« 2009年12月 | メイン | 2010年02月 »

2010年01月02日

新年。

 2010年になりました。
 21世紀も10年目、クロエニッキになってからでも既にッ!丸3年が経っております…時間の経つのは早いものですね。
 昨年はレヴィ=ストロースが亡くなって、いえレヴィ=ストロースは特に思い入れのある思想家というわけではなかったのですが、やはり構造主義の代表という印象が強いし、著名な方のうちで御存命だったのは彼だけだったので、 20世紀的世界は本当に終わったんだなあという感慨をもちました。これからどうなっちゃうんだろう、ってもう何年も思っていて、21世紀も10年目なのに、まだ古いエピステーメに頼ろうとしてるようなもんだが、いいんだ、物語世界は年中その先書いてるし、BLは新しい萌えを生み出してるんだ(@中村一義「天才とは」。
 ということで、今年もたくさん読んで書いていきましょう!

 今年のマヨイガのサブタイは、「Why would you misunderstand? You should know my strange texts?」です。長いですが。ピロウズ「ポイズンロックンロール」の中にある「Why would you misunderstand? You should know my strange songs.(なぜ勘違いしたのだろう? 僕の変な歌を知ってるはずだ)」という歌詞のパロディです。なので訳すなら「なんで勘違いしたの?あたしの変なテクスト読んだでしょ?」でしょうか。クロエは御覧の通りなので(笑、隠し立てしてもはじまらないし、まあもう開き直っていきましょうという…今更か!
 今年もマヨイガを宜しくお願いします!

2010年01月03日

夜光花『堕ちる花』

 しばらく、昨年の積み残しを片付けます。

 これは確か秋頃に読んで、感想書くの忘れていた。

 イケメン俳優兄×大学生弟。
 四国のとある村から東京で出てきて、兄弟で暮らしてるのだけれど、弟は小学生の頃、見捨ててしまった友人を亡くした事件があり、後ろ暗い記憶がある。その時の仲間達の一人から妙な手紙が来て、東京に出てきていた仲間達と一緒に帰省するのだが、次第に村の忌まわしい秘密も露見してきて云々。

 事件と村にまつわる物語は、読み終わってみればわりとありがちな種だったかなあ。むしろ表紙がネタバレなのか。それはともかく、これこんな暗い設定は必要だったのかなあ…結局恋愛物語としては兄弟がくっつきましたという話で、昔の事件や村の秘密って全然恋愛要素には関係づけられてなくないか。別にいいけど。
 ていうか、続編がいろいろあるらしいので、兄弟ものとしては興味があるから、読んでみたい。

2010年01月04日

遠野春日『茅島氏の優雅な生活』1

 これは読んだのは七月ごろでしたが、忙しかったので感想を書かずにいたらタイミングのがしてずるずると年を越してしまいました、原作茅島氏です。

 とりあえず、すべてを持っていて・一見尊大な、それでいて、庭師ただ一人の心を願っている・健気で・一途な茅島氏が、とってもカワイイィ。

 けど、全体的には手放しで礼賛・ドはまりは出来ないかなあ、という感じでもある。先に読んでた漫画版を原作と比較すると、漫画版はあたしごのみのエッセンスをうまく抽出して、あたしのニガテな部分を排除してくれてた感じなので、だからすごく面白かったし、もしかしたら漫画版から入ったのも個人的にはよかったのかな、という気がした。原作読んでいろいろ不満も出てきたけど、茅島氏シリーズという総体への好意はゆらがなかったから。

 具体的には、以前の遠野春日らしい独特の硬い語りとか、茅島氏の不器用さ一途さかわいさ、庭師の抵抗と結局陥落してのメロメロっぷりといった要素がすんごく大好きで、第三者が深くからんでくる話(軽くならむしろ面白いんだけれど)がニガテみたい。漫画版では第三者キャラはすべからく排除されたりモブになってたりしたから、あたし向きだったのかもなあと思うのです。
 そんなわけで、漫画版の継続が決まったそうでワクワクなのですv

 で、繰り返しになるけれど、遠野春日はやっぱりこういう硬い文体のほうが雰囲気があるし面白いし萌える。そして、茅島氏の世界は「こういう」遠野春日がすんごくしっくりとハマって、とってもいい。庭師の名前が最後までわからないとことかもいい。

 イラストは日高ショーコでワクワクしてたのですが、なんかこのひとはカラーより白黒絵のほうが色気があるかなあという気が最近してきた。表紙の三枚はきれいなんですけどね。口絵はちょっといまいち…背景の彩色がいまいちなのかも。

 一巻は結構漫画版そのままだったので、大筋の話は特に感想はないのですが、漫画版にはなかった嵐の夜の庭師訪問前の話とか、かなりぎょっとした…。前述のように、あたしはこのシリーズのゲストキャラ話がニガテなんだろうなあと思う。
 表紙がキレイだしすごくこのシリーズっぽくってよい。

2010年01月05日

遠野春日『茅島氏の優雅な生活』2、3

 茅島氏がお嬢さんとくっつけられそうになる話は、茅島氏シリーズらしい気がしたし面白かった。こういう、なんかかんかいろいろあってみんなが茅島氏に翻弄されて、最後に庭師が出てくる、というパターンが多い気がするし、そういう語り方はこのシリーズっぽい気がするし好き。

