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2008年02月02日

香坂透『お金がないっ』7

 また更新とまってすみません…おなかがいたいです。

4344811941お金がないっ 7 (7) (バーズコミックス リンクスコレクション)
香坂 透 篠崎 一夜
幻冬舎 2008-01-24

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 鷹嘴大和くんの話ラストまで。狩納よかったね!(笑、という話。

 しかし読んでて何だか違和感があるなあと思っていたのだけれど、今回の話では、綾瀬に避けられて傷つく狩納サイドからの描写がないんだよね。今までの数々の例から想像できるからいいんだけど、前だったらもっと傷ついてる狩納の内面によりそった描写が入っていたんじゃないかなあと思う。それがないから、ラストで綾瀬の言葉に喜ぶというカタルシスがちょっと物足りない気もする。
 なんかそれで気付いたのだが、このシリーズって、実は狩納つまり攻めが報われる物語なのかもしれない。意外なことだけれど。悪徳闇金×莫大な借金をおった美少年という直球勝負設定だけれど、受けのサクセスストーリー(恋愛面でも生活面でも)ってだけではないんだよね。BLという枠組みだからこうなったのか、それともこのシリーズが(偶然にか必然にか)こうなったのかはよくわからないけど。

 この作家は鍵というモチーフがすごい好きみたいだ。

2008年02月03日

須貝あや『あしながおじさんの宝物』

 体調は大分復調しました。

4757739915あしながおじさんの宝物 (ビーズラビーコミックス)
須貝 あや
エンターブレイン 2008-01-17

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 あしながおじさん「桜さん」を心の支えにがんばってるほぼ天涯孤独な高校生のもとに、遠縁の祖父の遺産放棄をせまって傲慢強引な男がやってきて、とりあえずいっしょに住まわされることになってしまいました。

 一冊まるまる書き下ろしだそうなので、大変そうだなあと思った。
 あらすじから内容が想像できるというか理解でき、また展開も王道なので、予想通りな感じでそこそこ面白く読んだ。
 しかしこの作家、こんなにデッサンが不安な感じだったっけ。でも決して漫画絵としてダメダメな印象ではなくて、ああやはり漫画絵にデッサンは必要条件ではないんだな、と再認識した。

2008年02月04日

読みさし本。

 椎崎夕『本当のことは言えない』
 『あなたの声を聴きたい』の脇キャラのメガネが主人公。しかしそのメガネ受けが自分勝手というか、勝手にいろいろ判断して動いてって朴訥まじめな攻めが気の毒で見てらんない感じ。あと攻めはなんで敬語なのか。

 藤隆『理不尽な恋人』
 高校生ホラー作家×編集者。最初は乙女少年攻めかと思ってワクワクしてしまったのだが(笑、結局ふつうの生意気少年攻めだった。設定的にはもっと複雑っぽいキャラなんだけど描写がうまくないので伝わってこず。これも受けのメガネ編集が勝手にいろいろ悩んで考えて答えをだして、攻めにひどい感じで見てらんない。

 大竹直子『源平紅雪綺譚』
 絵がちがう…ので、すごい違和感というか、もう違う作家みたい。わたしは大竹直子ではなく、「今の」大竹直子が好きなんだな、と理解した…いや、もしかしたら「軍服を描く」大竹直子、が好きなのかもしれない…(笑。だって大竹直子のメガネ軍人って超サイコーなのです。

 妃川螢『不条理な接吻』
 梗概が微妙だったので迷っていたが、アマゾンのレビューみてやはり面白くなさそうだなあと判断、しかし奈良千春の挿絵見たさにやはり購入…スゴイ!奈良千春の軍服×SP!
 4812433118
 あ、内容はぱら読みしましたが、やはり微妙でした。モッタイナイオバケが出そう…。

天野瑰『シャーロック・ホームズの新たな冒険 ベイカー街の下宿人』

4776794365シャーロック・ホームズの新たな冒険 ベイカー街の下宿人 [メロメロコミックス] (mellow mellow COMICS)
天野 瑰
宙出版 2008-01-31

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 メロメロコミックスですが、BLではありませんよ!くそう!だまされたっ!

 …しかし冷静に考えてもみろ!ホームズのコミカライズがガチでおホモだったら、たぶんいくらあたしだってドン引きしただろう!

 でもちょっとニュアンスおホモだった。
 漫画自体はいまいちうまくなかった…。

2008年02月05日

ユキムラ『まるで初めての恋みたいに』

4048541552まるで初めての恋みたいに (あすかコミックスCL-DX)
ユキムラ
角川書店 2008-02-01

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 観覧車の場面からはじまる建築士×セールスマンの表題作が、雑誌で見たときに印象に残ってて読んでみたのだが、この短編はもう二年以上前のものなのか…こういんやのごとし。

 しかしなんか他の読んだことあった数編もふくめて、なんだか雑誌で読んだ時のほうが面白かったような気がした。なんでだろう。編集者×カメラマンの高校の先輩後輩のははじめてよんだけど、ちょっと展開とかしっくりこない印象というか…。全体に面白くなくはないけれど、なんだか何かが足りないような印象だった。

2008年02月07日

天禅桃子『ラ・サタニカ』

4862521886ラ・サタニカ (ドラコミックス 139)
天禅 桃子
コアマガジン 2007-08-03

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 高校生CPの牛歩、もとい、紆余曲折恋愛。
 しかし、乙女なヘタレ攻×キチク眼鏡受というオビは誇大広告では、と…。

