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2009年09月28日

「アリオーソ」3

 そうこうしている間にあの青銅たちがサンクチュアリにやってきて、そしてすべてが終わった。

 次に気がついた時には、私は既に冥界の住人となっていた。
 死者となることは、当然ながら辛いものだった。確かに自分はそこにいるのに、そこに存在しているのに、どこにも自分がいないというあの感覚。焦りや後悔の入り交じった感情に悩まされ、そうした心が確かにあるのにもかかわらず自分が既に存在していないのだという矛盾に随分苦しんだ。
 サガがいうには、小宇宙という強大な力を冥界においても持ち続けているがゆえに、私たちは普通の人間よりも強い感情が残ってしまったのだろうということだった。裏切り者の黄金聖闘士には、ふさわしいような罰だった。
 だがいずれにしても、既にすべては遅かった。青銅たちの、そしてアテナの行く末は気にはなってはいたが、いくら小宇宙を保っているとはいえ死者の身では、何が出来るでもなかった――ただひとつ、もしかしたら間に合うことがあるとしたら、それは。

 冥界でついに私は、あの男と再会した。
 ふらふらとうろついているうちに山羊座を見かけて近づいてみると、シュラはあの男と立ち話をしていた。
 シュラとは年齢が近く、宮が近いこともあり割合に親しくしていたのだが、あの男とは結局疎遠な同僚のままに終わってしまったので、私は二人に声をかけるのを躊躇して、少し離れた場所から二人を眺めてみた。彼は変わっていなかった。薄暗い冥界に彼の昏い小宇宙は随分とうまく溶け込んでいて、陰惨な雰囲気はより濃くなっていた。やがてシュラより先にあの男が私に気づくと、ふっといやな笑い方で笑った。
 ああお前もサガについてたのか、お互いヘタこいたよな。
 私にむかってそれだけ言うと、シュラの肩をぽんと叩き、彼は踵をかえしてどこかへと行ってしまった。
 相変わらずいやな男だ、と思った。同時に、どうやら私は彼に疎まれているらしい、とも。今まで殆どといっていいほど交流がなかったのも、単管に縁がなかったことにくわえ、彼が私を避けていたものなのかもしれない。

 そこまでは私の被害妄想であったのかもしれないが、いずれにしても彼も私も既に死者となり、ここ冥界にやってきた。死者の生活――生きてもいないのに生活もないものだとは思うのだが、とにかくそれは単に時間が過ぎていくというだけのことであり、何らの生産的な活動も赦されてはいなかった。
 冥界では、新しいことは何も起こらない。
 彼との関係も、何も変わりはしなかった。

(つづく)

2009年09月22日

「アリオーソ」2

 初めて彼を見たのは、何度目かにサンクチュアリを訪れた時のことだった。

 修業時代は私はほとんどグリーンランドにこもりきりだったので、双魚宮に常駐するようになったのは随分と後からだった。だからその時も、何かの報告で久しぶりにサンクチュアリを訪れただけであったのだと思う。教皇の間から退出して石段を下りてゆく私の背後から、聞き慣れない言葉で話しかけてきた男がいた。それが彼だった。振り返ると、ちょうど今降りてきたばかりの階段の上に、銀髪に赤い目をした派手な男がにやにやと笑いながら立っていた。

 昏い男だと思った。明るい色の服を着ては居ても、全体の雰囲気はまるでギャングかなにかのようであったし、どこか怖いような印象があったのだ。さらに驚いたのは、彼の顔つきや様子だけではなく、小宇宙までもが暗澹とした色をたたえていたことだ。サンクチュアリでは輝かしい黄金聖衣を身にまといきらきらとした小宇宙をもつ黄金聖闘士ばかりを見慣れていたので、そのほの昏さには正直ぎょっとした。意味のわからない呼びかけも、そんな彼の昏さとあいまって少し気味が悪かった。

 後から知ったことだが、彼はイタリア人であるらしいので、おそらくそのときも彼は母国語で私に話しかけていたのだろう。つたないギリシア語で問い返した私に笑い声ひとつを返すと、そのまま立ち去ってしまった。取り残された私はしばらくあっけにとられたまま彼の後ろ姿を見送っていた。

 驚くべきことに彼は黄金聖闘士であり、出会った当時既に黄金聖衣を許されていたのだという。あの昏い小宇宙が黄金聖闘士のものだとは、初めて聞いたときには到底信じられはしなかった。

 かすかな興味を覚えたものの、彼に再会するまでには結局随分長い時間を要することになった。年齢はひとつしか変わらなかったのに、私は彼とすれ違ってばかりだった。修行期間もずれていたし、彼のほうでは弟子の育成だといって随分長いことサンクチュアリを離れていたこともあった。任務につく時期もばらばらで、まして共闘したことなど――黄金聖闘士の時には、一度もなかった。

 親しく話す機会もなく、また特に親しくなりたいとも思わなかったので、彼に注意を払うことはほとんどなかった。彼の昏い小宇宙とともに、彼が私に何を言おうとしていたのかは少し気になっていたが、彼の笑い方やなにかからおそらくからかいの言葉か何かであったろうと思っていたし、全体としてあまりいい印象は持てなかったのだ。


(つづく)

