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2019年07月01日

夏野寛子『冬知らずの恋』

 高校生、隣の家に住むいとこが好きなんだけど、夏になるとクーラーが聞かないとかいってこっちの部屋に来て寝ていくのがうれし困る。
 面白かったけれど、攻め=いとこが奔放で身勝手に見えてしまってあまり好きになれなかった。いとこが彼女連れ込んでるの聴いちゃうあたりが生々しいし、後半いとこの気持ちを受け入れにくい受けに腹をたてるのも子供っぽくて優しくないと思ってしまう。
 まあいとこ視点から見れば、受けは勝手にうじうじ悩んでただけってことになるのだろうけれど、導入が受け視点だったのでどうしても受けよりで読んでしまう。
 番外編も購入した。

大口みなと『想定外』

 無料の単話版第1話~8話。未完結だったのがこちとしても想定外でした…。
 真面目っぽいクラスメイトに告白されて、付き合えないけどなんだかんだ親しくなっていく話。各話が短いので、なかなか進まないけれど続きが気になるー。

百瀬あん『俺を見て。』

 Kindle Ultimated。
 年上幼馴染が好きで、同じ大学に行ったけど、過去のトラウマで奔放になっちゃってた。
 奔放な受けとかわいそうな一途攻め、は読んでてしんどいかなと思ったけど、受けにもそうなった理由があったりしたのでそうでもなかった。

2019年07月02日

sunoma『あっくんとまーくん』

 無料の単話版1~18話と番外編。
 幼馴染のヤンキーのあっくんと優等生のまーくん、事情から不良高に来たまーくんになつくあっくん。
 面白かった。終わり方というかまーくんの展開は少々唐突ではあった。

鈴丸みんた『ゴールデンスパークル』

 母と姉がふわふわ過ぎて、世間の女子とうまくやれず、金髪にして人を遠ざけていたこが、高校でコミュ強イケメンと友だちになってたーのしー!と思っていたら、自分は性の知識が皆無なことを知ってどうしましょう。
 面白かわいすぎる。性の知識がなさすぎるキャラというのは現実味はうすいけれど、漫画だし、とにかくかわいいのでいい。
 イケメン友人は、前半はただの男前なのだけれど、後半自分でも言っているように性格がめんどくさい感じになってきて、それはいいんだけどキャラがたたない感じになってしまったのは少々残念。
 学校が実技系なのかな?作業着っぽい服の場面があったけれど説明はなくハテナ。

2019年07月03日

鈴丸みんた『キューピッドに落雷』

 学校で情報屋みたいなことをしているこが、ひたいに傷のあるイケメン先輩の秘密を知りたい女子に頼まれて、とっつきづらい彼になんとか話しかけたら興味が出て仲良くなりたくなってしまって。
 とにかく二人ともカワイイ。後輩は将来イケメンになりそう。地味に首が太いのがいい。ほぼ後輩視点なので、先輩はなぜ後輩を受け入れたのかはもうちょっと理由がはっきりしてるとよかったかも。先輩も後輩大好きなのはよくわかるけど(笑。

鈴丸みんた『俺がお前に何をした』

 表題作は、出会い系でネコを募集したのに年下の男に無理やりされて…な話なので、いろいろ情状酌量の余地はあるにしても流石にどうかと思い入り込みづらかった。
 後半に風紀委員と美人ビッチ、風紀委員と自由人の話が入っていて、単話版でも買ってしまったのもあって少々残念…でもどっちも面白かった。

くれの又秋『手中に落としていいですか』

 AVのスカウトをしている男がノンケ素人の男の子に目をつけて、交流していってな話。
 お話は面白かったけど、スカウトの男がなぜか糸目なのが気になって集中しにくかった。

みちのくアタミ『アダムの肋骨』1

 遊園地の着ぐるみをしていたら、寮の相部屋になった清掃係の男が幼い頃会ったことがあるらしく、しかも多重人格で。
 面白い。受けのことが好きな二人共魅力的。女の子の人格もかわいかった。
 ただ、展開がゆっくりめな気がして結構続くのかなと思っていたら三冊くらいの予定だそうなので、今後どう続くのか楽しみ。

菊屋きく子『情事のあとで』

 Kindle Ultimated。
 イケメンでもてるのに長続きしない大学生の幼馴染を慰めていたら、そういうことになってしまった。
 絵があまり合わなかったけれど、内容はライトめで楽しく読めたと思う。

網野素『死神幸福論』

 Kindle Ultimated。
 死神という渾名の生物の先生と親しくなって。
 亡き妻との結婚指輪をいまだにつけているからって、死神ってあだ名はひどすぎないか、そこまで悪乗りする高校生そんなにいるかな…と悲しくなった。まあ残っている生徒たちはあだなの由来は知らないという設定ではあるけど。

