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2009年06月01日

さば。

 ところでこないだやよい軒でさばの味噌煮定食食べたんですよ、さばの味噌煮定食。
 そしたらなんか付け合わせが、申し訳程度の緑のものとあつあげなんです。
 で、それはいいんですけど、小鉢は冷や奴、味噌汁の具はあぶらげとわかめなんですよ。

 これね、おかしいでしょ?
 結局、さばと味噌と豆腐しかないわけでしょ?
 しかも、味噌と豆腐って原材料=大豆なわけでしょ?

 つまり、よく考えると、あの食事であたしが食べたのは、ほとんどさばと大豆だけなんですよ。
 よく一日三十品目とかいうけれど、これっていくつに数えていいの?

2009年06月04日

『b-Boy Phoenix』18

 いやー。流石に疲れました。
 ここしばらくは本屋に行く気力すらなかったので、あたしの精神的健康状態はモーレツによくなかったのだなあと思ってました。いつも疲れてるときは、たくさんBL読んでるから。
 そんなわけで多少は回復しつつ、若干はなんかへんな義務感で(笑、ここ数日は本屋に日参するようにしてます。

 ちがうんだ。
 この特集が読みたかったわけではなくて、アイツの大本命が見たかっただけなんだ!

 しかし、なんかちょっと微妙な話だったなあ。ていうか、大本命以外もなんか微妙だったなあ。
 この特集って、あんましこう、路線がはっきりとは決まらないお題だし、アンソロとしてはイマイチな気がした。

 大本命は、まあ面白くなくはないのだが、なんかふつうに普段の話だった。
 ラクガキ顔は結構いい奴だと思っていたのだが、あの子がすき、というのではなく、彼女がほしい、という気持ちでアプローチしてんのはいくないと思った。
 吉田は相変わらずブサイクで、相変わらずとってもカワイイなあ。
 佐藤のごはんをマズそうにたべる設定は久々に出てきたなあ。佐藤はなんで吉田がすきなのか、というのはなんかもうすこし詳しく書いてほしいなあ。佐藤の気持ちがよくわからないので、お話全体になんか不満足感がのこってしまう気がする。

 次回はSM特集ということで、まあここ最近にしてはふつうの特集に見える…しかし次回も田中鈴木書くのか…また購入か…。なんか最近リブレのおもうツボにはまってばかり。

2009年06月05日

門地かおり『生徒会長に忠告』4

 だいぶ本誌で読んでしまったのだが、にぶい二人がやっとつうじあえてよかったねえ!という、とりあえずは。
 後半はほとんど二人が会話もなくそんなかんじで、もう延々と…(笑

 しかしやはり、前半の山城川和の話が重すぎて、素直にのんきに主役二人の話だけにのめりこめない感じ。やはりこの話にこんなふうに重い他CPは不要だったんじゃないかなあという気がする。

 それはさておき、知賀のお母さんとかよかった。国斉とのアホなやりとりとかおかしい。あと泰広くん呼びはいいな(笑。近藤の回想も可笑しい。

 本編ラストがいやに不穏だったけれど、ていうか国斉のストーカー問題とかはなんかもうすごい前の話なので、このまま忘れ去られてしまうんではとか思ってたけど、不穏な話がまだまだ残ってるのかな。ストーカーは誰なんだろう。二人の気持ちはいちおうカタがついたし、今後はそういう方面の話になるのかな。

2009年06月06日

橘紅緒・宝井 理人『セブンデイズFRIDAY→SUNDAY』

 なんか昨日のエントリ日本語が変でしたね…疲れがたまっていて、とれない模様です…。

 期待したわりにはあっけない幕切れだったなあ、という印象。

 なんだかなあ。月曜→木曜のほうが面白かったなあ。勘でしかないのだが、脚本よりも絵(漫画)のレベルでつまらなかったような気がする。
 この作家はあまり絵がうまくないなあ、というのは月木の時にも思ったのだが、なんだかあんまり漫画自体うまくないのかなあ、という気がしてきた。なんか息切れ感を感じたというか。
 橘紅緒の小説はまだ一冊しか読んでいないが、こう、直截的な描写を避けるとこが結構あると思うんだけど、この作家はそういうまわりくどい表現がうまくないんじゃないかと思う。結果として、なんかよくわからんだけの描写になってて、なんだかなあという感じだった。