 英国旅行の話は、たぶん二巻の目玉なのだけれど、あたしのニガテなタイプの話だったので残念だった。
 やっぱりゲストキャラ話というか、第三者が性的ないしは恋愛的な意味で二人に関わってきて、しかもその第三者がクローズアップされるという話があんましすきではないみたい。
 これも、庭師の元カレに茅島氏が嫉妬するあたりがしんどいし、説明もせずにひきあわせる庭師もどうよ…と思ってしまう。庭師は昔は結構遊んでたらしいし、元彼とのこういう関係も、軽い付き合いのなごりで軽く考えてるような印象がある、と思う。でも茅島氏のことは別格でもっともっと丁寧に考えてあげてほしいよ~(や、充分考えてはいるのだろうけれど、けれど庭師基準そのものがやっぱりちょっとゆるいのかなと思う。
 そんなわけで、大変な目にあってるらしい元知り合いの受けのために庭師ががんばる話は、更にいまいちだった…(涙

 書き下ろしは、なんだか妙に違和感があった。最近の遠野春日は、やっぱりいろいろ変わったってことなのかなあと思った。
 庭師の表紙がイイ!庭師はまさにこんなイメージだよなあ。

 庭師帰省話は、いきなり空港に居る茅島氏に、なんか人ごとというか、物語ながらハラハラした(笑。

 金持ち社長が出てくる話は、ゲストキャラだけどよかった。社長がきっちりアテウマになっちゃってるからかな。夏にしたみたいな(上記)わがままなら許せるけど、とかいっている庭師がいい。
 一方、第三者キャラがクローズアップされてるおともだちはやっぱりちょっと好きになれなかった。茅島氏サイドの浮気(浮気ではないのだけれど)もダメということは、あたしはやっぱり茅島氏と庭師の二人きりの世界が好きなんだろうなあ。

 そんなわけで、二人きり度のとっても高いクリスマス話が最高によかった!庭師のボケっぷりもカワイイィ。

 書き下ろしはいまいちだった…無憂館が苦手なのもあるかも。無憂館の個々のキャラはすきなんだけど、グループになるとなんというか押しつけがましい感じがしてしまう、なぜか。

2010年01月07日

剛しいら『華の涙』

 関東大震災で家も家族も失って、親戚を名乗る男にだまされて材木商の家に売られてしまう受け。そこの家の男衆にやられそうになったところを材木商の長男が助けてくれて、重労働は無理だろうと病気の次男のお世話係にしてくれる。次男は身体がままならずわがまま放題なのだが、家族や使用人からも無視されたり嫌われたりで気の毒で、優しい長男のこともあってがんばって仕える。そんな折長男に縁談がもちあがり、兄に執着している次男は縁談を壊すために、自分のかわりに受けに兄をたぶらかさせようとするのだが云々。

 長男はわりとあまり特徴のない優しいまともなお兄さんで普通すぎる。ごうつくばり父やわがまま次男ばかりの家の中で、一人だけまともな人、という役割なんだけれど、でも受けが叔父にいたぶられているのを見て感情を処理しきれなくて受けにつらくあたるとか、わりとヘタレだった。このあたりの長男の心情がちょっとわかりづらかったので、これは後の方まで読んでの把握なんだけれどね。まあとりあえず、攻めとして弱いというかあんまし魅力はない感じ。
 受けも、なぜ長男がそんなにすきなのか…けど普通ではない状況だったし、最初は心のささえとして一種の執着をしてたような感じなのかな。

 そんなかんじでこの作家はときどきつじつまや根拠がわからん展開とか結構入るんだが、でもむしろなんか人間の理不尽さを感じさせもしてくれる、気もする。こういう攻めのダメなところとか、受けのあまり根拠のない恋情とか、なんか生々しい気がした。でもこういう理不尽な描写って、単純にこの作家が作品を量産してるがゆえのあらさなのかなあという気もするし、一歩ずれたらあたしのすごくニガテな作風になってただろうなあとも思う。その理不尽さを補えるくらい好みの話が結構あるので、自分で勝手にいろいろ補って読んでる気もするから。

 それはさておき、次男が…。ずっと兄ラブで、最後に受けになって兄に愛されたかったとか言うのだが、受けの身体を兄に抱かれるために準備したりなんだりという微妙な関係で、なんかそっちの方が気になるよ。病がうつるかもしれないとか思われて、誰も触れたがらない自分にたいして平気で水を口移ししたりしてくれる受けのことだって、勿論好きだったはずというか好きだったわけで。最後の最後には、兄になって受けを愛したかった、とかも言ってるのがせつない…。長男が言うように、長男も受けも好きだったのだろう。
 受けの次男への献身は、長男への気持ちとか、長男が看破したように(しかしあの場面は一瞬長男がヘタレ化するのかと焦ったが)自分よりかわいそうな存在につくすことで自分の辛さをごまかしてるところもあったのだろうが、それでも次男への情だってあっただろうし…常に気に掛けてはいたわけだし。
 そんな二人が気になるので、もっと次男と受けも幸せになってほしかったなあ…。せめて、互いに向かって気持ち(恋ではないにしても)を言語化できてたらよかったのにね。互いに相手には何も伝えないままだもんね。

 全般的にはそこそこ面白かったように思います。
 御園えりいの絵はあまり好きではなかったのだが、なんか最近綺麗になってきた気がする!

