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2011年07月01日

いとう由貴『危うい秘め事』

 傲慢医者と美形メガネ弁護士の友人CPと、つねづね複数人での適当な遊びを楽しんでいた若き美形会社社長は、地味な書店員に親切にされて惚れてしまい、食事にさそうことすらできないピュアっぷりだったのですが、くだんの友人CPときたら書店員をさらってお膳立て、社長はその痴態と彼が自分を覚えていなかったことにカッとなってしまってそんなこんな、監禁陵辱のうえ自分を受け入れろと無理強いするのだけれど、云々。

 お話自体は、後半までわりとすんなりとした筋で、ちょっと物足りない感じもあった。攻めは非道なばっかりで、受けはどう受け入れるんだ…と心配しつつ、しかし受けもそんなに魅力的なキャラでもないので、さらさら読んでたのですが。
 しかし、このオチは…まあありきたりとは言わないけれどそれほどには意外でもないし、そこにいたる受けの感情や反応はもうちょっと丁寧に描いて欲しかったなあという気もしたのだけれど、でも面白かった(笑

 攻めは非道なばっかりで、まあちょっと狂的なとこはよかったけど、でもなかなか好きになれなかったんだけど、しかしおしまいまで読んで改めて考えてみると、やっぱりこのひとが一番の被害者だよなあ…(笑。受けをさらって一連の非道のきっかけをつくったのも脇CPなわけだし。
 受けは上述のように、もう少し末尾の変化を丁寧に描いてほしかったなあ。
 脇CP二人は、なんか…いいんだけど、なんか、機能っぽいというか、正直にいうとこの二人はお道具みたいな印象で…(笑。

 や、しかし、この後どうなるんだろうー?ちょっと後日談読みたい感じ。もうちょっとくらい攻めは幸せでもいいと思うし、それが受けの幸せにもつながるんだろうと思うし…。
 しかし、絵は残念だった…。

2011年07月02日

こうじま奈月『風紀のオキテ』3

 うーん…。なんかこう、微妙に構成や設定が練られてない感があるというか…。受けとアテウマっぽい攻めの双子弟が両方メガネとかね。あと受けの設定が、なんだっけ、条件反射で人を攻撃とか純粋よい子とか、なんかいろいろあるけどいまいちキャラたってない気がする。なんでシッサがすきなんだっけ。あとシッサに知られたくない秘密?というのもよくわからなかった。もう書かれているのか、まだ何かあるのかすらよくわからん。
 そういうとこもふくめて、いまだに謎が多く、さらに2巻までの話もそろそろうろ覚えなので、全体的にケムにまかれてる感じもしてしまう。シッサはなんで眼帯なんだっけ。受けがケガさせたんだっけ。なんか全然大丈夫そうだったけど。あと手袋の謎はまだわかんないんだっけ。

2011年07月04日

桃山なおこ『この世界でたった二人』

 わけありぽい男のケンカっぷりを見て、跡目争いにまきこまれそうなヤクザの次男坊は彼を用心棒にやとう。次男坊の愛人である足のわるい美青年をまじえ、しだいに次男坊→愛人→用心棒→…な関係に。

 …うーん、キライじゃないけど、帯に短し襷に長し、という感じ。
 昭和な雰囲気とか用心棒以外の土地の人々の小倉弁とか、雰囲気はすごくいい感じ。絵はそんなにうまくないし、おじさんとか見分けづらいとこも少しあったけど、全体的な感じがいい。けどお話の筋だけでひっぱっていけるような魅力は十全ではないなあ、という感じ。
 で、一方恋愛面はというと、三角関係はおいしいのだけれど、やや物足りない。次男坊がなんであの愛人のこがすきなのか、用心棒がなんで彼に思い入れたのか、がいまいちしっくり伝わってこない。
 ていうか一番気になるのは、ラストはお話としても恋愛物語としてもわざと宙吊りにしてんのだろうけど、その余韻を楽しめるほどの地場はなかったなあ、という感じで物足りなさが残ってしまった印象。うーん、なにかが足りない感じで、それはラストの描写なのかもしれないし、あるいは他で補えるのなら他でもいいんだけど、ともあれ物足りないなーという感じはする。

