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2008年07月01日

★2008上半期・BLコミックベスト10

 恒例行事でございます。
 今期は豊作だったという印象があったのですが、そして上位はすぐに思いつく作品がいくつもあったのですが、下位は迷ったというかここにいれなかったものもふくめてだんごです。ていうかごらんのとおり、日高ショーコがツボすぎたかも。

2008年07月02日

円陣闇丸『Voice or Noise』3

 猫がしゃべるし(笑、すごくすきなお話なんだけど、大学生編は引き伸ばしにかかっているような気がしてしまう。
 たぶんそのせいもあって、成澤が何を考えているのかよくわからない。振一郎にべたべたしたかと思えばそっけないし…試したりしてずるいのはやはり成澤だと読者的にも思うと思うのだが…。
 あと新キャラの黒そうな実は美形アテウマも、いまいち。奇をてらいすぎというか、これも引き延ばしのためのキャラにしか思えないというか。
 振一郎は大人になってきて、絵ヅラ的にはよいCPになってきたが。
 成澤は成澤成昭だからナルナルだったのか…今まで知らなかった…。

夜桜左京『ルームシェア』

 高校生のひねくれ少年大家さんのうちにルームシェア。
 元ヤン?ぽいが常識人×オタクなショタっ子アメリカ人留学生とか、天然ものな真面目青年×ゲイのホストとか。お話としてはそんなに目新しさはないかな、という感じ。後者ののほうが若干好みだった。
 ていうか、BLじゃないのかもしれないが、大家さんのひねくれの理由のほうが面白かった。この一種奇妙な形態のルームシェアの理由とかがちゃんと書かれてたのはよかったし。

 この作者の絵は口元がゆがんでいる?

2008年07月04日

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』5

 あれ、ずいぶん前に出てたのね…買い逃してたみたい。
 でも、さすがにちょっともう息切れ気味っぽいよね、お話…。
 クラウザーⅠ世ネタも、あんまり期待できないかなあと。

 ただ映画化その他にともなうもろもろの展開は楽しみ。コケてもいいやってくらい楽しみ。来月にはこんなCDも出るのね。

夜光花『深紅の背徳』

 犯罪を犯した逃亡者×吸血神父@教会…という、もはや何とも形容しがたい設定にはさすがにビビりました。っていうか、それなに?面白いの?萌えるの??と思いつつ。
 でも面白かったです☆

 神父はあたしはほんとに吸血鬼なのかと思ってて、ファンタジーかと思ってました…違ったのね。なんか症状の描写とか神父の描写とかが適当っぽいのが、ちょっと微妙。あとキャラ設定もいまひとつ見えてこなかったかもしれないのだが、結局やはり「淫乱神父」(自分でキーうっててひくんですが…)ということでいいんですかね…。

 攻めは特に前半はとにかくわるいひとなのだが、後半そうでもなくなって残念。前半の、ただ自分の欲望のままに生きてるような攻めと、それを許容してる神父というどうしようもない感じも結構よかったのだが。どうしようもないままにハッピーエンドというのもこの作者なら書いてくれそうだし。でもハッピーエンドではなく、救われない話になりやすくもあるのかな。
 それに、いくらヤクザ相手とはいえ、大金を持ち逃げしてきた過去への理由づけはほしいし、とは思いました。あと、受けとかなんかヤクザにも情がちょっとうつってるっぽいし攻めもヤクザを切り捨てられないっぽかったので、ヤクザの悪さの理由づけもほしいし…と思ってたらどっちにもそこそここたえてくれた上に、若干デュアル攻めっぽい終わり方だったので、とってもあたし好みでした(笑
 ヤクザまじえて続編あったらいいなあ!

 絵がよかったです。高階祐はうまいよね。

2008年07月05日

浜野リカコ『迷走セブンティーン』

 鬼畜攻めだらけっていうから期待してたのに…ただいじわるなだけって感じでした。

 表題作は、兄になった母の再婚相手の息子の家に、新婚旅行中あずけられた高校生。足蹴にされて家事させられて、ちょっとえっちなことされたら好きになってしまうという受けは、いいのかそれで!そして攻めはただただいじわる傍若無人なだけで、自分ちから受けを遠ざけようとした理由はまあわかるのだが、さんざんこき使ってた理由はなんだ。そしてほんとに受けがすきなのか。

 表題作以外もふくめ、なんかただ性格わるいだけの人が多く、あとなによりなぜ相手を好きになったのか、そもそもほんとうにすきなのかがわかりづらく、イライラするばかりでした。

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 鬼畜に理由はなくてもいいのだろうが、最低限必要なのは愛だ、たぶん。ていうかそれ、BLには絶対必要なもので、BLってそこをクリアすればたいがいの設定や展開をうけいれるうつわなのだと思う。

榎田尤利『理髪師の些か変わったお気に入り』

 藤井沢シリーズ最終話。
 三軒となりのおさななじみ、理髪師×美容師。藤井沢最終話だし、幼馴染はちょう順当だなあ。

 前半は攻めに引け目を感じつつ、都会に未練がある受け視点、全般に可もなく不可もなく。
 後半では攻め視点になるのだが、実は受けにいちいちどぎまぎ大混乱していた内面がえがかれる。この作者のこういう文体はちょっと苦手だ。そして受けの友人アテウマ美容師もいまいちというか、ベタな展開になってしまうのだが、こういう展開しかないんかなあ…全般に、脇キャラが濃く描写も多いせいで主役CPが薄まってるのと、展開があまりにベタなのとで、なんだかものたりない。藤井沢の住人総出演ということもあり、主役CPはさらにうすくなっていっちゃうんだよね。特に末尾。
 全体に、そうわるくもないけれど、読み返したい気にはならない感じ。

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 個人的には『ギャルソン』『歯科医』>>>>>>>>『理髪師』『アパルトマン』という感じ。アパルトマンもいまいちだったけど、理髪師も薄すぎた…。『ゆっくり走ろう』は未読。