2010年01月08日

片霧ライラ『王子と執事 愚弟カップリング計画』

 メイド喫茶の執事×後輩。
 攻めが女の子大好きで、王子みたいな受けが攻めにメロメロで、なんか経緯から付き合ってる感じ。
 攻めの姉が腐女子でメイド喫茶の店長で、なんか店のみんなで二人を生暖かく見守ったりなんだり。

 攻めは女の子ナンパしたりなんだりで印象悪い。受けは一途だがあまり特徴ない。
 まあなんというか、内容はほとんどポルノだったので、キャラにあんまり魅力がなくてもいいのかな…BL的には、ポルノであってもキャラはちゃんと魅力的でいてほしいんだが。マガマガというかピアスってこういう作品多いなあ。
 書き文字も多く、絵が見づらい。メイド喫茶の雰囲気がオタクぽくてなんか入り込めない感じ。

---
 がっつりポルノでしっかりストーリーなカラーの出版社って、そういえばないのかな。

2010年01月09日

火崎勇『そのキスの裏のウラ』

 泥酔して目が覚めたらやられたあとだったっぽいんですけど、全然おぼえてないんです。たぶん相手は、前夜にいっしょにいた上司か取引先の社長だと思うんですが、どっちも急にモーションかけてくるんです。

 なんかなー。キャラに魅力がないし、お話も面白くない。受けはダメっこすぎる。本人も言っているように平凡なのにイケメン二人に求愛されるのがなぜなのかよくわからん。記憶がないからって攻めへのああいう対応はどうかと思うし、記憶思い出したくらいでなんでそうなるんだ。
 あと一人称文体だからって、改行大杉。二文字で改行とかどうよ。

明治カナ子『坂の上の魔法使い』

 魔法使い+見習い少年、実は王の遺児。

 やっぱり明治カナ子はいいなあ~けどこれは…BLなのか…???亡き王→魔法使い?少年と魔法使い?…だとしたら、少年が攻めに成長するんだよね?ていうか今の状態では弟子が小さすぎてどうもこうも。

 まあそれはさておき、普通に面白かった。
 魔法の描写とか、魔法使いの過去話とか、面白いしファンタジーとして楽しい。
 あとロン毛キャラは好きだ。お下げがカワイイ。

2010年01月10日

剛しいら『盗っ人と恋の花道』

 ちいさい頃から有名な盗賊に育てられた受けは、陰子の修行をさせられて、押し込みの手引きをするために男色のうわさがある材木商の元へと送り込まれる。材木商はほいほい受けを引き受けたように見せかけて、実はそれも火盗改めである双子の兄との計画で云々。

 というわけで、攻めは生き別れの双子の兄と再会して、実は相思相愛だった(火盗改めの兄は再会後に結婚してるし、勿論プラトニック)という過去設定があるんですが、最近の(に限ったことなのかどうかは、この作家を通読してるわけでないので知らないけれど)剛しいらは、受けか攻めのどちらかに、過去に愛した、あるいは現在愛している人がいる、というのが多くないですか???なんかなあ、あんまし好きになれない設定だなあ。
 …あれ?材木商もこないだ書いてましたよね?大正ですけど。
 それはさておき、こういう設定なので攻めが兄大好きだし、過去話の描写も結構あってそっちは本気で兄ラブなので、ちょっとキツいですね。

 でもまあ、兄関連の話をのぞけば王道だし面白かったです。
 受けは、自分みたいな赤の他人に親切にしてくれた攻めに、初めて他人にやさしくされてうれしく思って、どんなことでもしてこの人にお仕えしようとか思う、つまりかわいそう受けなのです。時代物なせいもあるのか女の子ぽいとこもあるけど、でも健気かわいい。
 攻めも受けがかわいいのでほぼ一目惚れ、受けがスパイだと知りつつめろめろで、大盗賊をつかまえるという兄との当初の約束を果たして、今までの気持ちにけりをつけようとしてる、豪放磊落ないいキャラです。
 そんな二人なので、互いに任務をかかえてだましあいつつ、どんどん互いに惚れ込んでく、というメインの筋は面白かった。
 うん、だから兄設定はいらなかった気がするんだ。攻めが火盗改めに協力するという展開は、別にこういう設定じゃなくてもつくれたわけだし。

 絵は初めて見る絵師さんだと思うけれど、きれいでカワイイ。

2010年01月11日

いとう由貴『愛の言葉を囁いて』

 ややネタバレですが。
 世界的某巨大コングロマリットの社長?が、提携のために日本の某企業を訪れ、時間がほしいという取引相手に、受付で見かけた子会社の平々凡々な新入社員を寄越せと要求、人身御供にされた新入社員は社長にさんざんご無体なめにあわされて、あげくアメリカまで連れて行かれてしまって云々。

 傲慢オレ様スーパー攻め×ごくごく平凡な受け、しかも外国人×日本人。
 ベタだ!ものすごいベタでしたよ!
 でもオレ様攻めは改心しません!
 攻めが受けになんかすごい執着して大事にしてくれるので、受けは次第にほだされてしまうも、攻めはお前は恋人ではなくてお気に入りなのだとか言って、受けは人間扱いすらされてないと感じて大ショックなのですが、言葉の意味の問題なんだそうで、大切なのは言葉がどう使われているかなんだそうです…。
 受けはほんっとうに平凡で、アホではないのだろうがアメリカで逃げ出したときの判断とかダメダメで、けど急に逃げなきゃいけなくなって追われてる状況なら判断ミスくらいするよな…。

