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2006年09月01日

ごとうしのぶ『暁を待つまで』(その1)

 発売日がたびたび延期になったし、それほど待望してたつもりは実はなかったのですが、いざその日が近づけばわくわくそわそわ、ユギたんの新刊も花音コミックスの新刊も読む気になれず、結局入荷が遅れた角川のせいで書店をぐるぐるめぐって、わたしやっぱりタクミくんかなり好きなのかしら。と思った。や、サイトまで運営しててこの言いぐさもヘンなわけですが、でもちょっと自分でビックリしたのね。
 で、ビックリは続きます。
 感想、あまりに長いので、分割してupします。

 もうね、初っ端の口絵からヤバかった…
 今のおおやさんの絵で描く若いギイって、かっこかわいいわ…すごくいい…前の(小説当時とかコミック当時の)二年ギイよりすごい好みだー。髪の色もこれくらいが落ち着いていいなー八津とかぶるけど(笑。

 そしてそして、最初のギイ視点のわずか3ページでもえもえきゅんきゅん、今回は単行本でページ数が多いのに、このテンションのエクリチュールが最後までつづくなら、わたしは羞恥のあまりに本当に悶絶してしまうんではなかろうか、てゆうか人間は恥で死なないとはとうてい思えなくなってきたよプッチ神父!(@ジョジョ)とか思って、修辞ではなく本当にどうしようかと思いました。
(まあその後すぐにクールダウンするパートがありましたが(笑、あれはびっくりしました。
 でもそっか、ギイの片思いって段階分けできるんだなあって、ここはすごーく納得した。失礼な言い方かもしれないが、流石だごとうしのぶ…!やっぱりこの作者の書く恋愛物語ってすごいなあって、タクミくんを初めて読んだ頃の気持ちを思い出したよ。最近のタクミくんて恋愛にピントをあててこなかったから、なんと言うか物語が宙吊りになってるような印象があったりして、ちょっとこういう衝撃からは遠ざかっていたように思う(ってゆうか新刊自体が久しぶりだし!(笑
 その後も、「視線」というキイワードでうまく最後までつないで、流石だなーと感嘆しきり。一方、相楽のゲームについては、あまりにあまりな幕切れで、ビックリしたものですが(笑、それもまたいいんでないかと。こっちが話の主軸だと思ってたんですがね…(笑

 まあそんなわけで、恋愛物語の方のメインであるところのギイがやっぱあの(前述)テンションできゅんきゅんしてて、とにかくかわゆかった!
 託生に嫌われてるって思い込んでたのは、やっぱギイも恋の前にはただの人ってことなんだろうなあ。なんか、他の人みたいに、ではなく、他の人より自分は特に嫌われてる、って思ってたみたいで、章三じゃないけどなんでそんなに卑下するのー、と思った。
 一方、託生と目が合った後で、麻生に対して余裕綽々のギイなんて、もう超可笑しい。すごいバカ。かわいい。恋の前にはただの人ってか、それ以前に確かに子どもなんだよなあ。
 あと、「ロマンチック」って言葉を使ってたけど、ギイにとってのロマンス(恋愛の意味じゃなくて)ってなんなんだろう。ギイって現実派で合理主義って設定だけど、結構ロマンチックな展開好きだよね。ロマンスイコール、必然の結果なんだろうか。このことは実は前々から気になってる。
 塩化アンモニウムの話は面白かった。でも三菱電機 DSPACE/2004年7月サイエンスエッセイ[舞い落ちる雪:杉木優子]を見ると、温度変化が必要なようですが…。しかし、なんか時々乙女妄想でつっぱしるよね、この人(笑、ごめんギイ。クリスマスの話とかね。
 それと、コンビニのビニール袋はどっから出てきたのやら。ギイはやはり時々不思議ちゃんです。謎がなくなったら崎義一でいられないのかもしれません(笑

 まーそれはさておき、ギイでも誰でも、託生に水分補給させてあげなよ…とも思った(笑
 託生はあんまり出てこなかったけど、それもまたよし。

 そんなわけで、その2に続きます。

2006年09月02日

ごとうしのぶ『暁を待つまで』(その2)

 その1の、つづき。いやーその1を見返して、文章が常にもましてメチャクチャでビビリました(笑。ちゃんと伝わるかなあ。
 てなわけで、その2です。

 アマゾンも画像入りましたね。

 今回、脇キャラがよかったよねえ。まさに群像劇、というかこのキャラの多さはなんだかファンサービスっぽかったけど、でもそれがきちんと面白くって、楽しかった。

 麻生先輩は託生をかまう先輩っていう予告があったので、カッコいい兄貴系かなと想像していたら、なんだかかわいこちゃんだった(笑。しかし、確かにいい意味でふんいきゆるい先輩ではあるけど、託生がさほど警戒しないで済んでるのはなんでかなー、いまいちよくわかんないなーって思いつつ読んでたんだけど、本を渡す場面を読んで、ちょっとわたしのこれまでの認識があまかったかなと思った。

 託生が人にさわられんのがニガテ、と知ったところで、きっちり気を使えるような高校生なんて、わたしが思っているよりも希有なのかもしれない。ギイが注意を喚起しようとしても、失敗していた(これはちょっとビックリだったんだけど、人間接触嫌悪症、って単語はみんなで共有してたんですか?だとしたら、それはどう考えても崎義一の失策では…?)ように。ていうか、むしろ逆に、あからさまに嘲ったりして子どもっぽさを露呈しちゃう、託生のクラスメートみたいな存在の方が、結構リアルなのかもしれない。
 だから麻生のさりげないやさしさとかって、大したことではないように思えてしまうけど、実は貴重なのかもしれないなと思った。

 で、そういう高校生の残酷さ、子どもさを逆から見れば、出来すぎなギイの親切が託生に届かなかったっていうことも、理解出来るような気がするし。

(ただ、ですね、高校生なんて、結構いい子が多いんですよ、ってわたしは肌身で感じてるのでどうしてもそれが唯一のリアルだと思いがちなんだけど、ごとうしのぶが残酷な子ども達としての高校生を描くのもまたある一面ではリアル、なのかもなあって思うのです)

 そんな麻生ですが、でも、もっと託生とのからみが読みたかったなあ。託生がモテるのは大歓迎だ(笑、その意味で今回三洲がちょっと物足りなかった…。
 あと、ギイへの「こんなにわかりやすいのに」という言葉が興味深かったんだけど、麻生はちょっと直観力にすぐれている人っぽいので、他の人にはわからない程度なんだろうなあ。