2008年07月06日

北別府ニカ『別れる2人の愛の劇場。』

 表題作はアイドル×お笑い芸人。
 画面の中の芸人さん=受けに近づきたくてアイドルになり、超人気が出た攻め。受けは格差に悩んで別れを切り出す。

 …という設定で、ほぼわかれるとこからはじまるのはいいけれど、別れるまでの経緯を無理に5ページで書く必要はなかったのでは…。いきなりわかれて、あとから回想いれたほうが効果的だろうし、トップアイドルが芸人をくどくというおいしいシチュエーションをたった5Pで書いてしまうのももったいない。
 そんなかんじで、なんというか万事場面のきりかえが唐突というか、あたしのテンポにあわない。前述の経緯をざっと書いちゃうあたりもそうなんだけど、書きたいシーンだけつなげた感じで、間のシーンはすごく簡単にすませている印象。お笑いコンビの面白そうな場面とかないし…。
 絵もデッサンが崩れてるし平面的だしみづらい。顔はかわいいのだが。
 内容にかんしてはわりとありきたりなのかな。だからか、難点を我慢して読みたい気にはなれなかった感じ。他の短編も同じく。

海野幸『八王子姫』

 女装はニガテだと思っていたのですが、そうでもなかったみたいです?たぶん条件付きです。

 受けの姉は男尊女卑な祖父に反発しバリバリのデキる女になったものの、押さえつけてるうっぷんを趣味のドレス作製ではらすようになっていた。そんな姉に手製のドレスをいやいや着させられてる受け、大学生、は、ある日ドレス姿で外に連れ出され、その姿をバイト先の先輩のアキバ系男に見られてしまう。そんなこんなで姉のせいでアキバ系とお茶するハメになったら、なんか一目ぼれされました。先輩たら仕事ではいつも人とかかわるのウザそうでミスするとやな顔してばかりのくせに、惚れた受けにはなんかすごい優しくて真摯で、モサかった外見にまで気をつかいはじめてみたら超いい男で、なんもかもビックリです。でも受けは受けで女子じゃないのに、どうしましょう。

 受け姉がアキバ系先輩に受けの面倒をみてもらおうとして、受けはひとりきりになると心臓発作をおこしちゃうとか、小さいころ犬が自転車にひかれるのを見て以来口がきけないとか、無茶苦茶な嘘を言うのだけれど、攻めがそれを信じてしまう展開が面白かった。というか、そんな二人を知らない人が見れば、中二病のイタタなゴスロリ少女と、それをアイドル扱いしてるオタク青年みたいに見えるんだろうし、BL的には斬新な構図だ(笑

 なんとなくそんなに(『美しいこと』みたいには)重い展開にならないかなと思っていたら、まあ確かに重くはならなかったけど、お手軽であっけにとられるような軽さでもなく、面白かった。
 受けがなぜ姉の言いなりだったのか、なぜ女装姿の自分に惚れこんだ攻めに惚れてしまったのか、の理由がしっかり書かれててよかったです。

 攻めは外見アキバ系で人間嫌いでやさしい紳士でドS、という複雑さで、特に後編では、前編でみられたようなストーカーまがいの行動をするようなちょっとあぶない感じもなく、Sっぽさも足りない感じで、前編のほうが面白いキャラだったように思った。受けの方は姉とのあれこれはわかりやすいけれど、最初に出てきた相手にあわせちゃうというキャラがそのあとあんまり出てこなかったのがもったいなかった。そんな感じで、特に攻めはキャラが立ちきってない気もするんだけれど、でも惹きつけられる魅力は十分にあった。

 というわけで、かなり面白かったです。
 で、以下は内容にはあんまり関係ないけれど。
 受けの姉は…歩き煙草は、女の子がしたらみっともないからじゃあなくって、マナー違反だからダメなんじゃないか…!!!フェミニストが女性解放とかいってマナー違反をするのは本末転倒だ。
 あと、アキバ系ってすっかり差別用語になっちゃったよね。BLにはわりとオタクっぽいキャラでてくるけど、外見だけ(しかも本作のように、手を入れるとメチャ美形になる)だったり、改心(一般人化)したりすることが多いし、アキバ系=克服すべき欠点として扱ってるよね。BL読んだり書いたりしてるのは女子オタクが多いと思うんだけど、いみじくも同じオタクである男子オタクを見下して、それだけではなくさらにそれを物語に徴用していくこういう視点は、無意識なんだろうけどいい印象をうけないなあ。

2008年07月07日

『アフタヌーン』8月号

 忙しくて買うのわすれてました。
 ヴィンランドサガの表紙がめちゃくちゃカッコイイ!

 あべどんどんでかくなりそう。山田太郎みたいになったらどうなるんだろう…同人界が。
 モモカンによる阿部三橋の交流計画もはじまって、今後がちょう楽しみです!いっしょに朝ごはんの準備して、どう成長していくんだろう。

 キャッチャーの予備は花井か!やっぱり!
 阿部三橋の交流も楽しみだけど、実は花井と三橋の交流もちょうたのしみです。
 …いや、ハナミハとかそういうことではなくて!!!
 前から書いてきたように、花井と三橋の独特な間隔あいた関係はとっても面白いし、この関係って二人ともにプラスにはたらいていく気がするので、楽しみなのです。今でも「投手があのめんどくささで」とかゆってる花井は、三橋をかまうことでいろいろ成長できてるし、一方の三橋もなぜか花井には恐れつつからんできてるし、それにいちばん受けてほしい阿部がいない間仕方なく仲良しの田島とくんでる感がありありな中で、第三の捕手に投げることは絶対成長につながるだろうし。

 そんで、阿部がいちばんな三橋に嫉妬(いやべつにタジミハじゃなくて!プレイヤーとして!)して、新人戦は「オレとがんばんだぞ!」とかゆってる田島もよいです。

2008年07月10日

高井戸あけみ『ホームドラマ』

 ちょっと前に読んだ。
 遊び人の父は単身赴任中な四兄弟のもとにやってきた家政夫さんは、兄弟なのかもです。

 合理主義っぽくて我関せずなリーマン長男に、ゲイで軽そうな在宅二男、冷めた高校生の三男に、元気な中学生四男。家政夫としてやってきた2と3の間の年齢なお兄さんは、マイペースで家事をこなして腕っ節も強く、最初は反発してた下二人もまきこまれたり懐柔されたりしていったり、ゲイ二男にくどかれたり。

