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2010年06月02日

吉池マスコ『エロ忍者~桃尻忍法帳~』

 このタイトル…と思っていたのですが、原題は「エロ忍者はっちょりくん」というものだったのですね…ちんつぶみたいなものか…。

 忍の里の頭領の息子のれんげ様はたいそうな淫乱で、お仕えしてるはっちょりくんは日夜大変でして、里を出て出稼ぎバイトに行くのも大変なのです。
 ほかに、オレ様いじわる頭領←ガチムチ獅子丸・頭領の友人の子のふたなりかえでさんとか、頭領に拾われた行き倒れのロシア人でケガを隠すためにいつも袋をかぶっているゴンチャロフ⇔頭領の盲目の稚児ちどりちゃんとか。

 あとがきにエロだけでなくラブも頑張っているので、とあったけれど、確かに後半はそうなのだけれど、前半ではれんげ様は獅子丸を襲いまくるわ、頭領は獅子丸だのちどりだの、もうそういうギャグ特化とにかくエロなお話なのかと思いましたよ…。後半のいきなりかわいげありまくりなれんげ様にはすごく違和感がありましたよ…。
 そんな感じで、特に後半は面白げだったんだけれど、なんだか楽しみ切れない感じでもったいなかった…。や、そこそこには面白いんですけど。

2010年06月03日

鈴木理華『タブロウ・ゲート』6

 人魚はハングドマンかー。ていうかマンなのに女の子というのは意外だった。かわいいしすきなんだけど、無口無表情なサツキのハングドマンは、既存のキャラをちょっと思い出すなあ…。レディのハングドマンはサツキのほうとセットでとてもいい感じ(笑。あと石川くんが活躍してたのもよい感じ。やっぱりタブロウ以外の一般人の視点は必要だと思うし。
 テンペランスは…男?なの?そうかー。

 しかし今回、戦いがややこしくて、なんかいつもよりいっそうジョジョっぽかった。ジョジョネタもあったか。

 残りはフール、エンプレス、エンペラー、ラバーズ、ホイールオブフォーチュン、パワー、タワー、ワールドかー、だいぶ出てきたと思うけど、まだまだあるなあ。

2010年06月04日

「メロドラマ」5

 用事と気分転換とをかねて、旅に出ておりますv

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 ため息をついた男は、一歩を前に踏み出した。女の耳元に唇を寄せて、二言三言、囁く。女は床をじっと見つめたまま動かない。ややあって、その肩がまた震え出したかと思うと、女は床に向かって叫んだ。「ばか……ばか! あんたなんて、嫌いよ!」「アンジェリカ、本当だよ。信じてくれるだろう?」「あんたなんか……!」新しい涙をこぼれさせながら女は震える声でそう言い、そして男の広げた腕に飛び込み、彼を抱きしめた。周囲からほうっという溜息と安堵の囁き、呆れたようなざわめきが起こる。アフロディーテは考える。
 一体男は、女に何と言ったのだろうか?
 きっと、どうしようもない陳腐でくだらない言葉でも囁いたのだろう。
 アフロディーテには、なんとなくわかる気がした。女は何でもよかったのだ。どんな言葉でも、男を信じるための言い訳が欲しかったのだ。唐突なこのメロドラマは、始まりと同じように唐突な大団円にて終わった。

「アフロディーテ」
 テーブルの向こうの男の声に、アフロディーテははっと振り返った。あまりじろじろ見ないように気をつけていたのに、行儀の悪い事をしてしまった。
「すまない、つい」
「気になるのかよ?」
「いや、別に……」
 視線で示されて、男女にまた視線をやる。衆人環視の中、女はまだ男の胸で嗚咽している。男は余裕の微笑で女の肩を抱いて、もつれからまったブロンドに優しくキスなどしている。本当に伊達で、下らない、駄目な男だ。けれど、少し羨ましくもある。嘘でも構わないと思えたのだろう女も、嘘を重ねても女を手放さない男も。
「アフロディーテ?」
「……あ。すまない」
 デスマスクのふたたびの呼びかけに、アフロディーテはあわてて振り返った。男はからになったカップをソーサーに戻した。
「おれと二人じゃ、やっぱ退屈か」
「え?」

(つづく)