 受けが自分に恋してると丸分かりな乙女攻めをからかうというのは面白いけど、ちょっと物足りないというか、やるんならもっと徹底的に冷酷に(笑)やってほしいし、第二話以降はその要素もなくなってしまうし…。
 モテ系の乙女攻めはいいけど、女の子は来るもの拒まずという設定はこのキャラには違和感が…。
 なんだかなあ。
 あと絵が残念。表紙もきれいだし、顔はかわいいのだけれど、動きや身体がちょっと厳しい。

しみず水都『危ないカラダになっていく』

4774721832危ないカラダになっていく (セシル文庫 し 3-2)
しみず 水都
コスミック出版 2008-01

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 病院でただよっていた精神だけの存在は、意識のない患者にはいって遊んだりしてた。ある日中学生の急患に入ろうとしたら、身体の持ち主が昇天してしまい、身体から出られなくなってしまう。しかたなく持ち主の兄といっしょにくらすことに。

 この作家のこういう突飛な設定は好きなのだが、そして展開も結構面白げなとこもあるのだが、どうも波長があわないのかいつもとっても物足りない。なんでだろう。ライト過ぎるというか。今作も、精神の生前とかからんでくるのは意外性があって面白かったけど、でももっと面白く出来たんじゃないかという気もする。
 あと、攻めが魅力ない。ちょっと大人でかっこよくてズルいのだが、だからどうしたなのだ。受けも子どもっぽくてぽやぽやしてるだけな感じだし。
 絵も子どもっぽくてちょっとニガテな感じである。

かわいさ選手権・第二回。

 小池徹平「(玉木さんは)かわいらしくてズルいな~と思いました(笑)」
 キミは一体何を言っているんだ。

2008年02月08日

『Tokyo Bambi』

 ちこくちこく。

B000YIRRZETokyo Bambi(初回限定盤)(DVD付)
the pillows SAWAO YAMANAKA
エイベックス・エンタテインメント 2008-01-30

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 勿論前日には購入してましたが、感想が遅くなってしまいました。トーキョーバンビ自体は既に聞き飽きてた(笑)のと、カップリングが聞き込めてないのとで、なんだか中途半端だったのです。今も。
 嫌いでも苦手でもないけれど、正直ライトな印象でのめりこめない感じ。でもむしろ、それでいいのかもって思う。こういう曲もあるよね、っていうか。ピロウズにはあたし好みな曲ばかりではなく、いろんな曲をつくってほしい、というなんともワガママなバスターズ心理なのです。

 #1「Tokyo Bambi」
 もう随分聞き込んでしまったので、慣れたしまあふつうに好き。ただ改めて思ったのは、『Wakeup!Wakeup!Wakeup!』とはぜんぜん曲調が違うなって印象で、『Wakeup!Wakeup!Wakeup!』は好きだけれど、上述のようにやっぱりどんどん違うことしていくピロウズがあたしは好きみたいなので、むしろ安心した。次のアルバムが楽しみじゃないか。
 それはともかく歌詞がカワイイ。「キミのクセ毛がみぎひだり~♪」とか「何笑ってんだ、バンビの目をして~♪」とか、超カワイイぞ。そのせいもあってか、なんかサビよりもAメロがいい。
 で、しつこいようだけど、かわいい顔してんのはさわおだよね???

 #2「Go! Go! Jupiter」
 わはは。軽いなあ…流石にちょっと物足りないかも。
 イントロのぺーれーれーれーってギターがいいなあ。ピロウズらしくて。

 #3「Across The Metropolice」
 タイトルからはもっとエレクトリックな感じというか、機械っぽい感じもしくはギターぎゃんぎゃん鳴る感じ(笑)の曲を期待してたのだけど、もののみごとにガゼルシティ風の(?)アクロスザユニバースだった…(笑。ちょっと地味だけどいい、けど地味だ…。

2008年02月09日

鳩村衣杏『彼の背に甘い爪痕を残し』

4896017110彼の背に甘い爪痕を残し
鳩村 衣杏 ひたき
ムービック 2005-05-31

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 翻訳エージェンシーの上司×バイト、それぞれに元ヤクザ、元有名小説家という過去をかかえている。ある事件から小説が書けなくなってしまった受けはつてでエージェンシーでバイトをはじめ、攻めにたのまれてある小説の下訳をはじめることに。

 この表紙はネタばれどうこうよりも、お話の雰囲気にぜんぜんそぐわないのが問題だと思う…そうまずい描写でもないのに、世界観をつかむのに妙に時間が掛かった。
 過去をふくめた小説家関連の展開は、ベタではあるものの面白かったけれど、攻めの元ヤクザという過去はちょっと無理くさい上になんだかあまり意味がなかったような…。描写がうすいからそう思うのかも。強烈な過去をくっつけたかっただけ、という印象だし実際そうなんだろうな。まあ、攻めの不器用さとか魅力がひきたつとは思うんだけど、もうちょっと物語の筋にからむ感じで強烈な過去を設定してたら、もっと面白かっただろうな。しかしこの話の筋にからめられる強烈な過去、ってのも難しいか。人を人とも思わない凶悪なスクープ記者、とか?(笑。しかしあれだな、ヤクザにしてもなんにしても、年齢設定に無理があるのかも。もうちょっと年がいってたら、時間の経過でヤクザがああいう男になりました、で納得できるのかもと思う。

