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2010年09月01日

ごとうしのぶ『リスク』

 簡単にいうと、 「リスク」…(*´ω`) 「リスクヘッジ」…( ゚д゚) という感じでした。
 今年は新刊が早いなー。しかし、今年二冊目…?あ、暁文庫版買ってないからか。次はいったいいつ出るのかしら…と思ってしまって、もったいなくてゆっくり読みました。しかし、やっぱり展開ゆっくりだけれど、とりあえず文化祭一日目まで来てよかった(笑。

 玲二と託生でかわいらしい級長副級長な、C組はいいなあ(笑。章三も三洲もいるし。でもおおやさん絵の玲二カコイイし、玲二も託生も、たぶんそこそこカコイイ系なんだろうな、という気もする…というか、そうであってほしい(託生をカッコイイ男の子、に含めてくれたリカちゃんをあたしは支持する!笑。

 でも、八津、矢倉、ギイがいるB組もいいよね~…って、ギイは姫か!(笑。なんだ今回のギイ@B組は、みんなでギイのご機嫌とっちゃって、超可笑しい(笑。たぶん普段は気ぃつかいなんだろうギイが、文化祭にストップかかって姫になってんのが子どもっぽくて可笑しかわゆい。託生がB組に歓迎されてんのも可笑しかわゆいv

 そして、クーラーボックス運ぶの手伝ってくれる章三に萌えた!そしてお人好し、生真面目という託生評が好意的な感じでうれしい!ギイにちゃんとおごってもらえよ、と心配してくれんのもなんかうれしい!!章三と一緒にいると時間が過ぎるのがはやいて…託生!!!
 それはさておき、四十分、という時間を自分のすきなものではかる章三と託生もかわいい。あと、映画少年ていうのも(笑

 しかし今回、託生がやたら生真面目生真面目言われてて、そうかー、という感じだった。一年の頃の冷たい奴&変人扱いも、たぶん生真面目で頑な部分がそう評されていたのかなあと思う。
 託生は、バイオリンがなくなってギイの信頼を失ってしまった…と思っているところもよかった。なんというか、託生はこう、愛情にあぐらをかいてないところがいいと思う。

 朝比奈礁瑚は、やたらギイが冷たいし、恋をしただけなのにかわいそう、と思ったんだが、なんか陰険キャラになってきたな~。そいえば昼寝中のギイにキスしたのも結局彼なのかな?あ、ていうか託生にウソの呼び出しとかもしてたかもだっけ?やはり結構イヤなひとかもだ。
 ギイはバイオリンのことやたら言及してたけど、なんか予感があったのか。

 託生、アイスが嫌いなんて、そんな人この世にいるの…!?って、なんかカワイイな(笑。アイス好きなのかな。あとギイはお昼食べすぎ。ダッツ好きすぎ。
 託生も三洲も部屋にカギをかけてないのか、朝比奈もあけっぱなのか、なんかここの寮は一体どうなってんだ。
 あと、いままでストラドの管理ずさんだな~と思ってたら、リスクヘッジでその理由が明かされてた(笑。ほかにも、休暇中のやたらゴージャスな旅行の資金はどうなってんのかと思ってたら、ギイの稼いだお金だったとか、なんかいろいろタネあかしがあってよかった。最近こういう小ネタというかフォローみたいのが多いので、夏休み終わったあたりで、作者は既刊を全部読み返されたのではなかろうか、と思う(笑。
 しかしストラド盗難って恐いなあと読む前からハラハラしていたので、けっこうあっさりカタがついて次巻持ち越しとかにならず、個人的にはよかった。

2010年09月02日

CJMichalski『カワイコちゃん』

 ええ~…これは、ちょっと…。

 カワイ子ちゃんの高校生は、カワイすぎて男子からは遠巻きに憧れられ女子には嫌われで友達がいないのです。でも隣りに越してきた双子は、カワイさに一目惚れの元気野郎と、いじわるしてくるメガネで、なんかなんだかんだで親しくなりまして、そうこうしてるうちにノンメガネとつきあうことになってしまい。

 ネタバレですが。
 これはな~、3Pかと思ったのに…3Pでないだけならまだしも、なんかひどい。ノンメガネが気の毒すぎるし、メガネはともかくカワイ子ちゃんの心のうごきがよくわからん。ちょっと主役CP二人ともひどすぎて、全く感情移入できない…。