2010年06月06日

モンデンアキコ『1円の男』

 探偵さんのとこに大金を持ち逃げした彼氏をさがしてくれとゆうツンデレメガネがやってきて云々。

 もんでんあきこさんて読んだ事ないのですけど、ベテラン漫画家さんですし、絵がとてもうまくていいですね。表紙もカッコイイ。でもなんというか、漫画絵としては、まだBL文法的の中では手探りで描いているっぽい感じはした。具体的にはそういうシーンとか、いやそういうシーンのとくに表情とかね。
 あとお話も、あとがきにあるようにキャラ設定がベタで、それ(キャラ設定)だけでおわり、という印象というか、あんまりまだお話がない感じ。短編だからというのもあるのだろうけれど。
 たとえば表題作では、メガネが探偵を特別に思ってく心のゆれうごきとか、もうちょっと詳しく書いて欲しかったし、写真のこととかお金への執着の意味とか微妙に噛み合っているようないないような。攻めは、攻め視点なのでわかりはするんだけれど、キャラが表面的というか、掘り下げた描写がもうちょっとほしかった。
 アテウマの元カレもいい奴だったけど中途半端でもったいなかった、と思ったらスピンオフがあったのでこれはよかった。けど攻めの気持ちの種明かしが簡単すぎだし、もうちょっと読みたかった。
 大学時代の友人のノンケとなんとかかんとかな話は、なんかキャラがつかみづらくて入り込みづらかった。あとがきを読むと俺様ヤンチャ受け、だったのだそうだけれど、言われてみればそうかもなあ、という感じ。

 文句が多いですが、絵はいいし基本的にはそこそこだったので、すごく期待値がうなぎのぼりだからなのです。カラーレンジャー(@レベルE)なのです。これからの作品にすんごく期待してますv

2010年06月07日

中村光『聖☆おにいさん』5

 旅先でヒマがあったのでこれとフーコーのカント論を読もうとしたが案の定フーコーはちょっとしか進まなかった。
 今回も面白かった!やっぱり天部・弟子&天使・使徒が出てくる話が好き~v

 最初の話からいきなりアナンダで、しかも妙に下界風イケメンで可笑しかった。タワーレコードが卒塔婆だったら可笑しすぎ(笑。ていうか塔=卒塔婆だったというのは知らなかった。勉強になったー(笑。
 ペトロとアンデレ(いいのだけれどあたしはペテロとアンドレの方が馴染んでいるのでどうも名前を間違えてしまう)のオレオレ詐欺ネタと、知らないって三回言ってニワトリが鳴くネタもおかしかった。パネェな!
 マーラはにょろにょろしてた!そして相変わらずかわいそうだ!ブッダがついついフォローしてるのが可笑しい!ルシファーは唐突に初登場だったー。
 弟子&天使のお年始も面白かった。ガブリエルの言葉は確かにそのとおりだ(笑。ガブリエルは一番小さくてかわいい。そしてやっぱりウリエルがカワイイィィvvv
 イースターもペトロ&アンデレで面白かった。イエスの死後に炎がやってくる話ってどこであったっけ?炎の解釈がゲーマーのペトロらしくて面白かった。きっとこの兄弟は動かしやすいんだろうなあと思うし、あたしもすごく好きなんだけど、しかしこの兄は初代教皇なんだよなあ…(笑。そしてユダは…前からうすうす思っていたけれど、ドケチ虫に似てないか…?(笑

 そんなわけでウリエルとかアナンダとか漁師兄弟とか、あたしの好きなキャラがいっぱい出てきたし面白かったv
 あと、そろそろ阿修羅さんとか出てほしいなあ。

2010年06月11日

映画『レギオン』

 ネタバレぎみです!
 バルト9で見てきました。画像はサントラで代打。
 人間を滅ぼそうという神の意に逆らい、人類を守るために地上に降り立ったミカエル。自ら翼をもいだミカエルは、銃を手に最後の希望である赤子をみごもったチャーリーの元へと向かい、ただ一人で天使の軍勢へと立ち向かう。

 うーん、設定はすごく面白そうなんだけれど、なんだかとっても勿体無かった。

 そもそも戦い方が、人間に取り付いた天使たちがチャーリーたちをおそう、という形なので、見た目は狂った人間との戦いだし、あんまし天使軍という設定が活きてない感じ。トレイラーの、天使の軍勢が空を駆けるような戦いを期待していたのに、普通のパニック映画になってしまってた…(涙。
 チャーリーの働いてるダイナーの人々やその客の描写が多かったのも、パニック映画っぽかった理由のひとつだと思う。人情話的なパートが多くて、けれども結末がああなので、なんか中途半端…。
 あと、予算があんましなかったのではなかろうかとも思う。CGもいまいちだった気がした。唯一有翼のままやってくるガブリエルのあたりとか…。ミカエルの斑紋も、いかにもマジックで書きました、という感じで…。あと翼をもいだあとの傷口とか、あんなに大きな翼をもいだらもっと傷は大きいだろうし、あんなすっぱり平らにならないと思う…。世界の終末の描写もアメリカ国内だけだし、それもラジオの情報くらいしかないし。

