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2008年05月03日

まよいがこいもも。

 神仙横町(佐藤春夫)に仮住まいをはじめてしばらくたちましたが、道にまよってばかりです。元々知らない場所をぶらつくのは大好きで、買ったばかりのみどりのかわゆい自転車ではしるのが楽しくて、半分くらいはわざと迷ってる気もします。こないだもネットで調べたお店にランチを食べに出かけたのですが結局たどりつけなくて、かわゆいカフェでラザニアをたべました。それはおいしかったんだけどね。あとかわゆいガレットのお店をいくつかみつけたので、こんど行ってみようと思います。きちんとオシャレ留学中ですv(笑っていうかもう失笑してくれ。

 そして、なんでみどりの自転車にしたのか、タイプしてみてやっとわかった。白い夏と緑の自転車、赤い髪と黒いギターか…!自分でも気づかなかった。

 あと、へんな場所で再会した元クラスメイトの劇団を見に行ったら、なぜか長屋の花見を聞いてました。長屋の花見はこないだ末廣亭でも聞いたので、短い間に二度も聞いてしまいました。末廣亭っていうか寄席にはそのときはじめて行ったのですが、瀧川鯉斗さんがえらいオトコマエだったのでした。センパイにクロエ好みでしょ、とか速攻言われてちょっとむかつきましたが(笑、メンクイだと思われてるらしい)、確かにあたし好みでした。

 フレンチでステーキがゴボウソースってなんか悲しいです。ゴボウは根っこです。和食ならいいんです。でも和食以外で使うなら、工夫してほしい。NZエアで出たきんぴらごぼうは、根っこ味じゃなかったもの。でも空豆のポタージュはおいしかったからいい。

 ところであたし以外の方にはきっとどうでもいいことなんですが、本日、恋は桃色のアクセス数が、マヨイガのアクセス数に到達しました。マヨイガのカウンターはここのサーバーにひっこす以前のものはクリアしてしまっていますが、いずれにしてもどちらもサイト開始時点には考えられなかったほどの方にお越しいただいたことになり、うれしく思っています。

『アフタヌーン』六月号

 やっぱりおお振りは前向き展開が一番だなーと思った。
 なんか久々に読んでてすっきりしつつあつくなる、おお振りらしい話だった気がした。

 田島と三橋がなかよしひよこぐみなのは、二人が天然だからでこどもだからで、野球が大好きだからなんだよなあ。ふたりだけ甲子園優勝とか書いてるのがとてもよかった。田島の「全国制は」の覇がひらがななのは笑えるけど、しかし結構書けない字だよね。ってか、全国制覇という言い回しがなんかおかしい。
そして、そんな二人にビビってる花井とかもよかった。花井は三橋に何を期待したんだろうね。話の流れを優勝に向けたかったのか。泉とかあんまり書かれなかったけど、何を思ってたのか。結構アグレッシブな西広がいい。彼は今後のキイになりそうな気もする。なにしろめいっぱいのびしろがありそう。
 あと、その夜の様子も各自おかしかった。自主トレしてる花井泉、水谷のあまりのぼんやりぶり、なんか妙に真剣な顔でゲームしてる栄口、とか。

 阿部はいい子だなー。なんかあの傲慢さとか黒さとか、突然のいさぎよい素直さとか、頭の良さとか、とっても高校生っぽいキャラ(虚構としての)で、阿部はほんと面白いです。三橋の「スゴイよね!」「うん」「スゲー」と返したとことか、三橋が阿部のおかげで自信もってくれたのがうれしかったとか、かわいいなあ。
 あと、阿部ん家の両親はほんと野球好きだなー。阿部の大食は阿部肥大化のフラグ…だったらどうしよう(笑
 三橋はなんかすごい強くなって、一皮むけたね。「阿部くんオレを頼ってくれ」にはしびれた。
 シュンヤの田島ファンぶりがおかしかわゆいです。よくわからないけれど、ああいうものなんですかね。地域のあこがれセンパイみたいな。しかしシュンヤと並ぶと、さすがにちびっこ田島が大きく見えるので、なんだかこれまたおかしかわゆい。