2010年09月03日

酒井美羽『シークのSはサドのS』

 この作家さんのコミクス買うのはじめてなんだが、絵がちょっとひどくないか。方々で見かけた(レディコミとかで)限り、前はもっときれいだった気がするんだけれど…。
 内容も、高校生がシークに気に入られまして、しかない。つっこみどころも多すぎる。おっことしたくらいで砕け散る三千万の腕時計ってどんなぼったくりなんだとか。日本にプレジデントはいないはずなのだが、これはシークがアホなのかとか。

2010年09月04日

砂原糖子『天の邪鬼の純情』

 幼い頃のトラウマから、思ってることと反対のことをつい言ってしまう受け。あこがれのイケメン先輩に告白されたのだけれど、辛辣に振ってしまって大後悔なのです。

 なんか…受けにまったく感情移入できなかった…。
  そもそも天の邪鬼っていっても、いちおうトラウマという理由はあるけれど、ちょっと極端じゃないかと思う。それと、天の邪鬼っぷりにもいろいろ基準がある らしいんだけど、それもよくわからん。仕事の話とかなら大丈夫とか、好きな相手とかだとそれだけ反比例して正直になれないとか、生命の危機に瀕して素直に なれたとか、なんか基準がわからんしご都合主義っぽい。ただでさえ感情移入しにくい設定の主人公なのに、その設定がややこしいから納得すらしづらい。
 先輩はイケメンであるがゆえに敬して遠ざけられてて、自分は嫌われてると思ってる、というのは面白かったけど、受け自身も思っていたように、受けを好きになった理由が薄い感じになってしまってた。
 お話の展開もあまり面白いところがなく、なんか全般に奇抜設定でひっぱろうとしてコケてしまった残念な感じだった。

2010年09月05日

小山田あみ『追憶』

 わーい小山田あみさんの初コミックスだー!…と、喜んで読んだのですが、ですが。

 表題作は、作家×編集者、ふたりの父親同士が因縁があったりなんだり。普通に面白いけれど、ちょっと地味というか、売りというか萌えというかに若干欠ける感じ。
 もういっこは陸上部もので、受けはセンパイにあこがれてて、年下攻めは受けがすき。本誌で見たときにもやや微妙だったのだが、まとめて読んでもやっぱり微妙だった…。なんか萌えない。

 …でもこの作家さんは絵がすんごく好きなので、いいのだ!絵がとにかくうまい!そして、画集と呼ぶにはちゃんと内容がありすぎる!(笑。うーん、まじめにお話つくってる感じはするんだよなあ…。

2010年09月06日

山岸凉子『テレプシコーラ(舞姫) 第2部』4

 ずっとダヴィンチ読んでたのであれなんだけど、六花ちゃんの棄権が気の毒…な巻。コミックスは次の巻で終わりかな?

 ていうか本誌の話になってしまうけれど、ダヴィンチの最終回って、第二部最終回のことだと思っていたのに…。第三部、コリオグラファー六花と天才プリマ空美による新プロとか、ケントもしくは拓人と六花の恋愛(大地はなかろうが…)とか、そういう予定ないの?ほんとに?
 作者はここで終わる予定だったのかなあ…なんだかとっても中途半端。でも、打ち切りというのも考えにくいし…。

2010年09月07日

剛しいら『その刑事、天使につき』

 タイトルがベタだ。
 語学に堪能な受け刑事は、アフリカのある部族の被告のかかわる事件を検察に引き渡した際、検事に通訳を頼まれる。一緒に事件を追っていくうちに、攻め検事の部屋に泊まり込んだりしてなんかそんなこんなに。

 受けは素直で疑わない嘘つかない天使ちゃん。攻めはイラチな検察官とみせて実はただのイラチ真面目、嘘がこわくて他人を信じられないけど、天使みたいな受けを信じてみたい。

 前半は結構キャラ設定に力入ってたと思うんだけど、後半、天使刑事があんまり天使っぽい感じではなかったのが残念…というか、後半は攻めも受けも、特に特徴のない剛しいらがよく書く攻めと受け、という感じだったなあ…。なんというか、量産っぽい印象というか。なのでつまらなくはないけれど、そう面白みもない感じ。二人とも真面目すぎて誠実であろうとするあたりはかわいらしくてよかった(笑。