 相楽は結局名前しか出てこなかったので、ちょっと残念。ギイにウザがられてるところが見たかった(笑。でも受験の時の様子から考えても、ギイは相楽を本気で嫌ってたわけではないんだろうなあとは思うけど…。相楽ってなんだかキャラのつかめない人だったんだけど、確かに言われて見ればテンション高そうだね…(笑、正直三洲が心酔してた理由はわたしもよくわからない…。

 章三はなあ。仕方がないんだけど、子どもだなあと思った。や、前から章三は結構幼いとこあるんだなあとは思ってたんですけどね。もうちょっとギイをいたわろうよ!(笑、ギイ自身は章三に癒されてるけどね。
 しかし、章三はなんでギイの片恋に気づけなかったんだろうなあってのも前から思ってたんだけど、やっぱそれも子どもだからってことなのかな…あ、でも章三の場合、恋愛に関しては特に幼い、のかもしれない(奈美子ちゃんの件とか見てるとね。
 うーん、そういうふうにわかっていつつも、わたしはかなり章三を美化してしまってるので(つくづくわたしが二次創作で書いてる章三って、原作から最も離れているキャラだと思う)なんかこういう原作との乖離をまざまざとみせられるとちょっぴり淋しい…ような気もする。
 でも、なぜか「戻してくる」ですごく萌えてしまった…自分でもよくわからないけれど。だってなんか、カワイくないです?(笑

 柴田さん。名前だけでも出てきてくれてうれしかった。
 奈良先輩。なんと、科学部でしたか…!この人もいまだによくわかりません。
 三洲。三洲は一年のときは「444号室」か(笑、なんだか可笑しい。なんとなく三洲らしい気もする。しかし麻生の「一匹狼」を受けているとは言え、託生を「野生の狼」って…(笑
 高林。やっぱギイは高林を嫌いだったわけじゃないんだなー。
 島岡。ギイってやっぱ御曹司だったんだー、と思った(笑。だって、ギイって設定の割には結構扱いがぞんざいというか(笑、本人フットワーク軽いからか、簡単に誘拐とか出来そうに思えるし…。こんな裏事情があったのね。やっぱギイって未だにびっくり箱だよなあ。

 出てきて欲しかった人々。
 広田さん。なんか相楽→三洲の印象が強すぎで、気の毒な生徒会長だ。
 矢倉。この時期でもそれなりに有名人なんだよね?
 電話線の向こうの佐智。しかしギイが更にダメダメになってしまうか(笑

 なんと、まだ続きます…!

2006年09月04日

麻々原絵里依『初恋横丁』

 なんだかインターネットに接続するときのもろもろのアプリの調子が悪いのです。つながったりつながらなかったり。ブラウザかえてもアンチウイルスソフトを切ってもダメみたい。一度つながったサーバには軽々つながるような感じもある。うーん、原因がわからないのでどうにもこうにもです。メールやご連絡を見逃してしまっていましたらすみません…
 『暁』感想その3は明日か明後日に!

 ということで、ケガで引退した元Jリーガー×幼馴染のイギリスから帰ってきた研究者。
 研究室の不祥事で帰国した受けがほぼニート。で、すごく穏やかなというか、なんもない時間がながれていくというか。季節や周囲の流れの中で二人ともそわそわうろうろ、なんだがほとんどそのそわそわで埋められててもどかしいというか。もどかしいとはいうものの、胸きゅん系の恋バナって感じではなくって。むしろもうどうでもいいですよ!とか投げ出したくなると言うか…うーん、やっぱちょっと薄いんですな。
 あと、自分から動かない受けがちょっと感じ悪い(笑。
 周囲のひとびと、商店街の人々やそれぞれの家族はなかなか面白かったけど、でも余計に主人公二人の薄さが際立っちゃったような気も。

 麻々原絵里依、やはりちょっと漫画はイマイチだなー。しかしわたしはこの絵がやはり好きらしい。つい読み返してしまった。
 また原作ものを描いて欲しいなあ。

2006年09月07日

ごとうしのぶ『暁を待つまで』(その3)

 ネット環境はなんとか回復したのですが、引退した野球部が揃いも揃って茶髪にしてきたので、どん底まで落ち込んでました。

 ウソです。
 仕事のペースがつかめなくて、ばたばたしておりました。なんだかすごく疲れた。
 そんなわけで、ちょっと時間があいて落ち着いてしまったけれど、まだ書き残したことがあるような気がするので、いまさらながらみたび『暁』です。感想がその3迄きてしまうなんて、マヨイガ開闢(笑)以来の椿事ですな。

 ということで(?)託生に戻る。
 一年託生はギイとは違う意味でわからないことだらけ。たとえば託生が麻生に誘われて退出したのって、もしかして単に本当に体調が悪かったせいだったのかなあ、とか。けど、託生はよくわからないからこそイイ気がする。
 いろんな意味で、『暁』の託生はほとんど空白だと思う。
 その空白に意味を充填するとしたら、それは託生でさえ意識化してない部分を言語化することになってしまうだろう。簡単に言えば、必死で押し殺している級長への気持ち、を暴いていくしかなくなっちゃう。で、それは書かなくていいと思うんだ。ほのめかすくらいでちょうどいい。あんまりダイレクトに書かれるとかえってシラケそう。

 逆に、ギイのほうは託生への気持ちがもう少しは詳しく書かれていたけれど、それでも気持ちをダイレクトに言葉にするよりも、不審な行動(笑)とか、麻生や章三とのさりげない会話とか、そういう搦め手から書かれてる部分のが多かった気がする。
 そして、そういう変化球で書かれていくギイにもまた、託生とは違う意味でわからない部分が残る。書かれないからよくわかんない託生と違って、ギイの場合、書かれてもよくわからない、って気がする。色男には謎が多いってことなのかもなあ(笑。

 そんなわけで、一年タクミくんはあんまりギイタクギイタクでもなかったけれど、でもそれでよかったんだとわたしは思う。バルトの見た東京のように(笑、いや適切な例じゃないのはひゃくも承知で)中央にしっかりギイタクがいるなあって。