2008年05月05日

森本秀『アスタリスク』4

 独立した小話集という感じで、大きな物語は進んでないので、中休みっぽい感じかも。それぞれ記憶喪失の天使とか、ディーンとか、人魚たちとか、いろんな話があって面白かった。

 しかしこの表紙を見ていて思ったのだが、みんなキオの羽は見たことがないような色とかいってびっくりしてるけど、これだけカラフルなバリエーションがあれば、別に太陽の色の羽だってそんなに突飛なものではないんでは、と…。

中村光『聖☆おにいさん』1

 肉をたべすぎました…。
 高遠琉加の新刊って、もう出てるのかなあ。

 世紀末を無事に過ごしたブッダとイエスが、休暇で貧乏アパート生活@立川。
 …という、なんともきわどいコメディ。
 日本はフリーダムだよなあ。

 ふたりが浅草観光に行ったり、町のお祭りに参加したり、趣味をはじめてみたり、なんかそういうお話。日本かぶれの外国人みたいなノリで下界生活を楽しんでる感じがあって、ほほえましく面白い。
 宗教ネタを随所にからませた軽妙なギャグが面白い。徳の高い発言をすると後光がさしてきてしまうとか、ブッダがビール飲んで「この一杯のために苦行してる」とか、笑いすぎてついつい奇蹟を連発してしまうイエスとか。あとイエスが人気ブロガーとか、手塚治虫の『ブッダ』を読んで感動するブッダとか、どうにもツボをおさえてくれてるかんじ。二巻はクリスマスをやるそうなので、楽しみ。

 …しかしとにかくフリーダムだなあ(笑

2008年05月06日

桜遼『嘘とコーヒーと甘いキス』

 どこぞで、円陣闇丸のフォロワーみたいなことが言われていたので、ゼンゼン似てないよ!?と思っていたのだが、今回のコミクスみてあれ?線がちょっときれいになったかも?というか、あれれ?目の書き方は確かに円陣さんのまねっぽいかも?と思った。でもなんかやっぱりどこか線のぎこちなさは残ってるし、余計に動きのなさとか目立つようになったような。

 それはさておき、内容は面白くなかったなあ。
 あやしいおっさんは警察関係×カフェのマスター?、は、なんか受けの頭がわるいというか、短絡的というか、うさんくさい攻めにはやたら攻撃的で、つきあうとなったらべったりあまえたっぽくて、キャラがよくわからないしどっちにしても好きになれない。
 おっさんの知り合いのヤクザ×ヤクザが投資してた会社社長は、事件で離れてしまって、ある目的のために電話番号だけを知っていて、という関係性はとてもよいと思ったが、しかし再会してしまうとなんだかいまいちだった。
 昭和初期もベタでいまいちだと感じたし、同僚リーマン同士とかはどちらもちょっとひどいなあという感じ。

門地かおり『生徒会長に忠告』1~3

 やー、門地かおりはすごかったのですね。今まで読んでなくって後悔です。

 のほほんなイモっこなのに、なぜか男をひきつけるフェロモンをふりまいてる生徒会長・国斉さん。会長を押し倒した副会長が罷免されてしまい、会長の部活の後輩・知賀くんが急遽副会長に登用される。痴漢ストーカーにあいまくりな会長をフォローするため、会長といっしょに登校するうちに知賀は、このさえない先輩のいったいどこにチャームが…?とか思ってたらなんかドキドキしてきましたよ!!
 三巻まで読んでみて、一巻のこの会長の魅力にあらがおうとしてる知賀と、自分のフェロモンにも知賀の動揺にも何にも気づかない国斉という状態が一番面白かった。

 国斉のぼけぼけなのに色っぽいというキャラが、キャラ描写でも絵でもしっかり描かれててすごくよい。
 知賀は、メガネで、女顔なのに上背合って迫力あって、これまたすごくよい。長めのオールバックふうな髪型もすきだ…あれ、あたしもしかして、フジミの桐ノ院圭は、髪型も好みだったのかな。
 それはさておき、髪が長めの攻めは好きです。そして、カチューシャ(あれはカチューシャって言わないのか?)とかヘアピンしてる男の子は現実でもとってもすきです(笑、小池徹平とかね。なので、最初のあたりでカチューシャしてる知賀がとっってもよかったのですvそれ以降しなくなってしまって残念です。