秀香穂里『小説家は我が儘につき』

4044534012小説家は我が儘につき (角川ルビー文庫 118-1)
秀香穂里
角川書店 2008-02-01

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 なんだか…あれれ、って感じ。
 イケメンなハードボイルド系小説家×高級ホテルのコンシェルジュ。
 小説執筆のためにやってきたVIP客は、自分をさんざんからかってた兄の友人且つ大ファンの小説家その人でした。十数年ぶりの再会ですが、相変わらず自分をからかってさんざんワガママいわれてしまいます。

 設定は面白げなのに、なんかいろんな要素が雑多に放り込まれてて、整理できてない引き出しを開けて見せられた感じ。
 コンシェルジュも、スイートルームにバトラーがいるのにあえてコンシェルジュにした意味がよくわからん。結局身の回りの世話してるし。なおかつ攻めのアドバイスをもとにコンシェルジュとしても成長、という要素を盛り込んでるけど、その成長の描き方がありきたりな印象。
 他にも細かいとこで、緊張をとくツボの話はあんなふうに使うんだったら一回だけじゃなく何度か描写すればいいのにとか、コンシェルジュの制服の描写なんて末尾で初めて出しても却って唐突でよくないだろうとか、なんか描写が丁寧じゃないなあという印象。
 そもそも全体的になんだか日本語が変。誤用とまでいかなくても、違和感がある感じ。以前この作家の別の作品を読んだ時にはそんなに違和感を感じなかったんだけど。そんなこともあって、構成とかもあまり練らずに書き流してるんじゃ、って印象。

 キャラもごたごたしててあんまし魅力ない。攻めは傲慢強引で、ちょっとすねたりすると可愛げがあるらしいのだが、なんか一貫性を感じないし受けへの気持ちもいきなりずっと好きだったとか言われても唐突すぎ。受けは受けで、攻めへの態度とかただの強情なかわいこちゃんで、受けとしてもいまいちだし、そもそもホテルのコンシェルジュの態度としてどうかと思うことばかり。

2008年02月10日

井上雄彦『リアル』6、7

4088771737リアル 6
井上 雄彦
集英社 2006-11-17

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4088773527リアル 7
井上 雄彦
集英社 2007-11-29

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 つづいて楓センパイにまわしてもらった。

 フツウに面白かったのだが、それとは全然別次元で、すごい批評を誘引しそうな物語だなあとも思った。好きだけど、面白いけど、そして試みは評価されるべきだとも思うけれど、同時に批判されてしかるべきテクストだとも思う。
 たとえば障害の点数化というモチーフの書き方とか、評価も批判もしなければならないとこだろうなと。
 面倒なのであたしはしないけど…。

 ノブが一番気になるなあ。ノブの周辺の人々はみんな報われて欲しいね。

剛しいら『欲望の狼』

4775507710欲望の狼 (プリズム文庫)
剛 しいら
オークラ出版 2006-06

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 『沈黙の狼』『反逆の狼』につづくシリーズものの三作目だということに買ってから気付いたので、前二作を読んでから読もうと思ってつんどいたのですが、風邪をひいて出かけられなかった折にヒマだったので読んでしまった。

 それで気付いたのだが、あたしはナントカ警察とかいう設定は結構すきなのだ。図書館警察とか。
 これは学校警察(正式名称ではない)という設定が、とってもツボだった。

 というわけで、孤島の全寮制超エリート学校に、調査官と、その恋人で剣道で有名な高校生ほかが潜入調査。
 超エリート学校はトヨタの学校を想起するけれど、生徒会が取り仕切ってるのはともかく、会長が身体の魅力で学校中を支配してるあたり、『飼育係リカ』のテツを思い出した。
 主役CPは、流石に前作を読んでないので物足りなかったし感情移入できなかったけれど、それは仕方ないよね。しかし調査官としてはなんだかツメが甘い気がした。調査官仲間の上司へのラブは片思いなのかどうかとっても気になる。
 でも前作も遡及して読むつもり。

2008年02月15日

インストアライブ@タワーレコード。

 ご無沙汰しました。仕事が忙しくてとっても大変です…。

 タワレコのインストアライブが当たったのでいちきましたv
 セトリはドードー、ビスケットハンマー、バンビ、ジュピター、メトロポリス、レディバ、ヤングスター、バビロン、その未来。

 ちっちゃい会場っていいね…!すごい楽しかった!インストアライブって初めて行ったのだけれど、これがタダなんて素敵すぎる。なんかドリンクも出てたし(飲めなかったけど。
 かわいい顔して~なさわおがかわゆかった!一体何歳なんだ!
 PEEちゃんは昨日のポリスに三万出したらしい!あたしの知り合いも見に行ったらしいけど、三万てどこでの値段だろう…。

2008年02月17日

海野幸『愛の言葉は花言葉』

4576080121愛の言葉は花言葉(シャレードパール文庫 ウ 1-2) (シャレードパール文庫 ウ 1-2)
海野 幸 桃月 はるか
二見書房 2008-02-15

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 この作者のPNは…テニスのベイビーちゃんからとったのか…?そうだとしたらちょっとイタタだし、ベイビーちゃんを知らなかったのだとしたらうかつすぎるのでは…。

 ヤクザ×花屋バイト。
 歌舞伎町で入れ食い状態のイケメンヤクザ、豪奢な花束に花言葉をそえて口説けば誰しもおちる。そんなヤクザにはなみずきをあげたせい(はなみずきの花言葉は、私の思いを受け取って)で誤解され抱かれてしまった花屋店員。教育学部在籍で小学校のせんせい志望かつヤクザに惚れてしまったため、常識知らずで節操なしなヤクザを教育しはじめ云々。