 タクミくんはチラリズム(笑)とゆうか、明確でないところ、からふんいきをつくってくのがすごくうまいと思う。作品の織られ方じたいががゆるい(あえてこの言葉を使うなら、まさしく〈ライトノベル〉なのだろう)ってのもあるんだろうけど、でももうそれがタクミくんのエクリチュールだしなあ。個人的にはそれはそれでいいっていうか、もはやそれでないと、って感じ。
 うーん、なんだか感想までも不明瞭になってきた(笑。

 他にもいろいろあるんだけれどなんだか飽和してきちゃった。
 図書当番ってなんなんだろうって前から思ってたんだけど、…無茶苦茶な制度だった(笑。しかし無茶苦茶であるがゆえに、作者は何かしらの現実にある制度をモデルにしてる気もする。
 あとこれは、二次創作してるクロエのごく個人的な感想として、胃痛のギイにあぁ~…と思った…なんだよーブラックホール=胃が丈夫なんじゃないのかよー(笑。書き直さないけど。
 あー。真三洲のことに全然触れてないね!(笑
 面白かったです、普通に。三洲は真行寺大好きだなあとか。しかし、自分はまだ三洲のキャラクタがいまいち把握しきれていないような気もする。っていうか、なんだかいっつもそう思う(だから三洲は書きづらい。

 なんだかまだまだ書き残していることがあるような気がするけれど、ひとまずこれにて。
 未記録の既読テクストがまたたまってしまった…!

2006年09月08日

語シスコ『こどもの時間』

 「銀河鉄道の夜」が実写映画化されることになりジョバンニを演じるのは若手女優の谷村美月(16)
  ( ゚д゚)
 いや…ちょっと、その、なんて言ったらいいのか。
 とりあえず、カワイイ方ですね。

 …でもさあ、どうせなら神木ジョバンニ&カムパネルラは柳楽くんとか、とか!そんなん今しか撮れないのに!!!(涙
 あーWaTでもいい(略

 大変!
 マヨイガがブログ化して以来はじめての語シスコのコミックスなんです、よー!
 …なんですが、
 あんまし期待はしてなかったけど、やっぱ未収録短編は所詮未収録短編だったよ…。

 いまいち突き抜けた作品がない。語シスコのコミックスといえば、そこそこ面白いのがいくつか、イマイチなのもちょっと入って(なければないでいいけど)、ずっしり未読できるのがひとつふたつ、って構成が黄金率って感じなのに。
 ってか、要するにずっしり重みのある面白い未収録作品なんて、もう残ってないんではないかと。とりわけわたしの中ではエポック系という分類にしてる作品群があるんだけど(笑、そゆのがないと、どうも淋しい。

 エポック系とわたしがいうのは、ニブちんのマコ×無茶苦茶な凛の高校時代から十年そこそこをたったあれだけのページ数で怒涛のように描き込んでくれてる「マイ ビューティフルライフ」とか、キレてるイケメンエリート藤堂×凡人安藤のこれまた中学卒業~商社~脱サラまで描いてしまう「Rainbow man」とかのことで、あれはもうとにかくスゴイ…スゴかったよなあ。よくもまァあのページ数であれだけの年月の積み重ねをつめ込んで、面白くって感動できる短編を描けちゃうなあって思ってたし、今読んでもスゲーって思う。
 ああいうのをまた読みたいのだけれどなあ…。

 あと、重い、ってもアンハッピーエンドはダメなんですよ。語シスコのアンハッピーエンドってとりわけニガテで。「Empty Heart」とか!すごくニガテ!
 で、今回も「子供の時間」ってゆうアンハッピーエンドものがありまして。一気に欝ですよ。

 まあでも、勿論面白かったものもいくつかありましたよ。
 地域語攻めもの(?)の「復讐するはラブにあり」は内容はともかく攻めがよろしかった。ゴリゴリのマッチョ坊主自衛官のパパが退官して後妻でなく後夫(?)をつれてきて、更にはどんどん女性的になっていく「世界で一番パパが好き」とか、手芸大好き乙女系攻め「ラ・ラ・ラ・ラブソーイング」とかは、普通に面白かった。書き下ろしの作家×編集者っぽいのも面白かった…けど、これは後編なんですな。他社編集攻めに一瞬期待したけど…あはは。

 そんな感じで、期待しちゃいけないと思いつつ、久々の語節に期待しちゃってました、という感じでした。おとなの時間の方は未読なのでまたいずれ。

2006年09月09日

柊平ハルモ『焦がれる胸にくちづけて』

 ナントカバンクの投資プランナーとかそんな感じで受けの父の担当で、なんだか家庭教師もすることになって攻め×生意気やんちゃ受け、受けの父さんが倒産(スミマセン…!!!)、数年後に再会。

 執事でもないのに(笑)年上敬語な攻めってイイわあ~。
 受けは元気がとりえな感じだけど、一家破産を経験してる勤労学生で苦労しいだし、やな感じはそんなにしない。ただ、いくら若手とはいえ大学教授にタメ口というのはいくらなんでも…。もうこれは、それだけでも萎えるくらいにはイヤだなあ、個人的には。
 あと、藤井さんの絵はやはりちょっとニガテだ…。

2006年09月10日

文楽『仮名手本忠臣蔵』

 きのうのことですが、文楽を見にいちきました。
 仮名手本忠臣蔵です。見たのは三部だけだったんだけど。面白かった~。
 ゆずりが人形浄瑠璃に興味をもったのは、勿論『あやつり左近』が端緒なんですが(笑、結局見たのは今回がはじめてで、あれは、人形、でもない、人間、でもない、動く人形、だった。

 紹介してくださった方が人形遣いさんに会わせてくださって、楽屋や舞台裏も見せて頂いた。そこはかとなく和な空間が面白かった。
 それで全然関係ないけど、あたしやっぱ舞台裏大好きだなあと思い出した。明と暗のコントラストが強烈で、せまくってなのに天井高くって、独特の空間だよねえ。もうちょっとなんかの才能があって緊張に強ければ、舞台裏に入る仕事に就きたかったなー、と(笑。

