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2010年11月01日

高井戸あけみ『男子、花色に彩れ』

 『男子、花園に出ずれば』のつづき。
 寮に入った堅物生徒会長さまと、彼に怠惰な生活が見つからないように頑張ってたけど、同室者の後輩とあれあれ?な感じだし、こっち側に引き込んじゃった方が手っ取り早いかも?とかなってきたBFCの面々。その同室者はといえば、生徒会長様の凛としたお色気にやられまくりで、会長の中学時代からの友人で副会長のセンパイと火花ちらしたり、なんかもう大変。

 『ブレックファースト・クラブ』の高校の、その後の世代の話なのだけれど、寮のゆるさの長所を主張するBFCよりも、生徒会長のほうがまっとうに見えてしまうので、微妙な感じ…。以前から読んでいるのであたしは基本BFCが好きだし、けど会長のほうがまっとうだし…というアンビバレンツ。中でも、寮内でモモンガ放し飼いというのは一番どうかと思った…会長の言うように、基本はケージにいれたほうがいいんでは。
 そんな違和感のせいでか、だいたいトトカルチョとか違法行為だよなあそういえば、とか、逆に今更気になりだしてしまったし。

 生徒会長は美人でゲイで、でも空手バカで男の筋肉と戦いにばかり興味があって、という感じでいいキャラなんだけど、同室の後輩がちょっとキャラ弱いかなあ。そもそものキャラが弱い上に、生徒会長へのメロメロっぷりがなんだか唐突というか、ちょっと心情描写がわかりづらいというか足りないのかな。でも、前の巻の内容忘れてるのかも。というか、周囲のキャラも短編でいろいろ書かれてたのに、あんまし覚えてないな…まとめて読み直そうかなあ。

2010年11月02日

門地かおり『生徒会長に忠告』5

 わー。
 知賀国斉が両想い!になって、ダメダメで甘々なのでフヒヒ、とかへんな笑いがもれる!ヤバイ。やー、よかったですね(笑。君らもういいってば、と言いそうになるところなのだけれど、他のキャラの展開とか入ると、もっと知賀国斉の甘々読ませてくれーってなる。中毒だー。知賀が寝ている国斉にちょっかいかけて、この期に及んで「イモめ」とか思ってるのがアホかわゆい。そのイモっ子にめろめろなくせに!自分でもわかってるくせに!ってなる。あと知賀母が国斉に下着洗われちゃってギャーってなってんのとか、息子のアホっぷりにあちゃーってなってんのとかもいいなあ。

 しかしまあ、近藤と雛森もはやくどうにかなってしまえばいいのに!近藤は同情とか義務感みたいなのだけであそこまでするものなのか、もう恋愛に入りかけてるのか(笑。結構クールっぽいのに優しいってキャラでもあるよね。知賀のノロケなのか何なのかわからない話にも結局つきあってるし(笑。でもまあともあれ、もうなんでもいいから雛森とくっついてしまえばいいのに!山城川和も幸せになるといいなあ…。

2010年11月03日

あじみね朔生『beauty&beast』

 大分悩んだけど、VAIOPシリーズ買っちゃった。このくらいのサイズのハンドヘルドっぽいの、ちょっと前に結構流行った頃にはVAIOほしい…でもコスパ的には明らかに他社のがいいし…と迷ったのだけれど、今はもう、こんだけ軽くてwin7ってあんまし選択肢ないし!とかいう妙な大義名分ができたので…(笑。
 色はもちろん(?)ピンク。名前は迷ったけど、ジュリエットにした。キミのー色でー街中を塗りつぶせ、Ahー(笑

 高校時代に自分にキスして行方不明になった幼馴染が、子連れで戻ってきて実は人狼だとかゆうんです。
  …なんて中途半端なところで終わってるんだ。これ続きあるのかな?基本子連れはニガテなのですが、人狼という特殊設定でなんとか…ほら、種の存続とか、そういう大義名分で、なんとか納得、かな。あと子ども狼がカワイイ。
 ちょっと受けの心情というか攻めへの気持ちの描写が物足りない気もする。それも含めてもうちょっとラブほしいし、続きっていうか、ていうか子ども狼が大きくなって、受けをめぐって父とバトル、とかそういうの読んでみたいなあ。