 それはさておき、やっぱりもっとミカエルをきっちり描いて欲しかったなあというのが一番大きい。役者さんや、コートに銃火器な外見はプーチンみたいですごくカッコよくてよかったんだけれど、なんかキャラが練りきれてなかった感じ。
 人間を愛し、人間のように生きたいと思い、神の命令に背いて翼をもいでまで地上にやってきた天使、というのはすごい魅力的な設定なのに、いくら天使にとり憑かれているとはいえ、ためらいもなく人間を殺してしまうし、チャーリーを守るのが第一とはいえ、お客を見殺しにしてしまうし(しかもその後、オードリーは助けに行くし…あれはチャーリーが無茶をしようとしたからなんだろうけれど、なんだかふにおちない…)。人類のために殺人をおかしてしまい、その後苦悩したり祈りをささげるなどの葛藤が見たかった…。あるいは、価値観の違いから、機械的に敵を倒していく様子をチャーリーやジープに恐れられ、人間を守るって言ったのになんでそんなに冷酷なの?とかゆわれて動揺させられてしまうミカエルとか。
 あと、神の命令には背いたけれど、神がくださった自分の心には背けない、というセリフはよかったのだが、ガブリエルは神の命令に従い、自分は神の御心に従ったのだ、という解釈は、そうなの?と思った。なんかそもそものこの話の根幹であるところの神の意というのがわからなくなってくる…確かに最後は、神の意志はわからないのよ、と閉められてるけれど…。なんか設定が荒いなあという印象。
 ガブリエルに点数稼ぎめ!とかゆうのもなんかなあ。全般にあれだ、ミカエルは、高潔でいて人間臭い、もっとこてこてのキャラでいてほしかったなあと思う。そもそも、他のキャラの描写が多いせいもあってか、ミカエルの描写自体が物足りない。ミカエルがもっとがっつりメインかつがっつりキャラ立ちしてる映画を期待してたんだよなあ…。

2010年06月12日

CJMichalski『森のアニマルカンパニー』

 しかし、レギオンが絵面的に結構エグかったので、帰りに脱力のんびりなBLコミクスでも買って帰ろ~と思って↓他いろいろ購入したのですが、なんかよくもわるくもそんなに後に残らなかったなあ。

 森の動物がはたらく会社に出入りしている宅配便の黒猫くんは、不吉だと敬遠されてるのですが、会長のステキ白獅子さんにあこがれてるがんばりやさんなのです。
 いつも通りのCJさんらしい、かわいそうでちょっとおバカさんでがんばりやの受けに、イケメン攻めで、ベタによかったです。なんか安心するよね!

 オッサン獅子社長とバイトのうさぎちゃんは、うさぎちゃんがエロいのは動物擬人化ものではデフォルトですね!
 互いにバイトのうさぎちゃんをねらってる仲の悪いメガネ知的イケメン雪豹×ロン毛イケメン狼はイケメン同士でよいですね!ていうかそっちが攻めとは!意外なアホの子受けでかわいいですね!
 あとがきのハングリータイガー二人は、…CPなのよね?イケメン×イケメンなのよね?
 CJさんはショタっ子が持ち味なのかもしれないけれど、イケメン同士の話がもっと読みたいなあ。今回も、雪豹×狼はとってもよかったし、黒牛と黒豹も描いて欲しかった…。

 しかし、上記メインキャラは顔があるのに、モブキャラはまんま動物なのはちょっと違和感があった。

2010年06月13日

池玲文『No.99:人間玩具』

 表題作は前にアンソロで読んでいたのだけれど、コミクス収録早かったなあという印象。気のせいかもしれないけれど。でもとても好きなお話なのですv
 両親を事故でなくして退屈なぼっちゃんのために執事が用意したのは、見世物小屋で羊男としてとらわれていたアルビノの少年。少年はぼっちゃんのおもちゃにされつつその孤独に気付き、孤独を癒しあう二人と傍観する執事がうんぬんかんぬん…ぼっちゃん、特に大人になったぼっちゃんも、そして執事もすごく素敵なのです。羊少年はあんまし内面描かれないけど、美しい存在。

 あと大鷲様の義翼をつくるために仕えている少年たちの話も、アンソロで読んだなあ。身勝手で残酷でわがままな攻め少年が少年ぽくていいですね。これも受けの内面はよくわからない。