 こんな面白げな設定に展開で、なんでこんな薄味なのか。
 バイトがヤクザに惚れるのが唐突すぎ。もうちょっと普段の花屋でのやりとりを描写してから展開させればいいのに。あと「教育」って視点が面白いのに、あんまり活きてない。
 ヤクザはよい。描写がうすいが、家を花だらけにしてたあたりはとてもかわいくてインパクトがある。
 竜堂とかの脇キャラは、この短いお話には余分な気がする。
 全般に、ヤクザを教育というモチーフ、花言葉というポイント、脇キャラでつくろうとしてる奥行きが、それぞれ描写不足で物足りなくなってしまってる印象。P数が少ないのだから、もうちょっとポイントを絞って欲しい。もしくは、もっと長いPをとって、それぞれ丁寧に書いて欲しい。あー勿体無い。

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 パール文庫は薄くてお手軽でいいのだが、内容も薄いものばかりだ。内容が薄いのは、Pが薄いせいだけではないはずなので、勿体無い。設定は面白げなものが多いのになあ。

秋月こお『幸村殿、艶にて候』

4199004602幸村殿、艶にて候 (キャラ文庫 あ 1-30)
九號
徳間書店 2007-11-27

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 おおぉ。
 なんか表紙絵がいまいちに感じたせいもあって買い控えていたのだけれど、読んでみたら妙な感じに面白かった…。
 妙な感じにというのは、あんまり期待せずに読み始めたから意外に面白かったというのもあるけど、その面白さがちょっとふつうのBLの面白みとは違っていたせいもあるのだと思う。

 上杉景勝の元に人質として滞在中の真田幸村は、関白秀吉に命じられて九州に偵察に行くことに。いつも幸村につれなくされてる景勝は、出立する幸村の唇をうばって送り出し、云々。
 …という梗概の段階では、幸村の九州行の話だというのに、越後の景勝との仲をどう進めるのか…もしかしてBL要素は極少で、ほとんどただの歴史ものなんでは…と思って、内容にもあまり期待をしていなかったのだけれど、やはり秋月こおは秋月こおなのだった。
 前半あたりでは、魔性の幸村殿が行く先々で男をメロメロにしていく話か?という感じだったし、ある部分ではやはりそういう話でもあるらしい気がする。タイトルもそうだし。
「なぜわたしに目をつけた」
「舞い姿があまりに艶にてそうらえば」

 しかしそんな中でもちゃんとCPはあるのだが、何しろそのCPが複雑というか未完成で、CP形成の過程がとっても面白く、今後も面白くなりそうなんである。現在のところ、基本CPは景勝×幸村×猿飛び佐助っていうか、景勝→幸村→佐助、そこに霧隠れ才蔵→幸村とかが混じっていく感じ。
 もう少しくわしく言えば、豪胆でそちらの嗜みもあるいかにもな武将殿だが、どうやら幸村にはちょっと本気らしく純な面をみせてしまう景勝→それを飄々として利用しようとしつつ、おぼこだしツメがあまくかわいげのある幸村→幸村にからかわれるととっても困ってしまうけれど、忠義一徹で受け止めなければ!とか思ってしまう生真面目な猿飛び佐助、という…。

 景勝はあんまし出てこないせいもあって、あんまし感情移入できないというか、思い入れがうすい。幸村は景勝を利用するために気のあるそぶりをしてるつもりだけど、無意識に恋愛対象としても意識しているっぽいし、景勝が攻め込めばなんとかなるだろうし。
 むしろどうも進展しそうにない、幸村×佐助がういういしくてとってもかわゆい。こっちはどっちも無意識だし。幸村は十蔵のいうように、佐助をからかったりしてとっても人が悪いし、しかも本人は悪気ないところがとっても小悪魔である。佐助は幸村の自分への興味に気付きつつ、自分は誰かに情を持ってはならない忍びなのだし、そういうのはとっても困る、けどもしそうなったら幸村への忠義でもって答えなければ、とか決心しちゃうし、とってもかわいい。
 たとえばもしも、この主が自分にそうした情動を抱いているとしたら、その時には忠義の心がけで受け止めるべし。命を受ければ死地にも飛び込むのが役目の自分が、主の求めに身を任せることにはためらうというのは、忠誠が足りぬというものだ。
 そして、幸村も佐助も互いを主従での関係性の中でしかとらえてないし、幸村のが年上でもあるので、時代的にもこれは佐助×幸村ではなく、幸村×佐助なんだろうな(笑。どっちももっと相手を特別に意識すればいいさ!

 BLぬいても、お話は普通にそこそこ面白かった。幸村の児小姓とかも、坊っちゃんな六郎と野生児出身の小介の対比とか面白いし、才蔵はちょっとよくつかめない感じだったけど、これから面白くなりそうなキャラだし。ただ、何と言うか、事実関係とかでは微妙な点も…特にトリカブトの件はなあ。トリカブト毒で助かることはあっても、心停止から丸一日で再鼓動するものだろうか、後遺症はとか…毒物としての呼び名はブシではなくブスらしいのでは、とか。
 まあそれはさておき、全般的にはとっても面白かった。
 しかし、秋月こおが秋月こおだなあと思った理由としては、何よりも、雑誌掲載分もあるにせよこんだけ分厚い文庫を出して、しかも今月末には既に二巻が出る予定、ということだ。このバイタリティはほんとすごいと思う…。