 家政夫男子は、前半は強くてかっこいい感じだったのだけれど、二男とのからみが増えるとだんだん受けっこ化してしまって、なんだかもったいなかった。あと次男とのCPはいいんだけど、なんで惹かれあったのかよくわかんなかった。次男とか、ゲイだし和風美青年に惚れるというのはわかるとしても、内面がよくわからない。ていうか、全体に恋愛面が物足りない。

 でも恋愛面が物足りないのは、まさしくホームドラマに重きが置かれてるからで、家族はそれぞれ丁寧に描写されててみんな魅力的だし、話も面白かった。ただ丁寧ではあるけれどもっと読みたいという感じはあったので、もっと長期連載で書いてくれたらよかったのになあとは思う。そしたら恋愛面ももっと丁寧に描写されただろうし。

 全体的には、高井戸あけみらしい、のんびりしつつところどころ細かく語られてる緩急ある感じというのか、ともあれ作者のファンにはオススメです。

…あれ?

 パイドパイパー、よくない?
 よくなくなくなく(略

 パイドパイパー。イントロが古典ロック、サビはターミナルヘブンズロックっぽい。Aメロのリズムぐるぐるかわるのがピロウズっぽくって好き!「少年時代にイナズマにうたれて、火花をあやつれる、」とか中二病設定を、「こんなふうに!」でカッコよくしちゃうのがピロウズっぽくて好き!

 ノーサレンダー…Aメロはピロウズらしい。サビがグレイっぽい…?「悪夢を蹴散らす歌を」とかさわおらしいね。
 トーキョーゾンビー。ほんとピロウズのインストはいいなあ。
 パープルアップルは、これはもしかしてレゲエなのか?

 レディバードガールは、なんかめちゃくちゃいい気がしてきた。「Is this love? This is love! 効き目はあるかい?」。カーニバルの「去っていった連中の足跡に、効き目のない呪文で祝福を」を思い出す。独り言の恋な感じはすごくピロウズらしい。「彼女は今日、」より前からずっとつづく感じ。

 ポイズンロックンロールは、ほんと参る。へんなイントロで英詩で、かっこいいロックで、マジヤッベ、超飛んでる(笑。"I'd like to play with people besides that, That's you! I'll do a rock'n roll!"パイドパイパーの「ポイズンロックンロール」はポイズンロックンロールだし、「my strange song」はパイドパイパーなんだろうなあ。それもあって、パイドパイパーはすごくピロウズらしい曲という気がする。
 ポイズンもゾンビーも3分切ってるとかスゴイ。

 でもすごく好きな曲はあるけれど、アルバム全体ではまだいまいちよくわからない。

2008年07月11日

日焼け止めレビュー。

 今年は買いすぎたので、せっかくだからレビューします。チープ系ばかりです。参考にされる方はいらっしゃらないかと思いますが、いちおう書いておくとあたしは混合肌で、日焼け止めはかなりたっぷり塗る派です。
 

◆レヴュー スーペリアステイフィックスUV
 SPF20・PA++
 白浮き…なし
 使用感…よし
 安心感…なし
 *これは下地。仕事の日はこれでいいかも。マットな肌になるという触れ込みですが、時間たつとやっぱりメイクなおしは必要ですが

◆エテュセ ホワイトニングUVオイルブロック
 SPF24、PA++
 白浮き…大いにあり
 使用感…よくもわるくもない
 安心感…そこそこあり
 *これも下地だけど、SPF値のわりには白くなるし、肌にやさしい感じもあまりしない

◆化粧惑星 スーパーモーニングミルクUVEX
 SPF15、PA++
 白浮き…ほとんどなし
 使用感…よし
 安心感…ほとんどなし
 *化粧水乳液なしでこれ一本、との触れ込みで、化粧水つかうとかえってべたべたしてメイクがのらなくなる

◆メンソレータム スキンアクアモイスチャーミルク
 SPF50+、PA+++
 白浮き…ほとんどなし
 使用感…化粧のりにくい
 安心感…あるような、ないような
 *つけてからしばらくべたべたしてメイクしづらいし、メイク後はすごく油っぽくもなったり

◆アネッサ パーフェクトスムースサンスクリーンA
SPF50+、PA+++
 白浮き…ややあり
 使用感…微妙
 安心感…あり
 *前はもっと使用感よかった気がするのだけれど…あたしの肌年齢があがったのかな…

◆ビオレ さらさらUVパーフェクトフェイスミルク
SPF50+、PA+++
 白浮き…ほとんどなし
 使用感…マット!
 安心感…微妙?
 *SPF数値とか使用感とか総合的に判断すると、これが一番よい感じかな。使用感よすぎて効果が不安なくらい。

◆ニベア プロテクトフェイスバランスミルク
SPF50+、PA+++
 白浮き…ほとんどなし
 使用感…ふつうかな
 安心感…ふつう?
 *これもそこそこいい感じだったような気がする

◆アネッサ ベビーケアサンスクリーンN
SPF34、PA+++
 白浮き…端々が白残り、という感じ
 使用感…化粧のりにくい
 安心感…そこそこ
 *薄めに使えばいいのかも

◆無印良品 M日やけ止めローション40
SPF40、PA++
 白浮き…大いにあり
 使用感…化粧のりにくい
 安心感…そこそこあり
 *安いし容器も小さいし、体用にはいいかも。落ちないからクレンジングオイル必須