2011年07月05日

館野とお子『運がいいとか悪いとか』

 なんか久々に見るとこの人の絵は西田東に似てる、気がする。

 先輩に恋するリーマンが、他部署の男に声かけられて、先輩だと思ってていいし気軽にやってみようとかゆわれてそんなこんな。

 うーん、CPはそっちか~。あたし的にもそっちなんだけど、今回はそっちの攻めがちゃんと受けをすきなのか、なんで受けをすきになったのか、があんましはっきり書かれてなくって、ちょっと消化不良気味だった。あともう片方の攻めもちょっと惜しい…(笑。あ、受けも先輩大好きで他が目に入らない、けど行動はしない、という感じが身勝手なだけに見えてちょっと魅力にかけるかも。身勝手さが魅力にまではなっていない、というか。
 そんなわけで、ちょっと物足りないし、正直絵はあれな方なので、いまいち満足感に欠けたなあ、という感じ。

2011年07月07日

水無月さらら『美少年は32歳!? 』

 ネタバレぎみです。
 イケメントレーダー30歳台と、顔はかわいいのに地味オタクな高校生の中身が入れ替わってしまっててんやわんや。

 …なんか非常におしい。
 そもそも、ふつー入れ替わりものってのは、いけすかないあいつの身体に入ってみたら、苦労とかいいところとか見えてきてラブ、ってのが王道、だと思うんだけれど、こんな赤の他人同士が入れ替わってくっついても…なんだかな!入れ替わった後の苦労もそんなに共有してないし、なんでお互い好きになったのかもよくわからんというか、行き場のない二人が寂しくなったというか必要にせまられてというか、な感じに見えてしまって、この二人がくっついてもあんましうれしくなかったというか…。

 ていうかむしろ、それぞれの恋人と友人との関係のが面白かったのにー。
 トレーダーの恋人は役者を目指す美形バリネコちゃんで、トレーダーはあんまし本気でもないけど恋人は彼が大好き、という関係で、中身がヘタレ高校生になっちゃったイケメン恋人がかわいくなっちゃってバリネコなのに押し倒しちゃって…というなんておいしい展開!!…なのにそこで恋人を裏切った自分に絶望してフェイドアウトしちゃうんだもの…真面目でいいこなんだもの…。中身高校生になっちゃったイケメン恋人の世話真面目にみてたし、俳優目指してカテキョでバイトしてたという賢さもいいし、すごくいいこなのに!それに、美形ネコ×かわゆい高校生ネコの百合CPが見たかった!(涙

 一方、トレーダーは高校生になってかわゆい外見磨いて高校生生活満喫してて、おいおい!って感じ。上述の恋人がかわいそうだし、トレーダーになっちゃった高校生はぜんぜん人生楽しめてなくてかわいそうだし、なんかトレーダーだけいい思いしやがって…という感じ。まあ、トレーダーがあんまし人とかかわらないキャラであったということがわかり、そういう彼が成長するという側面もこのお話にはあるのだけれど…。
 思うにしかし、この作家さんは、よくも悪くもキャラをみんな突き放して見てる感じがして、こういうトレーダーみたいなキャラの短所を淡々と書くので、恋愛物語の攻めというよりも発展途上な少年漫画的キャラみたいというか、なんかうまくいえないけどBL的に違和感がある気がする。それがこの作家さんの特徴であり魅力となる場合もあると思うんだけど。や、基本わりとすきな作家さんなので。
 それはさておき、高校生の友人のデブオタクくんも昔はかわゆい子役だったとか、今は人にキモがられるのが楽しいとか、濃ゆい智識とか、面白いキャラで、トレーダーもそんな友人を最初は敬遠してたものの、次第に内面を知って信頼していく…というのは結構オイシイし、イケメントレーダー×デブオタク(でもたぶん磨けば美形な)高校生、というCPもよかったのにな!