 他の短編は、ニコ下の幼馴染と部下として久々の再会リーマンとか、カコイイギャルソンとオムライスめあてにカフェに通うかわいい検事さんとか。そこそこ面白かった。
 しかしなによりも、後書き読んでこれショコラコミックスだったってことを知ってびっくりした。装幀かわったのね。ていうか、マットPPって、ショコラっぽくないなあ。方向転換か(笑。

2010年11月06日

大和名瀬『圧倒的ダーリン』

 美形歯科医の受けは、完璧な仕事ぶり・堅物な性格に見えつつ実は小心者で、いつも失敗にビクビクしながら仕事してるのです。そんな裏面を歯医者のお向かいの居酒屋店員攻めに知られてしまって、ノンケ攻めは堅物受けの小心さ生真面目さを知って、カワイイィ!となって押せ押せアタック。

 なんでだろう、なんか物足りない…大和名瀬のお得意のパターンの劣化再生産みたいな印象…や、ご本人なんですが。
 お得意のパターンっていうか、ちょっと変な生真面目空回りキャラ、っていうのは大和名瀬の得意としている設定で、そしてとっても魅力的なキャラが多いと思うのですが、今回はなんか表層を撫でただけというか設定だけっぽいというか、なんだか物足りない。食傷気味というのもあるのかもしれないけど…でもそういうキャラが他にもいる中で、この受けでなければ、っていう売りがない印象。
 あと、攻めが全然魅力ない。基本受けのかわゆさにドギマギしてるだけだし。受けは攻めのおかげで自分を表に出せるようになったとか感謝してるけど、特に特殊な対応があったとも思えないし、攻めもまたどうしてもこのキャラでなきゃっていう特徴に乏しい感じ。あと、お客への対応はべったりしすぎな気がするし、受け弟への対応とか若干大人気ない気もするし、受けがこういうキャラだと知っているくせに、適当にブラブラしようとか誘ったら困惑するってわかんないのかなあとか、なんか微妙に気遣いが感じられない…。
 二人が互いに一人称俺&相手を苗字呼びなのも、受けはキャラに合ってない気がする。

2010年11月07日

依田沙江美『よろめき番長』

 新聞社のミニコミ誌部門ではたらく攻めは、たぶんノンケなんですけど、偶然知り合った日本茶屋さんで働く美人に押せ押せアタックなのですが、美人はとんでもなく天然でして。

 冒頭、受けが自転車を転ばせてしまって、相手を気遣いもせずに自分の穏やかな生活が終わってしまうことを嘆いているので、これはさすがに今回のDQN受けにはついていけないかも…と思ってしまった(笑。この作家のキャラはDQNなのは大前提、というか仕様らしいので(笑、ついていけないレベルでなければそれでオッケー、というふうにやっと理解したので…。
 でもめげずに読んでたら、受けはただのコミュ力異様にない天然ちゃんで、攻めが攻めあぐねてぐるぐるぐる、という面白い話だった。

 受けはそんなわけで、コミュ力ないので友人ほとんどいないし、誤解させる言い回しや行動多くて難儀なキャラだった(笑。更に潔癖症…や、しかし、トイレの水たまりに素手をつっこむのって、わりとふつうなのかな…?…「覇王の七日」の、龍造がトイレで水を飲む場面に座りくらみしかけた時よりは平気だったけれど…。あ、あと若葉真平でわかぺーというのはどうも慣れなかった…。
 攻めは割とふつうのがんばるキャラだったけど、なんかよかった。美形だけど誰しもとりつくしまのなかった受けに、おしたりひいたりで近づいていく様子がなんだかすがすがしい。しかしわりと最初から受けに興味津々なので、受けのDQNぶりについていけなかった当初は、攻めにもついていけなかった…(笑。
 商店街のお茶屋さんというのも活きててよかったし、おもしろかわいい話だった。

2010年11月08日

三島一彦『王子様100%』

 外見王子だけどカワイイものの大好きな高校生は、いつもキモがられてしまうので、高校入学を機会にカコイイイメージ崩さないように頑張ろうとするのです。仲良くなれたクラスメイトのカワイ子ちゃんはステキだし、なんとか王子キャラで頑張りたいのですが、どうも隠しきれない乙女な内面なのです。

 わかってはいたけれど、カワイ子ちゃん→王子なのよね…。まあこの作者なのでそれはさておき。
 最近流行りの設定で、けどそれがうまく料理できてないという感じで、ちょっと微妙だった。
 受けは王子キャラになろうとしてる、ってとこがあんまし見えなかった。攻めは性格イケメン気味なちびっこ攻めといういつも通りな感じ。

