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2007年05月01日

ウェイクアップ!

 アゥイエー!?イェー!!!

 ロック、オルタナ、ザ・ピロウズ!

 #1「Wake up! dodo」 …こう来たか!…ちょっと長いけど!イイ!
 #2「YOUNGSTER(Kent Arrow)」 …カコイイ!
 #3「プロポーズ」 …なんかものすごくすんなり入ってったけど、プロポーズじゃないかっ!
 #4「スケアクロウ」 …ここにスケアクロウは合わなくないか…と思ったけど、これはこれで!
 #5「BOAT HOUSE」…ポップ!
 #6「プレジャー・ソング」 …イイ!
 #7「シリアス・プラン」 …イイぞっ!
 #8「Skinny Blues」 …イイじゃないかっ!
 #9「プライベート・キングダム」 …イイ!
 #10「Century Creepers(Voice of the Proteus)」…ここまで捨て曲なし!
 #11「Sweet Baggy Days」…というか最後まで捨て曲なし!

 というか、しいていえばスケアクロウがちょっとニガテかも、というくらい!(笑
 つまり(つまり?)最強アルバムの予感!
 アゥイエ!

…アゥイエー(ダウナー気味に。

 前のエントリ、ものすごいアゥイエーぶりが自分ながら羨ましいくらいですわ。
 今日は仕事の開き時間にウェイクアップ3を買ってきて、さわおのあまりの素晴らしいアゥイエーぶりに、ひとりでひねもすアゥイエーしていたのです。
 本当は更にアゥイエーな感想をモリモリ書く予定だったのですが、ダウナーです。
 だって、職場にCD忘れてきちゃったんだもの…明日まで聴けない…(涙。
 バカバカ!

 そういえば、ウェイクアップドードーは全然長くなかった。確認したら三分台だった。あれが長いって、どんだけこらえ性ないんだクロエは…(笑、いや、一曲めって短いものだと思ってたから…いやマイフットは更に長かったねそういえば…。

 あ、DVDは持って帰ったので、今ドードーのPV見た。バスターくんのPVって、もしかして初めてだっけ。こういうのもいいね。たまにはね。飛べないドードーがかわいい。

2007年05月02日

アゥイエ!

 これから仕事だというのにアゥイエ!

 しかし、すっかりそのことを忘れていたが…これ、ウェイクアップ3、絶対売れないだろう!(笑

 これでもしピロウズがブレイクしたりしたら、仕事中に「アゥイエ」って使ってやるよ!

2007年05月03日

アニメ第二話、第三話。

「だってお前、頑張ってんだもん!」

 …映像になるとこんなに恥ずかしいとは思いませんでした。

 「シュートのタコ、スライダーのタコ」とか思いつつ三橋の指をさわさわすんのも恥ずかしいぃ!

 でもそんな阿部が好きだ!

 おお振りの最初のころって、今よりもっと阿部の意識に寄り添ってたんだよね。

2007年05月04日

『Wake up!Wake up!Wake up!』

 まだ20回弱しか聴いてないけど、暫定の感想をとりあえず。

 #1「Wake up! dodo」 …PVのせいか、ギターとベースラインが飛行中のイメージなんだけど、でもジャケ写のせいか、走行中って感じもある。抑えた歌い方がなんだか新しい。今の声で、昔の透明な歌い方を模倣してるみたいな印象。サビの直前がちょっといまいちかな。でもサビの「ウェイクアップ、ウェイクアップ、ウェイクアップ!」がスゴイ…!

 #2「YOUNGSTER(Kent Arrow)」 …ケンタロウ?いいなーこれ「ウェイクアップ!」のとこいいわあ…短いから好きなのかしら(笑。それにしてもなんだねこの素晴らしいAメロは。五月にふさわしくさわやかですごくイイ。歌詞も「起死回生のプレリュード」さわおらしくない語彙で、だがそれがいいっ。あーでも、ちょっとだけ、スピッツぽいかなあ。ていうか大滝詠一…?(笑。

 #3「プロポーズ」 …これやっぱり大好きだわ。そして、「キミにプロポーズを」がものすごいエロい…!ライブのもカッコかわいくって好きだけど、声だけだともう…!わー。ていうか、よく聴くと冒頭からエロいなー「高所恐怖症パイロット」がエロいってどうよ!(笑

 #4「スケアクロウ」 …やはりちょっと、なんというか、地道にJポップ。あんまりほめ言葉ではない。

 #5「BOAT HOUSE」…なんか昔のピロウズみたい。イントロ、あーどんなにー悲しくても、とか(笑。あ、っていうか、これサビとか、昔のミスチルっぽい。サビの終わり方とか、コバタケっぽいし。間奏のギターとかばっちりピロウズなのに。不思議な曲だなあ。
 歌詞がなあ。最初は「パトリシア」系か…と思っていたのだが(中二病的気質のせいか、わたしはラブソングってあんまり好きではないのです。いやパトリシア、好きですけど…何といったらよいのか)、やっぱりそうではなくって。「こんなバカバカしい歌を信じてくれるのはそうキミだけさ」「どうして僕のこと嫌いにならないのかずっと不思議だよ」さわおははじめて「プロポーズ」をライブで披露したときに、「またバカバカしい歌が出来たので聴いてくれ」と言っていたので、やっぱり「キミ」はイコールバスターズなのか。
 「どうして」という言葉を聴き続けて、なんだかこの曲の印象がかわってきた。あ、よりいい方にね。

