーベルのせいか、エッチが大量で、大量な上にあまりキャラに合ってる感じでもないというか、物語としっかりかみ合わせるよりもとりあえずエロ入れとけ、って感じなのでちょっとそれはしんどいというか、もっと日常ぽい話を読みたかった。でも続編があるんだっけ?

 しかし、攻めが自分の過去を語って受けがそれはひどいねえ、とかゆってる場面とか、すごい崎谷はるひっぽいなあと思った。絶対的に悪い人間を配置して、そこにいろんな汚濁を集約させようとするような、そんな印象で、こういうとこはあんまり好きではないかもだ。

 なんか悪口ばかりかいてしまった気がしますが…それでも地下鉄の場面だけで、すべて帳消し、なくらいには攻めがかわいかったと思う。元々はそんな人間ではない攻めが無理して悪ぶってんのもかわいいし。

2007年04月10日

忙中閑…なし?アレ?

 元気です。疲れてるだけで。倒れてないだけだって、前に進んでるんならいいじゃあないか!
 いや、ほんとに。落ち着いたらいろいろ再開します。
 不義理にもご連絡をできていない方々、すみません…ってここで言っても仕方ないのだが…

2007年04月13日

アニメ第一話。

 風邪をひいてしまいました。それはさておき。

 …わ。
 わわわ。

 うごいてるー!

 冒頭の三星の三橋が、OPに入ってあべくんに(物語上ではなく画の上で)出あった途端、キラッキラになるのがいい。
 いや別にやおいの話ではなくて!にしうらーぜ(になった三橋も、ほかのみんなも)が、キラッキラしていなくては、おお振りではなくなってしまうもの。

 ていうか、もう何しろ三橋がかわゆい。かわゆいよ!

 阿部はやっぱ大人すぎ!でもカンジワルイのがいい感じ!
 花井はもっと表面的にカンジワルイ!だが、それがよい!斜に構えつつ、しかし既に三橋の肩揺さぶって怒ってあげてたとことか、第一話も今見るとのちのちの関係の片鱗がうかがえるね!花井は三橋の面倒みたいんだよね!(ほんとか?
 田島…田島の声が三橋より高めというのは、ちょっと違和感が…なんというかこう、田島と三橋は、もっとこう、ゼンゼン似てないくせして魂の双子、のようであってほしい…でもまだこれからだよね。
 泉は髪がみじかくてアレ?と思ったけれど、そういえば、中学卒業のころにはボーズだったんだよね。
 水谷がたったこれだけの出番ですでにダメな子っぽくてよい。あたまが茶色くて目立ち、みんなが集まってるときに一人で犬をさわってるのもひじょうに水谷。
 モモカンもよい!

 第一話は漫画の第一話を途中で切らないでほしいなあ、と思っていたんだけれど、切らなかったね。そのせいでいくつかエピソードが抜けていたけれど、でも一気にここまできちゃってよかったと思う。
 あーしかし、展開速いよなあ。一クールで終わる予定なのか。

 これで風邪がなおりそうな気がしてきた!

2007年04月14日

橘かおる『紳士で野獣』

 特殊捜査機関×入国審査官。

 冒頭あたりの、攻めが突然受けを食事に誘ったあたりからなんだか機微がブッっとんでる印象で、のめりこめなかった。絵が桜井しゅしゅしゅだし、あらすじが微妙だったのだから、やっぱりやめておけばよかったかなあとかなり早い段階で後悔してしまった。
 なので(?)エッチはとばして読んだ(最近思うんだが、あれ、は筋が面白い・感情移入の可能な物語、の挿話・展開の一部、として読むのでなければ、読んでいて苦痛なだけなのではなかろうか。

 常に両手に手袋、冷たく人を寄せ付けない、自分の感情にすら疎いという攻めはいいのだけれど、受け方面がどうにもこうにも。キャラ的にもあんまり魅力がないし、受けの妹を助けてくれたヤクザとの一連のながれが、そりゃないよって感じ。優しいヤクザに兄妹でなついてるのもおいおいだし、自分の超能力を過信したがゆえに騙されていた(のかも?)とはいえ、密入国に手を貸す受けもおかしいし、その後ヤクザが豹変するというつまんない展開、それでもいい人だったかも、というおとしどころ、なんというか総合的にグダグダ。

