中村一義『100s』『ERA』
「もう二十年後に、また会いたい故に、今日、深長に一義を聴く。
僕らの答えはOZを旋回し、大手振り、金字塔へ戻る」
…わはは。
というわけで、最近中村一義をよく聴いてます。
ものすごいワクワクして買ったのだけれど、聴いてみてナカカズもうダメかなと正直思ったものだった。
いや、正確にはフェスで初めてキャノンボールを聴いたときからか。
しかし今では、この『100s』もいいような気がしてきてしまってなんだか切ない。だって、「キャノンボール」に「グッデイ」「セッター」「メヒコ」「新世界」…ん?名曲だらけじゃないか?「いつだってそうさ」とか、「ひとつだけ」とかも最早いいような気がしてきたぞ。ラリラダル♪ダルマ屋化粧品店も好きだ。
『イーラ』はPC環境で音楽を聴く以前では一番聴いた回数が多いアルバムである。今聴いても身体がものすごい勢いで記憶している。だから『金字塔』とはちがう意味であたしにとっては一番大事なアルバムなんである。
『イーラ』は一部古参ファンにはあまり評価されなかった気がするが、金字塔とはそれは方向性は違うのだけれど、それでも少なくとも自分はこういう方向だったらまだ全然面白かった。
だって「1,2,3」が先行シングルで出て、それを聴いた瞬間にそれまでとはかなり異質な曲でありながらも完全に中村一義だったものだから、もう全面降伏してたのだ。「そんなねぇ、この先で、出会う感動も、また、あるとして…、そう!」相変わらずでもあり、『イーラ』らしくもあり。
「ショートホープ」はやはりあまりにストレートなロックという気もするが、そういうのもこなしてしまうからこそ中村一義はいいんだよな、と今でも思う。メロディもそうだけど、「たとえ、離れ離れになって、たとえ、共にいれなくても、あの日くれた声が今も、本物ならば…」とか歌詞がすごくストレート。
「威風堂々」はもう、歌詞がすごく好き。「言い逃ればっかすんな…、銃声みたいな言葉でね…。そんな言葉、自分を撃ち抜いて終わりさ」とかすごく大事。
「ジュビリー」はスゴいな。「そう、君ん中に溢れ出す世界に、決して消えない場所が。それに光あて、赤く染め返せ!君に出会いたいから」スゴいな!こんな言葉があのメロディにのるんだよ?スゴくないか?
そういえばわたしの今のHNは「ゲルニカ」の「真っ白と黒のゲルニカに、たくさん色を塗れたら」からもらったのだ。これもベタなロックだと思うけれどやっぱりいい歌だ。ラストのどぎつい歌詞まで含めて好きだ。
聞き返してみると『イーラ』はやはりロックというか、とげとげしたところの多いアルバムという気が…いや、いやいやあたしが「ハレルヤ」や「君ノ声」をとばしているから遺憾のだ(笑。
でもつまり、そういうとげとげした厳しいものが『イーラ』の特徴のひとつではあるだろう。「威風堂々」の「合わせてばっかいんな…、いっつも息を殺して…。一人でも行くんだ。あんたに言ってんだ」とかね、キツいから、そこがいいのだ。
とりあえず『イーラ』までで。