 #6「プレジャー・ソング」 …悪くないけれど、微妙に隙間に埋もれてしまっている気も。これもサビの高音がちょっとスピッツっぽい気がする。

 #7「シリアス・プラン」 …すげー。すげーカコイイ。のに、何だろうこのサビ!(笑。あとちょっとカモンゴーストぽい。

 #8「Skinny Blues」 …これも多少かげがうすい気もするけど、Aメロがいいな。サビがピロウズっぽくない気もするっていうか、ウェイクアップ3のピロウズらしくなさってこういうとこだよなって気もする。別にそれ=ピロウズらしくないこと、は悪いことじゃないと思う。

 #9「プライベート・キングダム」 …なんかピロウズっぽくない気もするけれど、すごいピロウズっぽい気もする。特にサビ。んー、「戻りたいな」とかやっぱり(やっぱり?)多少違和感。

 #10「Century Creepers(Voice of the Proteus)」…あ、ああ…!ひっくりかえっている…!!ああ、そうか、そうだね、うん、こういうのもいいよ!いいじゃないか!強勢的に書けば「っ笑えばいいさ、オカシイだろ!」って感じ、だろうか!イントロの最初のところがなんだかエレカシぽい。その後のギターはすぐにピロウズ。

 #11「Sweet Baggy Days」…テンポアップとか、ちょっとあざとい気がしなくもない。でもあれがないとちょっとキツイね。ラストのエフェクトが、ウェイクアップドードー冒頭にかぶるんだね。インストも英詩もないこのアルバムが、ひとまとまりになる感じ。

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 全体的にピロウズらしいような、らしくないような、そんな感じで、個人的にはすごく好きだ。
 そのらしいような・らしくなさって、ペナルティーライフ的というか、ピンポイントでターミナルヘブンズロック的な、ものの気がする。ロックというか、ロックンロールのピロウズ的解釈という印象(だから、他のロックンロールの素地をもったJロックバンドのイメージがかぶる部分があるんだろうと思う。
 わたしはペナルティーライフ・ターミナルヘブンズロックのそういうところが大好きなので、ペナルティー以降にああいう曲が続かなかったのでちょっと残念に思っていたんだけれど、今回そういうとこが大炸裂、という感じで超アゥイエだ。
 ただ、一般受けとか、バスターズ受けはどうだろう。ターミナルヘブンズロック、外国で人気ないんだよね、たしか…(笑、つまり、外国でもどうだろう。

遠野春日『高慢な野獣は花を愛す』

 ほぼヤクザ×カフェ併設花屋。
 ひとことでいうと、地上げに来たヤクザが花屋にメロメロ。おわり。

 …ほんとに終りなんだもの…。
 
 ヤクザに惚れこんでる手下とか、プライドたかくてヤクザ落したいお坊ちゃんとか、がヤクザをメロメロにした目障りな花屋を排除しようといろいろ面倒を起こして、なんとか花屋がなびいて、そうですかよかったですね、という印象しか…もう…。主役ふたりの描写も全然深まらないし、脇も適当というか機能面重視のキャラだし、うーん。はっきり言って全然面白くなかった。

 あと、その淫乱お坊ちゃんとごつい手下がヤクザ大好き同士でセフレなんですが、中盤で彼等の視点が妙に丁寧に書かれてきてて、すわ『明暗』か(笑、とまで行かなくても群像っぽくなるのか、と一瞬期待と不安をもったものだが、それも何にも活きてなくって、なんだったのだろうと。このCPで続編、だったら、ちょっとどうかと思うぞ…。

 ところで、カフェつき花屋、とか、なんか微妙に流行らなさそう…というか、BLノベルの中に書かれてるオサレ系(推定)のお店って、まったく惹かれたことがないんですが…うーん。

 汞りょうがこの作家の挿絵しているのはわたしは初めて見たのだけれど、なんだかこの話ではもったいないというか…この作家の他の話でも絵をつけてたら、見てみたいのだけれど。

高岡ミズミ『愛を知らないろくでなし』

 イケメン形成外科医×メガネ地味公務員。

 腕をみてもらったイケメンゲイせんせいにコナかけられてお食事即連れ込まれ、しかしせんせいはとんだろくでなしで、メガネは気分次第で相手されたりシカトされたりのイタイめを見てしまいますが、せんせいの病院に医療ミスでゆすりたかっている男は、メガネの過去の汚点たる一夜の相手ではないですか。

 いやー。
 ネタバレになっちゃうけれど。

 普通さあ、こういうろくでなし攻めって、最後に改心するもんでない?
 改心しないまでも、なんか、もっとこう…BLの機微というやつが…。
 愛を知らないのは、ろくでなしイケメンゲイも、地味メガネもどっちもみたいだけどね。