 いいけどね、この人らこの後どうなんのかな。攻めは受けを物扱いしないとかいって、ラストシーンのその扱いはどうよ…。受けは仕事はせずに攻めの愛人生活を続けるのかな。なんか、いくら言葉の問題とかいっても、それってやっぱり受けをおもちゃにしてないか。

 攻めの秘書がよかった。攻めに忠実なポーカーフェイスのプライベート秘書と、わりと一般的な感覚をもってる仕事上の秘書と。あと攻めの元カレとかなんか結構キャラ多かったな。続編あるのかな。あるといいというか、攻めをへこませる展開が読みたい。なんかもうちょっとこの攻めなんとかしたほうがいいんでは?という気がするから(笑

2010年01月12日

藤たまき『不思議ポット』2

 部活の合宿で中東?の砂漠に行って、ポットが盗まれるあたりまで。

 …高校の部活で砂漠旅行ってありなのか(笑。
 部長はエリコに操られているのかなんなのか、すごい性格悪い。まあ、受けは子ども子どもしてますけどね、確かにね。

 そんなわけで、二巻は一巻以上に受けが子どもっぽすぎてちょっとキツい。自分自身でも自覚してもてあましてるみたいだけれど、一人でがんばりすぎて大変なめにあったり、ジンに無理言ったりというのは読んでてしんどい感じ。
 そして、ジンは受けのことどう思ってるんだというか、結構描写はあるけれど内面がいまいちわからない。いろいろ諦めてしまっているからかな。
 三巻が気になるので早く出るといいなあ。

2010年01月13日

嶋田尚未『お兄さんには内緒』

 有名音楽家と小説家の双子から、かわいい弟が心配なので全寮制の高校に入って様子を見てきてくれとか頼まれた高校生。双子にはちょっと恩もあるしひきうけたら、弟は高校で女王様として君臨してまして。

 いくらトンデモ王道が売り(たぶん)なこの作家にしても、なんかいろいろ無茶すぎる。展開も雑すぎる。
 受けは兄へのコンプレックスから美貌を武器にしようとしてる、頭のよわい子だけど男気あって猪突猛進なキャラで、なんかさわがしいだけという感じで魅力が感じられない。攻めも受け身なキャラで受けを好きになった理由とか受け入れる過程とかわからん。双子兄はあまり出てこなかったし、果たして必要だったのかどうか…。

2010年01月14日

榊花月『地味カレ』

 地味な社長秘書×新入社員。
 社内広報の仕事で、メディアでももてはやされてるイケメン敏腕社長の取材をしたら、社長に口説かれたのですが、むしろ地味秘書が気になるスキになるエッジ。

 …なんだこれー。イケメンに惚れられてるのに地味男を選ぶとかいう梗概はベタですごい面白そうだったのになあ。

 まず、会社内でのどーでもいい描写が異常なほど長い。受けをいびるお局上司とか、社長秘書をねらう他部署のスイーツとか、いかにも新入社員な受けの仕事っぷりとか、丁寧というよりはむしろダラダラと書かれてる。その上にだ、受けの新入社員としての不安とか就活の後悔とか、学生時代の仲間と会うと学生ノリが抜けないとか、仲間のはじめたダイナーがどうのとか、ほんとになんだこれ。
 これは、新入社員の学生時代と会社員生活のはざまのゆれうごく状況がメインの話なんですかね?そういうの期待してなかったんですけど、なんでこれBLでやろうと思ったんですかね?しかも別にうまく書かれているわけでもないし、面白くないんですが…。

 じゃあイケメンより地味男を選ぶという筋が面白いかというと、まずそもそも上記にさかれるページが多くて恋愛話がうすい。更に、イケメンは受けを気に入ってはいるものの、酒癖がわるくてからかった程度のもので、地味男を選ぶという落差を感じさせるにはアテ馬として役者不足すぎ。
 地味男も最初の印象こそ地味だったものの、性格はけっこうおちゃめだったり反応に困って受けに冷たくしたりとぜんぜん普通の人で、地味男の醍醐味がまるでない。更に受けが学生時代の軽音仲間と出かけた新人バンドのライブにイケメン姿で登場とか…もうぜんぜんわかってない!わかってないよ!

