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2005年07月01日

★2005上半期・BL漫画ベスト10

 マヨイガ恒例(のつもり)の新刊BLベスト10です。今期は正直なところちょっと不作だったかな、と思います。その一方、かなり濃いというかマニアックなチョイスになったかなぁという気もしています。

2005年07月04日

六月に読んだものから。

 初めて読んだ。これであと読んでないのは『坑夫』だけ、かな。
 結構面白かった。600ページも読まされて未完というのはあまりに凶悪だけど。
 『明暗』の延子とか『虞美人草』の藤尾とか、『三四郎』の美禰子もかな、結構同情的に書かれている気がする(同情的というのとは違うかもわからないけど、でも少なくとも語り手は彼女達に客観的でありつつも否定的ではない気がする)ので、漱石ってちょっと不思議。この三人は嫂系の女性たちとはちょっと違う気がするから(嫂の亜種といわれればそれまでだが。そしてこの女性達がわたしは結構好き。
 続も読みたいなぁ。

 この表紙かわいくないね。改版したのかな。
 虫の生態がよくわからないのだけれど、なんかヌメヌメしてたりきれいな食べ物がキライだったりっていうのは、どういう虫なんだろうと。でもこういう疑問、科学的には解決できるんだっけ?わかんないや。
2005-10-30 16:56:11

 ええと、覚えている分だけというか一言したいものだけ。でもどうせそんなに数は読んでないか。

 猫ぢゃ猫ぢゃとおっしゃいますが♪
 先日は『放浪記』の「ぷりぷりしながら」に反応してしまいましたが、『猫』にも出てきましたよ、「ぷりぷりして」って(笑。
 『猫』は長くって読み返すのがしんどいけれど、読むとやっぱりスゴク楽しいです。わたしの中では漱石の作品中のベスト3に入ります。あのエクリチュールはスゴイよなぁと思うと同時に、漱石も文壇もそれだけでは済まなかったんだろうなぁと思うとちょっと淋しいです。あの文体で書き続けていたら、漱石がお札に刷られることはなかったのだろうなぁ。

 数少ないわたしが大好きだ!と言える本のうちの一冊。今更説明するまでもない、エンタメSFの金字塔。を、また読んだ。一体何度目だ。確か2000年になったら読もう、と思っていたはずなのだけれど、読んだっけかな…。
 それはさておき、何度読んでもほんと面白い。前半のコールドスリープの所までは何度読んでもイライラするし、末尾のすべての符号がカチカチと組み合わさっていく様は何度読んでも爽快で圧巻。ちょっと差別的な表現なども目に付いたけど、まぁ時代の問題だし仕方がないかな。ダンの父が「北朝鮮で洗脳を受けて死んでしまった」というのが何度読んでも笑ってしまう(笑っていいとこだよね?ここは流石にジョークだと思うので。

2005年07月05日

小畑健・大場つぐみ『DEATH NOTE』7

 んー。
 「み」の字とかLラストとか凶悪なライトとか見所はたくさんあるんだけど、もう知ってしまっているせいか雑誌の時ほどのインパクトはなかった。やはりスピード感は大事なわけで。
 あと、ミサはノートに触れただけで記憶を取り戻したのにライトは所有者にならないと記憶が戻らないってのはどういうことなんだ。矛盾は今更ですか。
 メロニア以降はやはりイマイチだった。

2005年07月07日

市東亮子『やじきた学園道中記』26

 かなり前に買っておいたのだけれどやっと読んだ。

 上総介って初お目見えだっけ?もはやそれさえも良くわからないけど…。
 で、上総介登場でちょっと不安になってきた。もしや赤目篇って、復活第一弾であると同時に最終話なのかなぁ。ただ、大海人皇子のあたりは妙に話がでかくなってはいるけれどやじきた全体の締めって感じでもないような気もするし、まだおっこちてる話もいっぱいあるような気もする(ハーディの星の話とか)ので、違うと思うというか思いたいけど…。
 まぁとりあえず、一之介と千之介の体格差はスゴイなと思った。どうも箱根のイメージが強いせいか、一之介が正義漢の熱血漢のせいか、千ちゃんがないがしろにされがちな気がするので、うるわしい兄弟愛に安心。
 小鉄が相変わらず美人で感激。メガネがふっとぶ展開にモエモエ。拾ってこられたそのメガネを見て「小鉄!」とか言ってる若様にモエモエ。あと非常にまったりとしてて成長したなぁという印象の狭霧はほのぼの。