 とにかくまあ、そういうことです。読んで疲れた。

 絵は…知らない絵師さんなのだが、攻めがアートルム(@『魔王の系譜』)に似ていた。

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 四月のキャラ文庫新刊、ゼロ勝二敗か…。

2007年05月05日

宮本佳野『RULES』1~3


 きれいで優しいお兄さんと悩める高校生、きれいで影のあるお兄さんとへんな髪型の高校生。

 前の版で一巻を読んでいたので、最後の巻まで出てからまとめて読もうと思っており、なぜか全四巻だと思ってもいたので、しばらく待ってしまいました。全三巻なのですね。そして二巻三巻を購入してサテ読んでみたら、…話がとんでいる。一巻で収録されてた短編が、三巻の最後に収録されていて、一巻にヒカルとユキの話の最後まで入ってたんですね。
 なんかそんな感じでグダグダでしたが、やっと読み終わりました。

 しかし…。
 どうも最近の宮本佳野はキャラに感情移入しづらくなってしまった気がする。

 わたしはBLは基本的に(余程アレな人間でなければ)主人公サイドに寄り添って読むので、最初の視点人物ユキには同情的に読めたんだけど、それでもユキのむやみな鬱々っぷりとか、アトリやヒカルへの二股っぽいありようは、やっぱりズルく思えてしまう気がした。
 ヒカルもなんであんなにユキに優しいのか、ってかアトリにも結構親切だと思うんだけど、とにかくその理由がわからない。まあヒカルのユキへの気持ちの描写は圧倒的に足りないんだけど、そういう今のヒカルを形づくったのであろう過去のノンケとのあれこれも全然示されないので、ヒカルがどういう人間なのかよくわかんなかった。(あ、そういえば同人誌は読んでないんだけど、そっちに出てくるのかな、もしかして…。
 ただ、先にも書いたように基本ユキサイドに寄り添って読んだので、ヒカルが(経過はわからんが)ユキに惚れたのはよかったと思えたし、だから番外編みたいなユキの天然に振り回されるヒカル、なんてのも面白く思えた。

 しかしトオルとアトリは…。もう、ねえ。
 この『ルールズ』全三巻を読んだのは、勿論一巻が中途半端に放置されてたせいというのもあるんだけど、わたしのトラウマBL『ノット・ラブ』(いやあれキライではないというか、むしろどちらかといえば好きなんだけれど、やはり名指すならばトラウマなアンハッピーエンド漫画だ)の続きとしても気になっていたからなんだよね。つまり、トオルの去就が、ってことなんだけど。
 うまくいえないけど、トオルとアトリの関係はあんまり楽しく読めなかった。トオルのダメっぷりはなんとなく納得できるけど、なんかやっぱり『ノットラブ』のトオルとうまくつながってない気もする。アトリもあんまり魅力なかったし、だからトオルがなんでアトリに救われたのかもよくわかんない。

 だけど、そんなよくわかんなさも含めて、『RULES』ってそういう話だったのかな、という気もする。ヒカルとユキもそうだけれど、気持ちよりも先に体の関係をつくってしまう話というか。情緒面が全般的に、なんとなくはわかるんだけど、つながりがよくわかんないというか。まあ人間の気持ちなんてそういうよくわかんないものですよね、という感じなのかなあ。

 あと、絵が変わったなあって思った。アトリのへんな頭がだんだんふつうになっていってしまって、誰だこれ、って感じ。前の絵のほうが好きだなあ。

明治カナ子『出来の悪い子』

 三村家その2。
 遅遅として進まねぇー。

 弓が自分を出来の悪い子だと思ってるというか、角が出来のいい兄だったということにびっくりした。しかし確かにいろいろだめっ子なのだが弓は。
 でも敏もひどいよなあ。弓が敏に依存して恋愛対象としてみないくせにべったり、という状況がキツイから離れようだなんて、いままで弓を散々甘やかして頼らせてきた自分にだって責任はあるだろうに。ていうか敏意外とヤな奴かも。

 絵がちょっと変わってきたというか、線がほそくなったかも。

那州雪絵『魔法使いの娘』5

 相変わらず面白い!

 ハンパなところで終わってしまい、こやたとパパが気になって、本誌を覗いてきてしまった。こやたはどうなるんだろう?こやたとのあれこれのお蔭で、初音の特殊性が描かれはじめてきててその辺も面白い。あと、ヤクザみたいな神主も面白い。また出てくるといいなあ。

 初音の恋愛も描いて欲しいんだけどなあ。ヤクザまがいの神主が、兵吾にちょっと意味深なこと言ってたけど、その辺りはどうなんだろう。描いてくれるといいなあ。ていうか、兵吾もいいけど、無畏!無畏ももっと初音とかかわってほしいなあ!