 そういうことになりましたが、お互い自分は本命ではない、と思い込んでああだこうだ。

 やることやっちゃってんのにくっつかないというのはBLならではという気がしますが、この二人だとなんだかかわいくっていいですな。知賀の悩ましい恋愛はとってもかわいいです。むらむらしてばかりで気持ちがぜんぜんおいついてない国斉も、ボケボケなキャラが活きてて面白いです。

 柔道部の行事で、町祭りに女装でパトロール。
 何がスゴイって、知賀も国斉も一巻ほぼまるまる女装してるってとこがスゴイ。雑誌では一年以上女装しっぱなしだったんじゃないかなあ。

 やはり国斉が気持ちを自覚してしまってから、ちょっとすれ違いが余計にしんどいかんじになってきてしまったというか、定型BLっぽくなってしまった気もする。
 先輩の大学生CPが出てくるのだけれど、なんかこのシリーズは個人的には脇CPはない方がいいなあ、という気がした。なんというか、一貫して国斉がすべての中心な印象で読んでたせいかも。

2008年05月09日

電脳めも。

 新しいノートで最初に変換したとき、なぜか亜曝気尾という誤変換が。その後一度たりとも出てこないのですがあれはなんだったのか。
 やはり画面サイズの大きさになかなか慣れません。というか、ワイドサイズの画面にあわせてサイト運営とかしてたら、ふつうの画面で見たときにとても巨大になってそうだし。なんだか困ります。

 それはさておき、MSでの配布がはじまったので、正規にメイリオ導入しましたよ!
 ああやっぱちょうカワイイなあ。なんかマヨイガがとつじょ洗練されたかのような印象ですよ。メイリオは名前もかわゆいし、以前からほしくて仕方がなかったフォントなので、とってもうれしいですv
 しかし最近の待遇みてると、やはりまだ当分XPも使えそうだなあと思えます。

 液晶タブレットの購入を検討してますが、むむむー困った。値段が高いのはともかく、デモ機での使用感が…通常のタブレットに慣れてしまったせいか、画面に直接描くよりも、画面を見ながら手元で描くほうが楽だ。画面にじかに描くのがこんなに大変とは…(笑。紙の上に描いてたときには、じかに描くのがあたりまえだったのにね。慣れってすごいなあ。
 どうしようか、液晶。使ってれば慣れるんだろうけれど(ていうか慣れなかったらどうするんだ…)しかし現時点で欲しいのはむしろintuos3だなあ…どうせノートでは液晶つかえないし。

2008年05月11日

葉芝真己『東京ゴースト・トリップ』1、2

 美形イタコ高校生二人組。
 本家次男の霊媒体質(だが霊は信じていない)宗和と、霊をよぶのが得意な従兄弟の節、二人を面倒みてる本家長男のエクソシストの海、で霊を呼んだりいろいろする。

 絵がきれい。除霊とかではなく口寄せという職能でお話をつくっていくのは大変そうだなあと思った。
 しかしどうもキャラづけが力業な印象があって、このキャラはこういう特徴、というのが自然に描かれていないような感じを受ける。たとえば三男とか分家とかに言い寄られる(?)節が、既に宗和を選んでいるというのも、なんか唐突というか、その話が出るまで節と宗和に特別な絆があるようには思えなかったとか。

2008年05月12日

あじみね朔生『この恋は秘密』

 近代、インド人召使い×英国貴族青年。
 エキゾチックなもの大好きな受けは、父の仕事についていったインドで一目惚れした攻めを連れ帰り召し使いにしたが、その件で父に勘当されている。

 ご主人様は物珍しい自分をコレクションのひとつにしたいだけなのでしょう、とオリエンタリズムを感じてる攻めはなかなかBL的にも斬新でよかったのだが、それをつきくずすのが例によって受けの天真爛漫さだけ、というのがちょっとやはり物足りない。
 なんかあじみね朔生のこういう天然受けは魅力が少ないのも問題なのだが、そのせいでなぜ攻めが受けを好きなのかがよくわからないのもちょっといまいちだ。『お気に召すまま』もそんな感じのCPだった気がする。