 ええと、舞台の内容に関してはあまり書くこともないけれど、一緒に見ていたひとが議論仲間(?笑)だったので、互いにクリティカルな目線での感想で同意し合ってしまったのがなんだか笑えた。
 時代の限界というのも何だか傲慢な物言いであると思うんだけどねえ。でも今現在の価値観を既に知ってしまった後代の読者は、どうやって時間を乗り越えられるんだろうか。乗り越えちゃっていいんだろうか、とも。
 テクストを享受する上での問題としては勿論、もしかして批評する上でも実は看過できない問題なんではという気がするんだよねえ…規範批評は、特にある特定のイデオロギーを唯一絶対としての規範批評は、大嫌いなのだ。
 でも、ではこういう時代のテクストを、どうやって評価しようか。うーん。

2006年09月11日

やまかみ梨由『満たされる唇』

 最近アマゾンアフィではオビまで画像に入ってしまうので、なんだか不満です。おもろいオビのときはうれしいけど…。
 そんな時ー!ビーケーワンー!(CV:ドラえもん)

 先月の新刊だったのか。

 なんでも出来る美形兄と、兄に全然似てない凡人引っ込み思案弟、のところへ遊び人風の男が現れ…という、まあテンプレって言えばテンプレ設定・展開なんだけど、兄が弟への独占欲で弟を抑圧してるところとか、あまりに『Breath』とかぶりすぎ…。
 でもまあ好物設定なので、結構楽しみに読みすすめました。途中まで。

 弟が髪型を変えたあたりから急に性格が変わってしまって、超違和感。弟が逃げ出す展開も、その展開自体は悪くないものの、その後がなあ…。ページの都合なのか、あまりにあっさりとしたハピーエンドで…なんというか、弟の一貫性のなさとか微妙な成長してなさとか含めて、どうもカタルシスがないままに終わってしまう感じ。

 あれだよねー。こういうテンプレ設定って、要するにシンデレラもの、落窪ものみたいなものなんだから、きっちりとしたカタルシスがほしいわけなんですよ。

 新奇な物語なんてねー!
 スカッとするからテンプレ設定してるだけなんだよこのボケー!
 聖書にもあるぜ、右のページで似てない兄弟出したら、左のページで兄に弟萌えさせろってな!

2006年09月12日

山田芳裕『へうげもの』3

 少し前にネット上で知り合ったある方のお名前が、わたしが心酔しているメガネのファーストネームと一緒なので、ちょっとドキドキします(その方は女性なのですが、ステキメガネの名前が女性っぽいのですよ。
 メールでやりとりする際に、○○様、とか書くとうひゃーわたし何書いちゃってんの!信者ですか!とか思ってしまうのです。馬鹿ですね、徹底的に。

 あ、梓さま、ではありませんよ!

 上さまあぁ。
 最期の展開はちょっとビックリというか、語っている内容はちょっと唐突な気もしましたが、最期の最後はかっこよかった…。
 ああぁ。

 まあそれはさておき。
 ちょっとまた路線がかわってきたような。
 今回は、箔付けのためのツールとしての名物、がクローズアップされてる感じで、織部もあまり目立ってない気がする。名物への執着は書かれても、そのモチベーションが他の大名とかとどう違うか、とかがあんまりわからない。
 ハートマークに「信」の字の幟には笑った。織部に驚嘆してるどこぞの人とか面白い。
 あと、どうでもいいけどあんなに抹茶一気に飲んだら動悸息切れがしそう。

 まあそれはさておき。
 後半は、とにかく光秀カッコヨス…!!!だった。あれだね、すべての武将をがっつりキャラだてして、しっかり花を持たせていくつもりなんだね。うーん、サルもどうなっていくのやら。

2006年09月13日

崎谷はるひ『恋愛証明書』

 悠仁だったらハルヒトって読めばいいのに。
 ……って思った『第三の帝国』ファンは多いはずだ!
 (ユーリは悠里と書いてハルサトさんでしたよね…なんて連想をしてるのはわたしくらいなのか。

 妻子ありマイホームパパなリーマン攻め×美人でファザコン、喫茶店のウェイター受け。
 離婚したパパをなぐさめるけなげ受け…!

 なんですがー。
 まあ、どうせハピーエンドなんでしょ、と思いながら読んでるせいもあるのでしょうが、受けが不幸に酔いすぎ。銀座の場面とか。ぐだぐだ悩んでる内容も、ぜんぜん論理的でないっていうか理由付けや留保に一貫性がなくって、そういうところも不幸に酔ってる感を倍増させてる気がする。
 受けの恋愛についてとかも、ファザコンだから相手は家庭持ちが多い→いつも相手につくして報われない→ファザコンだから甘えたがりでこんなにいろいろ相手にしてあげるの初めて、って、どっちなの?どういう受けなの?とよくわからん。
 白○受けにも食傷気味になってきた。
 攻めも受けをいじめたいのかあまやかしたいのかどっちなんだ。いや両立してもいいけど、なんかどっちも半端な気もする。

 いや、でも結構楽しく読んだつもりではあるんですけど(ホントに、感想書くとなると…なんだろうか、わたし結構キャラの一貫性のなさが苦手なのかもしれない。

 街子マドカの絵は結構好きなんだけど、子どもの絵とか、横顔とか、なんだか統一感がないような…絵柄を意識的につくっているような感じもする。

2006年09月14日

語シスコ『おとなの時間』

 梓、と名乗る人からメールがきました。
 花井梓かよ!!!
「夫のパソコンからメールしてます。
 いつ気づかれるか不安で…

 …夫って誰だ!!?

 作家×編集者ものは、書き下ろしが続編になってるんだけど、書き下ろしよりもこっちの古い方が作家がエキセントリックで面白かった。語シスコのこういうエキセントリックで変態でもう犯罪スレスレな変質者っぽい攻めはすごくいいと思う(こんなん全部褒め言葉ですよ!
 ふつーのコンビニ店員×同僚の年上天然ボケ、彼氏がつくった借金のために覗きサイトに出てる受け。は、普通に面白かった。やや薄味か。
 剃毛好き理容師×客は…特に悪くないんだけど、なんかオチが…キタナイ…物理的に…。
 いい人そうな攻め×部屋がキタナイ受け、は…内容はともかく、もう本当にうんざりしてしまった…。汚部屋受けが全然成長しないままに終わってしまい、いい人っぽい攻めが一生苦労しそうで…これは本当に物理的にキタナイよ!(涙
 高校時代のカップルが再会するハートに火をつけて・甘いためいきは、なんだかいまいち。二人のダメっぷりは遊園地は年中無休のマコトとマサルを髣髴とさせるので、あの二人の再会やり直し、と思えばあたたかい目で見られないこともない(いやマコトとターボもいいんだけどね。お兄ちゃんもせつないのよ、ちょっとマコトと歯車がずれちゃっただけって感じで。なので、パラレルストーリーを期待してしまうのだ)…が、なんか二人とも性格がウザいというか…。大人になってしまった、という設定を残しつつ、でもカタルシスがほしかった感じ。
 ロンゲストバケーションはいいぞ!恋人いない歴=年齢の無自覚攻め×彼氏に捨てられた受け、攻めの暢気で無神経なまでに鈍感なとこがよいです。この後のお話もかいてほしいなあ。