 ところで初音が料理が得意なわけではないことにびっくりした…(笑

2007年05月06日

夜光花『ずっと君が好きだった。』

 これは先月読んだ。いや、読んだといえるかどうか…。でも『七日間の囚人』より先に読んだことは読んだ。

 高校の同級生、公務員(だったっけ?)×劇団員。

 硬派な攻めに告白されて、男とは恋愛できないと思いつつ、こんな真面目な奴と友達になりたい、とか思って引き止めちゃう受け。五年間好きでいてくれたらほだされるかもよ、とアウトオブ倫理なことをゆって友達づきあいしはじめる。五年後には受けは攻めにべったり依存のダメっ子親友になっていたけれど、約束のことはすっかり忘れており、もうしんどいのでお暇させていただきますとか言い出した攻めに焦って恋人になることを了承して云々。

 たしか結構長い話だったのだが、読んでて辛いとこが多かった。
 受けはニブいしダメっ子だし、五年間待ってた攻めに彼女の話ベラベラしてたとか、攻めとつきあうことになって彼女と別れるときもグダグダで、なんかあんまり感情移入できない感じ。その成長の書かれ方も、後述するような冗長さのせいで、なんだかイライラさせられてしまって、冒頭の無神経さとあわせてやっぱりあんまり感情移入できないかんじ。
 攻めは攻めで、受けが大好きで何年たっても思い切れない、ってことしか書かれてなくって、なんだかよくわからんキャラだったというか、ノンケの受けに惚れて辛い、という機能面でしか書かれてなくて気の毒というか。だからなのか、後日談のドラマの話とか、アレ?そんなキャラだっけ?そこで喜ぶキャラだっけ?とか違和感があって、ああこのキャラは本編内で描写薄かったんだな、と改めて思ってしまったりした。

 あと、受けの劇団関係の話が無闇に丁寧に描かれていて、しかしあんまり面白くなくってその辺はわりと飛ばし読みしてしまった。別にメインの筋以外のエピでも、面白ければいいんだけどね。もしくは、メインの筋に絡んでそれをきっちり引き立てる、とかね、そういうエピならいいんだけどね。この劇団関係のエピは、受けの女装役にかんするエピの過剰さとか、無用な描写も多いし、メインの筋との絡み方については、たとえば劇中でのキスシーンの話とか、受けの無神経ぶりプラス気付き・成長を提示していく感じで、必要性はわかるけどそれでも冗長な印象。

 なんだろう、攻めを五年間待たせたり、引き止めるために恋人になったりという設定は面白かったのだけれど、劇団という傍エピと、それを利用してのメインエピ=恋愛物語の進め方がイマイチだった印象。受けが劇団員設定じゃなければ、もっと面白かったかも。

坂井朱生『思いちがいも恋のうち』

 写真家×リーマン。

 外見クールビューティながら、性格立ち居振る舞いがめちゃくちゃ子ども、ちなみにお酒も飲めない、味覚も子ども、なリーマンが、傲慢強引そうなイケメンにコナかけられてホイホイついてってしまう。免疫のない受けは途端メロメロだが、攻めは受けのことを遊びなれたクールな奴だと思ってるらしく、なんとかボロを出さないようにクールビューティを演じようとする受け。

 外見クールビューティー、それを裏切る子どもな内面、なのだが遊びなれたクールなゲイを演じようとする、受け…というのは、文章で表現するのは、難しいのでは…。こういう設定は、漫画の方が向いてそうだよね。しかも、受け一人称だし…。せめて受け視点の三人称にすればいいのに…作者は何を思って一人称にしたんだろう…一人称なら受けの気持ちにべったり寄り添うことはできるけど、でも受けべったり視点で、子どもっぽいモノローグまんさいになっちゃってるし…それってなんだかいまいち。

 基本の筋はタイトルどおりに勘違いものなのだが、基本的に勘違いものというのは、どうやって勘違いを是正するのかが展開上の大きなポイントになると思う。しかし大抵の作品では、どっかでブチ切れた受けに、攻めが違うんだよと諭す、というこそばゆい場面で締めだよね。他になんかうまい締めはないかなあ、と思うけど思いつかないね。うーん。

草間さかえ『肉食獣のテーブルマナー』

 草間さかえはこれで三冊目ですかね。なんだかもっと出てる気がしてた。

 マンションの部屋上下のリーマン×学生とか、学生の先輩×後輩とか、課のちがうリーマン同士とか。
 リーマン同士が一番好き。受けがカコイイ感じなのにオタっ子で。

 そんなこんなで、お話は以前よりも断然面白くなってきた気がするのだが、あの…もう、髪にベタとかトーンとか入れてくんないかしら、この作家…みんな髪の描き方が似てて、すべてのキャラがごっちゃになるんですが…(涙。しかも今回、双子までいるし(涙。メガネとかもいるのに、なんでこんなわかりづらいんだろう。

 しかし草間さかえって、世間(?)ではかなり評価が高い気がするのですが、個人的にはあんまりグっと来ない作家です。絵もお話も、悪くはないけど、という感じ。ううむ。でもカラー画はかなり好きです。

2007年05月07日

榊花月『恋人になる百の方法』

 先月読んだ。
 製薬会社のただのリーマン×アイドル三人組の最年少。
 偶然知り合ったリーマンはやさしくって、傍に居ると居心地良くて、癒されちゃうみたいな。だってメディアでは元気な末っ子キャラのアイドルだけど、ほんとは静かな方が好きなんだもん…なんて古典的な!