 まあつまり、CPと恋愛物語としての物足りなさ、ていうか主にCP、で残念な感じだったのです…。

2011年07月10日

夜光花『偏愛メランコリック』

 右側にならぶプレビュー見ていて、やけに人数が多いな…と気づいてどっきり。BLの表紙ばっかりなのに。

 先輩の代打で人形写真集の編集をすることになった人形ぎらいの受け。偏屈な人形師に会いに行ったら、溺愛している人形にそっくりだとかで一目惚れされて、けど編集業務はあるしイケメンなので惚れられてそう悪い気もしないし、けどアブノーマルな道だし…という感じでして。

 攻めはエキセントリックで、主に受けへの執着が常軌を逸しているのだけれど、天然で不器用で常識がないダメワンコという感じで、もっとカコイイ感じかなーと勝手に思ってたので意外だった。ていうか、あとがきで作者もイラスト蓮川先生なんだからカコイイ攻めにすればよかったーとか書かれてたけど、まさしく同意なのです(笑

 受け編集があんまし好きになれなくて、なんというかあまりいい意味でなくわりと普通の人だなあという感じだった。イケメンだから悪い気はしないとか流されたり、仕事のためにと攻めをコントロールしようとしたり、ズルイとこもあるし、小心者だし、な感じ。けど末尾とあとがきで、そういうわりとしょうもない普通の人間が、自分はそこそこいい奴だと思ってる状態で、それを自覚する話、だったのだとわかってそうなのねーと納得。けどこの濃ゆい攻めにたいして、受けのこういう物語まで持ち込む必要はあったのかどうか…(笑。

 そんなわけで、全体的に思ったよりはライトだったかなあという気もするけど、面白かった。
 あとこれもあとがきで作者がはじめてのプラチナ文庫なのでかわいいお話がいいかと思って…と書かれていて、プラチナ文庫ってそういうカラーだったっけ…と少し考えてしまった。リニューアル後はやはりそういう傾向を目指していたのかなあ…。

2011年07月11日

空知英秋『銀魂』40

 レディガガの徹子の部屋見たー。かわゆいな!音楽はキライじゃないけどすごくふつーなのでこれまであんまし興味はなかったのだけれど、真面目っぽい人柄でかわゆいな。自分の中退の話になって、学校を卒業することも大事だけど、と留保つけたりとか、自分のセールスや慈善事業についてもへんな謙遜もせずに語ったりとか、すごくまともでいいなあ。

 前巻よりはよかったけど、なんか最近ほんと下ネタ多いなー。それに、スノボとかラブプラスとか携帯とか、小物に頼った話ばっかだなー。あと、最近絵の荒れっぷりがひどい…ちょっと心配。

 スノボの話は銀さんと土方のかけあいがいつもどおりかわゆかった。あといつもどおり上様いじめすぎ。
 ラブチョリスの話は、沖田が…(笑。ドSコンビって、銀さんはただのいじめっこだけど、沖田は性的嗜好として書かれてるからちょっと意味合い違うよね。そして打たれ弱いドS…(笑。しかし銀さんはカコイイなー。
 携帯の話は、銀さん久兵衛くんとメアド交換してんのかよと萌えたけど、なんかみんなアドレス知ってた(笑。

2011年07月12日

かゆまみむ『ヤンキーくんとパンツの王子様』

 金持ち学校の中で遠巻きにされたり悪く言われたりしてるヤンキーくんと、先輩王子様のはなし。パンツは…先輩が誕生日にくれる感じ。

 …この作家さん、こんなにヘタだったっけか…絵もお話の筋もてんやわんやすぎる。おかしいなあ…。先輩とヤンキーのくっついた経緯とか学校でのそれぞれの扱われ方とかの背景の描写も雑でよくわからんし…。なんだかなー。