 全体としては、一週間でもりだくさんの構成はうまいし面白いと思った。つまりやはり脚本レベルで面白かった。
 でも、大筋の一週間の恋人という設定はともかくとして、先輩が拘泥するところの後輩の好きな相手を勘違いするあたりとかは、すんごいベタだしオチもベタだし、そういうどベタな展開をあんましうまくない漫画で見せられると、ちょっとやっぱりへこむのですよ…。

 それにしても、このタイトル…今度こそ続き物だと気づかずに買う人が出てもおかしくないでしょう。一週間が月曜から始まるとは限らない、というのはいい過ぎにしても、どこにも二巻表示がないんだもの。

2009年06月07日

春野アヒル『トラさんと狼さん』

 将来の嫁候補としてトラ猫をひろったオオカミさん、長い狩りから帰ったら、成長していたトラちゃんはベンガルトラだったのでございました。

 トラ×オオカミの擬人化もので、あまりためらわずに購入してたあたり、あたしはやはり擬人化がすきなのだなあ、と再確認したのでした。

 しかし動物もので寿命の問題もってきちゃうのはあんまりすきではないのです。
 今作だと、オオカミの寿命はトラの半分くらいだそうで、なんかそんなこんなですったもんだがあるのですが、どうせ擬人化ファンタジーなのだし、そんなしょっぱい問題はスルーしてしまってほしい…なんかもっとちがう展開でもシリアス展開できるはずだし…。

 でもわんこトラ×ツンデレオオカミというキャラはよかったのですv役立たずはすっこんでろとかいいつつ、実はトラを危険なめにあわせたくないだけという、ツンツンしながらトラの世話やきまくりなオオカミがかわいいのです。

 絵はいまいちうまくないというか、あまり丁寧ではないなあという印象だった。

池玲文『銀閣博士とモルモット』

 近未来、天才的頭脳ながらも都市再生の研究をうちすてて、エッチな機械ばかりつくっている銀閣博士と、博士にあこがれて助手に志願したらそんなんで、へんな機械の実験台にされてばかりの助手。

 前半は博士が潔癖症で人間嫌いだとかの伏線はありつつも、基本的には変人博士と博士に悩まされる助手のアホな話が中心で、面白かった。
 後半はけっこうシリアス展開で、それもよかった。博士の人間嫌いの原因であり研究を捨てることになった理由でもある過去の事件とか、助手へのラブとか。
 というわけで面白かったのです。SFぽいとこと、軽めながらも倫理的な問題も書き込まれているあたり、あたし好みです。
 この作者の本を買うのは初めてな気がするのだが、現代物の作家というイメージがあったのだけれど、こういうSF系の話結構書いてるのかな。最近の雑誌掲載短編もSFとかややファンタジーとかだったよね。ちょっと他のコミクスも買ってみようかな。

 初出一覧を見ていて、年表なんてどこにあったっけ…とめくっていてそこでやっとピンナップを見たが、カラーきれい。年表はカバー下にあった。

2009年06月08日

ミエノサオリ『花影の記憶』

 幼なじみの貴族の子と執事の子兼ガーデナーみたいな。
 昔は他意なく仲良くしてたんだけど、大きくなっちゃうとそうもいかず…って故郷か!魯迅か!