 …古典っていいよなぁ(笑。

 ふたりに接点がほとんどないので展開ちょっとどうもこうもな感じだけれど、でもその接点のなさが却ってファンタジックで、この古典設定には似合いだと思った。正直展開もオチも特に面白い話ではなかったけれど、わたしは懐古主義なところがあるので、そこそこ楽しんだ。

 しかしこのタイトルは内容に即していない気が。

阿仁谷ユイジ『喜劇は恋で進化する』

 最近ものすごい勢いで本を買っています(ほとんどBLノベルコミックですが。アマゾンヌへの支払いがかつてない額になってしまいビックリです。でも買うのはやめない!昔から書籍代(主に漫画)に糸目をつけたことはあんましありません。

 オサレ漫画ってオタクさとオサレさが紙一重だよなあといつも思う。

 攻めの双子設定に惹かれて購入。両手に花を期待していたのだがそれははずれた。
 攻めの双子の片割れがものすごいイケメンで、おんなじ顔なのに攻めと全然似てないのが面白い。絵うまいなあ。
 攻めはなんかすごいヘタレで、すぐ泣いたりするし攻めてるのにまるで受けかのような表情で、なんだか面白かった。かわいいというかむしろキモい気もするけれど、だがそれがよかった。双子の片割れに「とらないで」とかゆってるのもとてもキモかわいい。
 受けは髪型が変…アホというか、ダメ人間で、あんまり特徴はないんだけれどでもわりかし描きこまれていたのでそこそこ印象に残った。
 攻めのかつての憧れの先輩は、いいんだけど、過去のエピはなんだかいらなかった…。

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 双子っていいね!

2007年05月10日

高永ひなこ『アクマのひみつ』

 悪魔になっちゃった少年×丸メガネ神父様とか、元気な高校生→無駄の嫌いな(花を咲かせたりはしません)教生とか、高校の同級生メガネ→かわい子ちゃんの気の長い話とか。

 読んどいてこんなこと書くのもあれですが、この作家とはどうもやはり相性が悪い気がする。テンポが会わない上に、設定もキャラも半端というかグっとこないし、展開もあまり楽しめない…。しかし絵はやはりうまいと思う…ので、いつもふらふらと手に取ったり棚に戻したり、時にこうして買ってしまったりするのです。
 今回もそんな感じでした。

2007年05月12日

榎田尤利『寡黙な華』

 というわけでこれはちょっと前に読みました。イマイチだったかなあ…。

 年下強引系事業家の三男×年上かよわい系華族の嫡男。

 受けは喘息に対人恐怖に接触恐怖ぎみで、離れにこもって花の世話をしてる。昔から好きだった受けを手に入れるため、攻めは受け父の養子になる話をすすめてて、受けの離れに押しかけ同居。

 まず、わたしは女装はニガテなのだ。そして、その女装とか受けのトラウマとか攻めブチきれとかが、ことごとくツメが甘いというか、面白みがないというか、たんたんと展開してってつまんない印象。あと時代性の書き込みが鼻につく感じ。『改造』の出し方とか。受けの主治医の調子のいい医者も無用な印象だし。なんか全体に、小技が巧く活きていないのと、そもそも筋が面白くないのとで、いまいちだったなあという印象。

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』3

 なんとなく二巻よりかは面白かったかなあという気が。
 社長さんはなんか最近マンネリ気味な印象も。
 信者その1があいかわらずほほえましい。
 佐治くんはクラウザーさんに好印象のままのが面白かった気がする。
 俊くんはアホだ…(笑
 一番DMCにノリノリなジャギが実は一番不器用なのはちょっと可笑しかった。「HENKYAKUせよ」とか「メス空気」とかもおかしかった。
 フランスの豚は…えっ…と…?やお(以下略

2007年05月13日

大江マキ『恋するクラウン』

 …おお、そっちのクラウンかー。

 この作家はコミクス二冊目かと思ったら、三冊目だった。なんか前より絵が巧く、というかいろっぽくなってきた気がする!当社比だけど!おおー、なんかいいですね、新人作家が段々うまくなっていくのって、はたで見ててうれしいですよね。あ、でももう三冊もコミクス出てるし、新人って呼ぶのも失礼かもしれないけれど、でも絵が次第に(主に良いほうに)こなれてきているので、上記のような印象なのですよ。

 短編集。表題作のパントマイマー×あるサーカスのクラウン兼売春夫とか、親友に恋しているのを知られて同級生に無理矢理される話とか、マンションの隣りの家の父子家庭の家庭内暴力を見てもんもんなお話とか、淫乱なお兄さんの弟やその後とか、雑誌記者と日本画家の息子とか。
 結構暗い話が多いかも。そして、トンデモっぽい設定も結構あるかも。しかしやはりこの人は、昨今の作家にしては絵もお話もしっかり頑張ってくれてる印象で、これからに期待している作家の一人である。