ココミ『オーマイヒーロー!』

 Kindle Ultimated。
 ヒーローショーに出てたら常連さんの親子と親しくなって。
 子連れノンケものはあまり得意ではないけれど、ライトにも楽しめた。

2019年07月04日

もちの米『けものあそび』

 マゾのピアニスト少年が、父の期待の重さに家出して、暴力を平気でふるえる男の家に押しかけ同居。
 面白かった。マゾと暴力男だからってすぐにうまくいくわけではないのがよかった。ただ、読み終わるまで暴力男が『おにくちゃん』の当て馬だと気づかなかったので、途中に出てきた金持ちと奔放な彼氏のカップルは謎だった…(笑。

那木渡『ロストバージン』

 若手俳優が、以前監禁調教した後輩が服屋になってるので謝りたいんだけど、ごついオカマタレントにはばまれて難航。
 …という謎のあらすじにビビりつつ、マネージャーを足蹴にする若手俳優におののきつつ、わりと飛んでる展開に何度か振り落とされそうになりつつ、なんだか面白かった。オカマタレントがすごいイケメンでいいんだけど、最初のあたりはあまり連絡をしなかったのは言い訳がほしかった。まだそこまで相手に入れ込んでなかったのかな。絵が少々昭和で、それも個人的には好き。
 ただ、その監禁調教がある前作は未読なんだけれど今作より更にぶっ飛んでそうで、読みにくそうだ…(笑。

淀川ゆお『サトリくんとツンデレくん』

 Kindle Ultimated。
 触れると人の気持ちがわかってしまうサトリくんが、つんけんしてるクラスメイトが実は自分を好きだと知って意識してしまう。
 面白かったけどさとりくんの外見がなんだかオタクっぽいのにクラスの陽キャで人気があるのがちょっと微妙だった。

ゆき林檎『少年と神隠し』

 身寄りのない青年が山で謎の山伏に助けられたのだけれど、実は…というお話。
 最初の辺りの展開のおかしさが後で理由が明かされていくところや、二人の因縁とかは面白かった。ただ、終わり方が悲しい…こういうのもメリーバッドエンドなのかなあ。個人的には寂しいので、ご都合主義でもどちらかの生き方にあわせられて終わりがよかった…。

つむみ『おれの弟の本日のおねだり』

 Kindle Ultimated。
 漫画家の弟に押し負けるかわいいお兄ちゃん。
 お兄ちゃんはヒモになってしまいそうで心配。

ウノハナ『銀座ネオンパラダイス』

 Kindle Ultimated。
 敗戦後、戦地から戻ってきて俳優をはじめたチャラ男ぼんぼんと、英語の技能を活かして進駐軍の通訳になった幼馴染。
 絵が雑に見えて少々読みづらかった。攻めの受けに対する気持ちはもう少し描いてほしかった。

乙吉『藤に竜♡』

 Kindle Ultimated、単話版1~3話。
 クラスメイトの和風な少年に恋をして。
 絵がきれいで内容もよかった。

2019年07月05日

那木渡『バーレスクナイト』

 元ボクサーがバーレスクバーの用心棒になり、スウェーデンのクォーターで売れっ子のダンサーが気になる好きになる。
 絵がいい意味で昭和っぽい感じがあり、個人的に好み。展開が波乱万丈で目まぐるしく、恋愛面もしっかり描かれていて面白かった。

彩景でりこ『蟷螂の檻』1~4

 昭和前半くらい、地方の富裕なお家、父親は妾腹の外見だけは美しいが頭の成長が遅い長男を座敷牢に閉じ込めていりびたり、母親はそのせいで精神を病んで早逝、物心をついたときから側にいた秘書というか家令というかな男だけが味方で、やがて父がなくなり社長となるんだけれども、兄のこと、女性に興味が持てないこと、縁談等、大変なのです。

 なぜか4巻で完結だと勘違いしていて、4巻の展開と「つづく」という言葉を見て脱力した…でもよかった、まだ読みたいし。でもこの後どう続くんだろう?つづくのなら、攻めは生きているんだろうけど…。