 BLとしては、攻めの性格のせいと、続編がもともと予定されていたせいだろうか、あんまり精神面がかかれてないし、特に見所はない。
 であるがゆえに、BL以外の物語=ヤクザとか入国管理とか秘密捜査とか、がいまいちへたれなので、全体的にいまいちな印象。

 というか、まあ、BL以外の部分って、本作では入国管理云々の部分なんだけれど、根幹はX-MENなんですよ。攻めは手から電流を流せて、その電流でスーパーハカー並にPCを手なずけるという厨設定、もといワロス設定、もといヘタレX-MEN設定。一方の受けは人の悪意がなんとなくわかるという。攻め相棒もサイコメトラー。
 続編が予定されているそうなので、もっとX-MENになっていくのかな。それは試みとしては面白そうだけれど、この作家がどう書いてくれるものかにはあんまり期待できない気もする。

遠野春日『焦がれる熱情を貴方に』

 欧州某国皇太子×メガネ通訳な外務省職員。来日の際に知り合った受け(その他二名)を自国でのナンダカの式典に招き、気を配って&口説いてくる攻め、なんだけれど。

 『秘めた恋情を貴方に』の続編なのだが、前作では能面のようだったメガネ通訳の一人称で、いきなりこんなに饒舌に内面を語られてしまうと、すっごい違和感があってどうにも感情移入できないし、ほんとに同一人物?という感じ。皇太子は皇太子で、来日中はあんなにはっきりくっきり情熱的に他の男をくどいていたのに、受けへの(言葉はわるいが)鞍替えが唐突すぎて、これまたついていけない。まあなぜ受けに興味をもったのかという理由とか、以前の行動は軽率だったという反省とかもかかれてるんだけれど、それでもやっぱり違和感バリバリ。

 そんな感じで、この二人が思いを確認しあってくれても、なんだかとってつけたようでなあ、という感じ。
 むしろ、前作を読まずにこっちだけ読んだら結構面白く読めたかも、という気がする。前作どうせつまんなかったしなあ…。

2007年04月15日

小笠原宇紀『BLACK SUN奴隷王』

 これは少し前に読んだのだが、とっても面白かった。
 でもオススメはしない。
 小笠原宇紀は結局トンデモ作家なのだ。そしてわたしはそんな小笠原宇紀が好きみたいだ。

 ああ、いやしかし、『Nightmare Fortress』とか『熱情のヴィルトゥオーソ』とかよりは、普通寄りの話だった気もする。

 サラディン風のマムルーク将軍×テンプル騎士団風の臨時司令官。

 ――ここはとある要塞。レオナールは留守中の正司令官にかわって修道士騎士団の指揮をとっていた。そこに攻め込んだ「髭なしジェマル」ことジェマル将軍、既に要塞陥落まであと一歩、というところまで攻め込んでいる。レオナールは自分の身と引き換えに、生き残りを見逃すことを要求。ここまでは至って普通の光景なのだが…
 なんとこの将軍、突然レオナールの下半身をハダカにさせ、媚薬を塗りこんでいるではないか!これは流石のイスラーム軍も予想外、慌てて要塞への攻撃を止めに走る部下のイザーク。衆人環視の中、レオナールを犯す将軍。それにしてもこの攻め、ノリノリである。
 レオナール「あの時はとにかく、生き残りの仲間を撤退させることが最優先だと思いました」
 数日後…首都の将軍宅には、元気に二階から飛び降りるレオナールの姿が!

 そんなこんなで、強引でありつつしかし兵が死ぬことを厭っている攻めも、信仰心とか逡巡とかを胸にひとり敵地で頑張る受けも、面白くて魅力的。イスラームに与した(おそらく)西洋人のニコライデスがとてもアホで、作者の愛を一身に受けている気がして仕方がない。受けの上官とかもどう動くのかすごく楽しみ。

 それにもしかして、小笠原宇紀ってかなり絵がうまいんじゃなかろうか、と思った。今まで突飛な設定とか奇矯な展開とか大量のトーンとかに目をうばわれて、気付かなかった。かなりいろんな構図を描いてて、基礎的な力「も」あるのかな、と思ったのだ(漫画絵としては、好き嫌いはわかれるだろうけれど巧い絵だと、以前から思ってたので。