 おとなこどもと読み終わっての感想をひとこと言わせていただくならば、
 語シスコの新作が読みたい。出来れば面白い作品がいい。

2006年09月15日

山田ユギ『夢を見るヒマもない』

 ちまたで話題の彦龍ブログが面白い。これとか、
 彦龍の憲彦さん:やりたい仕事が見つからない - livedoor Blog(ブログ)
 ちょっとウェザーリポートっぽくてワロス。

 航空関係の高校(よくわからない)の同室同士が離れ離れになって、職場で再会。
 攻めがなんで先輩と付き合ってたのか、受けを好きになったのか、とかよくわからない。
 受けもノンケなのになんで攻めにだけ惹かれたのかよくわかんない。
 なんかその辺りの感情の動きを妄想補完しないとなんない感じで、いまいち感情移入できなかった。
 設定や展開は面白いし、節操のない先輩や、それにずっと片思いな吉田とかの傍役もいい感じなので、なんかもったいないなあ…。主人公二人が薄い、ってのはなんでなんだろう…。

2006年09月16日

高遠琉加『天国が落ちてくる』

 これはねえ、実は七月頃読んだのですが、書きたいことがもんのすごいいっぱいあったので、ちょこちょこ書いてたんです。

 いやー。

 すごく気に入ってしまいました!

 や、あれです、視点人物の秋広がイイんですよ。「才能はあるのに人前に出ると上がり症で、ピアニストへの道を諦めたメガネのJロック誌編集者」なんて、まるで守村さんのよう…!(笑。フツーでちょっとダサくて直情で素直ですごくかわいい。秋広かわいいよ!(あ、悠季も昔はかわいかったよなあ、とか思ってるわけでは…いやちょびっとですよ…。
 一方のカオルは、「才能と容姿に恵まれてるけど本当は孤独、なぜか時々声が出なくなる18才の若きカリスマロックスター」だなんて、あまりに漫画みたいで…や、それもかわいいけどね(笑。でもやはり、ベタすぎて、あり得なさ過ぎて、いまいち足りないかなーという感じもする(だってあれで18歳ですよ!?あり得ない!!!

 そんな感じで、あまりにベタだし、一歩間違えると快感フレーズというか(笑、そうでなくとも昔の少女漫画みたいな設定だとも思う。
 だって、なにしろ。
 カオルは秋広のことを「うさぎちゃん」なんて呼ぶんですよ!はっきり言って、ドン引き一歩手前ですよ!(笑、最初にこの言葉が出てきた場面では、本気で先に読み進めるのをためらったよ!!
 …でもさあ。それがまたかわいいんだよー!(笑「こんなにかわいいのに。うさぎちゃんなのに」とか、バカですか!もうメチャかわいいな!(笑
 こーんなドン引き設定を、こーんなにかわゆくしかもそつのないエクリチュールにまとめあげる、その手腕に脱帽だ!
 (えっと、判りづらいかもしれませんが、これは褒めているというか、ゆずり的には激賞してるんですよ。いやホントに。

 一方、こうした設定のベタさ軽さは別にしても、展開とかもやっぱり薄くて軽い部分がちょっと気になった。いかにもラノベだなーと思った。じっくりとっくり冊数かけて書いてみてほしかった…けれど、冊数をかさねて重くしていくと、冗長な部分を随分入れないといけなくなるのかなあとも思う。難しい。

 そういうベタさに歯止めをかける意味でも、秋広はどうやら女性経験はあるらしいという辺りなどは個人的にはツボだった。だって、これでカオルが秋広のはじめての恋人だったら、ますます少女漫画というか…。なんか、モテモテのイケメンをメロメロにしてしまう凡人、て設定は、面白い時もあるけど、やはりなんか夢見すぎというか、イタイというか、でもある。
 (あ、別にフジミとかの王道シンデレラものを批判したいわけではありません。この作品の場合、展開とかもかなり軽いから、こうしたところででも歯止めが必要だと思うのですよ。
 他にも書き下ろしに非ホモ話を入れたり、それが決して無駄でなかったり、って辺りはやはりいいなあと思う。
 あと、ベタで軽くても、先にあげたうさぎちゃんなのに、みたいなベタさを活かしたうまいセリフまわしには、かなり唸らせられた。良い意味での軽さ、は最近すごく好きだ(こういう感覚については、タクミの影響はとても大きかったような気がする。あと、軽さと言えば勿論アレですが、それはまた稿をあらためて。

 祭河さんの絵もいいです。ちょっとキャラの書き分けなど不安なところもあるけれど、線が好調時の高河ゆんみたいで色っぽいからそれでよし。漫画においては線ってすごく大事だと思うので、個人的に。

 音楽の使い方もよかったかと。ゴルトベルグ変奏曲はわたしも昔寝る前に聴いてた。サマータイム、Je te veuxと選曲も使いどころもベタだがいい感じだ。
 しかし一方、カオルのロックには現実味がなく残念。音楽を扱う小説では仕方のないことなのかもしれないけれど、どんな音楽をやっているのかを言葉だけで描出するのって、大変だよなあ…。上にあげたクラシックやスタンダードナンバーなら、タイトルを書くだけで済んでしまうけれど。

 なんだかまだまだ書き足りないけれど、いやはやしかしそんなわけで、高遠琉加はこれの後何冊か読みまして、感想まだアップしてないのがいくつかあるのですが、他の本もいいですよ。構成とか文体とか割にしっかりしてるし、軽くも重くも書けて、王道書いてくれるし、けれど棘道もアリだし。かなり好みな作家の予感。

2006年09月17日

崎谷はるひ『純真にもほどがある!』

 そう言えば理論系入門書を仕事のために再読してて、わたしの使ってるエクリチュールって、バルトからずれてきてるなあと気づいた。わたしのイメージでは作者プラステクストの意志のおりなすもの、みたいなイメージなんだな。作者よりテクストのほうが強いイメージかも。