2010年09月08日

あそう瑞穂『薔薇色エンペラー』

 絵はまあ霜月かいりとかににているけどキレイなのだが、お話が面白くなかった。
 だいたい設定がよくわからん。
 植物を守る?攻めが、人間の植物を愛する心がなくなってきたことで弱ってきて、植物大好きな花屋の息子受けを植物界に連れて行こうとして云々?
 展開もやや独りよがりなのかわかりづらく、設定優先で書いてる印象もあってキャラも面白みや萌えがあんまりないし、絵はうまいのにちょっともったいないなあ。

 社会の先生がメイドロボを買ったらヒモタイプだったという話も、展開がたどたどしい感じだしいまいちだった。先生の歴史好き設定が活きてないし。

2010年09月09日

奥山ぷく『恋の耳ヨリ注意報』

 表題作シリーズは、高校に入学したら、美化委員の先輩に耳かきをさせてくれ!と追い掛けまくられる話。あと短編いくつか。

 絵がちょっと古い感じもするけどかわいい。お話は若干微妙だったけれど、絵も雰囲気もかわいいので、なんかかわいいからいいか!って感じになってくる(笑。耳かきフェチとか、そんな奇をてらわなくても、こういう系統のかわいさは充分個性になる気がするのだけれど…。

2010年09月10日

むとべりょう『劣情-抱きたい男 抱かれたい男-』

 この作家は『びりっけつの魔法』しか知らなかったので、いきなりピアスでハードでびっくりした。
 全般にそこそこ面白かったんだけど、ちょっとハードな展開とか絵とかを頑張っている感じで、その頑張っている様子が透けて見えるというか、ちょっとあざとい印象もあった。 

 メインのシリーズは、ちょっとコミュ不全ぎみの社長がちいさい頃から受けに執着、受けはほだされ受け?受けがガッシリしてたのがよかった(笑、が、ちょっと受けの愛情がたりない感じ。
 その受けをすきだった部下が、センパイゲイだったのね、でも人のものなのね、と飲みに行ってメガネにお持ち帰られて、の話は、最後の方までメガネひどい… ていうか女性と結婚したメガネの元カレはもっとひどい最悪…とか思ってたら、すっきりできる終わり方でよかった。このCPはリバ的でゆるゆるで面白い。もうちょっとこの先の関係も見てみたい。

2010年09月11日

バーバラ片桐『ペット愛玩業』

 社長の息子な大企業幹部攻めは、冷徹で人の気持ちを考えないタイプで、見合いもうまくいかないのを心配した父親が、ペット(受け・うさぎ・性的な意味ではない)を派遣してもらいまして。

 タイトルから想像できる感じの、わりと普通の話だった。
 受けは性別受け的な、かわゆすぎる感じで天然いい子ちゃん、まあいい子ちゃんであるがゆえに友人とかにはあんまし好かれないタイプ、というのは面白かった。そのあたりの設定もうちょっと活かして欲しかった。天涯孤独で友達もいない、というのはかわいそう受け的だし、受けも成長する描写が可能そうだし。
 攻めは最初のあたりほんとクールというかコールドで、ペットとしてやってきた受けを勘違いしてむにゃむにゃ、とか、もうほんとダメなんですが、受けを受け入れたのは結局頑張りに心動かされて慣れてきて、ってありきたり気味な感じなのがちょっと物足りなかった印象。
 続編の新妻昇格編(笑)はよかった。しかし、攻めの元見合い相手の処理がちょっとズサンな気が…攻めのこと好きだったんでしょ?(汗

2010年09月13日

こうじま奈月『風紀のオキテ』1、2

 新入生メガネが風紀委員長に条件反射でケガさせちゃって、なんかおわびがわりに風紀委員をさせられることになったり、委員長の義理双子の兄弟?の冷たいメガネ副委員長につめたくされてもがんばったり、スキンヘッドにもようがついてるコワモテ先生とか。メガネ率が高いな。
 一巻前半は、説明不足でなんかよくわからんかった。前作シリーズ読んでればわかるのかな?しかしなんでこんなに風紀委員会が絶大な権力をもってるんだ…?
 新入生メガネの条件反射設定とかも途中までよくわかんなかった。背景については一巻末尾でわかってきたけど、弟?との関係とかまだわかんないな。委員長はキャラ設定がわかりづらい。新入生メガネが特別なお気に入りで、手袋はずすとバーサク状態で、戻るのが大変?なのかな。