2007年04月21日

榎田尤利『Stepbrother』

 そんなわけで、また沢山書くものがたまってしまいましたが、基本的に新刊からいきます。

 途中までは、おおこれはかなりのアタリかも、と思ってワクワク読んでいったのだが。

 オフィスコンサルティング会社の営業部へやってきた新任の部長(メガネ)がきょくたんな能力主義で売り上げを160%にするとかゆっています。手厳しい部長(メガネ)のせいでなごやかだった部はギスギスです。
 部長とおないどし、売り上げは部一だけれどのんびりそこそこに働いてる部下は、父の再婚で義母と同居することになりました。義母の息子がどっかに部屋を借りるまで家においてやってくれと言われて快諾、その息子が実は部長でした。数ヶ月の差でいちおう自分が兄ということになるようです。
 いっしょに暮らしてみれば、部長=義弟はひどくだらしないワガママ太郎です。みんなが夕食の準備してるのに一人で座ってるわ、イクラ軍艦を四つ中三つひとりで食うわ、脱ぎ捨てた靴下が廊下に落ちてるわ、会社の顔とはえらい違いです。

 あまってた義母手製プリンを食べたことに部長がマジ切れしてつかみあいのケンカをするくだりとか、部長の様子がおかしいのに気付いて釣堀に誘い、最初は釣れなくってつまんなそうにしてんのに、実はすごい凝り性というか真面目人間で真剣に取り組んじゃう様子とか、展開はベタで、描写は丁寧で、とても面白かった。部長が人事と不倫してる現場に乗り込んで奴とは別れてくれとゆった時の反応とかも、すんなりとは終わらなくてよかった。

 だのになぜこんなに不満が残っているのか。
 なんというか、あっけなかったなあ、という印象なんだよね。

 ひとつには、どうも会社の描写がダメだったような印象がある(後書きを読むと作者は楽しんで書いてらしたようだが。『ソリッド・ラヴ』も自分にあわなかったので、どうもこの作家の会社描写がニガテなのかもしれない。
 部長が厳しいけれど指摘は的確で、ヒイキや差別をしない、という設定とかが、周りの社員の評言でしか描かれてなくて、なんだか空々しい。実際に誰かを叱り飛ばして、厳しい言葉で〈正しいアドバイス〉をする、って場面がいっこ入ってたらそれだけで印象はちがっただろうに。

 あと、部長がなぜ部下に惚れたのか、もよくわからなかった。
 続編が社員旅行というのもよくわからん。全体としてなんだかあっけない幕切れという印象になったのは、この続編のせいという気がする。せっかく家を出たんだから、部長のだらしないっぷりのフォローなりその後なりとか、家族との和解とか、本編から持ってこられるモチーフはいくらでもあるだろうし、そういうのを読みたかった。しかしもしかして、既に続編が予定されていて、そういう(ある意味)まともな続編はまた別個に書かれるのかなあ…そうだったら、いいけど。

 国枝彩香は実は漫画を読んだ事がないのだ。なぜか。
 こうしてみてみると、表紙の彩度…部長、なんだか薄すぎないですかね???

 どうでもいいけど、わたしは一人っ子なので、秋のだらしなぶり描写はちょっと耳に痛かった…(笑。桶の寿司ってのは好きなネタだけ食べてればいいもんだと思ってたさ…いや、流石に人数にたいする個数とか考えるし、外では控えてますけどね。

2007年04月22日

やまねあやの『クリムゾン・スペル』2

 なんだか話の展開がよくわからなくなってしまったので、一巻から読み直そう…アレ、一巻…どこ…。

 というわけで仕方なく二巻を読んでみたら、一巻も発見したのであわせてよみました。

 ファンタジーとしての展開は、魔神が封じられている魔剣の呪いを解くために旅をしているバルドとハヴィ、が魔剣を利用したい奴等につかまってしまう、というところ。BLとしてはハヴィがそいつらにつかまって、記憶を失ってバルドと戦う羽目になり、しかし捕らえられたバルドを見ているとなぜか気になるの、というところ。