 というわけで、いろいろな意味でガッカリでした。タイトルと梗概は面白そうだったので残念だ。梗概買いしちゃったので、ちょっとでも読んでから買えば良かったなあ。

2010年01月15日

冨樫義博『HUNTER×HUNTER』27

 正直、さっぱりわからなくなってしまった。
 蟻編が終わったらまとめ読みしようとは思っているけれど、…終わるのかなあ(笑。

空知英秋『銀魂』32

 今回はなんかいまいちだったかなあ。

 猫の話は期待していたんだけれど、猫銀時と猫桂がなんかあんまし銀時と桂っぽさがない気がした。ボス猫はなんで耳がない設定なのか…違和感がありすぎた。マヨネーズをみせびらかす土方は萌えた。アホカワイイよね。
 陰陽師話は期待しているんだけれど、結野アナがクローズアップされるのはちょっと残念。結野アナは、メインに出てくるより、モブとして書かれてるほうが作品世界に陰影ができててよかった気がするので。

2010年01月16日

大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』3

 パパブッシュの話は感動的だった。
 ルーデルが本当に普通にカッコよすぎる。
 イェール総番とか麻雀スカウターはなんかちょっといまいちだと思った。
 副将戦がヒトラーで、大将じゃないのかと驚いたけれど、しかし大将は小泉だし、ヒトラーが教皇と対戦するのは因縁からして順当かなとも思う。そうすると、第四帝国の主将は一体誰なんだろう?

---
 アニメの一話がyoutubeで見られるので見たのだけれど、漫画よりヤバイネタが多くてびっくり…しかも第二話は原作でやってない中国だとか。
 パパブッシュについて、たぶんアメリカ人のユーザが誰?とコメントしてたけれど、確かにパパブッシュは息子と対比させるためになのか、やたらとでかくてむしろ似てないんだよね。むしろジョージの方はわかりやすいみたいだし。

2010年01月17日

あすか『ラブちぇん』

 警視庁キャリア組ながら失態で大阪に左遷されたクールビューティメガネ。東京に戻るために、歴史はあるけど今は弱小な某組のトップと知り合って、情報を得ようとしてたら、なんか向こうも狙ってたらしく、いえ情報じゃなくて貞操を。組み伏せられそうになったところへどっかの鉄砲玉が来て、逃げようと窓から飛び出したら身体と中身が入れ替わっちゃったんです。

 ベタだけどすっごいすきなんです、入れ替わり設定。
 そんなわけで好き設定補正もあるだろうし、ライトだったけれど、面白かったです。

 攻めが受けのかわりに警察の仕事をして、オラオラな感じでうまくなじんでて受けが羨むとことか、入れ替わり物の予定調和的でよかった。ただ、なんで受けが攻めを好きになったのかはいまいちわからんかった。
 後半は、受けの中に攻めに惚れてる東京の組の息子の精神?が入ってしまう話で、これも面白かった。ただ、引き続きなんで受けが攻めを好きになったのかよくわからないままなので、結構覚悟きめて関係続けようとしてる受けのモチベーションが微妙にわからなかった。

 ところで今リンクはろうとしてて気づいたのですがこのタイトルは地方局の某番組のタイトルらしいです。

2010年01月18日

仔犬養ジン『愛の報復』

 面白かったです。
 ファミリーの血のつながらない五人兄弟のうち、長男は義父を殺して逃亡、末弟は長男を慕っていただけにかわいさ余って憎さ百倍で、彼を追い続ける。十数年後に潜伏先のイタリアのある島で長男を発見し、報復のために今は恋人となった四男と計画をねりねり。

 スペインものは慣れてないので、名前とか覚えづらかった。オリヴィエはともかく、ガエルはしばらく蛙ばかり連想してた(笑。あと歴史的な事実もやっぱりそうちょくちょく触れるものでもないので、ファランヘ党とかフランコとか出てきても、えーと…と思い出すのに時間がかかる。

 末弟の長男への愛憎相半ばしての執念の復讐とかはよかったのだが、長男の気持ちはよくわからんかった。実は長男も末弟好きだったよ!再会できてよかったね!ということらしいのはわかるんだが(笑、再会場面から愛の告白までがよくわからん。ペドロのためなら末弟を拷問するとか、昔は自分を愛してくれてたけど今は違うんだなとか、昔のかわいい末弟との思い出を汚すなとか言いつつ、そんなに自分を愛してくれてるのか、やっぱお前は変わってないとか言う。むむむ。
 長男は、末弟の自分への気持ちは気の迷いや憧れだろうと思ってる→逃亡中に、末弟は本気だったんだと気づき、自分の気持ちにも気づく→末弟に会おうとするが会えず、神父を殺したのは末弟だと思い、末弟は自分を憎んで変わってしまったのだろうと思う→もう末弟に会わず、かわいい末弟の思い出だけを胸にひっそり生きていこう→再会、まだ自分を好きなんだったらすべて受け入れよう、というところ?かなりわかりづらいと思うんだが…あたしの読解力がおそまつなのだろうか…。
 まあでもいいんです。長男はカコイイし、オリヴィエという名前もオリという愛称もいい。末弟のガエルは黒髪にオリーブ色の肌でお色気むんむんで男にモテモテというのがとってもいい。

 絵がすごいよかった。初めて見る絵師さんなのだが、なんかすごいあたしの好きな感じの絵だ。ただガエルの肌は、あのトーンではオリーブ色というには濃すぎるのではないかとは思った。

 『小説b-Boy』2月号に後日談の短編がのってて、オリヴィエとガエルがふつうに甘々で、それもよかったですv

 この作家はミステリもしくはサスペンス色のあるクライムものの中でBL、という感じの作風なんだなあ、と思いつつ、サイトを拝見したらそれだけでもないみたいなので、今後の活躍がますます楽しみなのです。