 最初の辺りは兄に暴力をふるう受けに引いたけど、あまりの境遇なことがわかっていくととにかく気の毒で、でも健気なので、受けを応援するしかない感じ。
 攻めがあまり好きになれないのがキツい。めちゃくちゃ受けに執着しつついじめるサイコパス攻めって結構ある設定だけれど、個人的にはあまり好きではないのかも、と最近ようやく気づいた。途中までは目的は受けではないのかも?とも思っていたくらいなんだけれど、いっそそうでもよかったかも、個人的には。
 兄は、最初のあたりは受けの苦しみの象徴だしあまり好きではなかったけれど、世話役や弟嫁との交流の中でだんだん好感をもちはじめ、正直4巻になるともう兄弟エンドがいい!と思い始めたのだけれど、どうやらネットの反応を見る限り自分は少数派らしい…。4巻の終わり方は本当に好きで、何度も読み返してしまった。
 今後は受けの大学の同級生が活躍してくれるのだろうけど、単なる当て馬に終らないといいなあ、と思ってしまう辺り、やっぱりアンチ攻めなんだなあ…。いっそハーレムエンドでどうだろう(笑。兄も含めて。

2019年07月06日

わかちこ『暴走W王子』

 短編集、表題作は王子系アイドル二人組がさえない普通のマネージャーに執着する話。
 マネージャーの魅力がもうちょっと描かれてるとよかったかもと思った。

わかちこ『性春スクラップ』

 表題作は、写真部の廃部で新聞部に移籍したら、サッカー部のイケメンの取材をすることになり、なんかやっぱりカッコイイ話。
 面白かった。もう少し展開がゆっくりでもいい感じだった。

わかちこ『4P!』

 表題作は、ごく普通の酒癖の悪いリーマンが、乙女のように恋する上司、ツンデレ同僚、気の弱いメガネかと思ったら…な後輩のおもちゃになってしまう話。
 面白いけれど短編なので、もう少しじっくり読みたかった(笑。

フジサワユイ『客と家族になりまして』

 バーの店員、お金がなくて裏でウリやってた受けが、一見さんで来た富裕層なイケメンと一度だけ寝たら、血縁関係だったことがわかり、弟扱いされて不満足。
 ベタだけどいいよね、こういうの好きです

椋太郎『マイ・フェア・バージン!』

 Kindle Ultimated。
 イケメンモテ男がダサ幼馴染にお願いされて改造したらもて始めてもやもや。
 ライトに楽しく読めた。

うさみちこ『一番星のゆくえ』

 Kindle Ultimated。
 大好きな兄の結婚がショックで家出したら、謎の古民家っぽい家で謎のお兄さんに出会って。
 お兄さんの家と実家、弟の家の位置関係がわからず会いに行くことの大変さもしくは簡単さとかがわかりにくいなと思った。絵がショタっぽかった。

青丸『センセー(仮)のお仕事』

 Kindle Ultimated。
 教育実習先で不良生徒になつかれ(?)て。
 ライトに楽しく読んだけど実習が楽そうで羨ましい(笑。

2019年07月07日

赤星ジェイク『噛ませ指』

 爪を噛むくせを見られた同僚にかわりに指を噛まされて。
 古めの作品集だったっぽい?のと、少々短めで物足りなかった。
 後半は柔道の先生と生徒、こちらはあまり萌えられず…。
 

わかちこ『売りオトコに買いオトコ』

 同じマンションに高校で水泳部のスターだった同級生がいて、ウリで生活しているらしくって。
 大きな起伏はないけれど面白かった。

三田六十『俺はニーチャ』

 六人兄弟の長男で共働きの両親のため、遊ぶこともせずに家事ばっかりでにーちゃがあだ名になってしまった受け。ふとしたことで商店街の風俗店店長と知り合い、自分の名前をちゃんと呼んでくれたことにどきどきして無理をいって風俗店でバイトさせてもらうことに。
 うーん。面白くなくはないんだけど、何かひと味足りない感じがした。健気苦労受けものにしては、家族からの感謝や尊敬があまり描かれずにむしろバイトとかでメールに気づかなかったり弟の不調時にいなかったりしたことを責められてるだけで、なんかかわいそう。だからといって毒家族として描かれているわけでもないし。
 攻めのほうも、受けへの気持ちの変化や本音はもっとがっつり描いてほしかった。
 あと、この二人将来どうするの…とか現実的なことも気になってしまった。数年後の二人が読みたい。

キサラ『今度は逃さない~執着系に狙われて~』

 単話版1~2話、1話はKindle Ultimated。
 ストーカーに狙われている受けが、親友に助けてもらう話。
 なんだけれど、ネタバレになるから描かないけれど顛末がなかなかよかった。あーそっちね…と思った後で、えーそうくるか、という感じで面白かった。