 地下街に逃げてきたイケメンとおでぶちゃんの話…も、そういえばアンソロで読んでた!なんか読んだ話ばっかりだ!でもこれも好き~(笑、続編読みたい。

 アラビアンな王と魔法使いの話も短いけど面白かった。
 肉屋の話はなんだか藤崎竜みたいだった。
 バスで一緒になるイケメンの生徒に恋をして、まじない屋でフェロモンをふりまくほくろを買う高校生の話は面白かった。
 サド先生の時代物ぽいのはちょっと物足りなかった。

 表題作と地下街の話のおまけがちょこっとあったのはよかったv
 面白いけれど物足りない話が結構あるので、短編ではなくて連載ものまた描いてほしいなあ。

2010年06月14日

杉浦志保『SILVER DIAMOND』20

 はやぶさの帰還にオカエリナサイとカタカナなひとは、たぶんトップをねらえ!ファンだ。あたしもふくめて。
 トップはすごい面白いのに、第一話がイロモノすぎるし話自体もいまいちなので、すごい不思議だし勿体無い。って感じのことは大昔南田操も言ってて、その数年後に実際トップを観る機会を得て、なるほど確かに!と思ったのでした。

 これ読んだっけ…?と数日悩んでから購入した(笑
 うーん、ちょっとクライマックス直前…のモラトリアムが長い気がする。ちょっとだれてきてしまってるような感じ。
 ちぐさとラカンの目をつなげる、これからも一緒!ネタはよかったけれど(笑。皇子とラカンの邂逅が早く見たい。あと成重が気の毒なので、はやくラカンが助けてあげてほしい~。

2010年06月15日

凪良ゆう『落花流水』

 高校の時に好きだった教生と、ピンサロ店員として再会した攻め。彼は婚約者の妹が借金返済のためにピンサロで働かせられそうになったのをとめに来たそうで、攻めは、受けの身体をカタに借金をなんとかしてやるとかゆって云々。

 …という梗概で、強引そうな攻めとか婚約してる受けとか、あんまし今の気分じゃないかもなあ…と思ってちょっと迷っていたのですが、読んでみたら純情一途攻めの痛くかわゆいお話でした。

 攻めは受けのために、ピンサロとかかわりのあるヤクザの対立組織でヤバいバイトをして借金返そうとするわ、受けには内緒にしてるわ、結局ケガだらけのヤバい橋わたりまくりのたいへんなことに。高校の頃から、母子家庭の母が男に入れあげてたりなんだりで、かわいそうで健気でがんばりやな攻め…なんか受けみたいな評言ばっかり?(笑、でもそんな、すごくステキ攻めなのです。
 受けはもうちょっと攻めのこと気づこうよ~とか、高校で攻めから逃げたのは事情があったとしてもズルいよ~とか思ってしまったものの、最後にはいろいろふっきって来たので、よかったね、攻めも受けもね。ただ情報が少ないこともあって、攻めがそんな身体をはるほどの魅力がはたしてあるのか…?と、多少おもわされてしまった。

 オチについては、あとがき&本文中で既に触れられていたように、辛い生活の中で愛がすりきれてしまうんじゃ…?と思わされるちょっと不安なラストだったので、後日談があってよかった。でもその担保が九条というのが…(笑、ふたりを追ってるヤクザの顛末があれだし、(主人公CPがではなくテクストが)九条に負担かけすぎというか、ちょっと九条に肩入れしたくなってしまう。まあ、他に担保になれる人も設定もないのだけれど。
 そんなキャンディ好きの九条と、攻めに似ているという恋人のスピンオフも楽しみv

2010年06月16日

「メロドラマ」6

 唐突な問いに戸惑って、つい口をつぐんでしまう。
 そんなこと、考えてみたこともなかった。
 アフロディーテは、デスマスクと二人で過ごせるだけでうれしかったし、退屈な思いなどしたことは一度もない。けれど――
「シュラでも誘えばよかったな」
 今にもため息をつきそうなデスマスクに、アフロディーテは焦った。誤解を与えてしまった気がした。デスマスクは膝においたナプキンをとると、くしゃりとまるめた。アフロディーテは急いで口を開いた。
「デス、わたしは」
「無理しないでいいぜ。人の気持ちってのは変わるものだからな」
 デスマスクはナプキンをテーブルに置き、ふっと自嘲するように笑った。
 その表情で、アフロディーテは気づいた。
 きっと逆なのだ。
 きっとデスマスクの方が、アフロディーテに飽きたのだろう。
 それはそうだろうと思う。アフロディーテの取り柄といったら、この顔と、あとはせいぜい特技のガーデニングくらいだ。イタリア語もなかなか上達しないし、デスマスクが聞いてくれるからと、わがままばかり言ってしまった。呆れられるのも、当たり前だ。こうなるのがわかっていたのだ……怖かったのだ。