2010年11月09日

沙野風結子『獣の妻乞い』

 面白かった。獣姦ちゅうい。
 受けは幼い頃に母をなくし、仕事人間の父は家によりつかず、黒犬を心の支えにしていたのだが、小学生の折にその犬をDQNに殺されてしまう。その後よく似た黒犬を助けるが、すぐに居なくなってしまうという不思議な体験を経て、傷つくのを恐れて他人にあまり深く関わらないようになってしまう。
 そんなこんなで高校生になった受けのもとに不思議な男がやってきて、受けをストーカー開始。暴漢から助けてもらったりして交流していくうちに、なんか犬っぽいみたいなのです??

 野犬問題とかちょっとSFっぽい人狼の設定とか、独特の世界観が面白かった。
 それにつけても、あたしは本当に犬(っぽい生き物)に弱いのだと再確認…色々な意味でなんだけど。犬が傷つけられているのはとってもこころが痛むうえ、犬に追いかけられるのはとってもコワイ!
 それはさておき、受けはトラウマから他人を自分のテリトリーに入れないんだけど不思議な男に懐柔されてしまう感じ。そんなに強いキャラでも魅力的なキャラでもないかもしれないのだけれど、どんどん獣化していく攻めの受け入れ方とかよかった。手にしてしまったぬくもりを手放せなくなっている、というのもあるんだろうけれど、それもまた人間らしくていい。
 攻めは人工的につくられた人狼で、幼い頃に出会った受けに再会したい一心で痛苦の多い道を選んで、というかわいそう攻めでとてもよい。

 しかしまあ、末尾あたりはこれはどうもアンハッピーエンドっぽいな…と、半分覚悟を決めて読んでいたのですが、意外にもそんなことはなかった。というかただ二人とも生き残った、というだけでなく、まだ今後の問題はあるにしても結構安定した生活に戻れた感じなので、割合ご都合主義。でもご都合主義だろうがなんだろうがハッピーエンドでよかった…。
 むしろ脇CPのほうがせつない感じ。本編では、この二人はスピンオフあるのかな、と思わされていたのだけれど、おまけの短編を読むともうこの二人の物語は完結している感じかな、と思った。

2010年11月10日

車田正美『聖闘士星矢』11~14

 ここまではちょっと前に読んだんだけど、やっと冥界まで来た…!過去に読んだとこまで追いつき追い越した!
 冥界編の十二宮はやっぱりいいなあ。黄金の大盤振る舞いだ!アテナエクスクラメーション対決とか、昔読んだ時もゾクゾクしたなあ。
 冥界に入ってからは、展開がはやすぎて…。オルフェのあたりまではともかく、いくつかすっとばしていきなりハーデスのとこにいっちゃうし。戦いも、ラダとかすらあっとゆう間に終了してて、なんだかなあ。ラダカノとか公式CP、くらいのイメージだったんだけど、あんましからみなかった…。あ、でもカノンが大幅に株をあげてんのと、最後にクロスをサガに返すのがすごくいい…!双子いいよね!
 ハーデスの正体は、っていまさらぼかすとこでもないかもしれないけど(笑、とってつけた感がつよすぎるのでちょっとなあ。
 しかし、あれ?あと一冊…?エリシオンってもっと短いのか。大丈夫か?終わるのか?って、終わっているんだけど。

2010年11月12日

青桐ナツ『flat』4

 メトロステーションは解散しちゃったし、何か新しい音楽を聞きたいなあと思っていたところ、ラジオですごく好みな曲が流れたので局に問い合わせた(地元のラジオ局で、サイトに問い合わせフォームがあったので)のですが、XTCだった…や、いいんだけど、結局あたし80年代がすきなだけなんじゃあないのか?あとちょっとビートルズっぽいよね。

 高校生とか幼児とかのまったり漫画。
 この作品は、あんまし説教臭くならないスレスレのところをいくのがいいと思うので、帯みたいなセリフはどうだろう。言葉の選び方とかがうまいとも思わないし、こういうとこ微妙に避けたほうが、かえっていい話になるような気がする。
 あと個人的に真面目キャラがすきだからか、下級生がかわいそう(笑。確かに彼がへーすけにあーだこーだいうのはお門違いなんだけれど、でも彼のイライラもわかるし(笑。