2008年05月14日

大和名瀬『便利屋さん』

 レーベルのつながりなのかどうかはわからないのだが、『さあ恋におちたまえ』に続くハイクオリティBLだなあと思った。

 あめ玉で子どものお願いもきいちゃうような、気のいい町の便利屋さんが、友達がほしいというメールにかけつけてみたらきれいなお兄さんでした。酔った弾みで冗談でメールしてしまったという受けっこ、もとい依頼人ですが、後日再度呼び出されます。お兄さんは実は父の会社で常に気を張りどおしなので、ちょっと誰かに甘えたくなったというのが実情でしたが、便利屋さんはそのかわゆさにノックダウンです。

 という、便利屋お兄さん×かわゆい専務な1CPめは、とにかく専務のかわゆい不器用さ、言葉行動のつたなさがかわゆくて仕方ないです。メールの誤字?とかおかしいし、ごつい時計して、「こうしてると柴くんぽくていい」とかちょうかわゆい。不器用キャラは萌えだと、以前からうすうす気づいてはいましたが、再確認です。おまけ漫画の社長を目指す理由とかもアホかわゆい。

 2CPめのおっさん×若い便利屋さんは、攻めがちょっと妙なかんじという気がして、おまけの4コマまで読んでああやっぱりちょっと変な人だ、と思ったりした。

 お話は全般に面白かったのだけれど、なんだか絵は不安定な気がした。大和名瀬の絵は髪型ですごく印象がかわってしまうのだが、髪型が不安定な絵が多く、印象が一定しないかんじ。
 あと専務のようなやや大人っぽい受けは、最近の大和名瀬に多いキャラな気がするけど、どうも時折ショタっ気がのぞいてしまう気がする。個人的に大人受けのほうが好きというのもあるんだけど、安定した大人受けの絵で読みたい。

2008年05月17日

三島一彦『プチ・プリ』

 梗概を読んで、小学生攻めという設定に仰天したものの、表紙のカラーが攻め受けともにあまりにもそこぬけに笑顔でお花なのが気になって買ってみた。

 この作者のコミックスを買うのは初めてな気がする。一時体調を崩していたと聞いた気がするけど、大丈夫なのかな。

 しかし思っていたよりもデッサンが厳しかった…。
 それはさておき、小学生×高校生で、まあふつうに(?)早くおおきくなりたい攻めだったのでした。受けも攻めにたいしてわりとマジで、子供扱いはしてなくてちゃんと好きで、相手の本気も信じてるのは、虚構的にはよかったかと。あと清い交際なので安心しました。
 口絵のカラーとかもお花なふたりが超笑顔で、なんだかこういうのもいいなあと思った。

 短編も中学生×社会人とかで、なんか年下攻めの作者だとは思っていたけれど、ちょう年齢差な年下攻めの人なのかなあと思った。

2008年05月18日

高遠琉加『ホテル・ラヴィアンローズ』

 あれ…リブレじゃないんだっけ?奥付みると、編集がリブレになってる。なんだかよくわからない…。

 それはさておき、なんかなあ、というか。何かがどうしても足りなくて、萌えなかったのでした。

「青」ではそれぞれに事情をかかえた高校生CPの逃避行もので、ホテルものとして読み始めたのにぜんぜんホテルが出てこないので拍子抜けしましたが、青春ものとしてそこそこ面白かった。冒頭の描写で再会がほぼ確定してたし、攻めの起こした事件とかも、わかりやすいといえばわかりやすく、ちょっと展開がありきたりかなという気もした。

「赤」はフロント×心中未遂のお客さんで、受けが心中相手との思い出にひたりこんでいるのが読んでてしんどかったのと、なんで二人がくっついたのかよくわからなかったのとで、ちょっとなあという感じ。

 ホテル縁起の「薔薇色の人生」は…戦後の大工の息子×元華族の子で、面白かったんだけれど、読むのがなぜか苦痛で、読むのに時間がかかった。これもあまりに展開がベタだったせいだろうか。