 まあなんだ、BLにはよくあることですが。ていうか故郷がBLなのか(勿論冗談ですよ、冗談。

 それはさておき、これまた貴族物BLにはよくあることながら、熱烈ラブな貴族にたいして、執事は彼のために身をひかねば、と思い込んでて、かえってそれが攻めに大迷惑をおよぼすという、受けもうちょっと周り見ろ系のお話なので、ちょっと読んでてイライラさせられる。ので、個人的にはイマイチだった。
 ふんわりした雰囲気と昔の少女漫画みたいな絵はちょっといいけれど、絵にも設定にももう一歩独自性がほしいなあという印象だった。

神香うらら『桃色☆王子―胸の秘密はミルキーピンク』

 ちょっと変態ぽい話(テキストのじゃなくてあたしの)が出てきますので、すみませんです。あとネタバレもしてます。

 風変わりなほど赤い赤毛を気にしてる小国の第三王子は、ちょっと年上の大国の第一王子とおさななじみなのですが、成人式でなんかプロポーズされるのです。なんとか逃げようとがんばるものの、攻め王子が病気だとの知らせでとるものもとりあえず駆けつけてしまう受け王子。なんでも攻め王子は特殊な病気で、愛する者の母乳を飲まないと治らないらしいのです。

 …結局おちち出てこなかったじゃないか。詐欺だ。くそう(綴じ込み部分は妄想だったので除外です。
 ていうか、まさか攻め王子の病気は受け王子をだますための工作ではないわよね?まさかそんな安いオチではないわよね?という不安も的中し、ガッカリなのです。
 というわけで、あたしはド変態小説を期待してたのに、ただの強引攻めとかわいくて若干ツンデレでちょっとおバカな受けのお話だったのですよ。

 あと二人のキャラ立てもちょっとよわく、攻めはなんか強引なばっかりで、受けのことあんまし考えてなくないか?というとこもあったり、あとなんでそんなに受けに執着するのかよくわからない。受けは受けで、話の流れでは成長してからも攻め王子に結構なついてるっぽい感じだったのに、プロポーズ後の反応は変なこと言う幼なじみにツンツンしてるだけにしか見えず、なんか幼なじみと仲良し設定とはちょっと違和感があった。

 綴じ込み小説とかスクラッチとか桃のにおいつき、とかアホな装丁はたまには面白いね。でもよく見ると、これ文庫にしては結構高いね。
 でも好きな作家さんの小説をこういうアホ装丁で出してくれたら、すごくうれしいだろうなあ…。高尾理一とか、夜光花とか、出してくれないかしら。

2009年06月09日

サキラ『暴走カレシ』

 初読作家なのだが、紅蓮ナオミと桜遼と定広美香かなにかを足して割った感じだった。
 短編集で、ゴツめの受けが結構いるのはよかったのだが、内容をほとんど覚えていない…。表題作のメガネ×ヤンキーとか、いいとこの坊ちゃん×ガテンのおじさんとか、まあCPで書いてる感じで、ピアスだし、あんましお話はなくってそういう感じだったのです。

2009年06月11日

牛乳リンダ『ご主人様系ダーリン』

 高校生×ネコミミ宇宙人。
 発情期の宇宙人とかそんな感じ。なんか展開もキャラもゆるーい話だった。宇宙人のお父さんがちょっと怖い。宇宙人のおさななじみがもうちょっと攻め寄りだったらよかったのに。
 高校生ものとか他の短編も、ゆるい印象。絵がまったりしているせいだろうか。

森住凪『異国の館に恋の降る』

 明治期、建築家の書生ぽいことしていた日本人子が、御主人様が友人のヨーロッパ某国貴族に頼み込んでくれたおかげて、建築を学ぶため留学することになりまして。

 架空の国なのは、考証が面倒だからなのかなあ。
 それはさておき、友人に頼まれたから仕方なく、という感じの貴族さまと、がんばりやの受けなのだが、なんかわりとふつうの話だった。受けが好奇の目にさらされたり、攻め父に排除されそうになったり、攻めは意外に受けを守ってくれて、ラブ。

 貴族×平民ものはわりとすきなのだが、すごくダメでもなく、面白く感じられる部分もなく、ちょっと読んでて平坦でつらかった…。
 あと攻めが受けのがんばっている様子を見てほれる、というのはありきたりすぎるなあ、とか思ってしまうのは、しかしなんだか随分すれた感想だよなあ。