2010年11月13日

長門サイチ『幸運の理髪師』

 これはかなり前に読んだ。ドナドナスペースを整理していて感想書くの忘れてたのに気づいた。や、ドナドナスペースですけど、そこそこ面白かったのです。

 うつむきがちなもっさり高校生が、ある日ふらっと立ち寄った床屋さんで美形理容師に長くなってた髪をきってもらったら実は超イケメンで、高校卒業後はあっとゆうまに売れっ子俳優になったのですが、もちろんステキ理容師さんにめろめろなのです。
 一途わんこ年下攻めともともとゲイな若干乙女思考な受けで、売れっ子俳優が下町の床屋さんに通いつめで、というわりとありがちな話ではあるけど安定感はあった。床屋の常連のおじいさんたちが二人を応援してくれててカワイイ。

 巻末のビジュアル系バンド?のギャグ小ネタはちょっといまいち…。ボーカルの子持ちネタがあったせいか。コンビニ店員さんへのささやかな恋心とかゆきずりオッサンを襲う話はよかったかも。

2010年11月14日

北沢きょう『放課後のラブコール』

 これもドナドナコーナーに置いていて感想書くのを忘れていた。
 表題作は、ヤクザの息子の担任の高校教師が、保護者のヤクザと毎日連絡をとりあってそんなこんな。なんか非現実的で妙に生々しくもあり、好きになれなかった。
 あとは高校生同士の短編、守ってもらえるのがうれしくて怪力なのを隠したいかわいい子と、幼なじみを下僕扱いと、サッカー部の仲間にゲームでキスしたら実は自分のことすきだったみたいで、みたいな。最後の話はよかったけど、ちょっと受けがショタっぽかった。 

2010年11月15日

彩景でりこ『純愛えろ期』

 某地方の高校のオムニバス的な。地域語はやはりいいねえ。
 のんびり天然デカい同級生×エロエロカワイこ受けと、帰ってきたおさななじみのちょっとアホな大型犬みたいなイケメン×クールメガネと、元気ちびノンケ×不良の落第生で実は変わり者美形。
 全体的にそこそこ面白かった。ひとつめはちょっと攻めの外見があまり好みでなかった。ふたつめの大型犬攻めは天然ではあるんだけれどなんか勝手すぎていまいちだった。みっつめのCPが一番好みだった。やっぱり変わり者キャラすきだ(笑。

2010年11月17日

よみさし。

 つかれております。

 小川いら『獅子座の男』『太陽を抱く男』。攻めは横暴自己中がすぎるし、受けはあざといほどに天然かわいいカマトト尽くし受けだし、なんだかめんどくさくなってしまった…。一冊目は愛が足りないと思いつつもほとんど読んだのだが、二冊目最初あたりで脱落。
 砂原糖子『言ノ葉ノ世界』。前作(『言ノ葉ノ花』)と勘違いしててしばらく買わず、買ったはいいけれど痛くて後編は拾い読み程度にしてしまった。人の心の声がきこえる攻めが、本心しか口にしない受けに出会って好きだとかウソつくのだけれど云々で、後編はその能力が知られた後なので信用してもらえないしいろいろ痛い。
 あべ美幸『SUPER LOVERS』1。おにいさんと義理弟の無口野生児ちびっちゃいこ。キャラが好きになれなかった。
 こうじま奈月『GP学園生徒会執行部』1。苦労性メガネとおこさまとまわりの人々。残念ながらノリについていけなかった…あと前作があるみたいね。
 喜久田ゆい『魔法使いの猫』1。なんか異世界にとんじゃって、猫になってて、魔法使いの猫という魔法使いを守る存在になったっぽい。絵もお話もなんだかつたない。
 遠野春日『夢のつづき』。例の茅島氏のおともだちの美貌の内科医さんのお話、復刊、らしい。これ既に何かの続きなんだっけ?既にはじまってる話という感じで入っていけなかった…。あと、この受けは義兄やいろんな人にやられまくっている設定なんでしたね、そういえば…。
 藤本ハルキ『僕だって恋愛がしたい』。これも前作があるの?冒頭でCPじゃないから一冊目だと思ったんだけど。これもちょっと入っていけなかった。あと絵がまずい。