 正直どちらもベタだしあんまり面白い展開でもないんだけれど、でもあっさり及第点は超えてるというか。そもそもこんなドのつく直球なファンタジーBLは他にないし、あっても読み続ける気になれる作品にはならない気がする。だからやっぱりやまねあやのじゃなきゃこのファンタジーBLはいろんな意味(商業的にも内容的にも)で成立しないよなあ、という気がするなあ。だってこの絵を見てるだけでも楽しいもの。そこそこの内容にこの美麗な絵、なら、作品全体としては及第点というか、むしろかなりポイント高いと思うのだ。
 つまり、面白かったというよりは、楽しんで読みました。

橘かおる『彼は閣下に囚われる』

 シレジアものの三作目。
 前作にも登場の革命家貴族×秘密警察の長官閣下。

 軍学校時代の同級生兼親友で、閣下は貴族からの熱烈な告白後に身体を奪われ、直後に貴族が渡英、帰ってきてもよそよそしい。閣下は大いに傷つきつつ、革命家だとの密告のあった貴族をなんとか救おうと、自ら尋問に赴いて云々。

 まあネタバレというか、前作から読んでる読者には最初から見えてるネタなので書いてしまうと、それは学生時代に平民出身で苦労してた受けのために革命を志して、とか、スパイを摘発する役職の受けに迷惑がかからぬように、とかいう貴族の意図があったわけですが、…アホか!アホなのか!やることなすこと受けに迷惑がかかってるじゃないか!話せない事情もあったのだろうけれど、せめてひとこと伝えておくべきだったことだっていっぱいあっただろう!
 それに、本作での密告→スコエセロに幽閉→尋問、の時点で既にツァーリとの密約でスパイ容疑は見逃されているというのもひどい話だ。閣下には何にも落ち度はないのに皇帝からも貴族からも蚊帳の外にされてたわけで、ますます気の毒。

 展開自体(特に後半の)はそんなに悪くないのだけれど、とにかく上記のように閣下がいろいろ気の毒な上、そういう状況に正当性があるように思えないのでしらけてしまうし、攻めがカッコワルくみえてしまう。ので、ちょっと読んでいてしんどかった。とにかく攻めがダメダメだったのがかなり印象を悪くしている気がする。前作ではほとんどモブキャラだったせいか、なんだかキャラも薄いし。くりかえすが、お話自体はそんなに悪くもなかったと思うんだけど…。

 絵は前作に続いてピッタリだと思った。

高尾 滋『ゴールデン・デイズ』5

 もう五巻目なので、なんかこの作品のペースに馴れてきたからか、のんびり楽しめるようになってきた。気がする。いや、ますますやおいくさい内容になってきたからかもしれないが…。ビショップはまだしも、慶やクイーンの男女CPに妙に違和感が(笑。でもそういう挿話がそれぞれきちんと続いていくみたいなので、ちょっと安心したというか。

 一方、仁と、そして光也と光慶の本筋の話がコマギレに進むのにも馴れてきた。仁が光也に対してもこだわりだしたのはやおいくさいのだけれどやはりそうこなくては、という感じだ(笑、いや物語的にもね。

 あと、慶の不安にもあるように、未来(仁のゆくすえや震災など)を知ってしまっている慶と光也がこれからどう行動するのか、また物語がどこに落としどころをもっていくのか、とても楽しみ。やはり時間ものSFっていいなあ。

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 くどいようだが、やっぱり花とゆめはほんのりやおい、も大事な一要素だった(過去形)のだと思う。

2007年04月23日

嶋田まな海『極上ラブバケーション』

 海沿いのホテルにやってきた怪しげなイケメン上客×童顔ベルボーイ。
 妙に気に入られてしまったのか、わがままづくしの攻めに振り回されて、しまいにデートにまで付き合わされる受け。

 お話もキャラ設定もありきたりで、更に文体もうまくなくって苦痛だった。王道展開とありきたり展開はやっぱり違うと思うのだけれど、素人ぽい文体はもうそれだけで物語そのものを素人くさく見せてしまう気がする。
 なんというか、たとえば攻めがわがまま放題をする描写において、確かに迷惑な客ではあるが、しかしホテルにとっても有益な指摘も多くて、とかいう留保をいちいち書きつけてしまう、そういうところが素人っぽいというか。勿論この点だけではなくて、なんだか全般的にそんな感じ。ホテルや風景の描写も描写というよりは説明文という印象。余情がない、というか、それだけの問題でもない気がするのだが。
 しかしどうしても読めなくて、後半は流し読みをしてしまったので、なんとも評価をしづらいが…新刊で買った本を流し読みしてしまうのは、こっちだって辛いんですよ(涙