2010年09月15日

秋月こお『スサの神謡』

 大陸からやってきた男の正体はスサノミコトで、小国の巫と恋仲になり、ヤマトの国の侵略を退けるためにあれこれあれこれ。

 この作者はもうBLが書きたいわけではないんではなかろうか。
 なんというか、たいていCPはちゃんと男同士で、でもそれはBLだからではなくて作者のデフォルトがもう男同士って感じというか…まあ、なので、この作者の書きたいものも、実際書いてるものも、たとえBLでないにしても、一般小説でもないんだろうな(笑
 なんだろうなあ、萌えはあまりなく、歴史小説としては食い足りない気もするし、でも決してつまんないわけではなく読ませる魅力はある…と思うのだけれど、うまく説明できない。『幸村殿』もそんな感じ。こっちはキャラ萌えというか、サスケ萌えはあるけど主役CPは萌えないというか。

 しかしなんというか今回は、スサがマレビト的に村の女の子たちに子どもつくってあげたり、アマテラスに求愛してたとか、ツクに抱いてやろうかとかゆったり、BL的にキツイ。神話だと思えばいいんだけど(笑。

 関係ないけれど、しかしそういえば、山岸凉子の『月読』は、スサがもうちょっと趣のあるキャラだったらなあ…と思う(笑

2010年09月16日

楢崎ねねこ『好きなんだベイビィ』『艶恋タイフーン』

 そういえば少し前にヒマだったので『アーシアン』『ゲシュタルト』を読み返した。アーシアンはけっこうわけわからんかった。完結版と同人誌の総集編あるから、13in1はもう処分してだいじょうぶなのかな?というのをチェックし忘れた…。ゲシュタルトは面白いなあ。エニックス版の最終巻をがんばって探したけど、ゼロサムで復刊してたのね。しかし、夜の大法則がどっかにまぎれこんでるのか見つからないぃ。

 秀才メガネっこがイタリア帰りのイケメン同級生にくどかれまくり、イケメンの祖母である理事長は、孫が女の子妊娠させちゃったりすると困るからとメガネっこにイケメンをてだまにとれと。
 いまいちだった…キャラがふたりとも魅力ない。イケメンはちょっと黒ラテン系ってだけで、うすっぺらい。メガネはひっしにツンデレを演じてた、という感じで本来のキャラはよくわからない。
 だいたいこんな横暴な理事長の学校イヤだ。孫に生徒の資料を見せるとかドン引き…と思っていたら、カバー下のオマケを読むと、資料イタリアに空輸してんの!?いくらフィクションだからって、引くなあ…。
 アラブの某国王族が日本滞在中にみそめた花屋の弱々しい童顔美青年をさらってきて、かと思いきや花屋はドSで逆に開発されてしまい、という話はそこそこ面白かった。天然で逆らってくるアラブがすき、というのにはあんまり愛は感じなかったけど。

 かわいいけどいいかげんな少将は、おさななじみのまじめ少将がすきなのですが、まじめ少将の妹との縁談がもちあがりまして。なんちゃって中古でもべつにいいのだけれど、この作家は絵(背景とか)も結構テキトウだし、なんちゃって中古というよりはテキトウ・勉強不足に見えてしまう。
 あと他の作品の続編がふたつ入っていて、よくわからんかった…が、偏愛プリンスは読んでたはずだ…

2010年09月17日

高尾理一『野蛮人の求愛』

 高遠琉加の成澤准教授と好きで好きで好きでの小冊子が来た。好きで…は、高校時代の話なのでちょっと淋しい~。

 リーマンが中学生のころにやたらなつかれてた知り合いの子が、大きくなってアマゾンから一人帰国するので面倒を見てやれとか親に言われてしぶしぶ部屋に置いてやったら、ちいさいころに結婚の約束したよね?とかゆわれて云々。