木原音瀬『秘密』

 この作家は今まで五冊くらい読んで、もしかして自分には合わない作家なのかも、と思いながら、しかし『吸血鬼と愉快な仲間たち』があまりに好みだったので、まだまだ読む気満々です。で、これはちょっと前に読んだ。結構面白かった。

 自分の部屋に帰りたくない。部屋にある冷蔵庫の、そしてその中にあるもののことを思い出すと嫌になる。セックス込みを覚悟で一夜の宿を探していたところ、バーで口説いてきたのはちょっと話し方がふうがわりな・年下の・しかしイケメンだった。

 冷蔵庫ネタはわりかしよくあるし、そのオチも予想の範囲内だったけれど、結構面白かった。
 ただ、本編と続編とかではあんまりつながりを感じないような…本編は受け中心の話で、あとは攻めの話だからしょうがないのかなあ。

 攻めのディスレクシア描写は、ん?そうなん?と思うこともあったけれど、わたし自身もあまり詳しく知らないのでわからない。こんなふうに学力的に問題がある感じで描写されているのは初めて読んだような気もするのだけれど、でもこの攻めの場合家庭環境のせいもあるのかな。こんなことを書くとちょっと人格を疑われそうだが、設定をふくめてこういう攻め好きだ…。が、なんで受けにひとめぼれしたのかは、もうちょっと説明あってもよかったかなあ…でもなくてもいいけど。

 っていうか、そんな攻めがベタ惚れする受けがすごい普通の子なので、しかも本編は受けの視点に寄り添って、あんまりうつくしくない内面(攻めにイライラしたりずるいこと考えたり)をばんばん描写してくので、なおさら違和感。別にいいけど。ただ、そういう内面を細かく書いちゃうので、この受けがこの攻めにはぴったりだったよね、っていう印象が薄いんだよね。前の彼氏には合わなかった部分が、この攻めには必要なことだった、って説明はあるんだけど、言葉で説明されただけ、って感じで。

 しかし概して面白かったのだけれど、あとがきを読んで、ああやはりこの作家のこういう考え方はわたしには合わないのかも、とも思った。
(略)そういえば最初にたてたプロットはもう少し殺伐としていました。書いているうちに、比較的優しい感じになったんでした。けど殺伐とさせてたほうが現実味があったかなあとあとがきを書いている今はそう思います。」
 他の部分もあわせてよむと、つまりこの作家はもっと殺伐として・現実味がある話のほうがよかった、と思っているんじゃないかとおもうんだけど、わたしはそうは思わないし、この『秘密』はこれでよかったんではないかと思ってる。

 「現実味」はBLに、っていうか小説に、ほんとに必要なものなのか。あるいは、この作品において「現実味」って必要なのか。必要なのだとしたら、どのレベルでなのか。
 明治だか大正だかの頃、ロシアの劇団が東京で公演したときに、日本の演劇関係者はそのわざとらしさ・演劇っぽさに驚いて、なんだ、本場の演劇も結構不自然なものなんだね、って思ったらしい。つまり自然主義とか新劇あたりの人々は、文字芸術の中で・舞台芸術の中で自然さを目指して(勿論それってヨーロッパの芸術をめちゃくちゃ意識してのことだろう、その意識の仕方が正しかったのかどうかは別として)きたけれど、そうした自然さがフィクションにおいて本質的なものとしてまなざされてしまったのは、やっぱりちょっと奇妙な転倒だったように思う。
 この作家においても、必要なことは「現実味」ではないんではないか/でも作者はそれが重要だとおもっているんではないか、という印象を受けたのだ。っていうようなことは、『WELL』『こどもの瞳』を読んで、物足りなさを感じた時にもちょっと思ったので、今回このあとがきを読んで、やっぱりそれって違うんじゃないかなあ、と改めて思ったので。いやそれ=「現実味」が必要な作品とか、それが有効な作品もあるのかもしれないけれどね。『秘密』には別にこれ以上の「現実味」は必要ないと思うし、このままでちゃんと面白いし、これ以上厳しい話になってたらがっかりしてたと思う。

 茶屋町勝呂の漫画は読んだことがない気がする。このモノクロの絵はいまいち好きではないのだが、口絵のカラーとかめちゃくちゃ好み。

2007年05月14日

榎田尤利『無作法な紳士』

 これもちょっと前に読んだ。

 炭焼職人×お坊ちゃん。

 父の後継争いが嵩じて姉に雪山に置き去りに去れた受け。炭焼職人に助けられて一命をとりとめ、髭をそった職人が結構イケメンだったのを見て、彼に姉を誘惑させてはめてやろう、と一計を案じ、東京に連れ帰りいい服着せてダンスの練習させてピグマリオン(いやこの場合逆ピグマリオンとでも言うのだろうか。