 うーん、この物足りなさはなんでなんだろう?
 なんだろうね、高遠琉加は独特な言葉の選び方とか魅力なんだろうし、叙述も丁寧だし、きちんとBLだし、だから信頼している作家なのだけれど、けれど。
 王道ひた走りの近代豪華客船もの、で、どうころんでも逆さにふっても萌えない『溺れる戀』とか、奇抜な設定も面白げで、恋愛不感症なメガネ攻めというちょうあたし好み設定なのに萌えない『観賞用愛人』とか、なんかもうどう評価したらいいのかはもとより、どう感じたらいいのかすらよくわからなくなってくる。作家に何も思い入れがなければ、ツマンネでかたづけられるのかなあ。でもそうきりすててしまうには、『愛と混乱のレストラン』とか強烈な作品が多すぎるんだよなあ…。

2008年05月19日

唯月一『江崎家へようこそ』

 破天荒な両親は海外に行ってしまい、四兄弟の長男は家事三昧。双子の弟はかっこつけた方が天然な方に片思い。小学生の四男は長男になついてる。
 な、状態で、新任の担任にくどかれ出した長男とか。

 多兄弟主夫ものはきらいではないと思うんだけど、どうもあまり面白いと思える作品がみつからない気がする。この作品も、長男が双子と年もそうかわらないのに家事の負担が大きいのが不可解。
 あと、担任がダメな大人なのがいやだ…。高校生を口説くのはまだしも、末尾のあやしげさなアバンチュール?は何だー。ミスリードさそってるだけには思えない。

 この作家の本は初めて買ったというか、白黒絵を見るのも初めてな気がするけど、イメージと違う画風だった。カラーはアニメ絵っぽいとおもっていたのだけれど、白黒はそうでもなかった。

2008年05月20日

映画『俺たちフィギュアスケーター』

 台風で魔法学校がお休みになったので、映画を見にいちきました。

 もう見られないかと思っていたけれど、やってるとこがあったので見ました(めぐろですよ。
 気が遠くなるほどバカな映画でした。

 男子シングルでトップだった、なよなよ系王子っぽい金持ちの養子のダニーと、エロさが売りのワイルドな一匹狼チャズ。国際大会で同点一位になったものの表彰式で大ゲンカをし、スケート界を追放されてしまう。数年後、規約をみるとペアなら競技に参加できることを知り、再起をはかるふたり。

 こういう男同士のコメディって、なんかコメディの担保として古くさいゲイフォビアが見えてしまって萎えることも多い(というのは、あたしが文学研究かじったやおい好きだからなのか?)のだけれど、まあそういう部分も皆無ではなかったけれど、あんまり気にならなかったように思った。
 ていうか、男同士という要素以外にも、セックス依存症のカウンセリング集会にいってるチャズとか、ダニーのままごとみたいな恋愛とか、またそれを支援するチャズとか、ダニーのストーカーとか、ばっちり悪役なライバルペアの双子とか、双子にこきつかわれてる妹とか、実在のフィギュア選手とか、コメディ要素は他にもいっぱいあったので、男同士というだけで笑いをとろうとしてたわけではなかったからかも。つまり、男同士という部分に依存することなく全編まじめに笑いをとりにきてた感じだったので、意気込みが感じられたし、正直予想以上にバカで、とってもよかったと思います(勿論ほめ言葉です、だってあたしはバカな映画を見に行ったのだもの。
 あ、フィギュアの描写とかはちょういんちきでした。これはいいけど。主役のふたりは、…もうちょっとだけかっこよくてもよかったと思う…。や、他の役者がよかったということではなくて、かっこよいふうな演技をしてほしかったというか…
 でもとにかく十二分に笑えたので、オールオッケーです。

2008年05月22日

タンホイザー序曲について

 フジミオンリーイベント「六月祭」が、今回で終了だそうなのです。一冊くらいフジミ本つくりたかったんだけど、無理っぽいなあ…。一時期、オペラ座の怪人ネタと、オケ大会ネタをかなりまじめに考えていたのですが。

 そんなわけで、ではありませんが、タンホイザーはもちろんフジミの第一話のあれです。いつもちゃかしてしまいますが、多少は真面目に考えてみようと思います。

 あの場面、通称タンホイザー事件、は、あたしは実は小説ではなくドラマCDで初体験という奇妙な体験をした(つまり、あのセリフと悠季一人称の語りを、まさしくタンホイザーをBGMに聞いた)せいもあるのですが、とまれかくまれ『あれはありえない』という感想を初っぱなから抱いており、その印象はもちろん漫画版小説版を読み直したときにもかわらず、今にいたるまで常に『ありえない』としか言えないし、違和感は増す一方なのでございます。タンホイザー。