2011年07月13日

西村しゅうこ『紅槐樹の雫』

 ねたばれぎみで!
 キャリア警官の友人攻めに、なんでか5日置きに抱かれてる受け刑事。実は鬼と鬼の嗜好品たる槐の樹、の生まれ変わりでして。

 そこそこ面白かったというか、この作家さんのアベレージはたもっているというような印象。
 しかし、もともとの友人同士の関係性がよくわからず、いきなり5日置きに友人に抱かれる…というとこから始まってるので、いまいち関係性が把握しづらいし感情移入もしづらい。全体に紙幅が足りてないなあという気もする。
 あと、そういう描写の足りなさのせいもあるのかもしれないけど、この作家さんの攻めと受けはいつも同じキャラに見える…。真面目堅物っぽくしかし受けに一途で情熱的な攻めと、運命に翻弄されるけど攻めの役に立ちたい純情健気受け、という感じ。
 しかし鬼と槐という設定はトンデモだなーと思ったけど、よく考えたらこの作家さんは常にトンデモだよね(笑。トンデモセレブもしくはトンデモファンタジー…どっちも好きだ(笑。

2011年07月14日

扇ゆずは『ラヴァーズ・サマー 完全版』

 未収録+描きおろしがあるというので、描きおろしって、絶対あたし文句言うんだろーな…と思いつつ購入。
 あと、中を見てビックリしたんだけど、リヒト×みちるのスタアシリーズまで収録してた…スタアの方が分量多いのにサマーシリーズが表題作になってるのは、スタアのコミックスからまだそんなにたってないからだろうなあ。
 そんなわけで、あんましヤーな感想書きたくないなあ、と思いつつ、でもやっぱり読むし、感想書くのです。だってこの表題作大好きなんだもの!

 とりあえず、あたしはこの作家さんは、欝展開もののほうが好みだったんだなあ、と思った(悲しき過去形…今は既に絵でダメになってしまったので…。
 この表題作は、政治家の息子高校生が、名門野球部の期待の新人後輩を手ひどくイジメたり、ケガをした自分の面倒をみさせていたけど、実は…という欝展開だけど結局はハピーで、一途ワンコイケメン×一見ワガママなツンデレ美人、しかも野球部×野球部なのでガチムチ×細マッチョという、すごくあたし好みなお話なのです(笑。甚大はカッコよすぎる~静美人かわゆい~。

 そして、コミクス未収録の分は読んだことなかったのでよかったvしかし…描きおろしは…!(涙。最近の絵はやっぱ何かが崩れてしまったなあ、というのと、静が…性別受けみたいな身体になってしまってて…(涙。しかし、何が変わってしまったのか…デッサンおかしかったり、書き込みすくなかったり、前よりも線の力がなかったり、する気がするのだが…。

2011年07月15日

サクラサクヤ『王子、池袋系。』

 池袋のアニメグッズ店につとめるオタク青年は、偶然知り合ったイケメン王子リーマンとゲームの対戦したりしてなんか仲良くなって、王子は妹のBL本に感動したり、オタク青年を異様に気に入ってる自分を自分でも変だと思ったりでそんなこんな。

 王子攻めとオタク受け、というのは最近わりとある設定だけど、いまいちパンチに欠けてた気がする。王子は最初からオタクでもよかった気が。後半はほとんど、受けが恋愛に慣れてなくてぎごちなく付き合いを深めていく…というのは、オタク設定なくてもよかったし、なんというか、イケメン王子とさえない受け、でもよかった感じかも。オタク設定にしてアニメイトに取材までするんなら、もっとオタクを活かした話にすればいいのになあ、と思った。たとえば、受けがコス好き(するほうでも見るほうでも)で、攻めが懸命に衣装手作りして結果めちゃくちゃカコイイとか、受けのジャンル同人誌読み込んで受けの好みを熟知しようとするとか、なんかそんな感じ…ん、濃すぎるか?