 うーん…。チェリー野生児×リーマン、以上、終了!という感じ。
 電化製品の使い方も知らず、狩りで食材とろうとしたり、ベランダにかまどつくって火事騒ぎになったりとか。で、手がかかるけどまっすぐ自分に愛情向けてくれる野生児にほだされ愛、みたいな。もうちょっとひねりと萌えがほしかったなあ。あと、アマゾンにたいするステロタイプな偏見がすごかった…(笑、まあ、とはいえ実情はわからないのだけれど。

2010年09月18日

丸木文華『あんたとお前と俺。』

 タイトル通り&あとがきで作者も書いてらっしゃるとおり、3Pのちょう王道という感じだった。

 母の再婚で、明るくて親切なプログラマリーマンの兄と、硬派な高校生の弟が出来まして、兄にコナかけられるわ、弟にはチャラいと嫌われるわなのですが、やっと母が幸せになったので、がんばんないとなのです。

 冒頭は、今まで母を支えてきたという自負が、母の再婚でてくずれてしまい、自分ではやはり役に立っていなかったの?という不安とか、新しい家族へのなじめなさに諦めを感じたりでも母のためにと頑張ったりと、そんな受けのダイアリーという感じなのです。でもそこに、お兄さんが優しかったりとか、家のために部活もせずにバイトしまくってたのをチャラいと思われて弟に嫌われたり、事情を知った弟に本気で謝罪されて以後なつかれたりとか、わかりやすい展開で、しかもタイプのちがう二人が近づいてきて、いい感じですね。弟の落差が劇的でこっちが本命…?と、ちょっと心配した(弟自体はいいキャラだし、この弟メイン攻めの話でも読んでみたいけれど、今回は3Pを期待してたので)のだけれど、杞憂だった。
 後編では、兄の結婚話や、弟の成績低迷とかで、二人と離れてみたり、結末もベタだけどでもそれがいい、というやつですね。

2010年09月19日

和泉桂『バロックの裔―無垢なまなざし』

 東京の東へ電車にのっていくと、バロックぽい城をかこんだ街がありまして、犯罪者の根城となっているのです。そんなバロックに育ったスリ見習いの少年が、都に出て最初の獲物に選んだぼんやりしてる華族さまは、少年がスったと知っているのに、再会したらおしることかおごってくれて、なんかそんなこんなで交流してるうちに、華族さまが家の問題でごたごたしてるのを知って、云々。

 もともとなんとなく面白げだけれどサブタイトルがいまいちだなあと思っていて、ちょっと嫌な予感もあったのですが、読んでみたところ結局あんまし好みではなかったので残念。

 最初からシリーズ展開織り込み済みなのはいいけれど、いきなり街の設定とか長々説明されたり、今回の話にはあんまし関係ないような設定も開陳されたり、キャラもあからさまに次回CPですよ-、という感じだったり、しばらく出てきませんけどこういう顔役いるんですよー、とかチラ見せされたり、あたしはこういうのちょっと萎える…。

 萎える原因には、バロックという街の設定のイマイチさもある気がする。説明されてて惹かれないんだもの。位置的にたぶんこれはTDL?ってのは面白かったけど(笑。あと全体的に、ファンタジーなのに設定の練りこみが甘い。たとえば犯罪者の街、というのはいいけれど、都にも犯罪者がいて、バロックの人間とは限らなくて~とか、なわばりとかないのかな。

 あと、キャラがなあ。主人公のスリの子はスリに向いてないかわいこちゃんなのはいいけど、人に迷惑かけないようにしてかえって迷惑かけちゃう、めんどくさいっぽい受けだし、いまいち魅力がない。一方では師匠にちょっと不義理がすぎる気もするし、キャラがよくわからなくなってしまった感じ。攻めの家に行ったのも、結局あんまし意味なかったし、なんか行動原理がよくわからん。あ、労咳展開もなくってもよかったような気が。
 攻め華族は、わりと長々とぼんやりなお人好しっぽく描写されてたのに、実は過去のトラウマから他人がどうでもよくてとか、そんな中で受けが気になってとか、唐突に饒舌にキャラ語られ出したり、受けへの不信感もなんかとってつけたような印象だったし、描写が足りないのかキャラまいごなのか…という感じ。

 ていうかあれだ、この話、別にバロックという街がなくってもいいんではないか???

2010年09月20日

猫田リコ『黒猫の憂鬱』

 おお、これがシトロンコミックスか…!