2008年07月12日

山本小鉄子『ほんと野獣』

 警官×ヤクザ。
 下着ドロをつかまえてくれた警官に一目ぼれしたヤクザは、サングラスの下の素顔はとてもかわいかったのでした。

 ある意味博愛主義で、あまり人に心動かされない警官が、世間知らずっぽくてかわいいヤクザを好きになるのはいいのだが…、あの、普通(普通って何だ)かわいいヤクザ攻めになるんじゃあないんですか…ね?あたしの常識は世間の非常識か…。
 あと、あんまり人にのめりこまない感じの警官の性格設定もすごくいいんだけど、あんまり活きてない印象。ヤクザへのめろめろっぷりを、もっとはっきりぐっと来る感じ(抽象的だが)で書いてほしかった。

ねこ田米蔵『神様の腕の中』4

 父の会社を裏切った日系企業の社長の子息ということで、綾人をいじめてたサーシャ。しかし綾人父の会社がサーシャ父の会社を買収し、そのため学院に居られなくなりかけたサーシャに、綾人は自分の召使になれとせまり、愛憎いったりきたりな生活がはじまり云々。

 いや、書き下ろしがあっても、やっぱり後日談が足りないのですが…(涙。なんだろう、これ。もしかして、後日談はさらに同人誌に続くとかなの?だとしたらちょっとショックだが…。

 しかしこうまとめて読んでみると、サーシャは綾人いじめてた件については、もう少し反省してもいいんじゃ…と思った。綾人の復讐もずいぶんだけれど、でもそれだけのことをサーシャはしてしまっていたのでは…。綾人は鬼畜になりきれないあたり人間味があっていいのだけれど、いまひとつ一貫性がなくなってしまったようにも思う。サーシャに隠していたのは裏切りだけではなくて、サーシャへの気持ちも、みたいな描写があったように思うけれど、そのあたり(以前からのサーシャへの気持ち)があんまり丁寧に書かれなかったように思った。

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 なんとなく変な気がしていたのだが、このタイトルでミッション系(とは言わないか、現地では)ではないのが、なんだか違和感があるのだ。
 あとマヨイガを見返していて気づいたのだが、あたしは三巻を読んでいないのかもしれない…。

2008年07月13日

雪野ツナコ『little bird☆little love』

 バイクではねた鳥は鳥人でした。
 あと、めずらしい黒い髪の薬師に助けてもらった少年が弟子入り。

 どちらもショタっこですね。前者、現代人のお兄さんのほうはふつうにかっこよくてモテるのに女に興味がなくはねた鳥ばかり気にしているのがよく考えると都合がいいなあ。
 薬師はちょっと黒そうな困ったような笑顔がステキです。
 どちらもベタファンタジーですが、それぞれ短編というか断片的な印象で物足りない感じではあります。

 

2008年07月14日

日高ショーコ『リスタート』

 売れっ子モデルの後輩×いまひとつ売れない先輩。
 そういえばこのCPは本誌で読んだことがあったなあ。
 年下×年上、後輩×先輩の王道というか、自分より優秀な年下攻めに引け目とか若干嫉妬ぽい気持ちとか感じる先輩と、先輩大好きな年下というわりとよくある設定に展開。絵が丁寧でうまく、画面処理も上手できれいなのでよいかんじ。
 カメラマン×高校生モデルは、若干ショタ風味だった。

 このコミックスは全体にあまりぐっとくる感じではなかったけれど、でもやはり絵がうまく丁寧だし、アベレージの高い作家だなあという印象をつよくした。しかし黒髪ツヤベタのキャラはすべて寛末につながってしまう印象…印象が強すぎたのか。木原音瀬は罪な作家、なのかもしれない…。

門地かおり『第二ボタン下さい』

 『生徒会長に忠告』と同じ学校ということしか知らなかったのだが、阿久津のCPだったのか…!
 そして、絶対ゴロだけでタイトルつけてる…!

 内容は…なんというカオス。
 いや、面白くなくはないんだけど、ものすごい感覚的で勢いだよりな展開だなあ。主役二人もキャラよくわからんし、後半は二人ともただただ天然で展開にのまれていく感じだし、『生徒会長』の阿久津というしっかりしたキャラだての担保がないと、ちょっとキツい内容だろうなあ。でも「キスってどうしてたんだっけ」も勢い>キャラだった気がするし、こういうのこの作家の持ち味の一つではあるのだろうなあとも思う。

2008年07月18日

市川和秀『男気』

 ゲイコミですかね。
 絵がキュートな感じで内容も軽いので、正直どうもこうもなあ、という感じ。お話偏重でもエロ偏重でもなく、あっさり読んでしまった…ん?お話とエロの二極で考えていいんだっけ?

立野真琴『ミューズの学園で逢おう』2

 芸能科のある学園オムニバスのつづき。
 主役CPのつづきは、特に面白みはなかった。ふつーに付き合い始めて、環境の違いによるすれ違いという感じ。
 以前出てきた作曲家に惚れてる有名俳優×遊びでつきあってるけどほんとはマジな駆け出し俳優は、ベタながらよかった。
 こんどは生徒会長の話になるのかなー。

 読みきりの「檻」は以前アンソロで読んだことあるけど、どベタな兄×弟の禁断愛で、しかしなんだか読み返したら結構面白かった。ベタながら続きが読んでみたい。
 貴族ものはなんだかいまいちだった。

2008年07月20日

松崎司『覗機関狂威蜜』

 ゲイコミですかね。
 露出癖の柔道部員体育大生は、いとこのメガネお兄さんと微妙につきあいつつ、隣りのアパートの男にエッチとか見せつけてる。お兄さんがつきあいきれなくなりはじめたとき、覗きにAVを撮られてしまい云々。

 なんかもうずんずん落ちるとこまで落ちていくし、最後もあんまし救いがない…体育大生の精神崩壊も、AV会社社長との3Pラストも、そしてなによりお兄さんが女性と結婚して、なおかついとこの面倒をみつづけるというのがイタい…。BLではない展開だよなあ。やはりあれですかね、BLというのはエロや同性愛が規定するものではなく、ハピーエンドが規定するものなのかもしれないですね。

木原音瀬『さようなら、と君は手を振った』

 「僕は幸せになるよ。幸せになって、君が幸せになれるように祈ってる」というオビの引用惹句はちょう恐かったのですが、まあでもいちおうそんなに不幸な結末ではなかったのでよかったです。
 のですが、この作家って、その結末までの過程が看過できないほどに過酷なこと多いですよね。