2010年01月19日

グーグル様。

 眼鏡小説が終わっていないのは気づいているのです。

 休暇中にBLをまとめ読みしてからなんとなく加速がついたので、ここのところわりと本を読んでいるのですが、流石に感想は土日にまとめて書いています。なのでここのところの更新はあんましリアルタイムではないのです。
 こういうやり方で毎日更新するのは、なんかマヨイガとしては違うのかなあという気もするし、あと感想は読んですぐ書かないといろいろ忘れちゃうのでよくないなあとも思いつつ、まあそのうちうまい落とし所が出きてくるでしょう。こだわるよりもとりあえず出来る範囲で、You should know my selfish site?
 あと、やっぱり時々は大きい書店に行かないとだめだなあ、と思う。手近な書店だけでは入荷されるレーベルが限られるので見落としがあるし、アマゾンだとやっぱり棚を見るようには見られないし。せめて月イチくらいはね、足をのばさないとね。大きな書店ていうか、BLの充実している書店のことね。

 ところでもう随分前からグーグル様には全面降伏してるつもりではいたのですが、最近更に侵食されつつあります。検索エンジンにメールは勿論のこととして、ドキュメント作成、RSSリーダー、軽い気持ちで試してみた日本語入力も、あんまり使い勝手がいいのでデフォルトにしてしまいました。予測変換とか、z+hjklで←↓↑→が出るとか、まあこういうのは別に登録すればって言われればそうなんだけれど、とりあえずあたしには合ってる気がする。多分携帯電話も、もうちょっとよくなったらグーグルにするかもなあと思う。
 支配されるのは不安だけれどらくちんでもあります。自由からの逃走だね。エーリヒ・フロムに怒られるね…あ、でも今エーリヒの予測変換、エーリヒ・ハルトマンしか出なかったな…。
 ん、漱石もなつめそまで入れないと出ない。鴎外は、と思って入力してみたら、もりおうまで入れないと出ない。しかももりおうで杜王町も出る(笑。
 あ、エーリッヒならフロム出た。こういうの、外国語の読みの扱いは難しそうだね。

2010年01月20日

洸『恋―La saison d’amour』

 臆病なゲイのリーマンは、上司と身体だけの不倫関係で、ノンケを好きになっても告白もしないしきちんと恋愛したことない感じ。ある日訪れたレストランのウェイターに目をうばわれて、通い詰めてしまう。

 梗概のせいか、思ってたのと違った。
 春夏秋冬の四章立てなんだが、ウェイター←リーマンなのは、春夏秋冬のうち春だけで、春でもうくっついて、夏以降はウェイターはいろいろあってやめてた演劇に戻って、人気俳優×一般人というCPになるので、なんか話が違うじゃないか、という印象だった。羊頭狗肉とまでは言わないが、羊頭鶏肉くらいな感じか?(笑。
 春初期設定で攻めがウェイターである必要はあったのかな。キャラづけにもあんまり関係ないよね。あと受けも、リーマンである必要も、不倫してる必要もあったのかどうか。なんか会社のごたごたも不倫も夏以降はなんも関係ないし。

 まあそんなわけで、結果的にはイケメンノンケ×臆病ゲイが少しずつ仲を深めていくという、わりとありきたりな話だった。

 受けは臆病で、攻めの近くに居られるならなんでもするしとにかく負担になりたくない…というキャラで、それが最後には少し強くなったのでよかったかな。でも攻めにまとわりついてる女性への決めゼリフは個人的には芝居がかっててちょっといまいちだった。
 攻めはなんで受けをすきになったのか…いきなりゲイのお客さんにあんなふうにせまられて、なんで受け入れたのか、その辺が書かれなかったのでよくわからなかった。過去設定とかあわせて考えると、恋愛体質というか誰かに依存したいということなのかね。なんで受けでないといけないのかを、もうちょっと丁寧に書いて欲しかった感じ。

2010年01月21日

ひちわゆか『12時の鐘が鳴る前に』

 高校生の受けは、実家に帰ると義理母に気を遣ったり義理姉にこきつかわれたりするし、夏休みも寮に残ることにしたのです。そしたらお世話になってる知り合いから、知人がケガをしたので夏休みの間家政夫してくれないかとか言われて、門限までということで引き受けたら、先方は人嫌いのイケメン外科医でして。外科医の方では、紹介者がアレなので、受けはデリヘルから派遣されてきたものと勘違い、いじめて追い返そうとするのですが、受けは負けん気で居座って、半ば無理矢理家政夫していくうちに、そんなこんな。

 この作家はあたしはまだこれで二冊目なのだけれど、なんか攻めと受けが交流していくための設定がトンデモな設定というか、無理くさくないか(笑。それでも面白いからいいんだけれど。なんというか、お話がちゃんと凝ってて面白い。懐中時計のエピソードとか、最初はネットで知り合った人と時計の問い合わせくらいでなんで交友関係できたんだろうと思って違和感があったけれど、ちゃんと伏線になっててよかった。

 というわけで、ある事情から人間嫌いで世をすねた外科医×純で負け嫌いで無自覚ながら美形な高校生。
 受けは家族関係とか過去のこととかいい感じにかわいそうだった(ひどい感想だ。
 攻めは変わっちゃった性格はそう簡単にはかわらないというか、なんというか、受けをもっとべたべたにあまやかしてほしい感じがした。ラストはお伽話っぽくていいにはいいんだけれど、ちょっとラブラブ要素が物足りない感じ。後日談も面白いけどラブは物足りない。
 紹介者の友人が風俗王で、いいキャラだった。彼のせいで起こる、攻めの受けにたいするいろんな勘違いもベタでよかった。