2009年09月06日

「アリオーソ」1

「…同時に私はKが同人を始めた理由を繰り返し繰り返し考えたのです。
 その当座は頭がただ萌えの一語で支配されていたせいでもありましょうが、私の観察はむしろ簡単でしかも直線的でした。Kは正しく萌えのために同人デビューしたものとすぐきめてしまったのです。
 しかし段々落ち付いた気分で、Kの同人誌に向ってみると、そう容易くは解決が着かないように思われて来ました。ジャンルのメジャーCPとマイCPの衝突、――それでもまだ不充分でした。
 私はしまいにKが私のようにマイ神サイトが消失してしまってたった一人で淋しくって仕方がなくなった結果、急に二次創作を始めたのではなかろうかと疑い出しました。そうしてまたぞっとしたのです。私もKの歩いた路を、Kと同じように辿っているのだという予覚が、折々風のように私の胸を横過り始めたからです……

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※蟹魚です。

 私は月夜を歩いていた。
 暗闇の中、真っ直ぐに続く道を、月の光が細く照らしている。
 私はその中を歩いている。

 一本道をてくてくと歩きながら、いろいろなことを思い返す。懐かしい北方の国、生まれた朝の日の光。初めてサンクチュアリを訪れて目にした、並み居る聖闘士たちの聖衣のきらめき。その後長い間――私が最初の死を死ぬまで、日々丹精した薔薇たちのつややかさ。

 随分意識的な回想ではあるが、おそらくこれがあの走馬灯というものなのだろう。――そういえば、あの青銅とまみえた時も、冥闘士となり果て嘆きの壁に参集した折にも、走馬灯など見なかった。今度こそ本当に、これが最後になるのかもしれない。

 記憶のひとひらひとひらが、きらきらと光って現れては消え去っていく。そしてきっと、私の手には二度とは戻ってこない。大切な記憶たちを見送りながら、私は一向に現れてくれない男の姿を探していた。影のような闇のような、あのどこか薄暗い男は、私の思い出の中にはほとんど居ないも同然だった。時折黒い姿をさっと閃かせては、またすぐに消えてしまう。私は少し失望しながら、同時に諦めも感じていた。なにしろ生前、いや死んでからもだが、彼と私にはさしたる接点もなかったのだ。


(つづく)

2008年04月17日

聖闘士星矢(OVA)でホットペッパー

 更新とまっててすみません。
 なんかいろいろとむちゃくちゃですよ!○○はノーサブスタンス!
 最近いい本にもめぐりあえないし。ここ最近で一番おもしろかったのは↓です。冥界編見たくなってきた。


2008年03月24日

聖域の双子でウッーウッーウマウマ(゜∀゜)

 ちまたではウッーウッーウマウマとかいうのが流行っているそうですが、空耳ソングとかってもうあんまり興味ないし、とか思ってスルーしてまし、
 …、

 う、うわあああなんだこれ!!ヤッベ!!何このかわゆい双子!!もうもう、筆舌に尽しがたいかわゆさですよ!!!
 ここしばらくずっとリピートしてしまってます!

2008年03月22日

ピスケスのアフロディーテ

 アフロディーテといえば美形設定というか、なんでわざわざ瞬と因縁づけられてるのか、なんでわざわざ瞬と戦うのか、女の子同士みたいじゃん、って印象でした。アニメ版のあの無茶な浅黄色の髪がスキです。

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 最後の方息切れしましたが、とりあえず12人終わりました…次はヤオイ解禁で二周目です!(ほんとか…?

2007年12月05日

アクエリアスのカミュ。

 「“純金”ペガサス聖衣 限定フィギュア発売へ」というニュースもなんかスゴイが、しかしこの「黄金聖闘士で好きなのは?」というアンケートにビックリですよ。この設問自体もビックリだが、現在アフロディーテが最下位…?なぜだろう!クロエは勿論蟹座に一票入れてみた。

 カミュ?好きに決まっているじゃあないですか。だって氷河の先生だもの。カミュって名前もいいよね。よく考えたらなんでこの人がフランス人なんだって気もするけど、すごい合ってる名前だという気がするのでいいと思う。
 あと青髪ロングってなんかあの頃のファンタジーキャラって感じでよいよね。あたまはヘッドパーツのせいかオールバックなイメージなんですが、そんなわけはなかった。

2007年10月27日

カプリコーンのシュラ。

 台風で野球とか野球とか野球とかが流れてます。

 シュラはとにかく悪人顔だった、というイメージですな。あと技がカッコイイ。オーソドックスで、名前すらあんまりベタだけど、でもやっぱりカコイイよね。ていうか、すぐにやられてしまうわるものの必殺技には勿体無いカッコよさで…だから紫龍が受け継いだのかなあ、とかちょっと思った。
 もみあげ描き忘れた。

2007年10月26日

サジタリアスのアイオロス。

 顔が見えませんが(笑、イレギュラーその2ということで。
 お兄さんは表象というか、なんか伝説上の人物という感じでしたね。名前もアイオロスとかってなんかかっこよくて、しかしおちつきのある感じでいかにもこの人という感じでいいです。
 しかしサジタリアスというのはとにかく聖衣がカッコよくて、それはもうどうかと思うくらい反則的にカッコいい。特に翼とか弓矢の部分。最初の頃はなんかどうでもいいかんじの(笑)かたちだった(しかし黄金聖衣を加工するなんてどうやったんだろう?)のが、本来的なかたちに戻ってみれば翼が生えてたので燃えた。とにかく何というか、聖衣も人も、一味違うのねって感じ。

2007年10月23日

スコーピオンのミロ。

 そんなわけでとりあえず顔だけ描いてるわけですが、スコーピオンもマスクパーツがすごいかわいいので描きたくなったけど、思いとどまりました。
 ミロは実は…なんというか、顔もキャラも立ち位置も、微妙な…いや、いやいや、それでもなお印象深いキャラです。だって当時の最愛キャラだった氷河と戦った相手ですから!(笑、逆に言うとそれだけなんですけどね…。しかしなんかもうちょっとカワイイ顔だったような…。

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