 従兄弟同士。高校生のころの夏、失恋して田舎へ帰り、従兄弟とそうゆう関係になったけど、町に戻ったらすっかり忘れてしまいました。が、社会人になったある年、実家の旅館の研修とかで上京した従兄弟と再会。
 都会ものの従兄弟はカッコよくってカッコつけで、だっさい田舎ものの従兄弟と一緒にいるのを見られるのもイヤ。なんだけど親もうるさいのでまあ仕方なく面倒をみてるうちに、なんかまたそうゆう関係に。狙ってる女性のアテウマにしたり、ごはんたかったり、イライラをぶつけてひどい抱き方したり、あげく彼女とのデート代たかったり、やりたい放題してたけど、ある日突然従兄弟はいなくなってしまう。

 こんな感じで、前半は最低なバイ攻め×淡々とつくしまくる受け、攻め視点。これは、受けにとって過酷ですよね。
 後半では、数年後、改心したやっぱりカッコつけな攻め×でも信じたらまた失ったとき立ち直れないお、な受け、受け視点。まあ、数年たってるのも、受けが攻めを信じられないのも、受けの子どもがいたりするのも、全部攻めがわるいんですが(笑、でも攻めにとって過酷ですよね。
 こういう、ある種残酷な語りって、どうなんでしょう。個人的にはもうちょっと甘くてもいい気がするのだけど。あと、それにともなってか、甘い後日談もあんまり書かれないよね。この後日談も、『こどもの瞳』の後日談みたいに第二世代になってしまってて、なんだかいまひとつ物足りなかった。
 まあとはいえ、最低ノンケ(気味)攻めが改心するという話形は好きだし、やっぱり面白かったです。

 あと、オビ、違う意味でもびっくりしました…このレーベル、木原音瀬以外の作家のノベルスも出すんですね…!(笑

2008年07月21日

樹生かなめ『黄昏に花』『黄昏に花が舞う』

 エリート銀行員、25才×挫折した元エリートの、関連会社で黄昏れる45才。
 受けは外見は35才くらいにしか見えず、イケメンの面影を残してるものの、周囲の評価は挫折した斜陽オヤジで、過労やら離婚やらの影響か10年来のインポテンツ。
 ある日銀行きっての若手エリート攻めに惚れられ、猛攻をかけられ云々。

 今更なのですが、どうもこの作者の文体が肌にあわない気がする…最初に読んだ『猫から始まる恋もある』の設定が好きだったので、何冊か読んでみて、ちょう今更なのですが…。文体もだけど、なんかすごい場面がとんだり、会話がかみあってなかったり、無用なというかどうつながるのかわからない展開が入ったり、なんか読みづらい。しかしその辺はささいなことで、なんかBL的に物足りない気もする。しあわせ分が足りないというか。

 この作も、設定が気になって、結構探して買ったんだけど、…なんか、若いエリートイケメン×年上のさえないオヤジという萌え設定のおいしいところが、あんまり活きてなかった気がする。受けは攻めから逃げ続けて、情はあるらしいもののその描写も唐突だし、周囲の女子社員とか作者は楽しんで書いてるんだろうけど、本筋が物足りないのにモブがきっちり書かれてもなあ、という感じ。うーん。

銀魂/坂田銀時

 新ジャンルすみません…。
 いや銀魂面白いよ。
 あたしは銀魂は打ち切りレースに参戦してたころのイメージがぬけなくて、この作品なんで結局こんなに続いてんだ、とかずっと思ってましたゴメンナサイ。いや、確かに一巻とかいまいち面白くなかったんだけど、読んでくうちに話はどんどん面白くなるし、笑いのツボもいいかんじについてくるし、なによりキャラがみんな魅力的。絵はあんましうまくないんだけど、ちょっと冨樫に似てる気がする。

 銀さんいいね!昨今はやり(当社比)の細身美青年とかなんのそのな、むっちり体型がちょうクロエ好み!あと二十代もおそらく後半という年齢設定はどうなのジャンプ的に!クロエ好みですが!しかしこれは人気がある主人公なんだろなーとも思う。だらだらでやる気なくって甘党でエロくて往年のジャンプが大好きで、でも人情家であつい。破格っぽくも、王道なんだよなあ。なんというか、ズルい。ぶりぶりでかわゆいおんなのこくらいにはズルい(笑
 しかし…似ないな!死んだ魚のような目は描くのむずかしいよ!

2008年07月23日

嶋田尚未『白馬な王子様』

 素直になれないお貴族様×動物でも人間でもすぐなつかれちゃう厩務員。
 この作家らしいかわいらしい受けに、傲慢で不器用な攻めという王道パターンで、馬視点なのがちょっと異色か。馬の描き方とかちょっと、コメディにしても雑だなあという印象…。
 この攻めが大好きでインケンな従兄弟が、受けの先輩の底抜けにポジティブな厩務員とあれこれで、従兄弟がこの作家らしくないごつい受けだったのはまあ目新しかったかも…。

田中鈴木『アイツの大本命』

 例のアンソロブサイク特集から生まれた連載だそうです。

 モテないどころじゃないブサイク少年が、学校一イケメンのモテ男に惚れられて云々。

 田中鈴木の少年漫画っぽいペンタッチと、雰囲気ある学園描写がとってもよいです。
 攻め(暫定)まわりの女の子たちも、普通ただの攻めファンのやな女子たちになってしまいそうなのに、なんだか味があっていい。や、やな女子なんだけど(笑。受け(暫定)の友人のブサイク仲間(ごめん)も、自分が失恋しても受けを応援するとかいい奴じゃないか(笑、幸せになって欲しい(笑。攻めは若干判りづらいというか、表情が内面読めない感じ。でもそれは逆に絵がうまいからという気もする…いずれ攻め視点の話も読んでみたいなあ。そしてなにより、天然素朴な受けがとってもかわいい。
 展開も、二人の過去とか、イケメン攻めの以外な過去とか、イケメン×ブサイクという設定にたよらずにきちんと面白いです。

 併載の、八方美人な転校生と、不器用少年の話もすっごくいい。
 この作家の学園ものは、とてもいいなあと再確認。絶版の作品が再刊されるそうなので、楽しみ。

2008年07月24日

日高ショーコ『足りない時間』

 短編集。
 高校生、学年主席×二位。コンプ感じつつな受けは、攻めはなんでそういうことするんですかね?と思いつつ、次第に煮詰まったり。
 その学校の教師×高校の時の同級生は、優柔で言葉が足りない攻めが結果的に意地悪攻めな感じ。
 などなど、どれも可もなく不可もなくという感じで、悪くないけど物足りないし、あまり読後に印象が残る感じではなかった。
 ファーストコミックスだったのかな?