 だから、彼を開放しなければならない。

 アフロディーテはテーブルに手を置いて、心持ち身を乗り出した。
「デスマスク」
「つまらねえ男で悪かったな……お前をがっかりさせてよ。でも、」
 デスマスクは立ち上がり、ゆっくりとテーブルをまわってアフロディーテの横に立った。アフロディーテの視線はそれを追って見つめたまま、男を瞬きもせずに見上げる。デスマスクは視線を逸らし、口の中で呟いた。


(つづく)

2010年06月18日

椎名秋乃『BLシンドローム』

 バルトークはニガテなんだけど、「Romanian Dances」という曲がメチャクチャいい!ハマってます。↑はジャニーヌ・ヤンセンがノリノリでカッコいいのですv

 表題作は、BL趣味の姉に美形友人との妄想をされてたらなんかそんなこんな。あと、文武両道だけどアホな高校生がスポーツも勉強も出来るクラスメイトを勝手にライバル視したあげく恋愛でもはりあって、あいつをおとしてやるぜな話とか、俳優同士のゲイドラマ撮影ものとか、ノンケ友人に片思いしてたらそんな関係になってしまって責任とるとかゆわれて怒る大学生とか、バンドのCP中心に複数ものとか。

 …絵はきれいなんだが、お話は面白くなかった…。

2010年06月19日

Hirohiko Araki『Rohan au Louvre』

 髪を切った!どんどん短くなる!
 キャラセレの小冊子が来たけれど、目当てが結構少なかった…。

 洋書の注文したら一ヶ月かかった!
 日本円にしたら3400円くらいになった!
 カッコイイィィィ!!!

 …全部フランス語だからさっぱり読めないぃぃ!!!

2010年06月21日

奇妙なギャルソンと奇妙な客。

 そんなわけでついったーのアカウントをつくりました。使い方がまだよくわかってないし、うまく活用できなさそうな気がしますが、よかったら遊んでやってください。山中クロエで登録してます。

 先日は蜂郎さんマリィさんと、ギャルソンカフェというところに行ってきまして、ああいう、なんていうのでしょう、接待カフェ?設定カフェ?は初めてで、ちょっとどきどきしておりました。
 担当してくれたギャルソンが小池徹平伊集院先生似のかなりの美少年?美青年?だったのはよいのだけれど、なんというかめちゃくちゃ浮世離れした人物で、会話のリズムがめちゃくちゃゆっくりだわ、サービングもめちゃくちゃとろとろしてるわ、あなた一般社会で生きてけてるの?大丈夫なの?と心配になってしまいました。ちょう不思議ちゃん。マリィさんは『初恋姫』の花時雨だと評してましたが、ほんとどこぞの深窓のおひーさまかというか、花時雨の方がまだものになるんじゃないかという感じで、あれではきっと普通の飲食店ではやっていかれない。まあ斬新な体験でございました。

 今日は友人と旅行の相談を兼ねて飲みに行ったのですが、ちょうどあたしたちのテーブルの横が個室になっていて、でも壁のほとんどがガラスばりなので中がよく見えてたのですよ。それはいいんだけど、たぶん注文の品なのだろうお皿を持って引き戸を開けた店員さんがぎゃっと叫んだのでそちらを見てみると、なんか中の女の人達が着替えてて、下着も見えてるの。動揺して出てきた店員さん(男)が気の毒だったのでちょっと声をかけたのですが、彼が前代未聞です…と呟いていたのが印象的でした。なんだろうね、彼女たちは新手のスタンド使いだったのかなあ。というわけで今日もびっくりだったのでした。

2010年06月22日

サガミワカ『一途なしかめっつら』

 表題作は、憧れてた女好き元上司が部下になって、ポーカーフェイスなメガネがどぎまぎ。
 あと、不動産営業で部屋を紹介してイケメンエリートリーマンといっしょに暮らす話。

 …『ドラマチック・マエストロ』よりかは面白かったかなあ。可もなく不可もなくかなあ。絵もお話もなんというか、いまいちこなれていない感があるというか…。表題作とか、タイトルにあまりセンスを感じないし。