 雑貨店プラスカフェの共同経営をしてるふたり。元気系恋愛体質攻め×腐れ縁のクール受け。
 クールな受けはなかなか新鮮でよかった。とくに前半の話では。後半の話では仕事に恋愛にいっぱいいっぱいで、ちょっと読んでて息苦しかった。
 最初の方特に、何で今更こいつに…とかゆっちゃう攻めが結構感じ悪いんだけど、ユギたんの絵を見るとなんか許せてしまう(笑。前半のとまどいっぷりから後半のつくしっぷりへの移行が微妙に不連続っぽくもあるかな。前半は攻め視点で後半は受け視点だからかも。

 タイトルすっごくいいと思うんだけど、あんまり内容には活きてないかも。

2006年09月18日

軽さと重さ。

 仕事イヤさになのかどうか、もりもり論文を書いています。
 なんてストイックな現実逃避!(笑、自画自賛。

 みなさんお元気ですか?
 元気にメガネ萌えしてますか?
 なんか最近お酒飲むと寝られないっぽくって、困る。覚悟しないとお酒飲めない。つまんない。

 ところでこないだタクミくん新刊の感想を書いてて、ライトノベルという言葉をあえて書いたところで突然クンデラのことを思い出した(笑。
 軽さと重さ…いいぞッ!クンデラはもしかすると、ラノベであるタクミくんの弁明(や、誰に弁明すんだとか、そもそも弁明が必要だと思っているのかとか、その辺は別にしても)に面白く使えるテクストかもしれん!とか、妄想に近い考えがわいてでた。軽さ、の意味が重層化もしくは輻輳化しそうで面白くなるんではなかろうか。

 と思ったところで、サテブログでテキスト化しようか、それともお話を一本作ろうかと思って、二度ビックリ。

 や、今までそういう発想あんまりなかったから。わたしも二次創作(しかもテキストで)やってるタクミくんだからこそ、こういう発想がありえたのかもなあと思う。
 わたしの例は軽すぎる(あっ)にしても、批評と創作をおんなじレベルでやってる人もいるんだろうなあきっと、って思ったのですよ。

2006年09月20日

秋月こお『中世遊楽団アウラ・ペンナ』

 昔ヒカルの碁とゆう打ち切りマンガがあったのですが、所詮打ち切りマンガだし読み返す気がしないし、けど売ってもたいした金額にならないのでクロゼットにしまってあります。
 打ち切りマンガとはいへ途中までは神のように面白かったことを時折思い出しては再読しようかと思うのですが、あの最後を思い出すとゲンナリするのでいまだに読み返せません。

 デスノはいまだに二部読み終わっていません。

 なんだかなあ。

 中世フジミアウラペンナ。を、古書店でみつけたので読んでみました。
 予期してたよりもずっと同人誌てか二次創作っぽかった(笑。
 結構面白かった。

 二次創作としての話をしちゃうけど、フジミパラレル二次創作のキモのひとつは、タンホイザーか否かとゆうことだとわたしは思うんですが(笑。
 だってあれはやっぱりねえ。タンホイザーはねえ。純愛ロマンス的にきわどすぎる設定だし。
 まあフジミ原作における当否はさておくとして、パラレル二次創作だと、合意に持ち込む、とか、設定や展開や環境を工夫してタンホイザーでももうちょっと合意に近いかんじにする、とか、とにかくタンホイザーを回避できてしまうのが面白いし、どう回避するのか、回避することでどう関係性が動くのか、とかいろんなバランスが変わって面白い。ってか簡単に言ってしまえば圭の男っぷりが上がるとやはりうれしいわけで。
 アウラペンナはそういう意味でも面白かった。

 …タンホイザーはあんなことの代名詞として使っていいのかどうか。
 ワグネル先生がどう思うやらだ。

 テンプル騎士団はいまだによくわからないんだけれど、とりあえず、周囲の民間人がこうもテンプル騎士団スゴイ…!敬虔!とか盲目的に言ってしまえる状況ってのは違和感があるんだけどなあ。別にいいけどね。あと男色云々の話は書き込まれてたから、資料の違いの問題なのかも(わたしもそんなに知識ないし。しかしケインの服は…テンプル騎士団って青い服じゃなかったっけか。や、黒い騎士はカッコイイですけどね。

 名前はもうちょっとなんとかなんないのだろうか。ユーリスとかはまだしも。
 あと、後書きでは続編も書くらしいことが書かれているけど、どうなったんだろう。これから出るといいなあ。

 そんなわけで結構楽しみましたがしかし、フジミパロじゃなきゃ読まなかった若しくは読んで後悔しただろうなあ…という感もあり。うーん。

2006年09月22日

遠野春日『秘めた恋情を貴方に』

 皇太子かわいそう…(わたしは王子キャラが好きなのだ。

 少し年齢の離れた幼馴染の能役者×外務省。
 受けの接待するどこぞのヨーロッパのモテモテプリンスは本当にただのアテウマでかわいそう。
 受けの同僚の機械人形のような仕事の出来るメガネ通訳もなんだったんだ。意味がないではないか。
 主人公二人が自覚してくっつきましたー、はいいが仕事に私情を持ち込んでるように見えてなんとも…。まあそれについては皇太子も悪いんだけど。メガネ通訳は完全に被害者とゆう感じでかわいそうじゃないか。ちょっと能役者と喋っただけで受けは変調をきたすし(笑、そんな受けに能役者も皇太子もかかりきりだし(笑。
 それぞれには悪いキャラじゃないんだけど、活きてないなあという感じ。主人公カップルの恋愛以外の物語がちょっと弱いのではと思う。
 しかし後書きを読むと、この四人で続編を書くおつもりらしく、…どうだろう、それは。

2006年09月23日

小笠原宇紀『Nightmare Fortress-魔神の城塞-』

 …すごい!
 無茶苦茶!