『連想キャラバトン』

 ということで、『連想キャラバトン』というのをいただいたのです。送り主であるなまけもののひとりごとのたつみさんは、クロエから花井梓を連想してくださって、あぁすごく判ってくださってる…!と感激しました(笑
 十人の方にまわすのは無理ですが、オンラインのお知り合いの方々について、イメージをあげさせていただきます。バトンはスルーしていただいても全然かまいませんが、もしお時間とご興味とがおありでしたら、よろしくおねがいしますv

【ルール】
・お友達の名前を10人あげて、その人から連想するキャラ名を答えてね!
・名前の出た人は、必ず答えてね! おひまでしたら。
・一度やった人はスルー可!
(追記:スルー上等、お時間に余裕とご興味ございましたら、で。)


★マリィさん
→マリィさんといえば、花京院典明。アバッキオでもいいのですが、あたしの中で花京院といえばマリィさんなので、逆説的に。

★蜂郎さん
→蜂郎さんといえば、レオーネ・アバッキオ!私淑してます。ちなみにご相方の乾千代さんからはブチャラティを連想します。

★やくもさん
→やくもさんってキャラ萌えしなさそうなイメージです。あえて言うならねぎっちょでしょうか…いえ、他意はなく、旬なので。

★Kえもんさん
→Kえもんさんといえば、大江健三郎…はキャラなのか…?(笑。ともしび更新してください~(笑

★たつみ暁さん
→バトンありがとうでしたvたつみさんといえば、クロエ的にはいまだヴィンセント・ヴァレンタイン…あと、何だっけ、あの、甘食みたいな…(ごめん

遠野春日『LOVEラブ』

 テニス部の二年生エースは、ある日見知らぬ相手からの恋文をうけとるが、送り主が三年生の目立たない男だとわかってうわーキモイ、とか思いつつ、なんだかんだで交流。自分の好きなように振り回して好き放題して自己嫌悪の繰り返しだが、先輩は文句ひとつ言わずに呼び出せば毎回やってくる。

 ノンケ高校生が同性愛者という理解不能な相手を好きに扱う残酷さとか、でも後悔してしまう健全な良心とかは、リアリティあるように思われた。あたしのすきな傲慢ノンケ攻めともちょっと違うというか、この作品の場合はまだ攻めにも至らない感じだよね。ただただ残酷ノンケ、という感じ。まあBLなので安心して読めるわけですが。
 で、まあよくもわるくも予定調和的に卒業し、後半では高校生×大学生のCP未満からはじまって、受けの過去の男に邪魔されたりなんだりなんだけど、CPになると普通にBLらしくなっていった感じ。しかしこの後半では受け視点が入ってくるんだけど、なんだかあんまり面白くなかった。残酷なノンケに対してあんなに粘り腰を見せた受けにしては、結構淡々としてる感じなので違和感もあった。

 ただ、攻めが受けに対して、女の子に思うのと同じように思う、という表現をしてるのがある意味興味深い。BLとして、あるいは同性愛として、相手を女の子と同じように思う、扱う、っていうのはどうなんだろう。傲慢でもあるし、不自然な気もするんだけど。
 この攻めは受けを明らかに性別:受け、として認識してて、自分が攻められるというケースは全く想定していないわけだよね。この攻めにおける、同性の恋人の受け入れ方というのは、あくまで自分は攻めという位置に居ることを前提として、自分の男性性はゆらがせず、相手を受けとして措定し、女の子のようにあつかっていく、という関係性でしかないわけですね。受けもそういう関係性は納得しているっていうか、うたがってもいないっぽいけど、なんか違和感が残る。何て言うか、君たちはそれでいいのかっていうか…いつかどこかで破綻しそうで、フィクションだけれども見ててはらはらするというか…。

 論じるにはいいテクストかもしれないけれど、あまりモチベーションはあがらないなあ…。

2008年07月25日

鳩村衣杏『不運な不破氏の愛人契約』

 喫茶店の長男、過去には有名カフェの一流ギャルソンだった過去を持つが、その後結婚を機にデパートづとめをし、リストラ離婚とふんだりけったりな35才。姉がついでる実家の喫茶店に身を寄せようとしたら、喫茶店は経営難、土地買収話がもちあがってる。そんな折に土地をねらってる企業のトップがやってきて、長男がペットになるなら融資するお、という話に。

 なんかもういろんなモチーフごちゃごちゃ詰め込みすぎで、雑然としてて何が書きたいのか全然わからない。
 35才はせっかく(?)オヤジ受けなのに、外見は二十台、性格もただのおっとりのんびり受け。流されやすいというキャラづけはともかく、一度は離れたけどやはりこの仕事が好きだとか言ってしまうギャルソンへの執着が、このごちゃごちゃしたキャラ設定の中では唐突に感じられて、感情移入出来ない。
 攻めも双子設定にはなんか意味あったのか、受けを混乱させただけでは。こっちのほうのギャルソンへの執着の仕方もよくわからないというか、自分がギャルソンにあこがれてたというのと、受けに感銘をうけたのと、受けに再会をしてからの話とがあんまりきれいに接続してなくて、雑な印象。開店予定の喫茶店の話もなんか適当ぽいというか、受けの提案とかもなんだか素人くさい。
 周囲のキャラも人数多すぎて、特に攻めの双子弟はあんまり出てこない割に役割は重要だし、不可解すぎ。後書きに冗談めかして書かれてたけど、シリーズ化のためだけの複線かと思うとちょっとげんなり。