2011年07月16日

高尾理一『お侍、拾いました。』

 長野の実家の蔵を友人二人と片付けに行ったら、裏山でお侍さんを拾いまして、記憶喪失のお侍さんは、こっちの世界のあれこれに驚き戸惑い楽しみつつ、記憶を思い出そうとしつつ、過去へと戻る方法を考える。

 これは…あれだ、BLというよりも、ジュブナイルというか…。『おじさんは原始人だった』を思い出した。
 攻めのカルチャーショックとか記憶、タイムスリップにかんする話が多すぎ。攻めはいい奴だけれど、なんで受けが惚れるのか、攻めもなんで受けに惚れたのか、よくわからん…。
 あと、上述のようにただでさえ説明が多くなっちゃう設定なのだから、攻めの記憶喪失設定は、説明を増やすばっかりで煩雑な気がした。受けの友人も、そしてまた友人その1の片恋も必要だったのか…。

 しかしいいかげんあたしは、自分が高尾理一に期待しているのはすっとんきょうBLではなく、オラオラ攻めと強い子受けだということを納得しなければいけないのだ。くそう。わかっていたつもりだったのに…。

2011年07月18日

ひらかわあや『國崎出雲の事情 』6

 そんなわけで、友人の結婚式のために日本最後の秘境グンマー某市、故郷のちかくまでいちきましたv焼きまんじゅうを食べられなかったので、お土産品の焼きまんじゅうでも買おうかなと高崎駅で土産ものコーナーに寄ったら、リニューアル直後だったらしく、すごくキレイでいろんなお土産があって面白かった。
 そこで本糀の酒まんじゅう、というのが売ってて、においが片原まんじゅうっぽかったので買ってみた。角田製菓というところの。帰ってきて酒まんじゅうをたべつつ検索してたら、片原まんじゅうの復元をめざすふくまんじゅうというお店ががんばっているらしい!食べてみたいなあ。ややチープでおいしくて、なんかたくさん食べられるんだよね。うちではお昼ごはんがわりにしてました(笑。
 どこかでかみなり太郎も復元してくれないかなー、あれも好きだったんだけど。

 歌舞伎については今回もアレですが…、いまだに勿体無いなあとは思いますが…。
 関西人のオレ様もじゃもじゃ頭くんの話は、もじゃもじゃ頭くんがみんなに好かれる出雲によってオレ様っぷりを反省するとことか、梅樹が活躍するとことかよかった。盛り上げ方終わらせ方もベタだけど安定感があっていい。
 写真の話は、女子出てくるの久々…というか思い出したように出してくるよなあ、忘れてたわけではないんだろうけど、という感じ(笑。
 他の話も、誕生会とかそこそこ面白かった。メイドカフェはほんといつまで勤めるのか…(笑。

2011年07月19日

#003 Who am I?②

 モナリサ、爪の保管に、緊縛かー。一周後の世界だからというよりも、週刊少年ジャンプという制約がなくなったために、吉良吉影がマジモンの変態さんになってしまった、という感じがした。もしかしたら、四部でもそういう設定はあって、書かれなかっただけなのかなあ、という気がしたから。うーんでも、緊縛って、ある意味一般的な変態コードという気もして、一般的な変態のカテゴリに収まってしまったというか、四部の吉良のほうが変態的に思えさえする、というか…。でもまあ、吉影本人はまだ出てきてないし、保留かなあ。