 まず表紙がおかしい。メガネ神主が銃持ってスーツの受け受けしい青年をかかえてる。って何なの一体。
 そして裏表紙を見ると更に、作者はマジでイカレてるのか?と思わざるを得ない。曰く、

 「平和なリゾート地、ベルナー公国の王室警護隊に所属するフリッツは幼い頃の記憶がない。そして彼の保護者であり、上司でもある隊長・吉祥 ――彼の姿を見る度に、フリッツは毎夜高ぶる熱を抑えられないでいた。ある日、突如として現れた異形の者達に公国の王子は陵辱され、人々は犯されながらも快楽を貪り耽り、城内は淫猥な舞踏会へと一変する──!」

 ……何を言ってるのか全然わかりません先生!

 そして、わたしは今これでも賞賛してるつもりなんです!(本気!

 こんな無茶苦茶な漫画、そうはないよ!
 神主隊長いいよ。わたしはめちゃめちゃ制服萌えですが、中でも衣冠束帯は五指に入るのですよ。
 フリッツはダメダメだよ。ヒロインだよ。きっとアレなんだよってバレバレだよ。
 堕天した魔物たちもいいよ。ルシファーはなんで胸がデカいんだ。フリッツご購入の魔神もカッコいいよ。
 総攻めの気配ムンムンな松の木の神もいいよ!

 あ、えっと、ファンタジーとしてもちゃんと面白いですよ。…多分。わりとテンプレですが。魔物たちが探してるのはきっとアレなんだろーなーとか。天国に帰れなくなってしまうから魔物たちは人間を殺せないとか。なぜか大乱交パーティーとか(それはテンプレなのか???

 とりえあえず、無茶苦茶なお話が好きな人には、オススメです。

2006年09月24日

夏大の予定とか。

 ふわー。ミズイズ・イズミズは流石にナシだろうと思ってたら、全然存在してた。気が遠くなった。
 そして今は大絶賛アキカグハマリ中なのだけど、これは中々少ない。勿論、ない、わけではない。
 あと、阿部がシュンの分まで卵食べちゃったのって、阿部父化への伏線…!?

 そして、やくもさんのリクエストにより、うっふんお色気四番先輩岩槻西エース(ナイスオレ!の人です。
 やくもさん、遅くなってすみません!チーム全員は無理でした、スミマセン。またおお振りについて語りましょう!(笑

ナイスオレ!

 ついでに、こないだやくもさんと話していた西浦夏大の歩みまとめ
 (参考:http://oooo.nomaki.jp/team.html)

・西浦の崎玉戦は二試合め、崎玉の西浦戦は三試合めなので、やっぱり西浦対崎玉は三回戦。シードで一回戦から入る学校はないようですが、シードでなくても一回戦がない学校が結構あって、西浦も桐青も一回戦はパスしてます。
・二回戦終了時点で三つ先=五回戦がビジョウ対西浦の予定。
・ということで西浦は、
 一回戦=ナシ
 二回戦=桐青
 三回戦=崎玉
 四回戦=?
 五回戦=ビジョウ
そのあと準々決勝、の順番になります。優勝までで、フルだと八回戦…大変ですね。

・それ以降について。
・ABシードの千朶と桐青が一緒の山なので、残りのABシード春日部市立、ARCは向こうの山。武蔵野第一もARCと一緒なので向こうの山。
・千朶は一番なので、桐青とあたった西浦は準決勝まであたらない。
・五回戦であたるビジョウはきっとDシード。ロカが言ってたように、五回戦までは楽勝=六回戦からシード同士。西浦六回戦もおそらくシード校になる。
・浦和総合など他の強豪は不明。
・ということで、西浦は勝ち進めば
 準々決勝=浦和総合かどこか?
 準決勝=千朶
 決勝=ARCか春日部市立か武蔵野第一

 ということで、明日は花井フィーバーの予定!乞うご期待!(笑

2006年09月25日

『アフタヌーン』十一月号

 利央(と呂佳)の苗字は仲沢と判明。仲沢利央…!

 三橋。三橋はドキドキしてても阿部がサインくれれば投げられる!というのが…もうこの子はほんとピッチング人生だなあ。なんかアベミハ萌えとかより前に、ピッチャーとして受け入れてもらえてれば、友人関係とかがダメになってしまっても大丈夫なんだろうなあと考えるとちょっとせつない。

 そして、…田島!様!!悠さま!!!かっこいい…ッ!!!!なんですかその大活躍は!いっこも投げないでスリーアウトとってるよ!(しかしこの辺よくわからない。一球目、田島が出た一塁でとってるのは誰なの?顔は沖っぽいけど、ポジション的にゼンゼン違うよね?二球目、田島はどこに走ったの?一塁でいいんだよね?なんで走ったの?…あ、投げちゃイケナイからか。間に合うから走ったのね)
 そして大活躍の後の「ナイピッチ!」…!!!ほんとカッコいいな!そりゃ栄口もハートマーク出しますよ!三橋も茹りますよ!
 …って思ったけど、悠さま的にはほんとにナイピッチだったのかも。ちょうどいいとこにころがせた、とか思ってんのかも。
 …うあーますますカッコええ…!!!!オトコマエ!悠さま!

ナイピ!
こんなオトコマエな高校一年生がいていいのか。

 阿部。
「もうホントに投手でなけりゃ2、3発ぶんなぐってるくらい」
 阿部のウメボシはガマンの結果だったと判明。

 そして、花井…!!
 三橋が花井奮起のきっかけになったのはなんかスゴクいいなあ。個人的には田島じゃなくってよかったなあともなんとなく思う。
 三橋にはしっかり話さないとわかってもらえないから、出来ればごまかしておきたいこととか、あいまいな言い方になっちゃうとことか、そういうのが許されない。だから三橋とちゃんと話そうとする花井は、きっと人として成長するんだろう。阿部とかもそうだよね。
 その三橋も、全っ然話は通じてないけれど(笑、人と張り合ってもエースでいたい!とか名言しちゃえるようになって、成長してるよねえ。
 そんな発展途上な花井と三橋でこっそり語り合ってる様子がなんだかほほえましいし、二人ともにいい影響になればいいなあ。
 最初に書いたように、三橋っていまだにそんなふうに思ってるのー(涙、という部分が結構あるんだけど、ピッチングがやっぱり一番大事なままで、それでもちゃんと成長してる、そんな印象。やっぱりこの漫画はただものではない。

見詰め合う二人
みつめあうと、ふつうに、おしゃべりできない(三橋が。

 ってほのーぼのー見ていたら、
「おい 三橋イジメてんなよ」
 出たー!(笑
 悠さま出た!
 なんか二次創作世界の田島三橋イメージがまんま出た感じ。わー(笑。なんというか、栄口のいうとーり、田島は三橋のニーチャンだなー、って(笑
 しかも、それに
「イッ ジメッ られて ないっ よ!!」
 反抗したー!!!(笑
 田島には言い返せる三橋、かわいいなあ。三橋は田島を信頼してるよなあ。
 あ、でもキョドりつつも、花井にだって反論ぽいことしてるんだよね。三橋面白いなあ。
「なんだ!かばったのに!!」
「イジッ メッ られてっ ない!!」

 ってとこも、テンポがよくっていいなあ。みんながビックリしてる三橋の反応へだって、ビックリしない!三橋をかばいつつも特別扱いしてない悠さまが好きだ!
 で、「なんだァカンチガイか!」であっさり納得する悠さま!すぐに「ベンチもどろーぜ!」って、全然後をひかないいさぎよさ!なんてオトコマエ!!!