 しかし一体何がありえないのか。指揮者の確信的な勘違いがありえない?ワーグナーでもワグナーでもなくヴァーグナーなのがありえない?コンマスを犯すのにBGMをかける指揮者の変態ぶりがありえない?それとも選曲がよりにもよってタンホイザーなのがありえない?うん、なんもかもありえないんですけどね。

 それはさておき、やはりあたし的に一番ありえないのは、選曲である気がします。
 その後の桐ノ院圭のキャラ造形を考えると、あそこでワグナーはない気がします。やっぱりのちの展開を考えても、あそこはベト7(この曲が個人的に好きなせいもあるのですけどね)か、せめてベートーベン曲が適切な気がします(それこそ後づけ設定なんでしょうけれど。
 また、タンホイザー自体にもちょっと特殊な曲という印象があるのです。これはどうでもいいことですが、タンホイザー序曲って常にニュルンベルクのマイスタージンガーとごっちゃになって、どっちがどっち、となってしまうのです。そこで二曲の違いを考えていたのですが、タンホイザーは、メインテーマを管が担当してて(たぶん)四分の三拍子(たぶん)なのです。しかし実はこれらの要素って、これまた個人的にですが、変拍子な印象なのです。頭の固い人間なせいか、メインテーマを弦というかバイオリンが弾くのがオーソドックスなクラシック音楽だと感じてしまうのだと思います。しかし個人的な印象はともかくとして、悠季がコンマスということを考えても、やはりあの場面では弦メインの曲のが適切なんではないかという気がするのです。
 あと、四分の三拍子でつくるワグナー的な『壮大さ』って、あんましああいう場面と結びつかない気もします。まだマイスタのほうが…いや、マイスタだったらだったで、大笑いしただろうけど…うーん、でもやはり、タンホイザーのあの管がメインテーマのときの弦の対旋律っぽい部分、この場面には合わないよなあ。なんか観念的というか。や、それはそれでいい…のか?ベト7も観念的かもだし…いやしかし…。

 まあそんなわけで、やっぱりタンホイザーにはとりわけ違和感があるのです。でもその違和感が気になって気になって、あまり好きじゃなかった曲なのにむしろ好きになってきました。こういう興味の持ち方はとってもやっかいな気がしますが。

2008年05月24日

榎田尤利『ビューティフル・プア』

 久々に読み始めたらとまらなかった作品でございました。
 あたしはやはりこういう勢いがついちゃうテクストが好きです。勢いって軽んじられがちな要素である気がするけど。

 ヨーロッパ某国、ちょう没落してしまったちょう美形侯爵は、自分の一年間を売りに出そうと考え、立候補者をあつめたパーティを企画する。
 父の会社で働いてる画商は、そのパーティに参加し侯爵にとりいるように命じられる。彼は父が探してるサリヴァンの連作の最後の一枚をもっているらしいのです。画商は給料アップにつられてしぶしぶ出かけていきますが、ぞうきん縫ったりする一次試験で好成績をおさめ、他数名とともに侯爵の家に滞在しての二次試験につれられていきます。

 梗概を見て、ツンデレというかわがままな美形貴族に翻弄される話かとちょっと不安?に思ってたらさにあらず、侯爵はのんびりな貧乏貴族でだけどその裏をちゃんともってるとてもよい受けでした。攻めも、ノンケな無愛想さとかくしきれない庶民ぶりで侯爵や執事たちに気に入られてしまうのは、ベタながらやはり面白いし、キャラもしっかりたってていいです。攻め一族が隆盛と没落をくりかえし、お金にがめつく、美術品の目利きにたけてるという設定とか、面白い。
 侯爵買い取り候補の脇キャラも、みんなそれぞれ個性的でよいです。この作家の書く活発な女性はなんだかあまり好きになれないのですが、今回は活発だけれど出張りすぎないとこがよかったです。