那梧なゆた『みはなだペクトライト』

 校内順位一位なせいで万年二位のこにめっちゃ感じ悪くされてて困る。
 面白かったけど、少々不満もある。
 一位のこがややキャラ迷子で、家計のために勉強頑張ってる、でも二位のこほどがつがつしていない、はずだから、わりと能力高い常人ばなれしたいい子、なのかなと思いきやわりと普通のこなので、なんかつかみづらい感じがした。特に後半は一位のこが悩むターンになっていることもあり、ますますそんな感じ。
 二位の子は最初は感じ悪いけど、事情とかで納得したものの、後半は上記の展開があって二位のこがいきなり大人びちゃうので、なんかこちらもつかみづらい。
 タイトルが平仮名だしわかりにくい(多分水縹だろう。

松基羊『むせび鳴け、純情』

 獣人と人間が対立している世界で、なんか自分を気に入ってくれてるチャラい獣人ハンターが気になるけど実は自分も獣人で、なダイニングバーで働く受けのお話。
 なんか、個々の場面ではこういう風に描きたいんだろうな、という意欲や意図を感じるけれど、全体のお話やつながりがばらばらな印象。兄の話とかも面白くなりそうなのに尻すぼみで、スピンオフを狙ってるんですね、という感じしか受けなかった。タイトルも内容に合っていない。

2019年07月08日

赤星ジェイク『バスガイドCスポット』

 夜のバスツアーガイドをしている受けは、トイレを我慢するのが好きな変態ちゃん。ハーブティーのせいでどうしても我慢できなくなって、ツアー先のメンズストリップ劇場でトイレを借りようとしたら、劇場のスターダンサーにだまされ野外で…な折に後輩ダンサーと知り合って。
 受けが迷惑変態すぎる(笑。しょっちゅうおもらしすることになるので、これでよく攻めは受けを好きになったなあと思ってしまう。でも受けがうどんを食べている顔がめちゃくちゃかわいかったので、納得することにしました。
 そんな設定であることもあり、少々非現実的というかファンタジー世界っぽい感じもあって、おもらししつつもリリカルな雰囲気で不思議なお話だった。
 脇キャラのスターの先輩とバスの運転手がやけにしっかり描かれていて、いいんだけれど不思議。

赤星ジェイク『グルメのふくらみ』

 高校の頃の失恋がきっかけで、食べた余剰カロリーでエレクトする異常体質になった受け。謎の研究所であやしい治療を受け貞操帯をつけられつつ、会社で誘われてビルコン(ビルの合コン)に参加したら、ビルオーナーのイケメン息子に体質のことを知られてしまって。
 どうもこの作家さんはファンタジーのカテゴリーの方なのだなということがわかってきて、面白いので好きです。でもこの設定なので、受けが大変そうで気の毒だった。
 研究所の研究内容とか治療内容がわかりにくく、効果があったのかも不明瞭なのが少々残念だった。あれだけ助手も患者も頑張っていたのだから、むくわれてほしい…。

2019年07月09日

みちのくアタミ『レッドベリルにさよなら』1~3

 人生うまく行かない中で自分の命を救ってくれた吸血鬼さんに恩返しがしたい。
 おそらく昭和四十~五十年台くらいの設定だと思うし、雰囲気も好きなんだけれど、書き込みが少ないので少々残念。
 攻めが白人系に見えるけれどそういう設定でもないらしい。
 お話はほぼ想像がつく展開で、淡々としていて起伏も少ないので正直物足りなかった。

2019年07月10日

天河『悪いコだけど愛してよ』

 表題作は、天然お金持ち優等生が大学の同級生のウリを邪魔してしまい、押し売りされて、五千円なんて安すぎ!とお金を払いに行く話。
 絵がかわいくて、お話もさらっとしてはいるけど面白い。

akabeko『蝶と花の関係性』

 体育会系育ちでぬるい先輩にやきもきしてたら、あるきっかけでドM開眼して先輩にいじめられて喜ぶ話。
 面白かったけど、先輩がマジ奉仕のSで大変そうだった…(笑。
 あと、なんか最近お腹のタトゥーは淫紋ということになったのか、淫紋という語の意味が変わったのか、と疑問に思った(笑。
 先輩の過去編があるけれど、他の彼氏の話なのであまり興味が惹かれない。

ここのつヒロ『なびかないにもほどがある』

 担任が顧問をしている地学部にむりやり入れられたチャラ男は、つまらない地学部部長が顧問を好きなことを知って無理やり。
 絵がきれいでスタイリッシュ。お話もオーソドックスで面白かった。

みちのくアタミ『はじまりはナカから』

 副業兼趣味で尿道ブジーの通販をやってたら真面目上司からの注文が入り、という話。
 始まり方が結構どぎついわりに淡々と話がすすむけれど、まとまりもよく面白かった。

イクヤス『愛玩男子ラブグロウアップ』

 タイトルどおり、攻めがかわいい受けっ子に惚れて二人とも成長する話。前半はグリーンショップの店長で、取引先の社長さん相手の売り専している受けが、あるお得意さん社長の弟の相手を頼まれて、という話。後半はそのお得意さん社長とお弁当屋さんの話。
 受けが二人共体を売るような話なのだけれど、明るくて、攻めが受けに惚れるのが理解できる感じでよかった。