2010年11月18日

鈴木理華『タブロウ・ゲート』7

 サツキのテンペランスを見て思ったのだけれど、…もしかしてこのテンペランスって、モデルはジョニ子、じゃなかったジョニーウィアーかも…???(笑。しかしジョニ子とサツキの関係性がよくわからん。サツキに名乗ったっけ、サツキ好きなんだっけ。前の巻を読み返そうかな。
 今回は、タブロウたちはみんなサツキがすきで、レディもすき、と改めて書かれててなごんだ。でも、サツキアレイのサツキラブはもっと書いてほしい…ってずっと言ってるな(笑。あと今回、その話もふくめてなんだけど、タブロウたちが、この日はサツキバージョン、この日はレディバージョンと、わりときっちり揃っていた気がして、そしてそれは珍しい気がした。今まで結構入り乱れてなかったっけ。
 全体ではグランドマスターをふくむ過去話とかサツキの秘密とか随分すすんできたね。アレイスターのひたいの傷にはちゃんと設定があったのか。

2010年11月19日

木下けい子『わが愛しのドクター』

 書泉でキャラの小冊子フェアをまだやっていたのでついつい…。

 おなじパンツを三日はいても平気な生活能力ゼロのメガネ博士と、博士に惚れた弱みな助手とで、博士の昔の想い人(故人)をモデルにしたアンドロイド開発中。
 博士がニブくて、それはいいんだけれどちょっと助手がかわいそうすぎ…。研究に集中してるとか天然とかの要素はあるんだけど、博士は自己中だなあと正直思った。
 でもタイムマシンとか出てきちゃうゆるゆるSFなとこはすき(笑。

2010年11月20日

大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』5

 ドイツ第四帝国のラグナロク編のつづき。
 恐山でスターリン・チャーチル・ルーズベルトとの修行を経て、ヒトラーとの決戦へ。

 ちょっと絵が荒れてきてる気がする。横顔の絶壁っぷりが更に悪化してきたような…。
 あと、現実世界の状況と随分乖離してしまったので、時事ネタって難しいなーと改めて思った。麻生はまだ首相だし、オバマも出てこないし。オバマとかすごくカコイイキャラになりそうだけどね。
 しかし、ヤルタ会談もやはり麻雀対決だった…(笑。ロンメル将軍って、鉄のクラウスが尊敬している将軍だっけ?(何だか最早メタ偉人みたいな把握だけど、笑。決戦のおヒキのアシモがいい。技術つかいまくりのイカサマが面白い。

2010年11月21日

エリザベス・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』

 自閉症が治療できるようになった世界。はざまの世代で軽度の自閉症が残っっているルウは、勤務先の製薬会社の自閉症をもつ仲間達とか、趣味のフェンシング仲間とかにめぐまれたこともあり、割合うまく折り合いを付けて生活している。パターン化すること、パターン化されたものがすきなので、仕事でもそれを活かし、フェンシングも真面目さとパターン化の能力を活かして上達してきていて、競技会ではいい成績をおさめたり、フェンシング仲間の女性とちょっといい感じだったり。しかしそんなある日、成人の自閉症の治療法が開発され、その技術を買い取った勤務先の会社から、職を失いたくなければ人体実験の被験者になれとせまられて、云々。

 ルウはある程度治療された自閉症ということで、アスペルガー症候群の症状としてよく聞くような主観が書かれていて、それはフィクションではあるのだけれど、とても興味深かった。そしてこの作品がうまいなあと思うのが、それが読んでいてちゃんと面白いというか、読み物としても成立してるというところで、独特の文体が心地良いし、わりとさらさら読めるし先も気になる感じ。その文体が末尾で解消するので、ああやっぱりそれまでは〈普通〉の文体ではなかった(というと語弊があるけれど、ゼロの文体ではなかったのだということ)のだなあと思った。
 なので単純に読んでて純粋にそこそこ面白かったのだけれど、自閉症やアスペルガー症候群にかんする啓発小説…としても読まれ得るのかも(そういう意図があるのかどうかはちょっとわからないけど)とも思う。一方で、ところどころあざとさも感じたし、作者本人は自閉症ではないようだし、やはりフィクションとして読むべきだろうなとも思う。まあでもそのあたりは、あたしのつたない知識であんましいろいろ書くべきではないよね多分。