2009年06月12日

かゆまみむ『団地ヅマ観察』

 あたかもゲイの桃源郷のようなマンションのエロ住人CPたちと、それをみまもる管理人さん。

 各部屋で道具とかオヤジ受けとか3Pとかお題があって、もりだくさんなのはよいのだが、ちょっと怒濤すぎて目が回る。そして好みでないシチュも出てくる。それぞれが短いのでキャラが立ちきらないことも多い。
 でもまあなんかにぎやかエロ、という感じでそれはそれで。

 実はドS優等生×不良同級生はよかった。高校生同士CPと、受けの兄CPのなんだか妙な4Pは、妙に面白げだったのでもうちょっと読みたかった。すんごい短い話に四人も出てきてなんかよくわからんまま終わってしまって勿体ない…って、そういうよくわからんまま終わってしまった話が多くて、全体にあんまり印象に残らなかったんだよなあ。
 あと、管理人さんが攻めだったのと、大学生管理人さん×マンション管理会社営業さんはなんかあんまし燃えないCPだったのはちょっと残念。

やまねあやの『ファインダーの真実』

 ファインダーも何時の間にか五冊目なのだね。しかし、うわあ。まさかネイキッドトゥルースが終わるとは思わなかった…なんか永遠に終わらんのでは、という感じがしてたよ。

 案の定フェイロン×秋仁は特に進展はせず…や、わかってたことですが、ちょっと淋しい…。もうちょっとだけでも、秋仁がフェイロンの特別な存在になるといいなあ…。でもそうなると、麻見にかないっこないフェイロンがかわいそうか。
 あと、よもや窒息までとは思わなんだ。

 しかしとはいえ、なんで秋仁はこんなモテるのか。尻が丸いからか(笑。ていうかそもそも、麻見はなんでこんなに秋仁に執着してるのか。よくわからん。単に秋仁が魔性っ子なのか。ファインダーはもともとは長期連載する予定だったようには思えないし、単にそのあたりの設定とかがゆるいまま来ているのかな、という気もするけど。
 でもそういうイミフながらも男同士ってのは、なんかよくもわるくもBL的だなあという気もするし、ハードボイルドぽい話でやたら痛そうな話多いけど、ファインダーはすんごい王道なBLなんだよなあとも改めて思う。

 初回限定のオマケペーパーがついてるのだが、なんか二種類あるらしい…そんなん、一体誰が集めるというのか…別バージョン、まだ売ってるかな…。
 またリブレの思うツボか…ていうか今月のリブレの新刊は、久々に随分揃えたなあ…ツボにはまりこんでるよ…。

2009年06月14日

立野真琴『ミューズの学園で逢おう』3

 三巻目かーと感慨深い。
 しかし、CPが増えすぎてアレ?これどういうCPだっけ、とよくわからん状態。キャラ総出演の試験の話とかちょっとてんてこまい。

 会長とかわいこちゃんの話は、なんかベタでもうちょっとこうひと味ほしくもある。
 ラストのベーシストと元バンドマンの話は、なんか更にベタというか、BLとしてはちょっと古くさくもあり、よくもわるくも立野真琴らしい気がした。なんというか、昔の花ゆめのよくもわるくも古くさい少女漫画的な感じ。

飴屋カナメ『君のおいしい愛し方』

 駅のコンコースに空中レジスターが巣をつくっているのです。
 あとファインダー、結局別バージョンも買ってしまいましたよ…フフフ。ペーパーだけではなく、表紙自体から別バージョンだったのね。

 パティシエ×ケーキ好きの美大生。
 パティシエの店でアルバイトをしつつ、貞操を狙われつつ、ケーキがおいしくて云々。

 絵が不安定で落ち着かない。動きのあるシーンとかちょっと厳しい印象。
 お話としては、まあ特に可もなく不可もなく。各話が短いのと、ふわふわした感じなのとで、あんましどうもこうもない感じ。結構展開はシビアなとこもあるのだが。
 パティシエの元カレに嫉妬して云々な受けの話は、なんというかちょっとイタかった。