2010年01月22日

田中鈴木『アイツの大本命』3

 今回は一冊丸々大本命なのでよかった…が、佐藤吉田編は全部雑誌やアンソロで読んでしまっていた…(涙。
 最近とくに思うんだけれど、大本命はイケメンがブサ男にメロメロ、ブラスいじめてかわいがり、という構図なんだよね。個人的にはいじめないでどベタにメロメロなのもよかったなあ…という気がついついしてしまう、ので西田いいじゃん西田!と、ついつい思ってしまう(笑。いいじゃんーイケメンでめちゃくちゃいい奴でゲイで吉田にメロメロなんてー(笑。でもあたりまえだけど、吉田が西田になびくことはないだろうなあ…(笑

 山中とらちん編はなんか面白いね。しかし、性格最悪イケメン×女子が逃げ出すほどのコワモテ、も、ベタに山中が改心していい奴になってほしい…(笑。とらちんがかわいそうなんだもの(笑。ていうかこっちも、井上さんのがいいじゃん、とかつい思ってしまう…(笑

2010年01月23日

西炯子『ひらひらひゅ~ん』2

 弓道部のんびり漫画二巻。
 のんびりした話が読みたくなって、途中で読みさしてつんどいたのを読んだ。

 なんかキャラが増えてきてよくわからんくなってきつつもある。
 メガネと単発の友人同士ライバルの話はもうちょっと何かほしかった気がした。
 主人公と剣劇一座の美形少年の友情話はなんかその後を知りたいというか、女形の彼はこれからどうなるのかなあと思う。演劇は結局やめずに公演まわりつづけつつ、医学部行くのかな。ていうかこの作者はBLぽいようなぽくないような話が多いよなあ。
 犬の話はかわいかった。小学生の不器用な友情がかわいい。

2010年01月25日

西江彩夏『純情な人のように、さよなら』

 フリータっぽい若者、実は劇団所属×美人メガネ外科医。
 表面だけ取り繕っていつもにこやか穏やかな外科医は、私生活では美少年取っ換え引っ換えの不誠実っぷり。ある日駐車場で出会った、趣味ではないけど上背がある美形をひろってお持ち帰りしたら、おいしくいただかれてしまいました。大ショックだったのですが、傍若無人な若者になんかかんか私生活に入り込まれてしまい、次第になじんできてしまいまして。

 あとがきを読んでて、ああそういえばアンハッピーエンドっぽいタイトルだなとやっと気づいた。なんとなく、このタイトルでもアンハッピーエンドではないという確信をもっていたのはなぜなんだろう。木原音瀬とかじゃないからか?(笑

 前に読んだのもその傾向があったけど、攻めの行動原理がよくわからなかった。特に前半は出会い含めて結構むちゃくちゃな人だしそのせいもあるかも。淋しげな受けが気になるスキになる→無理矢理じゃないと手に入らないだろうと暴挙→なんかひねくれ者なのがわかって恋はさめたけれど、同情プラスラブの予感、なのか。
 受けは無理矢理されて、それでもなんかずるずる受け入れてしまうあたりはよくわからん。後半での好きだけど別れたい、というグダグダは、こういう系統のお話のセオリーというか、いったりきたり唐突だったりしてもまあいいんだけれど。

 むしろ受けはキャラがわかりづらかった。不快なことがあっても外面だけとりつくろって微笑んで、相手をバカにしてる、というキャラで、喋りも相手を小馬鹿にしたようないけすかない感じなのだけれど、地の文で示される内面とはちょっと落差があるので、わかりづらい。まあそれが彼の性格だってことなんですけどね。でも特に前半、病院での仕事の描写が少ないせいか、そういう外面があんまし描かれてなかったので、余計にわかりづらいように感じた。
 あと過去のトラウマで人を信じるのが怖い、というのがよくわからん。結局、父に去られたことが過去のトラウマだったの?父のことを信じてたのに、というような記述がないし、トラウマトラウマという言葉ばかりで実がよくわからなかった。

 今回はなんかちょびっとだけ高遠琉加っぽい文体な気もした。
 あと「嘘でも優しいだろう」という攻めのセリフが、なんかピロウズっぽくていい(笑。

 桜城ややの絵がなんかちょっとびっくりするくらいデッサンがおかしい。もともとしっかりしたデッサンの人ではなかったけれど、それにしてもちょっと…という感じ。せっかくゴツい男CPで桜城ややなのに、あんまし色気もないし…。どうしちゃったんだろう…。

 『小説b-Boy』2月号には番外編が載っているけれど、これはいまいちだった。攻めの撮影と受けの元に帰ってのラブラブ話なんだけれど、映画の監督のエピソードがメインにある感じなのと、受けの決め台詞っぽいのがあざとい感じがしてしまった。

2010年01月26日

たりらびー『ワナわなキス』

 このタイトルはちょっとアホっぽくもったいない。
 絵がちょっとすごいな。最近の絵もすごいけど、古い作品が多いのでさらにすごい。デッサンがあれなので人体があれで、更に…なんか発光?して、すごく巨大な…。昔の寿たらこ(っていってもどの時期だ、という感じだけれど)と猫田リコと青木総(漢字が出ない)にそれぞれすこしずつ似ている気がするけれど、最近見た絵はまた少し変わっていたような気もする。