 受けの受け身な性格からくるヘタレオヤジのシンデレラストーリーとか、攻めの双子設定、愛人契約と過去の愛人の顛末とか、受け実家と攻めの理想の喫茶店話、ギャルソンにまつわる因縁話、などなどとにかく詰め込みすぎで、それらが巧くまとまっていればいいんだけど、ちぐはぐで読んでて疲れる。

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 正直なところ読みながら、ほんとに鳩村衣杏なの??とまで思った。『秘書の嗜み』はいろんなモチーフもってきてもきれいにまとまってたのに、この落差は一体…。

ひちわゆか『今宵、雲の上のキッチンで』

 初読作家です。再刊ですね。面白かったです。

 カフェ「ルフージュ」のマネジャーは、にっこり微笑めば金魚でもおちると言われるイケメンだが、非常な毒舌の持ち主で、恋人とも長くつづいたことがない。ある日騒がしい客をなだめてたら、客の知り合いらしいイケメン社長が仲裁してくれました。あらいい男、と思ったら、しかしひどい嫌みを言ってくるのです。やな客だなあと思いつつ、物損を弁償してくれるというのでにっこりしておくマネジャーですが、実は社長は雑誌記事でマネジャーを知っており、憧れからくる緊張であまのじゃくな嫌みを言ってしまったというわけなのです。後悔する社長は謝罪に行ったりするもまた嫌みを言ってしまい、二人の間には決定的な溝が出来てしまうのです。
 そんなある日、社長秘書のおじいさんに頼まれて、マネジャーはしぶしぶ社長のためのディナーを作ってあげることにしました。社長は正体不明の料理人に会いたいのですが、マネジャーは勿論拒否です。しかし社長の計略で、真夜中のキッチンで出会った二人は、相手を知らない/顔の見えない気安さからか、本音トークで距離が縮まって云々。

 と、ややこしい設定ながら、すんなり読める無理のない展開で、面白かったです。
 とにかく主役二人のキャラがよいです。社長にむかつきつつ、自分の口の悪さを反省する受けは、わりと普通っぽいキャラかもしれないけど、かわいいしちゃんとかっこいいのです。書き下ろしで、豆大福食べられなくてむってるとことか、かわゆい。
 店長を「おっかない人」として怖がりつつ、自分のあまのじゃくさに身もだえる社長も、ダメでかわいくて、でも実は素直なので、とってもいいキャラなのです。やっぱり書き下ろしで、マネジャーの誕生日プレゼントを考えて秘書にダメだしされるとことか、ちょうかわゆいです。

 そしてそんな表裏のある二人なので、それぞれの視点が交互に出てくるのがとっても活きてます。
 ただ、社長が謎の料理人に惹かれるのはすごく自然なんですが、受けとは離れたところで恋愛感情が育ってしまう感じなので、受けにたいする未練ももうちょっと書いといてほしかったなあという気もします。
 あとタイトルが、内容がイメージしづらい気がするので、訴求力有るのかないのか微妙な線かなあという気もします。雲の上は、社長の住む高層マンションの最上階を意味し、雲の上の人を暗示する、いい表現ではあると思うのですが。

2008年07月27日

山岸凉子『テレプシコーラ 第2部』1

 第二部になったのね。
 内容はほとんど本誌で読んでいたのだけれど、ローザンヌ編はある意味安心して読めるようになった気がする。これ以上悲しい事件は起きないでほしい(涙
 あと六花ちゃんは、かわいいのかかわいくないのかよくわからないけれどかわいい気がする。のんびりな六花ちゃんが、少しずつ成長していくのもいいけど、思いやりとかを忘れない六花ちゃんがむくわれるとよいなあとやっぱり思う。

松岡なつき『FLESH&BLOOD』1、2

 ほんっとうにおめでとう!

 前から気になっていたので読んでみました。
 21世紀の英国、父の仕事の関係で英国生活も長い高校生海斗が、ドレイクに憧れてゆかりの地を旅行してたら、異次元の穴からタイムスリップしてしまいました。途方に暮れてたら、ドレイクの信頼あつい海賊船長ジェフリーに出会い、彼の船に身をよせることに。

 BL要素は薄いし、ふつうのジュブナイル小説が、時折やおい的になるだけという感じ。なのでちょっと展開がゆっくりだなあと感じる部分もある。
 ところで、予備知識なしで一巻を読んだ段階での、ベタな展開予想。というか希望かも。

 1、航海長ナイジェルは結局海斗を気に入り、ジェフリー嫉妬
 2、海斗はいずれ、敵のスペイン人ビセンテと一時的に行動を共にすることに
 3、その結果海斗はビセンテに情がうつってしまい、ジェフリー嫉妬
 4、ビセンテの方でも海斗に好意をもち、やっぱりジェフリー嫉妬
 5、海斗の友人和哉が過去にやってきて再会
 6、和哉が誰かとCPに
 7、あるいは、逆にジェフリーが未来に来るというオチ

 二巻では、1の前半は出てきましたね。今後どうなるのかなー。

2008年07月28日

中村光『聖☆おにいさん』2

 一巻の方が微妙に面白かったかな。ファーストコンタクトのインパクトにまさるものはないというか…(笑
 でもネタはつきないというか、クリスマスネタとか、アキバの話も面白かった。あと螺髪の構造は知らなかった…。今後どういう方向に突き進むのか、それともこんな感じのまま続くのか(そんな気もするけど)まだまだ続きが楽しみです。

阿仁谷ユイジ『ミスターコンビニエンス』

 まだ二冊目だけど、この作家はとても好みっぽい。

 コンビニバイトを切られた受けっこは、ひそかに思いをよせてた店長に告白。
 その後も微妙な交流がつづくのですが、この店長が典型的なヘタレダメノンケ攻めで、とってもよいのです。本部から地方の採算とれてない店舗にまわされた、ちょっと優しげの年上のおにいさん。なのですが、地方にまわされたのは上司の愛人を寝取ったせいで、その彼女とだらだらつきあってて、受けにも微妙に思わせぶりで、だらだらそんな関係にとか、ずるくて優柔でダメノンケなのです。
 受けは受けで、見た目はふつうの現代っ子ながら、タイトルどおりの無心のつくしぶり。