2008年02月20日

水原とほる『影鷹の創痕』

4576072153影鷹の創痕 (二見シャレード文庫 み 1-1)
水原 とほる 立石 涼
二見書房 2008-01-29

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 港で偶然取り引き現場を目撃してしまった普通の大学生は、とんでもないギャングにつかまってしまいましたが、殺されそうなところをかわいいのでペットにされてしまいました。ギャングは当然嗜虐癖がありとんでもない扱いをうけますが、ギャングが仲間にひきいれた元傭兵はギャングに指示されてペットをなぶりつつも、ギャングの目をぬすんで親切にしてくれます。

 …何が問題って、監禁犯がすごく魅力的で元傭兵とかいうのが全然魅力がないってことだと思うのですが。
 元傭兵と受けは本文中にも書かれているようにどうみてもつり橋効果で、受けはこんな状況じゃなくてもほれてたと思うとかゆってるけど全然説得力がないですし。そもそもこの攻めは描写が足りてないというか、ただかわいそうな境遇の受けに親切にしただけだし全然キャラたってないし魅力がない。
 一方監禁犯のほうは、凄絶な過去がそこそこ描かれてるし、元傭兵になついてる受けを知ってから、受けを可愛がり甘やかすことに楽しみを覚え始めるという実は超王道な展開で、こっちのCPの方が断然面白いんだよね。でもまあ、あんまりな犯罪者だし、前半はただの嗜虐趣味者だし、公式CPにはなれっこないということか…。ラストもよかったし、もったいないキャラだ。

いさか十五郎『九十九探偵事務所へようこそ』

4775511289九十九探偵事務所へようこそ (オークラコミックス) (オークラコミックス)
いさか 十五郎
オークラ出版 2008-02-12

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 おじさんの借金で探偵事務所で働くことになったけど、スタッフの一人に惚れられてます。しかしそいつはもうひとりのスタッフとなにやら妙にあやしげなのです。

 自分に気がありそうなイケメン探偵が、パートナーをとっても大事にしてるって、それって…一体どこに萌えればよいの…(涙
 何だか作品に入り込めなかった。
 絵が富士山ひょうたと中村春菊に似ている。

2008年02月21日

藤森ちひろ『犬より愛して』

4813011020犬より愛して (SHYノベルス 138)
藤森 ちひろ 山田 ユギ
大洋図書 2005-07-25

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 高校の同級生、実は獣医になってました×メガネリーマン。
 同窓会で再会、久々にあった攻めはなんかそういう態度で口説かれたりするけどからかわれてると思ってる受け。
 攻めは強引さと真面目さとかがなんかちぐはぐでキャラがよくわからない。受けは意固地であんまりいい感じを受けない。何より老犬をつれてわざわざ実家出て一人暮らしなんて、家族が犬につめたいからとかいっても全然納得できないし、思い返せば家族も結構犬の面倒みてくれてたんだった、とか後から気付いてもどうしようもないだろう。そういうとこもあって、自分の視点ばっかな印象。
 お話も面白くないというか、なんということもないもの。

 ペットの死をこんなふうに描かれると、そしてそれをとりまくお話がこんなにも脆弱だと、情けないやら悲しいやらだ。この作家は動物、いやペットを飼ったことがないのだろうか。それとも、自分が何を書いているかきちんと理解していないのだろうか。ペットの死をエッセンスとして徴用している物語、しかもそのエッセンスくらいしか語るべきところを持たない物語だとしかあたしには感じられなかった。

 まあそもそもペットの死を描くことそれ自体に個人的にものすごい拒否感があるし、そういうあたしの個人的な感情は割り引くべきなのかもしれない。でもこのモチーフを使うのなら、たぶん描かれるべきは、攻めと受けとの感情における成長と発展で、それすらもあまりに稚拙な書き方でしかなかったと思う。ここでの感情のやりとりって、受けが攻めにやつあたりして終り、だし。あとの展開って、別のとこで起きてるし。だからやっぱりどうにも評価できない。というかもう正直あんまりこのお話のことは考えたくない。

葉月宮子『美しき野獣』

4778105222美しき野獣 (ショコラノベルス HYPER)
葉月 宮子
心交社 2008-02

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 アメリカンマフィア×ジャーナリスト。
 マフィアの嫁にされそうな幼馴染の駆け落ちを助けるために身代わりになった受け。マフィアは受けを気に入って嫁のかわりに女装させて受けをつれてくことに。

 …正直稚拙なお話だなあという印象だった。
 身代わりをしようとまで思う幼馴染というのがしかし会うのが数年ぶりとか、意気込んで身代わりになったにしては変装なんかもせずに全然時間がかせげてないとか、そもそも嫁が逃げて一番困るのは娘を差し出した敵の組織だろうになんで敵組織にバレたらまずいとか思ってるのか、全般的にみんな何をしてるんだかよくわからん。
 攻めも受けもキャラがいまいちたってないし、特に受けはジャーナリストという職能はまったく活きてない。
 物語の展開は、そう悪くはないもののベタにすぎて面白みはない。
 そういう印象にくわえてさらにがっくりしてしまったのが、あとがきにあった編集にペン二本分の赤を入れられたという言葉で…正直、それでこんなお話なんですか、と思った…。

2008年02月22日

攻め志向について。

 全般的なおホモの話をするための新カテゴリをつくりましたということで、色々考えてみよう。あ、変化球はないんで、すべからく直球なんで、ニガテなかたはご注意ください。あと基本自己満足というか自分のための備忘なので、ニガテでないかたも読んで不快になったらすみません。