 短編の殺し屋の話はちょっとよかった。モサ男をイケメンにして云々の話とか執事大会の話とか、もうちょっと続きも読みたい。

2009年06月17日

砂原糖子『15センチメートル未満の恋』

 仕事は忙しいし飲み会に行けば帰れないし。なんぞこれ。

 ドールハウスづくりが好きだったけど、芸術方面の才能はいまいちだったため、結局模型制作の仕事をしてる受け。ある日ドールハウス仲間で、でも愛想なしであんましすきじゃなかったところの元同期が、なんか海外の賞をとったので展覧会にこいというのです。いやいや行ったらなんか約束を果たしたんだとかいうのですが、約束てなんのこと?とかごたごたしてるうちに階段から落ちて、目が覚めたら12分の1ドールのサイズになってたのですよ。

 攻めの手元でドール生活…という色モノながらあたしの大好きな設定で、ふふふなのですよ。
 けど設定はいいとして、なんかいまいち物足りなかったなあ…絵が、攻めの絵がちょっといまいち…。あと、攻め視点の語りがなくて、あんまし内心を語らない攻めだし、本能だけで生きてるみたいで、なんで受けをすきなのか、どういうふうにすきなのか、とかよくわからんかった。
 ドール生活はよかった。攻めのドールハウスは落ち着かないからと自分のドールハウスに住みたがる受けとか、攻めにゼリービーンズなげつけるとことか。

2009年06月18日

鈴木理華『タブロウ・ゲート』4

 相変わらずかなり面白い。
 エリーがパメラに嫉妬してんのがおかしい。
 なんかサツキのアレイよりレディのアレイのほうがサツキ愛をはっきり出してるような…や、ちゃんとサツキのタブロウしてるんだけど。サツキアレイのサツキラブをもっと読みたい…。
 レディは寝てばかりだなあ(笑

 リガルディはホイールオブフォーチュンかと思った。人間の形にはなんないのかな。なんかさびしい。
 スターは角川版で美形だったから期待してたのに、あんな顔で出てきてあんな性格とは…でもそういえば前もイレイズに近づいてたか。
 あと猫のアンナがタブロウだったことに今回初めて気づいた。

 大分タブロウも出てきたけれど、まだ半分にも達してないんだよなあ。
 ワールドとかエンペラーとかどんなのだろう。楽しみ。
 しかしこれ、何巻まで続くのだろう…。

2009年06月21日

大久保ニュー『坊や良い子だキスさせて』1

 コメディエッセイぽいゲイコミ。
 ゲイのせちがらい語りは、なんか…江古田ちゃんのゲイバージョンみたいな印象…。

 短いお話の連続なので、がっつり楽しむ感じではない。そしてゲイエッセイぽい感じなので、なんというか、基本的にがっつりハピーではない…。
 うまくいえないのだが、ハッピーエンドというのは、BLというか、少女漫画の文法なのかもなあと思った。勿論ハッピーエンド=少女向け、ということではなく。

 そんなわけでしょっぱい話ばかりですが、まあ面白かったです。最後のお話が次巻に続くになってるので気になる…でもどうせしょっぱいラストなんだろな…(笑
 表紙がゴリいのですが、中身はまるっこいウマヘタ絵というかそんな感じ。表紙とタイトルが、あんまし中身を反映してないので、ちょっと戦略的にどうなのかなあという気もする。

山田芽依『桃源上海―アイノアカツキ』

 なんちゃって上海で男娼をしてる受けは、客にボロボロにされた帰りに上海をまとめるマフィアのボスに出会ったら、出奔してた義兄でした。なんだかんだで義兄の専属にされて、反発する受けなのですが云々。