2005年07月09日

山田ユギ『誰がおまえを好きだと言った』

 昨日は友達と会って、ちょっと久々に無茶な呑み方をしてしまた。すごく反省。

「かわいい」と口に出す度心が軽くなる気がした
頭痛まで治まってきた気がするんだから現金な話だ

 …うあー(一体何の声なんだか。
 超よかった。全部が全部よかった。
 なんにしろ超よかったよ。

 表題作は昌幸さんが最低すぎ!ほんと最低!宗次郎はほんと意地だけでよくわからんキャラなのだがそれでもいい味を出している。いきなりタメ口になるし。「照る日曇る日」「暗いトンネルの向こう」の二連作はやや消化不良。そのあとどうなるの(笑。
 「靴下の穴」「苺の染み」の二連作、これが一番好き。最初のは石川の暗さとか、俯いてしまうという設定と靴の相関関係とか、甘すぎない終わり方とかよかった。後のは島田視点の石川が結構さばけていて面白かった。上記の引用もここに。つづきもの二作品で視点人物が違うとことか、石川のどんよりっぷりとか、ちょっと「誰にも愛されない」を思いだすかも。

2005年07月10日

天王寺ミオ『眼鏡越しの空は…』

 アマゾンはなぜいつもビブロスコミックスを入れるのが遅いのか。
 それはさておき、すごくビブロスな一冊だった…。表題作とかはなんか悪い意味でムズがゆいよ。なんというかね、キャラが乙女かつややオタク的な奇妙なあたふたをしてて。展開もやや拙速で。ビブロスの学園ものってそういうイメージなんだな。正直ニガテだ。
 あと、この人は大人を描くのが上手くないなと思った。

2005年07月11日

高尾滋『てるてる×少年』11

 これも結構前に購入してたんだけど。あぁしかし、惰性で最終巻まで買ってしまった感じだなぁ…。
 やっとのことでなんとなく大筋はわかったけれど、この展開って別にしのも才蔵もいなくっていいよね(笑。最初の頃の、ツンデレ(この言葉考えた人はスゴイなと思った…)なしのと、あたふたしててでもいざって時にはカッコいい才蔵、魅力的な脇キャスト、で送られる忍風味の学園ファンタジー、が面白く魅力的な世界だっただけに、あれを放棄してまでこんな展開にする必要があったのか疑問。正吾さんがとってつけたよーに才蔵にメガネをかけさせた、そのとってつけたっぷりがこの作品の到達点を示しているようで悲しかったなぁ。
 こういうのって、作者の技量も問題なのかもしれないけれど、花とゆめという総体がほんとにもうダメなのかな、と思って淋しくなった。以前は急激に方向性かえつつ魅力を失わない漫画なんていっぱいあったもの。

 えぇい。もういい、次だ、ゴールデン・デイズ持ってこーい(笑。

2005年07月12日

鹿住槙・桜城やや『恋愛協定~抜け駆けナシ!』

 …オーノー。
 ビブロスの新刊がめちゃめちゃはけてるよ。
 神葉理世とピストルズを買う予定だったのに、どっちもなかった。ピストルズが完売なのは予想できたことだけれど、神葉理世もはけてるなんて…。かゆまみむも見かけなかったなぁ。宮本佳乃はどうしようかなぁ…。

 …なにか根本的にものすごーく設定というか展開にムリがある気がしたんだが。なんかこう、恥ずかしい。恥ずかしいお話は嫌いではないんだけど、なんかこう、イタいかんじに恥ずかしい。そして、雅巳があまりにダメダメでアホ過ぎて、なんだかもうかわいそうになってきた(笑。鹿住槙のそういうムチャを受け止めた穂波ゆきねはやはり偉かったのかもしれない(笑、『ヤバイ気持ち』も結構ムチャ展開だったけど面白かったから。
 あと、なんだか桜城ややの絵はかなりニガテなんだけど、そうダメでもないというか、なんだろう。読めないほどニガテではないということなんだろうかと毎回思う。