 康穂のフェイドアウトが唐突でびっくり(笑。このまま康穂と主人公の二人で話すすめるのかと思ってた。
 吉影?のスタンドは、傷で印をつけて自由にうごかすのかな?キラークイーンじゃないのは寂しい…。あたし結構原理主義者だね。上の階の部屋と音が連動してるっぽいのは別の能力なのかなあ。
 しかし展開遅いというか、主人公の名前すらまだわかってないし、お話がどういう方向に進んでいくのかまだよくわからない。来月号はお休みらしいし、気長な話になりそう(笑。

2011年07月21日

剛しいら『猫を愛でる犬』

 これたしかちょっと前に延期になってたやつで、タイトルみてすごく期待してた。
 外食産業の二代目で、相棒の黒ラブだけを愛して綺麗に丁寧に暮らしているイケメンは、父が勝手に買い取った古ぼけたファミレスチェーンのてこ入れをおしつけられて、ほとほとウンザリなのです。さらに、再建のためにとかで父の知己の息子とかいう男がやってきて、いきなり同居を命じられるのだけど、これがまた猫をつれたバイセクシャルのアメリカ人でして、生活乱されるしなんか尻狙ってくるしほんと勘弁して欲しいのです。

 なんか、二人の恋愛物語というよりも、犬猫とその飼い主のお話、という印象…。かなり動物が前面に出てきていて、いやかわいいしいいんだけど(笑、本筋がやや物足りないからちょっとアンバランスな印象。
 本筋は、本来攻めのアメリカ人が、さんざんせまったら逆にいたされてしまう、というとことか面白かったんだけど、攻めのほだされてからの受け溺愛っぷりとか、きままな受けが攻めにいかに本気かとか、そういうとこをもっと詳しく書いて欲しかった…(涙。ありていに言えば、ラブラブちょっと犬猫、な後日談があったらよかったのにと思う。あと、この作者さんには結構あることだと思うのだが、どのお話でも後半はキャラがみんな同じ(話や時代、受け攻め設定にかかわらず)になってしまっている感じがして、ちょっと残念な感じなのです。

2011年07月22日

五百香ノエル『ちるはな、さくはな』

 村の旧家の対照的な双子兄弟は、対照的な天使と悪魔な美人兄弟として有名なのです。老人の行方不明が相次ぐ中、双子の家に対立する分家の研究所に、優秀な研究者である兄弟の元叔父が戻ってきて、彼が忘れられなかった双子のかたわれ天使の方は心が騒ぎ、云々。

 村や二つの家の描写がくどくて、書き方があまりうまくないせいかイメージもわきづらくて覚え切れないし、登場人物も多すぎ。なんか双子と叔父との年齢差や関係性とか、すごくわかりづらかった。
 あと、なんというか、描きたい場面場面を優先して書いてる感じで、整合性も、物語やキャラ設定の一貫性も、あんまし気にしてないのかな、という印象。

 双子の母とか、なんか場面によってちぐはぐな描写ばかりで、けどまとめてみると聖女で皆にあがめられててわがまま女王さま、とかあんまし面白みのあるキャラじゃないんだよね。主人公の双子も同じで、最初の方は設定ちぐはぐでよくわからんし感情移入しづらいなあ、と思ってたんだけど、要するに澄は綺麗でいい子だと思われてるけど内面エロエロで好きな人以外どうでもいい子、烙はやんちゃわるいこチャラ少年だと思われてるけど純情村思いな子、というだけで、こうまとめちゃうと二人とも設定があまりにベタだしさほど魅力がないというのがわかってしまうんだと思う。
 攻めも、澄の彼氏の方は、澄の母を好きだったという設定だけど、それは恋愛だったのか興味だったのかもよくわからんし、存在をうとまれてる天才で人の気持ちがわからんという設定も、あんまし描写に活きてた感じしないし、澄をなんで好きになったのかもよくわからんかった。あとあらすじ見返してて思ったんだけど、この人なんで醜聞扱いされてるんだっけ…わからん…。烙の彼氏の外国人の方は、ほとんど偵察者という機能だけでキャラたってないし、烙がなんで好きになったのかもよくわからん。