 表題作は、不吉な黒猫と呉服屋さんの話、あとめずらしい猫人間とか、犬神様にされちゃう改造受けとか。
 けっこういろんな時期の作品が混在してるのかな?という感じだけれど、わりとあたしの猫田リコのイメージに沿った感じの雰囲気だったような気がする(笑、わかりづらい感想ですが。なんかダメ攻めとかダメ受けとか、どっちかがめちゃくちゃな人間というのは猫田リコっぽい。あと、かわいそうな話も猫田リコっぽい。

2010年09月22日

松本ミーコハウス『テレビくんの気持ち』

 世界はいっしょのオムニバスで、子役あがりのアイドル俳優×幼なじみのメガネ大学生、イケメン俳優×メガネそばかすマネージャ、コワモテコンビニ店長×フィランチャイズもとのメガネ営業、それぞれ視点切り替え前後編プラス後日談。
 アイドル俳優はかわいこ甘え攻めで、この作家はこういうキャラ好きそうだなあと思った。なんとなく。面白かった。俳優とマネージャはわりと普通の話。コンビニは、ちょっととってつけた感があった。後日談の受けのトラウマぽいのとか。本編の不器用な受けと、包容力ある年下攻めっぽい展開はよかったけど。あとコワモテ店長とか、ちょっと画力がおいついてない感じ。

2010年09月23日

池玲文『青色契約』『ひんやり廊下、万華鏡』

 初期作品はちょっといまいちだなあ…。
 青色は、画廊オーナーのパトロン×画家、キャラがどっちも萌えないし、関係性もあんまし面白げでない。展開がちょっと伝わりづらいので、キャラの感情の動きとかもよくわからなかったり納得できなかったり。
 万華鏡は学園もの短編集。メガネ先生×生徒はふつうの話。デート部は…、ちょっと設定先走りすぎというかキャラも展開もまいご気味。兄弟ものはお話がわかりづらかった。

2010年09月24日

眉山さくら『官能と快楽の砂漠(ハーレム)』

 中学生の頃、建築家の父にくっついてアラブに来たら、父が火事で亡くなり天涯孤独に、火事から助けてくれた年下王子が口きいてくれて、王子のお世話係になって数年後そんな関係になり、王の逆鱗に触れ日本へ。さらに数年後、潜伏先の剣道場に王代行みたいになった王子が現れ拉致され、再びアラブへ。王子の変わらない執着に忘れようとがんばってたあれこれも無駄になり、こうなったら王子にきっちり仕えて妻を迎えるのを手伝おう、とか決心するのです。

 うーん、ベタだったね!
 王子の言葉遣いがなんか不安定な気がした。ときどき『姫君と不夜城の覇王』の攻めがかぶってたような…そういえばこれ、続編まだ読んでないや。それはさておき、浮気疑惑の説明はちょっと足りなかった気がする。
 受けはキャラづくりなのかなんなのか、ほとんど着物着せられどおしでなんかおかしかった。途中まで、なぜかやまねあやのの絵で想像してしまっていた…。や、小山田あみは大好きなんですけどね。
 王子の弟がなんかもうちょっと活きるのかと思ってた。受けに横恋慕とか、小国の姫とくっつくとか。

2010年09月25日

森見登美彦『有頂天家族』

 既刊フェアってあざとい気がするけれど、『蒼穹の剣士と漆黒の騎士』『ストーカーはじめました。』の小冊子では踊らされるのも仕方がない!

 京の町には、人間の他に天狗と狸が住んでいまして、糺ノ森の今はなき狸の頭領「偽右エ門」の三男矢三郎と三人の兄弟とか、母とかダメ従兄弟とか元許嫁従姉妹とか、恩師の天狗先生とかその弟子の元人間の美人天狗とかとか。

 狸はいいね。狸とか鼬とかいいね。
 最初の一章が読みづらくて、説明後回しにしていろんなモチーフ出してくるので、この人結構文章下手だなあと思ったのだが、一章をなんとか乗り越えたらあとはさらりと読めた。お話自体はオムニバスでいろんなキャラのあれこれが語られる感じで、ベタだしそんなに目新しさはないかもだけれど、逆に安心して読める。京の町のキラキラさとか、いろんな装置や設定もかわいくて、特に末尾の章はいろいろきちんと回収されててよかった。従姉妹が結局よくわからなかったりしたけれど、続編とか予定されてるのかなあ。あるといいなあ。
 あと、狸鍋のモチーフは面白かった。そんなに悲愴なわけではなく、コメディなだけでもなく語られてて、なかなか味わいがあった。でもこれに関しては、最終章ではちょっとグダグダかもだった。