2005年07月14日

寿たらこ『SEX PISTOLS』4

 いやはや。

 やっぱり15~18はヒドイや。
 うーん。展開も筋もベタとはいえ悪くもないと思うんだけど、乱雑な絵はひとまずおいても、雑なセリフまわしやいいかげんなコマ送りはやはりイタい。だって漫画なんだからさ。王道展開へのテレとか、ノリりんと国政への飽きとか、そんなもろもろがひしひしと感じられてせつない。

 それ以降のパパふたり話は久々にまともなピストルズという感じで満足。こうでなきゃ。マクシミリアンいいなぁ!美人で潔癖純情だなんて。

 で?
 この表紙は誰なん?
 …。あ、ハブの医者か。

2005年07月15日

神葉理世『愛人☆淫魔(インキュバス)』

 この件には非常に触れたくないのだがしかし、MステのO-ZONEは酷かった。
 それはさておき。

 このタイトルは…
 何だ。どうしろってんだ。

 と思いつつ、怖いもの見たさで購入は以前から決めていた。
 読んだ。
 読みましたよ。

 『愛人☆淫魔(インキュバス)』を!

(しかしせめてインキュバスのルビは入れずには書けないヘタレ。でも入れてもあんまりはずかしさはかわらない。しかしやはりアマゾンの愛人淫魔という表記ははずかしすぎるかと…)

 展開もネタも、お気楽なライト少女漫画と男性向けポルノのテンプレートというか。むしろそれだけが目的というか、テンプレートの羅列が目的化してる感じ。だって触手とかさあ、BLではじめて見たよ、触手は。
 まぁ、それならそれで開き直ってやってくれれば別に娯楽BLとして十分機能すると思うんだけど、でもそれには一味足りない感じ。いまいちツメが甘いというか。作者はあまり器用なほうではないのではないかとの印象だった。どうせならもっとはっちゃけちゃってください。

2005年07月17日

あじみね朔生『君のつく嘘と本当』2

 夏コミのパンフを見てお目当てのサークルさんを探しつつ『「ぬ」があったぞ、「る」だから、「ぬ」の後で…』とか考えつつ、ハタと気づいて相当重症だなと思いました。わたしは何時時代の人間ですか。ちりぬるを。

 これの一巻を最初に読んだ時は何が何だかよくわからなかったけれど、読み返しているうちに、北原弁護士がひどくダメダメで、久世くんがめちゃめちゃ激情家というか感情的というかとにかく強キャラでぶりっこ(笑)なのだな、とやっと理解して、とにかくそういうことだ。

 久世くんが相変わらず強くて面白かった。ちょっと敵キャラ(笑)も登場するけど、あぁやっぱ北原先生はヘタレだなって感想。
 猫が出てくる番外編っぽい黒沢くん話では、猫のだっこの仕方が気になってしょうがなかった。あのだっこの仕方ではお尻というかアレの部分が手についちゃう気がするんだけど…(笑。いや、どうでもいいんだけどさ。
 あと兄弟ものの短編が妙に気に入ってしまった。兄の彼氏がかわいそうだが。

2005年07月18日

梅雨明けにて。

 梅雨明けですかー。
 うんざりするくらい暑いですが、ピロウズTシャツの出番が増えたのは喜ばしいことです。ネコドクロTシャツの評判があんましよくないですが(笑。

 …まだプレデターズのアルバムを買っていません。

 唐突ですが、「My Beautiful Sun(Irene)」は地味~に大好きな曲です。「アイ♪アイ♪アイニージュー♪」なんて歌詞なのにこんなカッコいい曲、さわおにしか作れないと思う(笑。ついつい口ずさんでしまいます。

 そいえば、こないだこっそりと(全然こっそりじゃないけど)ちょっとした実験をしたのですが、イマドキの高校生の殆どはピロウズを知らない、という結果に終わりました…あるいは知っててもバスターズではなかった。
 ピロウズって一体どんな世代が聞いてるんだ?