 まあ購入理由の半分くらいは汞りょうの絵に惹かれて、だったのだけれど。まるでまたたびだ。

魚谷しおり『優しい偽者』

 総務の新人ワンコ×経理のモサいメガネ・実は美人。
 受けはある日突然ワンコに呼び出され、不倫中の課長?と別れてください、とか切り出される。ワンコはある筋の頼みで課長の素行調査をしてて、二人の不倫に気付いたのだった。受けは課長に全く未練はなかったので即了承、しかしワンコはお辛いでしょうが、とか自分でよければ相談に乗りますよ、とかとんちんかんなことを言ってしつこく受けにつきまとい、受けはブチ切れ、じゃあお前が恋人の代わりをしろとせまって云々。

 ベタだけれど結構面白かった。
 なんというか、普通にBL小説の秀作という印象。この書き方では、あんまりほめているようには聞こえないかもしれませんが…(笑、激賞は出来ないけれど、きちんと楽しませてくれた作品、というか…アレ、やっぱり偉そうですか。

 攻めの解釈コードがあまりに健全というか一般的で、受けのことを全然理解出来てないありようとか、それにイラつく受けとか、そんななのに互いに受け入れていってしまうありようとか、面白かった。
 受けの屈折ぶりとか、美人って言われるのがイヤなこととか、潔癖症とかの原因となっている過去の事件は、ちょっと半端というかものたりないきもしたけれど。まああれ以上重たくなっても収集がつかなくなってしまったかもしれない。
 受けが横領事件にまきこまれるあたりは、まあ容易に展開の想像がつくというか、もうちょっと複雑でもよかった気がする。でも想像の容易な事件で、しかし周囲に興味のうすい受けはそれでも全然わかってなかった、ってのもミソなのかな。
 元不倫相手は…なんか、よくわからなかった…最後にあんなことをする権利は果たしてこのキャラにあったのだろうか…。

 タイトルがなあ。いまひとつ。

そんなわけで。

 新年度になって新しい仕事が始まり、休出も多くていろいろ忙しかったのですが、それでもとりあえず一段落して、久々の連休をグダグダと過ごしてしまいました。色々やろうと思っていたのに…!(笑
 仕事は大変ですが、今のところ思っていたよりも自然に馴染めている気がしています(そう思っているのは自分だけかもしれないけど、笑。でも昨年度の経験がなければ、多分相当に辛かっただろうなあという気もしてます。
 あ、仕事のあれこれは、今後は基本的にはミクシィの日記で書くことにします。ご興味がおありの方は、マイミク宜しくお願いします。マヨイガはますますモエ日記です!(笑

2007年04月24日

深井結己『その唇に夜の露』

 中学校?時代の同級生、メガネリーマン×バス運転手。

 昔元同級生のメガネをタンホイザーしたことがあったバス運転手。ある日長期出張でこの地に来ていたメガネが偶然受けの運転するバスに乗車、乗客がすべて降りた後終点への途上で犯されてしまって云々。

 過去のタンホイザー事件と今の偶然的な関係とがあいまって、非常に深井結己らしいダークな話だなあ…と読んでいったら、回想に入って、…どう考えてもメガネが悪いでしょう、これは。
 まあ勿論だからといって強姦はゆるされることではないけれど、中学時代のメガネの仕打ちは友達としてもやってはいけないことだし、受け(当時攻め)が怒ったのは当然だろうと思う。
 そんなわけで非常にシラけてしまって、いまひとつでした。

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 どうも最近花音で描き始めた作家がどれもこれもダメな気がしてるんですが。深井結己も西田東も明治カナ子も、花音で描いた作品は他社作品とはダンチで出来が悪い気がしますが…。