2010年06月23日

あすか『桃色砂漠』

 まあ、うん、そうね、たいがいあたしも恥知らずだとは思うんだけれど、一応BLの小説を買うときには、ビニールがけしてない限り、口絵(たいがいエロ絵)をカバーにはさみこんでレジに出してるんですよ。カバーがけのときに、自分が恥ずかしいというより、店員さんに悪いから。
 ↓ ももちろんそうしてレジに出したんだけど、代金を財布からだそうとしてると、なんか店員さんの動きがおかしい。よく見ると、なんかノベルスのカバー一旦はずして、紙のカバーそのサイズに折りたたんで、折った中にノベルスのカバー入れてんの。おま…なにしてんだよ、そんなことしたらカバー掛けるときに口絵が丸見えで…オイイイィィィィィィィ!と、ほんとうに言葉にしそうになりましたよ。あんなの初めて見た。このかけ方だと、読んでるときにブックカバーずり落ちてくるし…。

 それはさておき。妙なタイトルと、この作者の『ラブちぇん』がそこそこ面白かったのとで手にとったのだけれど、梗概で吹いて、即購入しました。

 DVDショップ経営の美青年受けは、アラブの王子様に口説かれて、一夜をともにしたのですが、王子様のあまりのヘタクソさにブチ切れ、そんなこんなで王子に夜の指導をするためにアラブにまねかれ云々。

 セレブ攻めでこんな穴設定は斬新ですね(笑。アホなコメディ(褒め言葉)で、キャラも展開もいろいろ盛りだくさんで、なかなか面白かったです。

 王子のあれ設定は、速度だけではなくて、なんかもうちょっといろいろ改善点があったほうが展開が複雑になってよかったような気もする。受けも言っていたように、個人差もあるだろうし、途中から攻めがヘタ設定がうやむやになってたというか進捗状況がよくわからなくなってしまってた気がした。
 あと、王子はそれ以外の点では何もかもに恵まれてるので、のんびりどっしり構えているのでカッコ悪くはならずに済んでいるのだろうけれど、もうちょっとくらいあたふたしてもよかったかも。その点についてではなくて、受け周囲への嫉妬とかでもうちょっとあたふたしてほしかった。や、嫉妬はしてるんだけどね。あと意外と腹黒、というか計画ねりねりなのはよかった。

 受けはさっぱりした性格と、あと最初からそういう指導のために腹決めてきてるので、王子の○○というのをしてみたい、などのお願いに気前よく応えるとこが、受けとして斬新でとってもよかった。パーティのために女物ドレス贈られて驚いても、まあせっかくだしそれもいっか、とすぐに納得して着替え始めるし、話が早くていい(笑。でも仕事のことや倫理上のことなどでは、譲れないことをきっちり守ろうとしたりもするし、なかなか魅力的な受けだった。攻めのことを誤解したりつっぱねたりするとことか、お話の都合上という感じでちょっといまいちな部分もあるにはあったけれど、ラストシーンとかでもまあいっか、って感じで、でもそれがよかった(笑。

 周囲のキャラもいい。なんか妙に人数多かったけど。
 王子の兄の絶倫変人科学者は、妙に濃いキャラだけれど、もしかしてスピンオフ狙いなのだろうか…一体どんなキャラなら相手ならつとまるだろうか…今回出てきてた中では、受けのDVD店のバイトか、王子従者くらい…?しかし、この兄はいまいち心情がわからんかった。面白かったけど。
 王子の従者が受けに襲われそうになるのがおかしかった。
 王子の両親も、特に父親は人形収集癖とかなんか無駄にキャラ立ってて面白かった。
 受け元彼はちょっと心情がわかりづらかったなあ。悪いヤツなのか、それだけでもないのか…まあ、受けが好きだったと言ってたし、いいところもあるんだろう…、と。

 …はッ。もしかして、受け元彼×王子兄か!?…それも、いいかも。かみあわなさそうで。

2010年06月24日

「メロドラマ」7

「――ったんだよ」
「え?」
 ほとんど聞き取れなかった呟きに首をかしげ、アフロディーテは問い返す。
「デス、なんて?」
 デスマスクは無言のまま脇を向いていたが、ややあってゆっくりとこちらに向き直り、じっとアフロディーテをみつめた。
「これで……お前の気を引けるかどうかわからねえが」
 そう言って、すっと手を差し出す。視線を下げたアフロディーテは、目をみはった。
「やるよ、アフロディーテ」
 デスマスクのてのひらには、細い金色のリボンが巻かれた黒い小さな箱があった。
 アフロディーテは言葉を失って、まじまじとそれを見つめた。
 どう見ても、装身具の入った化粧箱だ――これを、自分に?
 プレゼントの要求までは流石にしなかったので、これはデスマスクが気をきかせてくれたのだろう。だけどそれが、しかも。それが、装身具だなんて。
 慌てて見上げると、男は照れたような怒ったような顔で、そっぽを向いていた。
「これ、を……くれるのか、わたしに」
「そう言ってるだろうが」
「……ありがとう。開けても構わないだろうか」
 吐息のような返答を待たず、アフロディーテは箱を受け取り開きにかかった。箱の形状からもしやと思ったが、やはりリングだ。自分の心臓の音がうるさくて、外の音がよく聞こえない。震えそうな手を叱咤してリングケースを取り出し、おそるおそる開ける。