 展開も、老若男女とりまぜて侯爵に取り入ろうとする、というBLとしてはたぶん変則的なお話で、面白いです。候補者たちがたんに争う合うわけでないのも、たんになれあうだけでもないのも、事件が起こってちょっと推理ものっぽいニュアンスがまじっていくのも、面白い。
 後半ちょっと安易なとこ(あの部屋とか)はあったものの、サリヴァンの絵の顛末とか、侯爵の資金繰りのけりのつけかた(侯爵が彼を選ぶのも、画商が絵をあつかわないのも)とか、よいです。

 というわけで、構成はやや破格(BLとしては)、展開はベタで、とってもあたし好みな面白いお話だったし、今述べた意味ではとってもよくできたお話だったと思います。

2008年05月26日

倫理違反について。

 話は若干前回につづきます。

 ところで星矢については、リアルタイムで見てたときはやおいとかぜんぜん考えずにキグナスカコイイーとかつみのない(当社比)ことを言ってたんですが、そんなクロエが星矢に再燃というかやおい的な意味ではまってしまったのは、某ブログさまのおかげでごさいました。そのブログさまのリアサガがあまりにステキだったのが、今にして思えばすべて(破滅とか)のはじまりだったのでごさいます。しかしリアサガに萌えつつ、カノサガとか他キャラ×サガにはあんまし萌えないので、この時点ではあたしはリアサガオンリーなのかな、とのんきに思っていました。

 平行して、ちょう素敵なデス/シュラアフロサイトさまにめぐりあい、これがまたちょう笑わせて且つ感動させてくれるステキサイトさまだったのですが、やはりここでもデスアフロにはとっても萌えるのですが、シュラアフロには萌えないというか、むしろシュラなぞデスのライバル、と思っていました。

 さて、こうして星矢ヤオイにしだいにそまっていき、サーチとかも利用するようになりますと、順列組み合わせによる無数のCPを知ることになりました。さいしょはリアサガやデスアフロを探索していたのですが、やがてさまざまな化学反応がおこります。
 デスマスク関連のコンテンツを探しているうちに、シュラデスやサガニというのを知り、さいしょはデス受け?ありえないでしょ、とか思っていたのですが、やがてなんかデスが愛されててしあわせそうなのでいいかなと思いはじめました。ていうかそもそも、アフロ関連ではなくデス関連のCPを探していたことがおかしいのです。そしてこれまたアイオリア関連のコンテンツを探しているうちに、なんかシュラリアとかロスリアもいいなあと思い始めました。ていうか、そもそもリアサガってサガリアでもいいかもしれないんです。

 つまりあたしは、デスとかリアとかがすきなんですかね、と。
 しかしそうすると、あたしはすきなCP(デスアフロ、リアサガ)のどちらかといえば攻めキャラ(デス、リア)がすきで、しかしてその攻めキャラが総受け風味というのも、倫理(なんだろう、同人倫理?)的にいかがなものでしょう、と。なんかあたしの嗜好ってわかんねえ、と。

 でも、デスとリアだったら、やっぱりデスリアなんだろうと思います。リアデスよりも。つまり結論として、あたしの最萌えはリアなんですかね…?(自分でもよくわからない。

 結論ていうか、何が言いたいのか自分でもよくわからなくなてきた。

2008年05月31日

紅蓮ナオミ『魚の王子さん』

 なんかへんな文章がずっとトップにあって、我ながらいたたまれない気持ちでした。
 いそがしいですよ!仕事もほかも!

 紅蓮ナオミが「花音さんなので押さえ気味にしました」とか言ってるが、「おまえは何を言ってるんだ」とミルコクロコップりたくなる一冊です。

 表題作は、なんかサーフィンで失敗して神域に流れ着いたら半魚人に助けられたのですが、彼は上半身か下半身のどちらかしか人化できないのです。上半身が人間のときはちょうイケメンなんですが下半身は魚で歩くこともできず、しかし下半身が人間になると上半身はタラコクチビルのきもい感じなのです。
 なんかなにかがちょっと物足りない気もする…なんだろう。紅蓮ナオミにしては(?)設定が酷というか、禁忌的だからだろうか。

 男専用ランパブの話は前に雑誌で読んだことあるような気がする。とてつもない設定のランパブが気がくるっていてふるっている。

 まあそんなわけで、紅蓮ナオミらしい気がくるった一冊で面白かったです。

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 追記。
 男専用ランパブってあたりまえだ…ゲイ専用ランパブのまちがいです…。

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