野原滋『犬、拾うオレ、噛まれる』

 Kindle Ultimated。
 元カレのストーカーをしていたら、元カレの依頼を受けた便利屋の男が来て拉致監禁暴行をされる話。
 ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、最初のあたりからなんか受けの内心に一物ありそうだなとは思ったけれど、思った以上の展開でとても面白かった。受けの変わり者っぷりも、その過去もとても好み。攻めは最初は普通の人だなあという感じだったけど、読み進むうちに魅力的になっていってこちらもよかった。

野原滋『僕の行方』

 Kindle Ultimated。
 高校卒業直前に行方不明になり、数カ月後に発見された受けは、その間の記憶を失っていまして。

 すごいよかったー。
 ネタバレを避けつつ…。
 政治家の息子受けと日雇いの攻めで相性が悪く、記憶のない間の天真爛漫だった受けとのギャップにお互い苦しむ感じ。なのだけれど、それをうまく二人共昇華できていった感じでよかった。受けの事件の顛末もよかった。あの人はやっぱりそうよね…とか、攻めが都合よく現れすぎだと思ったらきちんと説明もされてたり、ストーリーテリングもしっかりしていてとても面白かった。

 この作家さんは、かわいそう受けかつ意外性のある展開という、個人的にすごく好みな傾向の方っぽいのでうれしい。

2019年07月11日

里つばめ『GAPS』『GAPS RISKY DAYS』『GAPS apples and oranges』『GAPS hanker』

 西田東と佐々木倫子を足して割ったような絵だと思う。

 会社の男女とわず人気なイケメン親切王子系後輩が、私生活では暴力男で女性関係も適当で汚部屋住人というとんでもないやつで、でもなんか口説かれ始めて困ってしまうアラフォーのED上司。
 攻めの無茶苦茶ぶりと、受け上司に色々我慢して迫りつつ、中々靡かない上司に逆ギレしたり、そんな男なのになぜか次第に魅力的になっていくのがいい。『hanker』だけかもしれないけれど、Kindleの表紙にオビが入っていて、「不能姫、クズ王子についに陥落!」というひどい惹句が可笑しい。確かにそういう話だ。陽キャ童貞後輩とか、清楚魔性後輩とか、周りのキャラもいい。

里つばめ『DOGS』

 『GAPS』の攻めの幼馴染の警官と、その上司のお話。
 お話の進みがゆっくりなので、まだこれからだなあという印象。でも続きが楽しみ。

2019年07月12日

イクヤス『発情けもの日和』

 野良猫たちの擬人化という感じ。
 前半のお話が最初は少々わかりにくかったけど、全体的に雰囲気がかわいくていい。

あがた愛『僕は君のいいなり』1、2

 高校テニス部、そつのない副部長先輩が自分にだけ冷たいんだけど、実は自分のことを好きらしいと知っておもちゃにする後輩。
 面白かったんだけど、いじめが結構えげつないので、後輩が先輩を好きになったり一途彼氏になったりするのが少々唐突な感じはした。
 テニス部ものを見るとテニプリ出身の作者さんかなあと思う。

2019年07月13日

あがた愛『23時のタイムシフト』

 表題作はエロ配信をしてる高校生が、クラスでういてる同級生にバレてしまって脅される話。
 面白かったけれど、配信の場面がもう少しあるとよかった。

里つばめ『俺が好きなら跪け』

 彼女に振られたらエリートなライバルに口説かれて。
 いいんだけど、一巻完結で仕事や同僚とのあれこれな描写が多いので、恋愛面が少々物足りない。もう少し読みたかった。でも終わり方がいい。

歩田川和果『堕天使』

 ラーメン屋のバイト受けと、なぜか人の考えがわかる客攻め。
 絵があまりきちっとしてなくて、顔さえ不安定なので、キャラクターがふわふわした感じになってしまい入り込みにくい気がした。

2019年07月14日

S井ミツル『めぐみとつぐみ』

 オメガバース、αの集まる学校に通う攻めが、他校の不良とケンカになったら、なんか発情期を気合で乗り切る超迷惑Ωでして。
 お話もキャラもアホで面白かったし、少々真面目な部分もあってよかった。つぐみが薬を使わない理由があれなので、ただの迷惑野郎でそれでいいのか…(笑。なんかもうちょっと不思議ちゃんっぽい理由がほしかった。Ωが眉なしでブサカワなので、ブワカワ受けジャンルでもある。
 絵も整っていてかわいいんだけど、ケンカの場面がうまくなく、殴り方が肩も腰も入ってないのが、二人共弱そうに見えて残念ではあった。