 なんかあんまり面白くなかった。
 姉を騙す、という筋がそもそもBL的に破綻を含みこんでる気がする。おっとりしてそうに見えつつ、アホっぽい美少年を女王様然と扱うのが好きらしい姉は、単品では多少面白い存在かもしれないが、この話ではそんなのどうでもいいし。
 攻めの正体とか、受けの心の揺れとか、義理兄の設定や使い方や退場とか、姉や父関係のオチとか、恋愛面のオチとか、どうもあっちこっちの展開や設定がみんな微妙に機能してない印象。

2007年05月23日

ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』8

 まだ忙しいです…!毎日眠い。

 桐青戦が遂に終わった。
 その後から狭山戦までを考慮にいれつつ、こうして桐青戦をあらためて読むと、やっぱり桐青戦ってちょっと特別だったように思う。

 アフタヌーンで読んだ部分とくらべてみると、結構書き直しがあるんだなあと思った。整列に巣山が入ってるし(笑。
 あと、突如泉がオトコマエであることが判明した「泉君!」「とってやるぜ三橋!」のとこに、「投げ勝ってる!!」というモノローグが入り、これは多分連載時ではなかったネームだと思うので、おおーと思った。
 あれですかね、この最後の打席、三橋はタケにまっすぐを打たれてしまったわけだけれど、それは三橋がタケに攻略されたから打たれちゃったわけではなくて、外野(泉)がフライ取れるように打たせることが出来た、から三橋は悪くない(投げ勝ってる)し、もしほんとにタケに攻略されてたとしても自分は三橋は投げ勝ってると思ってるし、だから自分が捕るってか捕らなきゃエラーだろ!(わたしはエラーの規定はよく知らないが)という泉様のオトコマエっぷりをまざまざと見せ付けてくださってるわけですか。
 「捕ってやるぜ!」だけだと、三橋の失敗をフォローしてやるぜ、というニュアンスにも感じるし。いやそれでも泉はカコイイけどね。

(ところで今、泉はって変換したらイズミハって変換されたよ。

 表紙はこう来たか~という感じ。しかし次巻はどうするんだろ?
 田島の母親の呼び方が「お母さん」ではなく「お母さん!」なのが可笑しい。

2007年05月25日

『アフタヌーン』七月号

 あーすんません、今月はもう初っ端からダラクしてます。

 とんでもないことになってきました。

 三橋に声を掛ける花井、そして花井君をはげます三橋…!
 何この二人の世界…!!!!!

 花井君をくすぐろうとしてた三橋がカワイイというか、なんかやっぱり最近花井に慣れて&なついてきてないか…!?こないだの崎玉戦がよかったのかなー、でもこの二人はなんだかんだ前から結構近しいんだよね、という気も。
 「花井君点入れたら勝てる!」あーなんかこの微妙さ加減…!たまりません。
 三橋はたぶん、田島君は点入れる、っての前提にしてると思うんだよね。阿部や田島への全幅の信頼、とは違った、花井への期待をふくみこんだ信頼。ってのが、なんかいいんだよ!他の仲間へとは違う、花井だけって感じでいいんだよ!
 で、それを受ける花井も三橋とこうして次第に話し始めて、それがうまい感じに自身の成長につながってきそうな感じでいいんだよ!
 つまり、とにかくハナミハなんだよ!

 それはさておき。

 三橋が監督のサインを確認するときいつもびみょうに内股気味なのがカワイイ。ところで三橋はなんで今日勝ちたいんだっけ?狭山戦はいつもより読み返してないからか、わからないぞ…。

 イライラな泉様がいい感じです(笑。阿部は三橋を「ホントのバカ」だと思ってるんじゃなくて、たんに三橋と全然意思疎通できなくて、異常なほど過保護なだけだと思う。でもまあそれがイコール「ホントのバカ」だと思ってる、って状態って言ってもいいんだろう。
 泉はこういうイライラっぷりが、いい子ばかりのにしうらーぜの中でちょっと変わってる気がする(いや怒ってばかりの阿部は別格として)けれど、それがいい。そして、ゆってることがいつも正当なのもいい。

 西広が活躍した!

 阿部の質問に三橋といっしょにビビって、三橋といっしょに安堵してる沖がカワイイ(笑

 狭山のキャッチャーは今回いろんなレベルでダメっぷりが描かれてて(三橋のバント成功させちゃうし、田島の才能を知らなかったにせよ田島に全球種見せちゃうし、とかいろいろ)、なんだかこれは本格的にロカさん悪い奴だな…!そして、和さんはどうするんだろう?