2007年04月25日

夜光花『七日間の囚人』

 ゲイフォビアのまじめ太郎が大嫌いなバイト仲間と白い部屋に閉じ込められてしまいました。

 この設定で、BLとしてもお話としてもどう落とすんだろう?というのがものすごく気になりつつ読んだ。
 まあ、オチは予測の範囲内だけれど、それくらいしかないよなあ、という感じだった。
 だけれどそこに至るまでの展開の方がメインになるべき話だと思うし、そっちは面白かった。部屋に関する設定自体や、二人の関係性の変化をふくめた展開も、結構面白かった。
 しかし建物全体がちょっとわかりづらくて、絵というか、見取り図くらいは欲しかった…ということをさしひいても、挿絵がダメダメだったなあ、という印象。二人はほとんどマッパで過ごすのだけれど、挿絵が人間中心のものばかりだしマッパばかりだしで、単調だった。

 あと、数日後にまだ調べてない戸棚を調べてみよう、という展開になってハァ!?と思ってしまったのは、わたしが脱出ゲーム好きだからなのか…あやしいところは最初に全部調べてるものだと思い込んでました(笑

2007年04月28日

佐藤ラカン『長靴をはいた黒猫』

 四月始め頃に読んだ気がする。
 図体のでかいヘタレわんこシェフ×美人オーナー兼ギャルソン。

 フランス料理の店黒猫亭ではたらくヘタレわんこは、自分をダメダメシェフだと思っているが、美貌のギャルソン=黒猫と一緒にいたい一心で頑張っている。黒猫にはパトロンがいるのだが、黒猫亭では二人きりで働けるのだ。けれど黒猫は突然新人を二人も入れるとか言い出して、云々。
 
 ヘタレわんこの一人称で、地の文ではギャルソンが常に「黒猫」と称されているのが面白かった。逆に本名が出てくると違和感があったり(笑。しかし、会話の中でもたまに黒猫になっているのは、ちょっとどうかなと思った。

 独特の文体がヘタレわんこらしく、それでいて力強さもあってよかった。余白がすごく多く、ある意味説明不足なんだけれど、でもそれもヘタレわんこ一人称の「らしさ」がでてる感じでよかった。
 たとえばヘタレわんこが魔性というか、触れた食材や相手をメロメロにしてしまう、という設定は面白いし、それをヘタレ一人称でぼやかして描写していくのが面白かった。

 でもそんな状態なんだから、後半は黒猫一人称でいろいろ補完してほしかったなあ…続編も後輩一人称だし。しかし、この作者の既刊を読んでみると(後述)この人には黒猫一人称は書けないのかもなあ、という気もした。

 黒猫はなぜ黒猫、なのかがよくわからなかったけれど、あまりに静かに歩くので靴の裏にニクキュウがついているに違いない、と思うところとか面白かった。しかし、だったら長靴…は、いらない、タイトルに…。

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 というわけでこの作者は実はこの後既刊を何冊か読んで、はげしく後悔したりもした。『おいしいごはん』は主人公の吸血鬼美少年がウザったくって放り投げそうになった。いちおうラストまでパラ読みした。『現在少年進行形』も、双子のかたわれが多少ウザかったけれど、双子のしっかりものの方がモテていたのでよかった。でもパラ読み。『空中庭園』の前半は結構よかった。年下十代の俳優にドキドキワクワクしてしまう小説家がよくって、花の話とかすごく非日常的でふわふわしててよかった。しかし後半で年下俳優視点になってしまうと、もうとてもキツかった。
 つまり子ども視点の話はキツかった。この三冊は幸いにというか、古書店で買ったのでまだよかった…。他に大人視点の作品があれば読んでみたいけれど、子どもの話はもういいや、という感じ。

2007年04月30日

榎田尤利『歯科医の憂鬱』

 これも今月初旬に読んだかな。

 板金職人×歯科医。

 診察台では恐ろしい歯科医せんせいが外では別人のようににこやかほんわりやさしいひとなのです。

 ちょっと二重人格っぽい歯科医も、元ヤンぽい板金職人も、それぞれに面白いし展開もそれなりに面白かった。

 板金職人視点の前半からかわって、歯科医視点になった後半、冒頭のモノローグぽい部分がとってもかわいくって、ああいいなあ、と思ったんだけれど、視点人物になってしまったからか、だれにでも優しい外面、という特徴がしっかり書けていなかった気がする。特に元カレにたいしては、強気とはいかないまでも最初から優しくは対応してなかったし。わりにきっちり二重人格だった前半との整合性がとれてないことはもとより、二重人格ぽい歯科医というトリッキーな設定を軸にして、いやその事自体が悪いわけではないのだけれど、トリッキーさだけに頼って描写には気を使わないで一冊出来てしまいましたね、という印象が無きにしも非ず。