 それは、確かにまさしく指輪だった。
 しかも、たいそう趣味の悪い。

(つづく)

2010年06月25日

「メロドラマ」8

 薄青い石は大きすぎ、周囲をかざる金属も装飾過多で、繊細さが持ち味のこの石には不釣合いだ。一体デスマスクは、どこでこんなものを見つけてきたのだろう。更に、どう考えてもこれは女物だ。
「む、……これ、これは……」
 アフロディーテはつい妙な声を出してしまい、こほ、と空咳をした。
「…… きれいだ」
 少なくとも、石の色は。
 いや、石自体は相当によいものだろうと思われた。冗談や酔狂で買えるような値段ではないはずだ。それに、南海の色をしたアクアマリンは、アフロディーテの眸の色にも似ていた。アフロディーテはそっと指輪を取り上げると、水色の石にきらきらと光を反射させた。
「これは、わたしの誕生石なのだ」
「知ってる。おれはそういうのわからねえから、ムウに聞いた」
 見上げれば、デスマスクは神妙な面持ちでアフロディーテの反応を伺っていた。
「デス……」
 アフロディーテは立ち上がり、膝からナプキンが滑り落ちた。
「デス、デスマスク。ありがとう。すごくうれしい」
 指輪を握りしめたまま、彼の肩にしがみつく。おずおずと腕が背中にまわされて、催促するようにジャケットの襟をひっぱると、ぎゅっと力強く抱きしめてくれた。アフロディーテは広い胸に頬ずりをして、ぎゅっと彼の背に腕をまわして抱き返した。
「なんで泣くんだよ」
「……大好きだ」

 ぱちぱち、と控えめな拍手の音が耳に届いたかと思うと、やがてそこらじゅうからさざめくような喝采が起こった。涙を指で払って店内を見わたせば、リストランテの中は、スタンディングオベーションの様相だった。客も店員も、クオーコまで厨房から出てきて、誰もかれもがこちらに向かって柔らかい微笑みを送り、手をたたいているのだ。
「これは……」
「アウグーリ、そしてグラツィエ。素敵なドゥランマ・リリコを見せていただきました」
 すぐ隣りのテーブルから、落ち着き払った声が聞こえた。振り返れば、妻らしき婦人を連れた初老の男が、満面の笑みを浮かべてアフロディーテに話しかけていた。
 アフロディーテは恥ずかしくなって、デスマスクの胸に手をおいたまま一歩離れた。きょろきょろと周囲を見回すと、先程美女を抱きしめていた伊達男が、頬を赤黒く変色させてこちらに拍手を送っているのが目に入った。女の姿は見当たらない。あの色では、おそらく平手ではなく拳の仕業であったことだろう。ともあれ、アフロディーテがデスマスクしか目に入っていなかった間に、何らかのどんでん返しがあったらしい。
 一体男と女の間に、どのような会話がかわされたのだろうか? きっとあの後、どうしようもない陳腐でくだらないやり取りが更にくり返されたのだろう。きっと、そういうものなのだ。
 アフロディーテはそう考え、てのひらの中のアクアマリンに目をおとした。
 たいそう趣味の悪い、そしてとても美しい指輪だ。それでいいのだ。そういう物語なのだ。デスマスクが本当はどう思っているのか、何を考えているのか。それは永久にわからない。けれど――
「今日は、最高の誕生日だ」
 きっと、そういうものなのだ。
 アフロディーテは顔をあげ、いとしい男の目をしっかりみつめ、そしてにっこり微笑んだ。


ーーー
 …オノマトペから小説始めちゃ行けないって、編集長の授業で言ってたっけ(笑
 なんかあたしの書くデスマスクはすごく違う…なんかただの不器用人間だな…もっとダメ人間じゃなくっちゃ…!ていうか、タクミくんに慣れてきてしまった最近では、デスアフロが一番書いてて恥ずかしい…!