 全六編て書かれているのでシリーズものなのかと思ったのに、短編集だった。
 雑誌で見かけたときにはショタ(攻め)作家さんなのかと思ったけれどショタだけではなかった。
 表題作はクールイケメン×顔はいいチャラ男のノンケ大学生同士、で、そういう感じのが多かったかな。もと同級生の包容力ありまくり攻め×尻軽子ちゃんとか、イケメン大学生×普通な感じの同級生とか。
 不良ぽい高校生×マジメガネぽい同級生の話は先生視点からはじまって、ちょっと異色だった。
 あとはやや腹黒ぽい神父×ショタっことか、高校生兄弟とかは、とにかくショタですね。神父ショタとか、将来的にショタ攻めがいいなあ。でも口絵は数年後バージョン?やはり神父攻めか…。

 だいたいそこそこ面白かったけど、ちょっと物足りなさもある。作者の力量ももう少し知りたいし、シリーズものとか読んでみたい。あと作者のペンネームの意味が知りたい…。

2010年01月28日

横山了一 『極☆漫~極道漫画道』1

 ヤクザの組長は乙女で少女漫画家志望なのです☆という話。

 関東でも有名な武闘派の組の組長なのですが、実は『花とまめ』に投稿して一喜一憂していて、でも周囲からはその一喜一憂が恐れおののかれてるのです。
 というあたりがもう似てるのだけれど、オビも若杉公徳で、DMCの影響丸見えな印象だった。ちょっとモテモテ王国っぽさもある気がするのは、毎回の扉絵のあらすじ紹介のせいかな。
 あと、ネタは面白いのだが、絵がちょっとヘタすぎる。絵はヘタでも面白い漫画、と言っていられないくらい。絵も漫画としての構成もぜんぜんこなれてないので、せっかく面白い題材なんだから、もうちょっと短編とか書いて修行してから連載したらよかったんではと思った。けど、表紙もバクマンパロだし、今出したいという判断だったんだろうなあとも思う。
 全体的に、そこそこ面白いけどなんかもったいない漫画、という感じだった。関西の投稿者組長とか面白いネタ多いんだけれど。

2010年01月29日

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』

 ゴボウはやはり根っこなのではないか。
 最近g-toolのリンクが作者名入らないことが多いので、変えてみる。

 ローマの浴場。
 第一話を試し読みしたらすごく面白かったので買ってしまった。

 ハドリアヌス帝時代のローマ、浴場建設で挫折してしまった建築家が、現代日本の銭湯にタイムスリップしておおおぉ!ってなる話。

 アホ面白かった。第一話だけ読むと一発ネタっぽいし、続きってどうすんのか、マンネリになったりネタ切れしたりするんでは、とか思ったけれど、各話で露天風呂、家庭風呂、湯治場など各回うまくいろんなお風呂を工夫してつかったお話で、とても面白い。

2010年01月30日

高月まつり『モンスターズ・ラブスクール』

 おおぉ。○にAのマークみたいのはダビデの星だったのか。

 妖怪学校の先生×狐少年。
 霊能師一族にいながら全然能力がなく地道に暮らしていたリーマンなのですが、勤めていた会社が倒産し、一族をたばねる祖母の紹介で教員免許を活かして先生をすることになりまして。もちろんただの学校ではなく、古今東西の妖怪が人間社会のことを学ぶ学校だったのです。

 ありがちなネタではあるけれど、BLってこともあり『がっこうのせんせい』とかぶる。
 お話自体は特に可もなく不可もない感じ。ちょっと文体がライトというかお手軽に書きすぎなきらいはあるし、感情の動きとかあまり丁寧に書かれていない印象もある。
 でもまあとりあえず、こんな学校で仕事したい…と思ったので、いいかなと。

 攻めは体温低い感じでなんかあんまし好きになれなかった。感情移入できないから、受けを受け入れたのもなんでなのかいまいちよくわからない。頭なでちゃいけないってのちゃんと聞こうよ。
 受けは子どもっぽいのだが、実年齢は七十歳ちょっと、外見は青年という設定。天然素直のかわいい受けだが、外見は青年というのがいいので、漫画のほうがこの設定が活きたかも。
 その他の妖怪もいろいろかわいい。
 絵は、こうじま奈月はこういう受けをちゃんと青年で書いてくれるのでいいと思う。

2010年01月31日

如月弘鷹・ひちわゆか『KEEP OUT』

 佐藤健は一般的にブリッコキャラだと思われているのか、そう受け止められているとしたらそれは戦略的なものなのかどうか、ということがフィッツのあたりからずっと気になっています。


 イケメンややわんこ社長×美人SP。

 受けの仕事へのプライドを尊重しなきゃと思いつつ、危ない仕事はやめてほしいというわりとよくあるSPものというところかなあ。プラスSP上司のおっさん×ツンデレ社長秘書も。

 なんだか物足りなかった。悪い意味で原作ものという感じだった。なんか、原作漫画双方で遠慮しあっているような、掘り下げが足りないような、そんな印象なのです。

with Ajax Amazon