2005年07月22日

マモノ。

 描いた、持ってった、入稿した。


『氷の魔物の物語』はあまりに冊数が多いのと以前一巻で挫折したのとで、読むきっかけを失っていたんだけれど、今月から文庫化がはじまるのでこれを機に揃えようと思ってる。
 のだけれど、今日オフで十巻あたりまで揃っていたのでついつい手にとって、立ち読みするつもりはなかったのについつい読み耽ってしまった(七巻あたりで根気が尽きたけど。腰がいたいよう。面白いようマモノ。
 あ、文庫はちゃんと買います。

 とにかくスゴイ。こんなにベタな設定で、こんなにベタな展開で、かわいくて、感動で、面白い。ファンタジーってジャンルで魔物と人の共存をテーマにすえるのは、ロボットアニメでSFの時間を扱った『トップをねらえ!』のような直球勝負だと思うし、個人的にはすごく好感がもてる。
 イシュカという人間はあまりにベタなイノセンスでやはりちょっとおなか一杯な気分になる時もあるけれど、時折そういう既存のイノセンス枠を飛びぬける部分があって、それがきらきらしていて大変よい。『シルバーダイヤモンド』のラカンもそんなかんじではあるけれど。ラカンとはバックグラウンドが違うので、また面白い。

 杉浦志保ってやはりイイなぁ。この人が冬水社で書いてるってのはステキなことだが残念なことでもある。こういう地味にイイ作家が育つんなら冬水社ってやっぱ素敵な試みだとは思うのだけど、やはり流通しにくいってのは難点だしもっと多くの人に読んで欲しいとも思うのだ。

 あっ違うしまった、これはBLなんだった。

2005年07月23日

杉浦志保『SILVER DIAMOND』6

 杉浦志保『SILVER DIAMOND』6(冬水社)

 ――『本当』に なるんだと 思った……

 というわけで、やっと買えた。近所に冬水社を扱う本屋があってよかった。というか、そういう気安いところに置かれてなければ杉浦志保には出会わなかったかもしれないなぁ。うーん。SDの一巻表紙のあまりの秀麗さに一目ぼれしてジャケ買いしたもので。

 昨日マモノを読んでしまったせいか、ちょっと違和感があった。あれだね、マモノのほうが恋愛的要素が若干多い気がする。SDはチグサが一人で頑張っているが(笑)それがヘンタイ呼ばわりされるしまつだし…。
 灯野兄弟がかわいい。カズヒがどんどんいい奴になっていくし…慣れないな…かわいいカズヒには。
 金隷が怪しい動きをしているけれど、どうなるんだろう。三重も気になる。しかし三重といえば、そういえばあれだな、SDもマモノも女の子が殆ど出てこないんだな…。別にいいけど。

 つーか正直マモノが気にかかってしょうがない。

 文庫の一二巻もとりあえず購入。まだ未読だけれど。
 文庫の最終巻刊行は来年になるらしいのだけれど…待てるかなぁ…(笑。

2005年07月24日

映画『ハウルの動く城』

 ネタバレがありますので未見の方はご注意を。

 見ないつもりだったのですが、仕事で使えそうな気がして急遽『ハウルの動く城』、時期をはずしているので下高井戸まで行って見てきました。最近シネコンしか行かないので、小さくてかわいい映画館で懐かしい感じでした、下高井戸シネマは。