 その後花井にあやまってる田島も、その後ろでこっそり「カッ」「ビクッ」とかなってる阿部と三橋(この阿部と三橋、なんかぼのぼのみたいだ、笑)すごい細やかな描写で、こういう丁寧さはほんとおお振りらしくて大好きです。

 どうでもいいけど、アニメ化したら三橋のキョドリは他のキャラの数倍のコマが必要で大変だろうなと思った。
 あと、扉にスコアボードが欲しいと思う今日この頃。

2006年09月27日

東里桐子『ラブレシピ』2

 雨のせいで明日は出勤です(涙。


 なんだ終わってしまったのか。と思ったら、続編がある…の?

 相変わらず引くギリギリで面白かった…ような気がする。
 やはり漫画家漫画は好きです。
 華鏡院薫子は相変わらずだった。80年代軟派系ちょっとキモいイケメン、というか。最近こういうの嫌いではない。勿論漫画の中だけでの話だけど。しかしなんか無精ひげヅラとかが妙にダサいというか不細工で、狙った変顔なのかもしれないけどなんか似つかわしくない。この作家あんまり絵がうまくないのかもなあ。
 あと場面転換とか展開が唐突なとこが多くて、普段だったらそんなに気にしないかもってレベルなんだけど、でもイストワール内で漫画の書き方についてさんざん講釈をたれているので、なんか違和感。
 どうでもいいけど、抱きつきシーンの擬音が「だっこ」…これはスゴイ。

2006年09月28日

忙中閑あり。

 疲れたお。

 神木くん大好きな男子生徒が居るんですよ。
 いいよね!って二人で盛り上がって、見る目がありますね!とかゆわれてしまった。
 それ、たぶんあたしのセリフですから。

 ブログに書けてない既読BLがたまっています。
 少しずつ書いていきますが、新刊優先でいきます。
 とりいそぎ、ここんとこ読んだものをマルバツで。

 観賞用愛人高遠琉加 →○
 世界の果てで待っていて ~天使の傷痕~高遠琉加 →◎
 この胸をどうしよう高遠琉加 →◎
 告白―scent of declaration高遠春加 →◎
 神経衰弱ぎりぎりの男たちシリーズ高遠春加 →△
 恋におちる、キスの瞬間小塚佳哉 →◎
 ブルームーンで眠らせて 眠らぬ夜のギムレット2遠野春日 →△
 この男からは取り立て禁止!高岡ミズミ →○
 愛と仁義に生きるのさ鳩村衣杏 →△
 傲慢すぎて…愛しい男しいな貴生 →△

 結構きびしいかな。どれも面白かったです。

2006年09月29日

高遠琉加『観賞用愛人』

 むむむ。期待ほどではなかったかなあ、というのが正直なところ。

 貴族的な風貌でメガネで不感症の植物学教授×美形遊び人大学生(同じ大学ではない。
 自分をからかう大学生にブチキレた教授が別荘に大学生監禁。
 まあ端的に言ってストックホルム症候群。

 世界の果てを読んだ時に、この作家はもう一皮二皮むけたら結構すごいことになるんじゃないか、と思ったけど、もうちょっとかなあ。という感じ。面白かったり、見所もあったけど、まだこんなもんじゃないだろうオラオラ出し惜しみすんなよ、というか(笑。
 いや、まだまだこれから期待大、だとは思いますけど。
 乙一のジャンプノベルからの脱皮みたいな路線でどうか(乙一まだ二冊しか読んでないのでアレだが。
 むしろ三浦しをんか。読んだことないけど。
 しかし、とまで褒めるには、文体が危険きわまりないかなぁという感もある。文体。なんて抽象的な。
 なんにせよ応援してます。

 とりあえず内容については、あんまり萌える感じではなかった。ってのは、ストーリの面白さが中心だからとかいう意味ではなく、つまりあまりいい意味で言ってるのではなく、受けがあんまり魅力ないんだな。なんで攻めに執着するのか、まあそれはわからなくはないけれど、一般的なレベルでしかわかんない。そりゃあれだけキレイで他者に無関心な男がいたら、誰だって気になるだろうなあ、ってレベル。この受けだからこそ、な言葉、行動って、あったかなあ。

 装丁はいいね。上の画像じゃわかんないけど、マットPP。オビは黒!
 北畠さんの絵は以前から線は色っぽい、と思っていたけど、ますます上手くなってきた気がする。

 アレーなんかテンションいまいちだな…。あんまりうまく印象を言語化できない感じだ。

2006年09月30日

鳩村衣杏『愛と仁義に生きるのさ』

 ヤクザと見まごう風貌の有名ブランドのデザイナー×任侠映画大好きクリーニング屋店主。

 お話はまあそこそこ楽しめたような気がするんだけど…。
 しかしなんで仁義???

 受けのひととなりがイマイチつかめないんだけど、かわいくて元気系だけど仕事にプライドもってる男らしさがあって?任侠もの好きな下町育ちって設定もなんかあんまり活きてないというか。後半のオランダ云々話の辺りでふにゃってたせいか、どうも微妙に統一性がない感じ。
 攻めもいなせなのは最初だけというか。というか全般的にヤクザ任侠という表象のスパイスがほんとにスパイスだけって感じで、あんまり意義を見出せない。受けがコーチしてる野球チームとかも蛇足なのでは。
 受けの弟とか周囲の住人とか、攻めの周囲の部下とか、妙に人口が多い。まあなんかそれは面白くもあるけど。

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