 というのは、すこしまえに蜂郎さんとマリィさんとなんかとてつもない話をいっぱいしてたときに、クロエは受けよりも攻めが好きなのではないかという推論がでた。
 BLって、受け視点で読むとか、虹だったら好きキャラがほぼ受けになるとかいう話もきくし、勿論あたしもそういう傾向はないでもなくて、タクミ総受けとか三橋総受けとかって大好きなわけなんですが、でもジョルアバの場合はわりとジョルノメインで考えてる(いやアバ総受け志向も実は若干あるんですけどね、ジョルノがとくにすきなので)のでそういうことになったのですが。

 あとこれもマリィさんとメールしてたときだったか、BLを作家の視点から見たときの性の問題についても考えさせられて、すごく単純化してしまうと作家の性が露出してしまうことに関する問題なんだろうけれど、それで気付いたのだがあたしは自分が虹創作するときには基本攻め視点で書きたいみたいなのですよ。今はジョルアバとタクミくんシリーズしか書いてないわけですが、受け視点で書いてるのはほとんどタクミくんの託生受けだけなのです。
 たぶんあたしは基本的に攻め視点で書くほうがすきで、それはあたしの性とはまったく無関係なとこで思考してる(つもりになれる)からなんではないかなという気がする。たぶん受け視点よりも無責任に書けるし、無責任にしか書けない。

 託生受けがなんとか書けるのは、そもそもタクミくんの世界が一種異質であって、あのぶっとんだエクリチュールに癒しとか触発とかをいろいろ求めてテキストを書き始めたようなところもあるので、託生視点というか、託生の要請するエクリチュールが他のキャラとは(勿論あたしのゼロの(誤用ですね)エクリチュールとも)ぜんぜんちがうから、あたしにも書くことがかろうじて可能(ある意味不可能でもあるんだろう)なので、書きたくなるのだろう。
 だから、逆説的に、ギイ=攻め視点のほうが、素で書いてしまえるんだよね。勿論素でというのは、自分をギイ=攻めに投影しているとかそういうことではないのだけれど、思考パターンとかをあんまり悩まずに構築してるというか。

 まあ、根拠なんてないけどね。
 ギイの暗い話を書きつつ、やはり自分は基本根暗なのだなと再確認しつつ、そんなことを考えたり。

烏城あきら『檻-おり-』

4199004610檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)
烏城 あきら 今 市子
徳間書店 2007-11-27

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 病弱な母の面倒をみてすごしてる受け。母の実家のでかい旧家で、母の義姉とその息子の四人でくらすことになったが、義姉の息子のおにいさんが素敵であこがれてしまうのですが、おにいさんはすごく親切なのですがちょっと変なとこもあり、なんだか微妙な関係のままです。ところで庭には不思議な茶室があって立ち入り禁止なのですが、こっそり入ってみたらおにいさんに襲われて…!

 ゲイがとても重い性癖として表象されており、なんか実世界ともBL世界とも違った世界という感じ。エクリチュールがある種のミステリっぽくてBLぽくないせいもあって、独特の雰囲気…好き嫌いは別にして。
 主人公CPは、キャラもその恋愛もなんだか微妙にわかるようなわからないような感じ。茶室にまつわる凄絶な過去のCPは、おもしろげではあるが藪の中。
 全般に、不思議な雰囲気には味があって惹かれるけれど、物足りなさが残った感じ。

2008年02月23日

樹生かなめ『ありのままの君が好き』

4813010482ありのままの君が好き (SHYノベルス)
樹生 かなめ 雪舟 薫
大洋図書 2005-04-04

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 気が弱くやさしくしかしごつくブーな外見で、小さい頃からいじめられ「ブタゴリラ」よばわりされており、もう社会とかかわりたくなくって美貌の弁護士である父のお世話をしてくらしてる。しかしある日父は、とても優秀だった高校時代のクラスメイトで今は弁護士になってる後輩をつれて帰り、しばらく一緒に暮らすという。

 雪舟薫は好きだが、しかしこの顔ではブタゴリラにはほど遠いだろう…と表紙を見て思っていたら、なんのことはない、表紙の人々は父と元クラスメイトだった。
 二人に溺愛されてる、というか作者に溺愛されてる「ぶー」が可笑しい。
 ついつい『Don’tWorry Mama』のことを思いだしたが、あれとはデブの描き方が違ってて、まあどっちもデブ表象を徴用している気はするが、この作品の場合あんまりファンタジックでなんとも言えない感じである。
 ただ、別に受けがぶーでもいいんだけど、BL的には受けがなんの努力も変化もなくながされるがままってのはちょっと読んでてきつかった。まあこのタイトルではむべなるかななのだが。

小石川あお『それは食べてはいけません。』

434481228Xそれは食べてはいけません。 (バーズコミックス ルチルコレクション)
小石川 あお
幻冬舎コミックス 2008-02

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 下宿先はおどろな洋館で、気が弱い吸血鬼に時々血をあげてます、というわりとありがちな世界設定キャラ設定に展開…ん?これがありがちっておかしくないか?
 でもやっぱありがちなんだよなあ。

 気弱な吸血鬼はかわいいけれど、特に目新しさはない。人間もふつうの人間。
 吸血鬼兄と狼男のCPも、ツンデレ吸血鬼と一途狼男目指しましたね、って感じなだけだし…。
 絵もお話も、なんとなく描きたいことはわかるんだが、いまいち筆力が足りてない感じ。泣き顔とか、もうちょっとうまくなったらすごく魅力でそうな気もするけど、いかんせんまだまだ二味くらいたりない感じ。新人なのだろうか。雰囲気はおもしろげなので、これから伸びてくれることを期待。