2010年09月26日

円屋榎英『太陽の貴公子』

 この作家さん、まるやかえさんって読むのね…。ぜったいつぶらやナントカさんだと思ってた…。

 来日アラブ王子が仕事から抜けだして、旅行会社勤務の堅実な受けと出会って、一週間を期限として無理やりガイドをお願いして、互いにカルチャーショックをうけつつそんなこんな。
 絵が綺麗だし、お話もキャラの心情も、ベタだけれど丁寧に語られていて、なので逆に個性とか萌えとかに欠けてしまってる感じ。なにか一味たりない…。や、面白かったんですけどね。
 この作家さんのかかれる人の顔は、鼻の描き方のせいか、なんだかちょっと犬っぽく見える…気がする。プラネットライカだ…(笑

2010年09月27日

杉浦志保『SILVER DIAMOND』21

 えーと…。
 なんか展開もゆっくりで、作戦…どんなんだったっけ?状態なので、今どのあたりまで話が進んでいるのかもわからなくなってしまった…。完結したら一気読みするのが楽しみですが(笑。

 今回気になったのは、特に表紙とか、ちょっと絵が雑になってきてしまってる気もするのだけれど、前回はどうだったっけか…。
 あとファンタジー的な設定が、よくもわるくも素人っぽいとこがあると思う(個人的には、その微妙な手触りが魅力でもあると思っているんだけれど)けど、ホシノミコトの設定はちょっとダークファンタジーっぽくもあり面白い。うまく結末で活きるといいなーというか、ホシノミコトを活かせるかどうかも、このお話の評価も、チグサの扱いにゆだねられてる気もする。

2010年09月28日

秀良子『イケメン君とさえない君』

 ちょい不幸めなさえない君が、打球にあたって失神した際、女子の霊に憑依されちゃって、生前の彼氏と交流してたらしく、その後も意識を失うと憑依&彼氏の元に向かってしまい云々。

 途中まではせつなおもしろかったし、斬新さがあった。のだけれど、末尾というか恋愛がちょっと物足りない。
 彼氏=イケメン君は、イケメン…?なのか?絵的にではなく、設定的にちょっと疑問。ただのフツメンリア充な気も…しかし結局何者なのかわからなかった。学生ではないのかな。そして結局、さえない君のことすきなの…?なんかぜんぜんわからんかったのだが…。大学まで来たのも、彼女のためっぽかった気がしたし…。
 さえない君はほんとうにさえなかった(笑。おねえちゃんがいいキャラだけど、名前が途中でかわってた…。さえない君は彼氏と霊との逢瀬に利用されちゃってる感じで、かなりかわいそうでせつないのだけれど、こういう状況で彼氏に霊だけではなく自分自身もかまって欲しい、という気持ちは男女関係なくあるだろうと思うし、そこから恋愛感情まで生まれてしまうのがなんだかちょっとふにおちない。一方の彼氏からさえない君への気持ちなんて、更にふにおちないし…せっかく過去設定があるのだし、これをもっと活かしてさえない君にいやされちゃう彼氏の気持ちとかじっくり書いてほしかったなあ。

2010年09月29日

諏訪絢子『神をも畏れぬその所業』

 山の中で巫として育てられた姉弟、巫女の姉が一日でもいいから外界に出てみたい、というので、事情で力を失った弟は、セレブの交流用学校みたいなとこに姉が滞在しても大丈夫かどうかの偵察に出かけた(女装で)のですが、なんか欧州某国の王子に男だとバレたり押し倒されたりでして。

 同人誌っぽいというか、キャラの設定や性格とかお話の展開とかそれぞれ迷子、という印象。すごくつまらない、というわけでもないのだけれど。
 弟はかつらや女装をすぐにやめちゃうし、男子の格好してるのに男だとバレただのなんだのの話になってもちょっとついていけない。王子はスケコマシ認定されてるっぽいのに、自己認識がよくわからん。結局王子が弟をどう利用しようとしてたのかもあいまいなまま終わってしまったし、ページがたりなかったのかなんなのか。

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