S井ミツル『世界はそんなに悪くない』

 引っ込み思案で恋愛に縁遠いかくれゲイの大学生、ネットでひろったやられまくりの美人ネコお兄さんの動画で慰められる日々の中、ふと訪れた銭湯で、その美人ネコお兄さん=売り専ボーイに出会ってしまって。
 すっごいよかった!このあらすじで面白いのか、萌えられるのかと正直少々心配してたけど、ほんとよかった。
 大学生のこが不安でうじうじ野郎でめんどくさいんだけれど、初めてのお付き合いなのだし人間味があっていいし、それを面白がるお兄さんの反応がよくて、二人共アホかわいい。もう少し続きが読みたいけれど、描かれていなさそうで残念…。

山本小鉄子『明日はどっちだ!』1~4

 以下続刊なのだけど、4巻である程度切りの良いところまで入っていたので結果的によかった…。
 ケンカの強い狂犬兄弟と、兄弟に憧れて強い男を目指して金髪にしてもただかわゆいだけのきららは隣の家の幼馴染、昔は同い年の弟とも仲良くしてて、中学に入り恋心に気づいたものの、いつからか距離を置かれるようになる。
 きららがとにかくかわゆい。外見はもとより、強くなりたいのにみんなにかわいがられちゃったり、元気でちょっとにぶくていいこでかわゆい。弟はむすっとしっぱなしで強情で素直でないので、早く諦めてしまえ!って感じ(笑。脇キャラもみんな個性的でいい。塙やひとみは裏がありそう、気をつけないと…とかいう描写がありつつ、たいして危険人物にならなかったし、なんかみんないい奴。
 今後の展開も楽しみ。

 しかしこの作家さん、こういう展開が得意で巧いのはわかるんだけど、BLで主人公CPが数巻くっつかずエロもなしでこれだけ連載を続けさせてもらえるというのは、作者も読者もすごく幸せなことだなあとも思う。

山本小鉄子『マッドシンデレラ』1~5

 隣に住む幼馴染の超お金持ち攻めと超庶民受け。下宿のまかないさんになった受けのところに、留学を終えた攻めが下宿し始めて。
 タイトルが謎…素朴かわいいお話なので、もう少しかわいいタイトルでよかった…。大きな展開はないけれど、ほのぼのと楽しめる感じ。

2019年07月15日

山本小鉄子『ふくろうくんとカレ』

 イケメンモテ男野球選手と、うぶな新人アナウンサーのお話。
 攻めのライバルと攻めの元カレの前作があったのか…。攻めは元カレと婚約(男どうしてどうして…笑)までしていたそうなので、受けへのラブはもっとはっちゃけてほしかった気がする。
 攻めにモデルはいるのか、いるとしたら誰なのかわからないけど、最近こういう感じのイケメン野球選手いるよね、という感じのキャラだった。

S井ミツル『コンプレックス×ジジョウ』

 目付きが悪いのがコンプレックスのこが仕事を紹介してもらう手はずで出向いたら、ゲイ向け出会い系の待ち合わせ相手と間違えられて、目付きの悪い花屋さんに連れて行かれる。
 正直期待したほど面白く感じられなかった。花屋さんで働き始めるあたりからなんだか微妙になっていったような気もする…。

桂小町『花と純潔』

 女子が血を吸われたがる純血エリートだけど人間を家畜にしか思ってない吸血鬼と、彼に血を座れ食料供給者にされてしまった同級生。
 設定とお話はそれほど変わっているわけではなく、絵が少々平面的でもありせいか、なんとなく淡々とした印象だった。

2019年07月16日

イシノアヤ『トリガー』

 離婚を契機に人生がうまくいかなくなったエリートが、かつて自分に告白してきた元同級生が隣に越してきて、ノンケの同居人にラブなのを知って脅してあれこれ。
 攻めがクズなんだけど、同情できるところや憎めない部分があるわけでもなく、どうしようもない感じだった。受けのビジネスパートナーのノンケにもう少し頑張ってほしかった。

仁井ちく『超人上司は未経験』

 新しい上司は仕事が出来るらしいけれど外見もっさりの童貞で、なんか付き合い方を教えてほしいとか言われまして。
 受けが体育会系という設定とか、攻めがスーツで決めるとイケメンとか超絶テクとか、ベタなのか設定盛り込み過ぎなのか、なんかとっちらかってしまっている印象だった。