2008年02月24日

橘ケイコ『27時に恋をささやいて』

434481234427時に恋をささやいて (バーズコミックス リンクスコレクション)
橘 ケイコ
幻冬舎コミックス 2008-02

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 表題作は広告代理店のイケメン先輩×メガネ後輩。
 お酒弱かったメガネ後輩に迷惑をかけられてムラムラしたのでキスしてみた先輩。メガネ後輩が仕事はきりきり、下請けにきっついのでなんかキャラよくわからん。
 で、その続編がいやに絵が違うな…と思ったら二年以上間があいていた。
 他はデザイン系の設定とかバーテン×大学生とか。

 それぞれにそこそこで、あんまり印象に残ったところはないかも。タイトルがいまいちだと思うのだが、なんかこうこなれてないというか慣れてない感じというか、で、内容もそんな印象。でもいじわるメガネリーマン×今時な後輩は、ちょっとちぐはぐなCPで面白かった。あと絵がいまいちかな。

鈴鹿ふみ『アクトーレス失墜―ヴィラ・カプリ』

4592862716アクトーレス失墜―ヴィラ・カプリ (花丸ノベルズ)
鈴鹿 ふみ
白泉社 2007-12

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 調教オンリーぽいので迷っていたのだがやはり読んでみた。

 犬の調教者=アクトーレスとして働くイアンは、恋人の死以来何者にも心動かされず、未亡人とあだなされている。ある時恋人の死の原因になった犬を殺したという容疑でつかまって、犬にされてしまい今度は自分が調教されることに。

 この設定で一体どう話を展開さすんだ…という興味で読み始めたのだが、確かに調教の連続ではあるものの、これがしっかりと構成が練られてて、そこにきちんと物語が存在しててとても面白かった。
 物語そのものはオーソドックスというか、調教という点をのぞけばすごく王道な展開。物語中でギリシャ神話についてもふれてるけど、つまりすごくわかりやすいんだろうと思う。
 あと設備や役職名にギリシャ・ローマ風の名称がついてるのも面白い。ここはどこなのか何時代なのか、など、どういう設定なのか途中までよくわからなかったけど、そのわからなさがむしろ面白かったし、付録の世界設定紹介も面白かった。
 バカ犬のシチリア人が面白いのだが、しかし彼の顛末を考えると、犬という位置づけとの落差がとっても面白い。このレオポルドの存在が、ヴィラという世界と外の世界とをうまくつないで/断絶させてると思う。
 調教そのものに関しては、調教表象にあんまり詳しくないので評価しづらいし、こんな感じなのかー、というか。イアンの足はとっても痛そう…つま先立ちはかえって痛そう…。

 しかし、だ。これ作者のサイトでアップしてるお話だったんですね…。うーん。面白かったからいいけれど。

2008年02月27日

ホームラン・拳『三十一夜』

4048540777三十一夜 (あすかコミックスCL-DX)
ホームラン・拳
角川書店 2007-03-01

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 これ、なんで買ってなかったんだっけ???

 高校時代の同級生、小説家ワナビーと坊ちゃん。大きな賞に出したいのにアパートを追い出されてしまったワナビーを、一ヶ月だけという条件で家につれかえる坊ちゃん。坊ちゃんは一ヶ月後に何か控えているらしいのだが、云々。

 昭和三十年代ってこんな感じだっけ…着物比率高いなあ。ファンタジーとして気にしなければいいのかな。
 どうもそれぞれの感情がいまいち把握しづらい感じで、お話もそれほど面白みはない。でも雰囲気は好きだし絵はきれいなので、いいかなあと思ってしまう。

水無月さらら『ゲット・ア・フォーチュン』

4862960200ゲット・ア・フォーチュン (ARLES NOVELS)
水無月 さらら
ワンツーマガジン社 2007-04

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 冒険家×リーマン。
 元同僚は売れっ子な冒険家になってしまい、かたや自分はとりえのないかえのきくリーマンで、OJTしてた有名大出のチャラ男はどんどん成長しちゃうし、なんか居場所を見失っちゃうかんじ。

 普通な受けがある程度正当な理由のもとにいじいじする、すごいストレスフルな話なんでは…と思いつつ読んでみたら、でもなんだか面白かった。
 あと、攻めがずっと出稼ぎにいっててあんまり受けの側にいないというのが、やはり破格な気もしたのだけれど、うまく構成されてたのか意外に違和感なく読めた。
 受けの実家での昇華とかはしかし後に続かないのがある意味現実的で、この作家らしい気もする。

2008年02月29日

伊郷ルウ・桜井りょう『小悪魔のサンクチュアリ』

4862522831小悪魔のサンクチュアリ (ドラコミックス 157)
桜井りょう/伊郷ルウ
コアマガジン 2008-02-02

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 昔一時つきあったもののてひどくふられた兄の友人と再会。
 あまりに薄いし、筋がわかりすぎる。こういうCPでふられて復縁するというパターンの一番多いタイプだ。あんまり感想もない。