 なんかやたら話というか、ラブの進みが遅いなあと思ってたら、以下続く、なのか…!!くそう。ひどいじゃないか。
 受けがああまで義兄を拒絶する理由がなんかよくわからんかった。圧倒的な力でもって自分を見下ろす義兄への反発とか、自分の甘えた部分に気づかされたとか、それらの複合なのか、微妙に納得できない感じ。あたしの読解力不足なのだろうか。
 義兄は義兄で、一体何があったのか、受けのことをどう思ってたのか・思ってるのか、なんかよくわからんけど、こっちはこれから語られるのかな。
 いずれにしてもとにかく一巻ではラブまでたどり着けてないので、義兄に反発しつつさんざんな目にあう受け、というだけのお話しかない感じなので、ちょっとしんどい。

 ところでこれ、サイトで連載されてたお話なんだそうで、それはいいんだけど、調べてみたら、…これ、到底二巻くらいじゃ終わんない分量あるんだね…ちょっと気が遠くなりそう。

2009年06月23日

ながいけん『神聖モテモテ王国』1

 久々にあの脳がとろけるような感じを味わおうと、ナオンと彼らだけの約束の地に降り立つ。とはいえ最初の辺りはいまいちノリが徹底してないのは何かの陰謀じゃよー!後半からは絶好調で脳がとろけた。
 新連載はどうなっているのかなあ。

小川いら『ドクターの恋』

 小川いら名義はたしか初めて読んだ…のだが、結論(?)からいうと、水原とほるの良くも悪くも淡々としたとこが前面に出てきてる感じで、ちょっとあたしには合わなかった感じ。しかしこの一冊だけではわからないので、もう少し読んでみたいと思う。

 麻酔科医の受けはゲイで、アメリカ帰りのスゴ腕外科医はイケメンだなあと思っていたら、なんか食事にさそわれてあれよあれよという間にそういう関係になってしまいまして。でも攻めは受けのことを軽いやつだと思ってるっぽいし、なんかこの病院に長居する気はなさげだしなので、軽々しいゲイを演じてはみるものの、しんどくなってきて云々。

 受けが勝手に悪い方へ考えてもんもんとする系なので、ちょっとしんどい。もうちょっと攻めと対話(話し合いではなくてもいいから対話)してほしい。
 攻めはなんか過去の恋が強烈だし、この受けに惚れたきっかけとかどんなふうに好きなのかとか、攻め視点の続編があってもなお物足りないので、もうちょっと詳しく書いてほしかった。

2009年06月28日

『エロとじ VOL.2』

 念のために買った。
 そうだろうなあとは思ったんだけど、夜光花の短編はやっぱり再録なのね。ていうか再録アンソロなのかなあ。だとしたら随分なことだ。でもこんな短いお話では単行本化はしなさそうだし、まあ保管用って考えれば…いや、保管用にしては随分分厚いが。

 でもあとのお話は初めて読むし、玉石混淆ではあるけれど、高尾理一が馬主×騎手を書いてるし、かわい有美子のドイツっぽい帝国の軍隊もの・部下×片腕を失った撃墜王はとってもよかったが、これはもうちょっと長編で読みたかった…。

 短い漫画も三本入っていたのだが、3ページとかでエロいれてオチつけるのはたしかに大変なのだろうし、そういう意味ではみなみ遙は一番このアンソロ向きにきれいにまとめているのかもしれないと思った。川唯東子はいろいろやろうとしたあげくにあさっての方にいってしまった印象だ。そして国枝彩夏はすごいウマイな。綴じ込みを切ったときに最終ページが先に見えてしまったのが残念だ…。

 なんでもいいからリブレははやく夜光×本仁のトンデモ本を出すんだ!

本仁戻『耽美主義』

 今週はとくに忙しかったのです。
 随分間があいてしまいました。あんまり本も読んでいませんが。

 本仁戻の耽美方面の志向はあんまし(他の志向ほどには)すきじゃないかなあと今までは思ってたんだが、やっぱりあたしは本仁戻が好きで、あと耽美的なのも結構すきなのかもなあと思いつつ。
 しかし、このタイトルはなあ…(涙。こんな直接表現、ぜんぜん耽美じゃないと思うのだが…。耽美の追求よりもデクラレーションをしたかったんだろうか…。