じゃのめ『門限8時の恋人』

 恋愛体質なのに付き合い始めてはフラレてばかりのショップ店長が、通りすがりに告白してきたこと付き合いはじめたけれど、なんか8時が門限とかでエッチしかしてない…。
 門限の理由があんまり納得できなくて、タイトルでもあるのでもう少し説明や解消時のカタルシスが欲しかった。とはいえそれも含めて、やや非現実的なふわふわ感のあるお話で、雰囲気があって面白かった。

じゃのめ『黄昏アウトフォーカス』

 高校の寮でゲイとノンケのルームメイト、ノンケの所属する映研でBL映画をとることになり、ゲイのこに(ゲイとは知らずに)主役を頼むことになり。
 雰囲気もよく、絵もリリカルでかわいい。映研の仲間たちも最初はくどく感じたけれど、全体を通してみればまとまりよかった感じ。ただ、冒頭で二人がお互い迷惑かけません、口説きません等とカメラの前で宣言している場面が大事だったと思うので、それがなしくずし的にどうでもよくなってしまった感じなのは残念だった。あれが物語の展開に活きていればかなりの傑作になったと思うので。

山本小鉄子『ほんと野獣』1~12

 警官とかわいいヤクザのお話。
 多分、一巻(か、もしかしたら二巻くらいまで)は刊行時に購入していて、悪くないけれど続刊はいいかな…と思ったと思う。それがこんなに続いていたことに驚いた(笑。そして、ボリュームを求めていた時だったのでとてもありがたかった。そして、十二巻でまだ終わっていなかったのがびっくりうれしかったのでした。
 ヤクザのアキがとにかくカワイイのと、警官の朝春がふつうのイケメンなのにすごく個性的な顔である気がして、ビジュアルはどちらも好きです。朝春が優しいいい人なんだけど、博愛で感情の起伏は乏しいという設定もいい。その朝春がアキにだけはめろめろでむっつりなのもいい。アキにさんざん迷惑を掛けられてもほとんど怒らないのがすごい(笑。一方、アキは迷惑天然おバカ受けなんだけれど、朝春が怒らないのと、あととにかくカワイイせいか、読者のほうも許容してしまうのがすごい。でもアキは自分の誕生日も朝春の誕生日もデートがだめになっても全然怒らないし一緒にいられればうれしいなんて本気でいってるので、それはかわいいわけですよね。
 脇キャラもいろいろいいし、なんかもう可能な限り引き伸ばして続けてほしい。

山本小鉄子『笑う鬼には福きたる』1

 天涯孤独で借金をおってしまった受けが、再会した高校の同級生が、体を売るくらいなら自分のところに来いということで。
 受けが幸薄そうなのが珍しいかも。後半で攻めおじいちゃんのおつかいクエストがはじまって、流れが少々読めないので、今後どうなるのか楽しみ。

間之あまの『公爵は愛妻を攫う』

 呉服問屋、祖父の横暴で次男以降は殺されてしまうため女子として育てられた受け。ある日反物をもっていった華族の屋敷で美貌の攻めに見初められて。
 ベタだけれど逆に言えばほぼ期待通りなのでよかった。
 穂波ゆきねさんの絵が地味になりすぎているような気がする。

月村奎『片思いアライアンス』

 外見も家柄も完璧な王子なのに、付き合ってみるとつまらないとふられてばかりの大学生が、ばっちり好みの店長がいる喫茶店に通ってバイトをはじめ、次第に仲良くなるけど、付き合うわけには行かないから片思いでいたい。
 というわけで受けが攻めに嘘をついて攻めも嘘をつくはめになるのだけれど、嘘の必然性がやや薄く感じて、もたもたしていう二人に感じてしまった。受けは言葉遣いがあまりお坊ちゃんっぽくなかったので、もう少し丁寧だとよかった。

2019年07月17日

野原滋『いじわる狐とハートの猫又』

 Kindle Ultimated。
 人間のご主人さまが亡くなっても家を守ってきた猫又に、調査の人間のふりをして狐が近づいてきたけど、実は前世での因縁があって。
 とにかく狐が健気!可愛そう!でも再会できてよかったね…。タイトルがあってないというか、あまりいじわるな感じはしない。
 猫も、後にああいう受け入れられ方をするのなら、なぜ昔はあそこまで嫌われてしまったのか…。時間の経過で周囲の人も丸くなったということなのかなあ。
 前世編がかなりボリュームがあるので、二匹の小狐とか周囲の人とか、もう少し読みたかったなあという部分はある。