 えー。予想に反して面白かったです。『もののけ姫』よりかは、というレベルで。

 技法について。声優は相変わらずうまくない。美輪さんは別格だけれど、他はほぼ聞くに堪えない。木村拓哉は意外といいという意見も聞くけど、単にあの中では下手さが際だたなかっただけかと。つーかそれについては後述。
 絵については、韓国に下請けに出すのはやめたみたいだけど、それでも作画は不統一だった。最初のハウルとお花畑のハウルなんて違いすぎ(いや髪の色でなくってよ。あと、ソフィーの外見のモーフィングはもうちょっと工夫が欲しい(理解出来ていない人がいたように思う)し、そうした人間絵のいいかげんさや、これは物語内容の話にもかかわるけれど、キャラづけの雑駁さがイヤだった。特にハウルやソフィーといった主人公のキャラが言葉や表情、行動に一貫性がなくあいまいすぎ。
 物語について。物語の緻密でないことはさておくとしても(わたしはあまり完全なる物語は志向しない)、「90才のソフィーの恋」では殆どない、というのは羊頭狗肉というかなんというか…。ハウルはソフィーの正体を知っていた(寝顔の時点もしくは過去の時点で?)わけだし、これは前述のキャラづけにもかかわることだけれど、ソフィーの老婆性の設定がむちゃくちゃいいかげん。老婆と少女を行きつ戻りつするのは面白い試みだけど、アイデアに描写(脚本=映画としての物語も絵も声も)が追いついていない感じ。
 あと、魔法に関する論理がめちゃくちゃ。なんで城を一旦壊したのかとか全然わかんない。それと、なんで戦争しているのかわからない。いや分からなくてもいいんだけど、それにしては最後のサリマンのセリフが意味不明。
 なんかこの消化不良っぷりは『魔女の宅急便』に近いものがあるなぁ。同じ原作ものだし。原作アリでつくる物語の強度が脆弱すぎるのでは?宮崎ハヤオ。

 とはいいつつも!
 とりあえずハウルはモエモエだった!声が石田彰だったら三十倍くらい素敵なキャラになっただろう!(すみません、声優は全然詳しくないので美青年演じられる上手い声優は石田彰しか知らないのです…というか単にわたしの好みということもあり。あの薄い描写でも石田彰だったらもう少しは深みのあるキャラになっただろうなぁ…。
 あと、(特にハウルの服の)色指定の趣味が悪すぎて卒倒しそうになったよ。なので色替えで。

ハウル

 とはいいつつ、いまだにマモノのほうがよっぽど気になる帰り道。
 わたしのせいか?『ハウル』のせいか?
 マモノのせい、ではある、確実に。

2005年07月25日

南かずか『スキンクリームで濡らして』

 何ですか、このタイトルはもう、レジに持っていかせたくないんでしょうか、読者に買わせたくないんでしょうか。
 何度考えてもタイトルの意味がさっぱりわかんないし。本編に全然関係ないし(多分あとがきにあった「肌」というのがキイワードらしいのだが…。

 内容は普通に南かずかでした。一冊こっきりのシリーズはやはり薄いというのと、いくら南かずかにしても展開があまりにベタというのとは思った。
 暑さとの波状攻撃で頭がとろけそうだ。

2005年07月26日

杉浦志保『氷の魔物の物語』1、2

 杉浦志保『氷の魔物の物語』1、2(冬水社)

 「『魔物だ』とか関係ないってば
  おれは好きな魔物の人いるもん!! 

 「好きな魔物の人」、とかいう言葉の使い方が少し前のオタク系少女漫画っぽくて好きだ(この評言は褒めて見えないかもしれないが…。「おれとかってどうしたらいいんだろう」の「とかって」のどーでもよさげな使い方とかも、いかにもだよなぁ。なんか懐かしくて好き。

 というわけでマモノは少し前には読み終えてましたが、やはりいいものです。
 自分にとってオーソドックスなファンタジーが久々だったというのもあるのだろうなぁ。

 関係ないけど、どこかのあとがきで作者は同人はやってません、同人やる時間があったらもう一個連載したい、なんて書いていて、ああこの人は漢だ!と思った(勿論同人が悪いというのでは決してなくって、そっちで頑張る人もいて当然だと思うんだけど、でもこの人はそうではないというだけのことだと思う。この人漫画大好きなんだなと思ったし、そういう人の作品は評価したくなる(同じ意味で安野モヨコとかも結構好きなのだけど。

2005年07月31日

やまねあやの『クリムゾン・スペル』1

 なんだかよくわからなかった、ような。

 ファンタジーのお約束というかテンプレ設定・展開が目白押しで、しかし目的というか中心はボーイズエロという感じで、すごく違和感が…。書下ろしがファンタジーのお約束というかファンタジーエロのお約束というかなかんじで、おいおい、と思った。ベタだ。主人公二人のキャラづけや心情がわかりづらいことも違和感に拍車をかけているような。
 絵は相変わらずうまい、というか丁寧だけど。やまねあやのの絵の上手さって結局そこに帰着するんだな。だから上手いとは思うんだけどあんまし執着できない絵なんだな、わたしには。

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