 受けの会社の社長×イタリア系モデルは、受けはかわいいけれどこれまた凡庸すぎる展開。そして薄味。

 あと、この漫画家のヒゲはなんだかいまいち…顔の輪郭が微妙なバランスなので、ヒゲをいれると微妙さがめだってしまう気がする。

高遠琉加『愛と混乱のレストラン』

 『愛と混乱のレストラン』ですよ!
 ですが……

 絵師さんには失礼だけど、正直、この表紙はあんまし購買意欲をそそらないんじゃないかなあという気がしてます。
 あと、はっきりいって裏表紙の梗概もいまいちです。つぶれかけのレストランのディレクトールが、傲慢問題児若手シェフの無茶要求をのまされる、ってくらいしかわかんないし、あんまり訴求力がないと思うのです。あたしもこの梗概だけだったら、買ってないかも知れないと思ってしまうくらいに(まあ作者買いの対象にはしたでしょうけれど。
 そして何より…このタイトルですよ。『愛と混乱のレストラン』。どうなんですか。BL的に、あんまり買いたい気になんなくないですか。なんかもっとモエモエするような、あるいは色っぽいタイトルじゃなくっていいんですか。

 しかも、この作品には、まだ更に関門があるのです。
 このお話、前編のラストまでは、上記梗概のとおりにすすむのです。ざっぱくに言っちゃえば、相性のわるいディレクトールとシェフを中心とした、レストラン再建話です。BL的な視点で言えば、エロはおろか色っぽい場面のひとつもありはしません。
 でも、その後の展開はいろんな意味で圧巻(当社比)なのですよ!そして、この梗概にのらない後半部分は、たぶん何も知らずにお読みになった方が面白いと思います。あ、エロはやっぱりないですけどね(笑

 ですから、是非。
 クロエのネタバレだだもれ感想なぞをお読みになる前に、この作品をお読み下さい。


4576080156愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫 た 2-11)
高遠 琉加 麻生 海
二見書房 2008-02-28

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 ああぁ…以下続刊ですか…!!!シリーズ化ですか!シリーズ化は予想してたけど、二人の仲はもうちょっと進むと期待していたのに…。書き下ろしがパティシエの話だなんて…。

 まあそれはともあれ、こうしてまとめて読んでもとっても面白かったけど、やっぱり雑誌で最初に読んだときの衝撃がすごかったので、上記のような妙な前振りをしてしまったのですよ。

 前編・後編それぞれであかされるディレクトールの秘密が、とってもツボです。
 あれかなあ、あたしは「何か」を剥奪されてしまったキャラに弱いのかも知れない。最初からもってなかったり、奪われたりと。特に、この「食」に無関心でいるしかない・さらにはそれを憎悪せざるをえないディレクトールのありようは、読んでてすごく切ない。「食」は多くのひとの楽しみであると同時に、ディレクトールも思うように人が避けて通れないものなわけで、娯楽であると同時に義務なのであって、それだけ重要な位置を占めてしまう概念にたいして無関心ならざるを得ないというのは、やはりなんともかあいそう(ディレクトール本人が言うように、こうした同情心は権力的ではあるのだが)だと思ってしまう。そしてそれだけではなく、生来不器用でもあるのだろうディレクトールが、一生懸命自分を守ろうとしているのはとてもけなげでかわいくて魅力的だ。

 たいするシェフは、ディレクトールの秘密を知っても、それまでのきびしい言葉の数々を取り消したりしないし、同情されてるとディレクトールに感じさせてしまったり、ディレクトールにとって決して都合のいいキャラではないのが魅力的だし、今後の展開が楽しみな感じ。

 このテクストは視点人物がそれこそ混乱しまくりで、ディレクトールとシェフとの視点はいいとして、ギャルソンの視点がしばしば入り、それなのにほとんど違和感が無いし混線してるような印象もない。
 ディレクトール視点では、シェフがすごく恐くてきびしいのだけれど、シェフ視点では、まあ粗雑な性格は出てるけどわりと普通の反応してるだけなので、そのそれぞれの感じ方の落差を描くのがうまいなあと思った。

 そんなわけで、正直最初はこのタイトルもどうかと思っていたのですが、この内容にすごくしっくりくる気がしてきて、今ではとってもいいと思っています(笑



2008年02月 アーカイブ

もくじ

 高遠琉加『愛と混乱のレストラン』
 伊郷ルウ・桜井りょう『小悪魔のサンクチュアリ』
 水無月さらら『ゲット・ア・フォーチュン』
 ホームラン・拳『三十一夜』
 鈴鹿ふみ『アクトーレス失墜―ヴィラ・カプリ』
 橘ケイコ『27時に恋をささやいて』
 小石川あお『それは食べてはいけません。』
 樹生かなめ『ありのままの君が好き』
 烏城あきら『檻-おり-』
 攻め志向について。
 葉月宮子『美しき野獣』
 藤森ちひろ『犬より愛して』
 いさか十五郎『九十九探偵事務所へようこそ』
 水原とほる『影鷹の創痕』
 秋月こお『幸村殿、艶にて候』
 海野幸『愛の言葉は花言葉』
 インストアライブ@タワーレコード。
 剛しいら『欲望の狼』
 井上雄彦『リアル』6、7
 秀香穂里『小説家は我が儘につき』
 鳩村衣杏『彼の背に甘い爪痕を残し』
 『Tokyo Bambi』
 かわいさ選手権・第二回。
 しみず水都『危ないカラダになっていく』
 天禅桃子『ラ・サタニカ』
 ユキムラ『まるで初めての恋みたいに』
 天野瑰『シャーロック・ホームズの新たな冒険 ベイカー街の下宿人』
 読みさし本。
 須貝あや『あしながおじさんの宝物』
 香坂透『お金がないっ』7
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