 そういう意味では、ちょっとキャラ設定もうすっぺらかった気もする。前半でも歯科医の元友人にたいして感情を表出させる、あたりでの展開や言葉はやや軽かったかなあと。

 あとプレゼントのエピソードとか、歯科医のコミュニケーションのへたさや半金職人の子どもっぽさは面白かったけれど、ちょっと読んでてしんどかったというか、「その先」が見えないというか。二人のダメな部分はこれから成長して変化していくのかもしれないけれど、変わらないかもしれない、宙吊り状態のままで終わるので、すこしもやもやが残った。

 や、結構面白くは読んだんですけれど。ライトにまとまってて、ライトに楽しんだ、感じかなあ。あ、あとなんかタイトルも内容に合っていない気がする…。うーん、面白かったけど、粗雑さも結構目に付きました、ということでしょうか。
 あれ、でも一人称語り…だったよね?この作家の一人称語りはいまいちだったことが多いのだけれど、この作品はその点は気にならなかった。

『アフタヌーン』六月号

 発売日に読んでましたが、遅くなりました。
 アニメは二回目以降は録画し忘れて、やくもさんに助けてもらいました!ありがとうございました!こっちはあとで。

 三橋のおかげで反撃開始という展開で、よかった…しかし当人はよくわかっていなかった、というのが三橋らしい(笑。首の振り方確認してるのもせつなカワイイ。

 しかし今回は何より、阿部の立ち直りっぷりに驚嘆しました。阿部はやはり只者ではない。三橋のおかげで狭山の作戦に気づいたのはいいとして、それに対応したリードの迅速さ、そして更に気づいてしまったことを気づかせないようにという配慮までしようとする、とか、スゴイ。精神力に感嘆。
 どうもわたしはおお振りって、んな高校生ありえねー、とかあんまり思えなくって、この子スゴイ、って素直に読んでしまう。キャラが立ってるからかなあ。わかんないけど。

 あと勿論、花井。おっきいこと言っちゃって恥ずかしがってる花井もいいけれど、三橋の記憶にカッコワルイオレが残っちゃうのがハズカシイ、という回路になってんのが面白い。いや、やおいではなくって。
 花井が三橋を意識するのは、いろんなレベルや理由があって、それが複雑にからみあっているので面白い。キャプテンとチームのダメっ子としてとか、チームの二番手とチームのエースとしてとか。

 田島と自分をくらべてイライラしている泉がすっごくよいです。そして、そこに花井が出てくるのも。
 田島を四番打者同士として意識しちゃう花井と、チビたん同士として意識しちゃう泉。ってことで、実は田島のライバル同士なんだね。しかし、花井よりもむしろ泉のほうがバリバリに闘志燃やしてんのがかわいい!(笑。泉って実は、にしうらーぜの中では結構性格キツいというかイラチだったり愛想なかったり、する気がする。今回も自分にたいしてイライラしてるんだけど、花井にあたってるし(笑。でもたぶん三橋には絶対あたらないんだろうな、とか(笑。 結論、泉はやっぱりオトコマエなのだ(ただの願望ですか。
 あと、水谷にハッパかけてんのも、自分が点入れたいからってのもあるんだよね!(笑。それにスナオに「ありがとな!」とか言ってる水谷が…!カワイイィ!しかも肩いからせてバッターボックスに向かってくし!(笑。

 今後はどうなるんだろう。ロカは西浦が気づいたことに気づいていたけれど、滝井はどうだろう?そしてロカのところに顔を出した和さんは何のフラグなのか。
 この試合では、泉の大活躍と、田島のかるくアベレージ超えた活躍、そして花井の微妙な活躍に期待してます(笑。泉が次で得点入れるには、水谷か三橋が塁に出なきゃね。どっちが出ても面白いだろうな。


---ここから異次元空間
 イズミズは最早公式ですか。
 ハナミハも鉄板ですか。やおいではなくても面白いんだけど、やおいだよねあれは。
 あとはイズミハおながいします。

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