2007年05月26日

烏科ひゆ『不機嫌な青い薔薇』

 もと同級生、役員の息子→受けの秘書に×会社社長息子→グループ会社社長に就任。

 超エリトな秘書におかざり扱いされて社員に悪口流されて孤立、あげくその秘書に出張先で襲われる受け。

 とにかく文体が遺憾…。へたくそな志賀、という感じで、つまりとてもダメなのである。散文的な、あまりに散文的、というかいっそ散発的な思考のふんいき(略)をつらつら書いたような、そんな感じ。なんでいきなり話がとぶのー、またもどるのー、もしかしてつながってる話なのー、そうは思えないよー、とか思ってしまう。

 内容ははっきりいってただのよくあるBLテンプレ。クールでしかし受けを独り占めしたい攻めと、アホアホでにぶかわいい受け、ということなのだろう。そういうとこがうまく書けてるわけでもないので、キャラ萌えだけで読むということも出来ず。展開も、王道を王道としてきっちりエンタメ作品に仕上げてくれてるわけでもないし、特筆すべきこともなかった。

2007年05月27日

高岡ミズミ『VIP』

 というわけでこれは少し前に読んだ。
 ちなみに読んだ動機は、続編がいくつか出ているので、ハズレはないだろうと思って、だった(笑

 まあ、確かにそうハズレではないが…という印象。

 ヤクザ×会員制クラブのマネジャー。

 高校生の時に家出、攻めにひろわれて世話になったものの、男がヤクザであると知って逃げ出した受け。数年後にクラブのマネジャーとオーナー知人のヤクザとして再会。

 攻め受けの物語は特に可もなく不可もないかんじ。別に瑕疵はないけれど、あまり後に残るものもないというか。受けは高校生時と現在で印象が違うというか、そつのないマネジャーの様子と、攻めに対してネコのようになってしまう様子もちぐはぐな印象。攻めも、受けにだけは本気で入れ込んでる、という部分があまり伝わってこなかった感じだし…。
 あと、受けの家にころがりこんでる子、が、うまく機能しきれてない印象。過去の受けの立場の反復なのだろうけれど、それがなぜ必要なのか、どこに活きているのか、わたしにはよくわからない。

2007年05月30日

高月まつり『こんなハズじゃなかったのにさ』

  ここのところ忙しかったというのもあったのですが、サーバスペースがどうもいっぱいいっぱいになってしまったようで、あちこちに不具合が出てきてしまって更新もとめてました。とりあえずエクセリアさんにお金を払ってみたがあんまし解決になってない。

 仕事で疲れると、面白いBLというかアホアホで頭使わずに読める面白いBL、が読みたくなる。のだが、その意味であたりだったかといわれれば微妙な。

 高級デートクラブ社長×顧客(になりたい)。

 みそじの誕生日を期に、自分の性癖に正直に生きることをきめた受けは、しかし小心なので第一歩としてお高いデートクラブできゃわうい男の子を所望してみたらでっかいイケメンがやってきてしまいました。

 アホアホなのはいいんだが、展開に脱力したり文章が壊滅してたりすんのはちょっと困る。そのあたりかなり微妙で、かわゆい外見の攻めの従弟が出てくるあたりとかはイタかったので流し読みした。デートクラブの描写とか高級描写とかもいちいち中途半端でちょっとなあ。会話もあまりに軽くなりすぎるとキツい。

 アホアホなBLもまた、きっちり良質なエンタメとして仕上げるのはきっと難しいのだろうなあと思ったりした。

2007年05月31日

九葉暦『balance due ~薄幸体質の男~』

 エクリチュールが独特で面白かった。なんとなくネット小説書いてた人だろうなという気も。そして、この作家、これが初作品なのかな?
 しかし何にしても、やはり文体とかエクリチュールが個性的なのって武器だよなあ。読者の好き嫌いが印象に激しく影響するという意味では強みにも弱みにもなるだろうけれど、それでもやはり小説は言語のみに頼るテクストなのだから、あえて武器だと考えたい。

 ただ、この文体は、受け一人称で、個性的な視点で怒涛のいきおいでなされる思考がはげしくだだもれているから活きてる印象なので、三人称視点とかになったらまた印象がかわるのだろうなという気もする。

 しかし、そんなわけで、小説として面白くはあったのだけれど、実はBLとしてはどうだろう、という気もするのですよ…(笑

 後輩の友人のノンケ×ゲイの医師。先輩医師×医師でもある。
 超好みだった攻めを初対面で家においてやることにしたんだけど、なんかされてあげくそれを「ご奉仕」とかゆわれてブチきれる受け。受けに「寄生虫」よばわりされてブチきれる攻め、は、そんなこんなで周囲にはいい人と言われてる受けは、冷たい人だと思っている。
 なんだか…わかりづらくてすみません。

 受け視点で、結構それが身勝手で、だから薄幸体質、って感じなのだけれど、まあその一人称は面白くもあり、しかし身勝手にすぎていらいらもさせられ、という感じだった。
 あと受け視点でしかも身勝手である、という関係で、どうも年下のほうの攻めの描写がうすくてあんまり魅力がない。
 「サメ」みたいな先輩医師の方はまあまあよかった。受けのことを「瑞穂くん」とか呼ぶのも好き。

 しかし三角関係は好きです(笑、いやフィクションとして。

 北畠あけ乃の絵は好きだがこのCPは全然イメージと違う。受けはもっと大人っぽいほうがいい。攻めはもっとチャラ男っぽいほうがいい。でも先輩医師はよかったというか、文中にアラブの金持ちみたい、と描かれていたのでイラストが出てくるまで超恰幅の良いひとを想像してた(笑
 あと絵のせいではないけれど、この受けは絶対メガネのほうがよかったと思う。

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