「ヴィスコンティの映画のように」純文やめて推理小説書いてる作家がみそ汁の上手な美少年家政婦を募集したら、ちょっとトウのたった美青年がやってきて云々。
 耽美というか、耽美的なふんいき礼賛というかんじ。ちょっとついていけない。あとがきにいうこの人中二病なんだわ感が一番強い話。しかしイマイチ感があるのは、ヒゲの作家が顔がいまいちでキャラ的にもびみょうだからかもしれん。耽美な文を書く作家が、しかしすごく普通な感じなので。でもだからこそ夏が終わっちゃったという話なんだろうな。ミスくんはイイ。メガネだし。

「ロマンティック」華族の男×ドイツから連れ帰った執事。親族に妻、使用人と周囲すべてを敵にまわしてプラトニックを貫くふたり。
 これだよなあ。これは凄い。凄みがある。本仁戻のこれまでの作品の中でも、1、2を争う傑作なんではなかろうか。アンハッピーエンド嫌いのあたしではあるけれど、本仁戻という作家という部分をさしひいてもこれはいい作品だと言える。
 旦那様が、執事にすべてを捨てさせて忍耐をしいているズルさでもって、そんで適当に美形で、すごくカッコよくはないので、この微妙なさじ加減がとてもイイ。執事はオーソドックスにアーリア系美形で、しかしそういえばやはりメガネ…。
 あとがきによると、この二人の連載がはじまったそうでワーですよ。ゴールドの次の号がもうでてしまうので、該当号は書店でみつからないからアマゾンで注文しましたよ。しかしグランギニョルってフランス語じゃなかったっけか。あと、やっぱ連載でも結末はカタストロフなのか。破滅に向かっているとわかっていながら連載を追うのはきつそうだな…。

「浄められた夜」姉の夫×金持ち一人娘の血のつながっていない弟。さんざん苦しまされた姉が亡くなって、その夫と同居しつつ彼を恋いつづけつつポルノを書く弟。
 これ前にアンソロで読んだんだが、オチ理解してなかったや…。ちょっと筋が弱いし、キャラ立てもいまいち弱い気がする。シェーンベルクはよくわからない。あれ?これも受けがメガネか。

「ヘタリマ!」義理の兄×弟。弟の痛みをひきうけたり、オッドアイだったりする兄の正体は云々。
 これなあ、コメディタッチだけれど耽美にも読めるし、タイトルなんとかしてほしかったなあ…(笑。モノローグまでしっかりヘタレでいい。あとヘタレだと思ってたリーマンが意外とアレなのはBLらしいといえばらしいのか、と思った。あとリーマンがメガネ。

「コロシヤドロップ」殺し屋を廃業した飴屋の元にお仕事が云々。
 ヤター。やっとコロシヤドロップ読めたよ。本仁戻らしいコメディですね。BLではないけれど。

「侵食する死のガスパール」ヘタリマ兄弟の小説。…やっぱり漫画のほうが好きだ、すみません。

 結論として、本仁戻の耽美はイコールメガネなのではないかと。や、あたしもすきですけど。メガネ。

2009年06月30日

明治カナ子『惑溺趣味』

 今回もいいお話がいっぱいあって、アンハッピーエンドぽいのはひとつだけで、とてもよかったですv

 表題作はパトロンのおじさま×学費がほしい大学生。イロニックなやりとりしつつ、嫌われたくなくて甘えられない受けとか、実は影で大変な攻めとか、とてもよかった。古めの作品ということもあってか、ちょっと『キモチの行方』とかを思い出した。
 大学生の友人同士のはちょっと薄目だった。
 大学教授がアングラな術で人の身体を借りて、研究室のメガネ院生にうまくお持ち帰りされて後悔する話はとてもよかった!その後も読みたい!(笑、カバー下にすこしあったけれど。
 ペットロスの金持ち×その犬の生まれ変わりだと思われてるフリータの話は、ちょっとオカルトっぽくてかなり面白かったけど、攻めは受けが犬でなかったらダメなんだろうなあとちょっと淋しい。
 材木屋の中学生の話は淋しい…。

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