2011年07月23日

小笠原宇紀『BLACK SUN 奴隷王』2

 …正直、なにはともあれ完結してよかった~!!というのが第一です(笑。

 一巻が出た後、情報探して本誌とか作者さんのブログとか見てて、なんかモチベ下がってるっぽいコメントみてハラハラしたり、本誌の展開がイマイチっぽくってハラハラしたり、していたのですが。ハラハラというのは、中断&再開の目処無し…というよくあるパターンになってしまうんではないか、というのと、あたしの大好きなこのイカれた作品がしょんぼりなクオリティになってしまうんではないか、というのがあったんだけど。
 で、二巻は正直、一巻ほどのマジキチっぷりはないし、明らかに後半急ぎすぎだし、結末はベタだし(BASARAとか思い出した)で、ちょっと残念なとこも多い。でもでも、冒頭に書いたように、こうしてまとめて二巻部分を読み返して、とりあえず完結してよかった~!と思えたので、つまり正直満額回答ではなかったけれど、まあひとまずよかったのかな、と思うのです。

 レオナールはちょっと弱かったかなあ。最後のとこでせっかく鎧着たのに、あんまし活躍してなかった…このレオナールの扱いも、最終話急ぎすぎだよなあと思った一因だと思う。たぶんこの話は全三巻分くらい(後日談込みで)の内容があったらもっと活きたんではないかと思う。
 ジェマルはカッコいいよなあ。彼自身の存在感と彼のもつ論理は、十字軍の、というか西洋人のもつ、奴隷=ダメ!ゼッタイ!という、ある意味傲慢な進歩史観への反駁になっててよかったし、もっと丁寧に書いて欲しかった部分でもある。
 ド・ラトゥールも面白いキャラだったので、もっと書いて欲しかったな~。レオナールが、自分へのアレですら神の御心のためなのか、と傷つくとことか、よかった。
 ニコライデスは相変わらずアホだったが、幸せになったようで何より…(笑

 まあ、次はあれです、ナイトメアフォートレスもぜひぜひ完結させてほしいのです!

2011年07月24日

鳩村衣杏『やんごとなき執事の条件』

 茶道の家元の三男で、茶室づくりをしてる受けは、イギリス人貴族の依頼を受けて渡英。依頼人は唐突に家をつぐことになってしまった金融関係で働いてた元庶民の貴族で、ゲイな受けはクールな執事がもろにタイプでどうしましょう。

 誤字は多いし、描写はやや雑な印象だったのだけれど、むむむ。
 茶道と執事の仕事の描写とかにかんする説明口調がやたら多くて、いやそれは展開上仕方のない部分もあるんだけど、たとえば執事にかんするうんちくを受け視点で散々冷静に語っておきながら、受けが直情型で、執事にアホな絡み方をしたりするので、なんかちぐはぐになってしまい、最初のうちは受けがどういうキャラ設定なのかよくわからんかった。貴族とのやりとりも、受けは随分構えてたのにえ?それで納得していいの?という感じで、ちょっと頭がよさそうにみえないし残念な感じだった。
 受けのケガも、執事とのからみを増やすためには必要だったんだろうけど、茶会とかで受けがあまり活躍できないし、なんかもったいなかった…。や、作庭を仕事に選んだ、というのはわかるんだけど、でも茶道もきっちり披露してもいいじゃないか(笑。

 執事は途中でなんとなく意図はわかったのだけれど、ラストの豹変振りが…(笑。一貫して受け視点の話だし、ナゾのままでもいいんだけど、どういうひとなのかよくわからんかった。未来も不透明で、だからよくもわるくもすごく箱庭っぽい話だなあという感じがした。

 なんだかいろいろ悪口を書いているように見えると思いますが、でも実は、結構面白かったのです(笑。なんか、思ったよりも、CPに萌えられた。というか、上記のように条件がよろしくない割には萌えた、というか。

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