 この作家は二冊とも、ゲイとノンケのCPだったけど、ゲイ側のこの過去の恋を番外編で書くのはちょっといやだなあと思った。

2008年07月29日

松岡なつき『FLESH & BLOOD』3~5


 いや…確かにね、ナイジェルとカイトがなかよくなったらジェフリー嫉妬して面白いだろうなあとは思いましたが、そこまでガチでナイジェル→カイトになっちゃうと、報われないナイジェルがせつなくてかあいそうになってしまうではないですか…

 お話自体は結構ゆっくり展開な気がするのだが、しかしこのままレパント海戦まで描くとすると、はたして全何巻になるのやら。ロンドン編は意外だったというか、しかし確かにタイムスリップものなのだから、当時の有名人が軒並み出てくるというのも醍醐味だよね。ビセンテサイドのセルバンテスとかもね。ナイジェルに惚れてるマーロウはもっといろいろ出てきて欲しい。というわけで、タイムスリップでちょっとやおい、なジュブナイル小説として、普通に面白いです。

 あーしかし、つまりやはりナイジェルが一番気に入ってしまいましたですよ。
 主人公二人もいいけれど、カイトはわりと普通の純粋爛漫受けっこだし、ジェフリーも優しいけど自信家イケメンモテ男という定型攻めだし、お堅くて最初はカイトに反発していながらも、真摯に惚れ込んでしまったナイジェルは、あまりにおいしいキャラすぎる…そういえば、キャラ文庫のフェアで小冊子をもらったけど、これもナイジェル一人称の話だった。人気のあるキャラなんだろうなあ。

東京でバナナが育つくらい。

 なーんて話を、皆でしてたことがあった。こう暑くては、育つかもしれません。

 そんなわけで神仙横町への留学を終えました。結構楽しかったです。今度は長期留学してみたいくらい。でもとりあえず、次はどこに留学しようかなー。今度は温泉街かなあと思っています。

 やっと休暇をもらって、忙しかった間の骨休めでもしようと思ってたらものすごい時間を浪費してた。なんかBLばっか読んであとは友達とかとお酒飲んでた。仕事は出張に行ってジョニィ・ジョースターごっことかした。ちょうたのしかった!あとちょっと原稿も書いた。

 そんで昔の論文見返してたら、昔書いた文章って結構よくもわるくも身の毛がよだつかんじなのはよくあることなのですが、「終戦の混乱と希望の中で」なんてセンテンス、ほんとにあたしが書いたんですかね。昼夜逆転してひっしこいて修論書いてたせいかしら…。

 ところで1994年のコカコーラのCFがすごく気に入っていて、誰がうたっているんだろうとか曲名とか長年の間気になっていたんだけど、気になっていたということをふと思いだして検索してみた。ブラボーインターネット。ブラボーYouTube。原曲らしい英語版を発見した。でも曲名もアーティストもわからんかった。でもあれちょうすき。

 さてさてふふふ、ほんとうにおめでとうなのですv花井くんと、史上最強にかわゆい、うーんそうだな、たぶん栄口くんだな、を、とっても応援してますv今度はいっぱい遊べるといいね。

2008年07月30日

『アフタヌーン』九月号

 なんと…!
 千代→阿部か!
 …水谷かわいそうに。

 というか、三橋→千代?っぽい?
 三橋→千代→阿部→三橋の三角関係ですか?

 いずれにしても、なんかおお振りで恋愛ネタ(男女の、笑)が出るのはじめてだったので、びっくりどっきりでした。
 あと気になったのが、阿部ってあの世界の中で、カッコイイキャラ扱いなんですかね?ということです。
 千代ちゃんから見た阿部って、冷たいけどかっこいい同級生ってキャラなんですかね?それとも顔は関係なく、野球への情熱とかに惚れたとか?どっちなんだろう。千代ちゃんの認識も気になるけれど、あの世界のイケメン基準も知りたい。作中でイケメン認定されてる人はいなかったよね、確か。



2008年07月 アーカイブ

もくじ

 『アフタヌーン』九月号
 東京でバナナが育つくらい。
 松岡なつき『FLESH & BLOOD』3~5
 阿仁谷ユイジ『ミスターコンビニエンス』
 中村光『聖☆おにいさん』2
 松岡なつき『FLESH&BLOOD』1、2
 山岸凉子『テレプシコーラ 第2部』1
 ひちわゆか『今宵、雲の上のキッチンで』
 鳩村衣杏『不運な不破氏の愛人契約』
 遠野春日『LOVEラブ』
 『連想キャラバトン』
 日高ショーコ『足りない時間』
 田中鈴木『アイツの大本命』
 嶋田尚未『白馬な王子様』
 銀魂/坂田銀時
 樹生かなめ『黄昏に花』『黄昏に花が舞う』
 木原音瀬『さようなら、と君は手を振った』
 松崎司『覗機関狂威蜜』
 立野真琴『ミューズの学園で逢おう』2
 市川和秀『男気』
 門地かおり『第二ボタン下さい』
 日高ショーコ『リスタート』
 雪野ツナコ『little bird☆little love』
 ねこ田米蔵『神様の腕の中』4
 山本小鉄子『ほんと野獣』
 日焼け止めレビュー。
 …あれ?
 高井戸あけみ『ホームドラマ』
 『アフタヌーン』8月号
 海野幸『八王子姫』
 北別府ニカ『別れる2人の愛の劇場。』
 榎田尤利『理髪師の些か変わったお気に入り』
 浜野リカコ『迷走セブンティーン』
 夜光花『深紅の背徳』
 若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』5
 夜桜左京『ルームシェア』
 円陣闇丸『Voice or Noise』3
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