 ところであたしは基本的に一次創作ができないので、もっぱら二次創作になるわけですが、自分が面白くないものというか、まあより正確に言えば、自分が萌えないものを書いちゃいけないんだな、と最近(といってもここ数年単位ですけど)やっと気づいてなんかいろいろ腑に落ちた。きっと一次創作も同じなんだろうな。
 そしてそれってつまり、恥ずかしい場面も書かなきゃいけないってことなんだなあと思うのです。

2010年06月26日

サキラ『セーラー男子』

 神楽坂はん子『夢の果てまでも』を読んでたの忘れてまた買ってしまった、ということをマヨイガを見て知った。ブクオフだけど…でもよほど印象薄かったんだろうなあ…読んでも気づかなかったもの…。なんかどっかで読んだような、ってのが少しあったくらいで…。でもそこそこ面白かったんだけどね(笑。

 タイトルがスゴイな。冷静に考えると、セーラーは水兵さんなのだから男子で当たり前なんだが。
 表題作は自分を意識してるノンケ友人を目覚めさせるためにセーラーを…という、なんかカタルシスがあまりない話だった。
 イケメン友人がモテモテでダサい自分は嫉妬、けど実は友人もわざと、とか、友人のお父さんを脅して云々けどお父さん実は、とか、友人を犬扱いとか、なんか性格的に微妙なキャラが多かった気がする。あと最後の兄弟ものはダークなラストでコワイ。
 小うるさい風紀委員長にブラフで告白して引かせようとしたら、実は委員長が自分を好きで、という話はわりとよかったが、やはり後半物足りない。全般的に短編集でピアスなのでエロ多めで、やはりお話がものたりなーい。

2010年06月27日

エンゾウ『かわいさ余って何かが百倍』

 絵がいまいちうまくない。表題作は少しヤマシタトモコに似ているような気がしたけれど、その前の作品とかだとまた別の作家っぽい。キメ顔というか泣き顔や怒り顔がちょっとわざとらしくて、いまいちに感じてしまった。
 表題作はドSなお花屋さんと上司にいいようにされてたゲイリーマンの話。そこそこだったけれどところどころちょっとあざとい気がしたのと、あとやはり絵がもうちょっとうまかったらいいなあと思った。でもタイトルがすごくいいと思う。
 無口同級生をかまったら偽善者扱いされて、なんだかんだ交流したらこいつ不器用でかわいい~な話はよかった。おまけがすごいよい。
 父親のオカマバーでバイトさせられて美人オカマに告白される話は、女装美人が攻めなのはよかった。

2010年06月29日

ユキハルコ『王子と側近の長い夜』

 絵が目とか桃季さえに少し似ている気がするが、なんというかちょっと、かなりうまくないというかこなれてない感じ。その点だけで既にかなり目がすべるので、漫画としてちょっと厳しい感じ。
 表題作は、雰囲気とか、王子が寵愛する召使とか、甘野有記の話にものすごい似てるな…。
 野球部員と保険医の短編は保険医が天然でよかった。
 美形後輩と暴力かわいい先輩とか、天然かわいいモテモテ友人にふりまわされる高校生とかのあたりは、あんましちゃんと読んでいない。

2010年06月30日

亜樹良のりかず・橘かおる『ネオアルカディア~闇に咲く虹』

 プラチナ文庫リニューアル記念小冊子・スペシャルエディションがあたりましたv11作品116P中、文庫を読んでた作品は、つる草の封淫、愛よ灰にかえれ、幸せのデセール、恋の依頼(途中までだけど)、匣男。うーん、他の読んだことない作品も気になってしまう(笑。模範的な読者なんじゃないかな…(笑
 ところでなぜかここのところ、PNがカタカナかひらがなの作家ばかりだなあ、と…。

 天上の光の世界と、地上と地下の闇の世界があって、地上にも光のさす国をつくりたいとかゆって、光の世界の王は虹の御子を冥王の元に交渉にやるのですが、ふたりとも一目惚れでして。

 お話自体も特に面白みがないのだけれど、なにしろファンタジーなのに設定がグダグダでつらい。光の王が地上を得ようとする確とした根拠もないのになんか光というだけで正しいことしてるっぽい描写はどうなんだ。帝国主義の正当化ではないのか(笑。光の世界と闇の世界の間に黄泉の国が出来たのも唐突だったが、その扱いも適当すぎはしないか。
 それに、ベタファンタジー設定なら、魅力的なキャラクターでひっぱってくれないと厳しい…。冥王も御子も地味すぎるので、途中で飽きてきてしまった…。

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