 そんなわけで小説としての話に戻すと、上述のように娯楽ものとしてはそこそこ面白かったんだけど、ちょっと結末は…これは一体、どう考えたらよいのか…ものすごい淋しいラストだという気もするし、ある意味ハッピーエンドな気もするし…。そう感じる一番の原因は、マージョリとのかかわりの件なんだろうけれど。そもそもマージョリについては末尾ではほとんど触れられてないし。
 マージョリについての描写に限らず、結末自体があんまりにも急ぎ足で、いろんなことが説明不足だったというのも、どう考えたらよいのかよくわからない原因のひとつなんだよね。あんなに駆け足だったのはなんでなんだろう。ルウの物語としては末尾はオマケみたいなもの、ということなのかなあ。だからマージョリやトムのこともほとんど書かれてないのかな。
 まあでも、自閉症かどうかにかかわらず、人の人生というのは変化していくものなのだ、というのはある意味前向きな認識なのかあなとも思う。そして変化がニガテなルウの主観で、そのことを考えるというのも同様なのかな、と。

 SF小説としては、自閉症の治療法にまつわる設定や描写がものたりなかった。そもそもどういう治療法なのかもよくわからんかったし。治療法の宇宙開発とのかかわりとか、結末の展開にもかかわってきそうな設定で面白そうだったけど、あんましこれも書かれてないよね。なんだかもったいない感じだった。

2010年11月22日

池玲文『≠ノットイコール』

 はてしなく今更な感じでアクエリオンが面白いぃ。

 幼い頃に両親が離婚、17歳になった息子はきれいなお兄さんみたいだった父に会いたくなって、長崎まで訪ねていったのですが、版画作家の父はなぜか挙動不審、そんなこんなしているうちに、庭ですっころんでタイムスリップ、ついた先には14歳のかわいらしい父が。

 池玲文は作家買い指定中なので購入したのですが、さすがに実の親子は…と思いしばらくつんでいた。けど読んでみたら、親子CPということは思ったよりも気にならなかった…のは、たぶん巻末のオチのおかげだとは思うんだけれど、しかしそれってちょっと致命的っぽいタイムパラドクスでもあるんだよね…この点、これから説明つくんだろうか…。そして、一巻できれいにまとまっているので、二巻は一体どうなるんだ…という気も。
 まあ、いい(@ルシフェル。
 タイムスリップ先が八十年代で、時代っぽさも多少書かれているので面白い。基本家での話が中心なので、あんましがっつり時代描写があるわけでもないのだけれど、それでも八十年代ファッションとかダイヤル電話とか、書いて欲しい基本をおさえてくれてる感じ(笑。八十年代描写がここ数年すきなのもあって、楽しかった。あと、最初の辺りのインフルエンザ対策で手荒いうがい…とかしている息子の描写はハテナだったんだけれど、ああ二〇〇九年を記号化した描写なのかと納得。

 しかし、この作家さんはあんまし絵がうまくならないなあ…なんだか人体デッサンにちょっと違和感があって、でもずっと安定して同じ絵なので、たぶんかわらないんだろうな。
 で、それはいいんだけれど、今回、絵だけではなくて、漫画もあんましうまくないかもなあと思ってしまった。家の間取りとかそれを利用した描写とかがちょっとわかりづらかった。たとえば玄関入って奥の壁の扉とか、最初の段階でもうちょっと大きい絵で印象的に描いておいてくれたほうがわかりやすかったと思う。あと、過去現在でふたりが云々なときに、現在の父が縁側にすわるあたりの表現とかも、ちょっと把握しきれなくてしばらく考えてしまった。どこかで居間と縁側の設計をもうちょっとはっきり書いておいてほしかったし、あと過去の居間のふたりと現在の縁側の父の場所をうまくずらして配置するとか、もうちょっと効果的なコマ割りがあった気がする。…なんかすんごくもったいないんだよなあ。

 でもやっぱりお話は面白かった。次巻も期待してますv

2010年11月25日

樹生かなめ『悪魔との契約』

 議員の父の秘書をしているぼっちゃんは、悪魔のベリアルに口説かれて困っているのですが、しびれをきらしたベリアルのせいで家族が不幸に見舞われ、ベリアルと契約しようかと悩んでいるところへ悪魔アスタロトが登場、結婚して助けてやるとかいうのです。

 梗概でわかっていたことだけど、トンデモだった。
 ベリアルがダメでなんでアスタロトならいいのか…(笑。ベリアルはチャラ男系だしサタンさまはわりと普通なのでなんでアスタロトだけ古くさい喋り方なのか。サタンの話はちょっとよかったけど、結局家族のオチがあれでは受けが気の毒なんではないか。

 しかしこの作家は数冊(いやそれでも四、五冊は読んだかな)しか読んでないけど、文体に余情がまったくないので、ここに書かれている以上のことが想像できず、読んでおしまい感があってなんだか拍子抜けしてしまう。キャラの気持ちも書かれている以上のことが感じられず、ものすごい淡白な感じだというせいもあって、みんな何を考えているのかよくわからない。うーん。

2010年11月27日

葛井美鳥『ファーストマスター』

 友人の家の近くのカフェにご飯を食べに行ったら、ベジタブルブッダプレートというのがあって、ハテナと思いつつ友人が勧めるので注文したら、要するに野菜+ご飯だった。菜食主義をブッダで表すとは…と、『聖おにいさん』5巻のカフェネタを思い出した(笑

 ビバアンドロイド!
『ラストマスター』のつづき!

 表題作は、社長になった大雅の会社の研究員が、「眠り姫」シリーズというキスで起動させたマスターに惚れちゃうアンドロイドにたずさわってて、男版を開発してたらとんだ事故でキスしてしまい云々、というベタなお話でよかったv
「セカンドマスター」は、大雅の父の前社長に仕えていた秘書アンドロイドゼフィエルが、マスターを失った喪失感と、護衛アンドロイドのラグエルと恋愛している大雅を見てて恋愛が理解出来ないのとで迷いつつ、なお話で、これも面白かった。でもラグエルとゼフィエルの大雅の取り合いはもっと見たかった(笑

 しかしちょっと絵が荒れ気味かもしれない。デッサンとか構図が適当っぽい絵がところどころ気になった。

2010年11月28日

やまねあやの『クリムゾン・スペル』4

 本編は、バルドとハヴィのケンカ。クリムゾンスペルってけっこうキャラがわかりづらい気もするんだけれど(まあ刊行に結構時間がかかっているので、まとめて読んだら印象が違うのかもしれない)、バルドはみんなのためにつっぱしっちゃう、一見熱くていい奴なんだけど実はけっこう独断専行なわがまま王子、ハヴィは意外と(?)バルド大好き、ってことなんだなあ、という再確認ができた(笑。そろそろクライマックスなのかな。でも、バルドの魔獣というか呪いの正体は、『彼方から』とちょっと絵的にかぶってるんじゃないかというのは心配…。まあでもよくある系の絵面なのかなあ。

 限定版は小冊子つき。けっこうよかった…というか、バルドと魔獣との関係が描かれてるし、けっこう重要な内容だった…。

2010年11月30日

沖麻実也『デミアン症候群』1~6

 これも一巻をキャラの小冊子フェアのために購入。以前からこの作家さんが気にはなっていたのでちょうどよかったし。で、既刊揃えた。読んだ。天使の話かと思ってたら違った(笑。あれは角川か。

 しかし…この作家のコミクス買うの初めてなんですが、まあ雑誌とかイラストとかで見かけてはいたので予想&期待してもいたのですが、あれですね、ものすごい80年代っぽい…。センパイのバンド名とか歌詞とか、あと扉が閉まる擬音が「BATAN」とか。「バタン」でなくて「BATAN」。
 まあ、いい(@ル、以下省略。

 ストーリーは…小学校時代、無鉄砲一匹狼な城一郎と、それをフォローしてた親友の東だったのだけれど、城父の仕事のための唐突な渡米で別れ別れに。高校生になった城は、東に会いたくて単身日本にもどってきて東の高校に編入、しかし東はなんか人が変わったように冷たい人間になってて云々、というふたりを中心とした男子校+寮での日常とかそんな感じ?

 いまいちよくわからんというか、論理的な展開よりも勢いが大事なのかな、という印象。勢い、それも主にそれぞれのキャラの感情のままに展開が進んでく感じで、特に城一郎とか時々自分の気持ちによっぱらいすぎなんではないか(勢いまかせだからケガしまくりなんだろうな…笑)と思うくらいなのだけれど、それにある程度以上乗れれば楽しめるのだと思う。や、あたしはそこそこに面白かったです。
 東は他者からの影響を受けないようにひとりで立って生きて行きたくて、でも愛憎あい半ばする感じで城一郎が気になってしまってて、城の方は東と近づきたくて、でもそのために自分もしっかりひとりで立っていられるようにならなきゃ、という感じだろうか。
 なんか本誌を見たら、東がいまだに城一郎を置いて行こうとしてるっぽいので、まだまだ終わらなさそうだなあ、と思った(笑。どうするんだろうね。

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