2019年07月18日

藤峰式『有休オメガ』

 オメガバース、とにかく働きたくないオメガが、見舞いに来た同僚のアルファに番にされてしまう話。
 うーん…薬が効かないと嘘ついて毎月発情期休暇をとる受けも、勝手に番にしてしまう攻めも、いくら漫画とはいえ倫理的にどうかと…。特にダラダラ受けはクズ野郎設定、なのかもしれないけど、なんかクズっぷりが中途半端というか、社会人としてどうよ…という感想だけになってしまったので、もっと突き抜けてくれていたほうがかえってフィクションとして受け入れやすかったかもしれない。

藤峰式『彼のSPは××につき』

 受け大統領とSPの話。
 最初は何も考えずに大統領=アメリカと思い込んでいたので、規模が小さくて違和感があった。読み飛ばしてしまったのかもしれないけど、SPは××、の中身がわからなかった。

緒芋みお『会いたくなかった』

 Kindle Ultimated。
 見覚えのある不良は少年野球でかっこよかった幼馴染でしたが、過去に触れられたくないようで。
 すごく大きな起伏はなく、普通のお話だった印象。
 

2019年07月19日

藤峰式『今は××××以外したくない』

 アマゾンでも正式タイトルが伏せ字にされている。
 いろいろうまく行かない受けがラノベ作家に拾われて、タイトルのような生活に。
 感想としては、その堕落生活が思ったよりは短かった(笑。

2019年07月20日

野原滋『愛されたがりの嘘つき』

 精力旺盛で気軽な付き合いだらけのワンマン社長と体の関係ありな秘書、社長が記憶をなくした夜に一緒だったので、自分が恋人なのだと嘘をついて社長のお世話をする。
 面白かったけれど、意外な展開はなかったのと、記憶喪失中の記憶の扱いが少々寂しい(短編で補われてはいるけど。

2019年07月21日

野原滋『愛とは美味なるものである』

 目が青くかわった性質から一人で神社に暮らす受け。宝物殿の淫魔の壺を興味本位で開けたら何か出てきたけれど、実は魔王で。
 淫魔と勘違いの辺りはコメディタッチだし、魔王が現代のものに驚いたりするあたりは典型的な展開という感じだったんだけれど、後半が結構壮絶。一人で神社を切り盛りするとか地元の有力者が支援しているとか妙な暮らしぶりの理由が後に判明して、かなりかわいそう受け。魔王の顛末もすごい。お話の収集という点でも、この二人の恋愛ものという点でも、よくこの結末におさまったなあ、と感心してしまった。

月東湊『鳳凰様の約束の花嫁』

 高校卒業したら突然四神のおさめる異世界に飛んで、自分は鳳凰様の花嫁になる神子だと言われたけど思い出せません。
 ベタだけれど面白かった。「鳳凰様」という呼び名があまりかわいくない…。せっかく異世界に行った設定なので、こちらの世界での鳳凰様との話ももうちょっとあると特色が出たんじゃないかという気もした。

夜光花『眷愛隷属 -白狐と貉-』

 眷属をつけて怪異を解決する一族で、頑張って試験に受かったのに眷属が子狸になってしまった受け。以前からセクハラしてくる白狐つきの当主次男に笑われつつ、やはり試験に受かった兄が、眷属のはずの大蛇に憑依されてしまって。
 もー素晴らしい。超いい。面白かったし萌えもあった。
 特に、性格に難ありで受けを馬鹿にしまくり見下しまくりなのに執着している攻めが素晴らしい。夜光さんは正直文章に難があるのだけれど、この攻めのセリフ回しみたいな独特のキャラはすごくいいなと思う。
 受けはおバカだけれど、子狸はかわいいし、これから成長してくれるはず…。
 笠井あゆみの絵はあまりこのお話には合っていないけれど、きれいなのでいいんです。

夜光花『きつねに嫁入り -眷愛隷属-』

 二巻では仲が深まりつつもまだまだじれったい二人。
 今回は埼玉での仕事と、敵集団の登場のお話。埼玉の有名な神社はどこがモデルなのかな。あと、末弟がソシオパスっぽくて怖い。狸はびっくりしたけど、元に戻ってしまったのが残念でもあり安心でもあり(笑。

2019年07月23日

夜行花『狐の告白 狸の添い寝 -眷愛隷属-』

 ついに!陥落の三巻と、作者さんのブログにあったので、電子書籍の発売が待てずに久々に紙の本を購入しました。
 お話も、豆まきのイベントや義母の登場など面白かった。

2019年07月24日

野原滋『気高き愚王と野卑なる賢王』

 Kindle Ultimated。
 野蛮な隣国に攻め入られ、皇太子が即位してすぐに人質にされ、野蛮だと教えられてきた隣国の様子に次第に真実を知っていく。
 受けがかわいそうすぎ…(涙。母国でのことも、忘れそうになってたけど捕虜になってすぐの扱いも、とにかく気の毒。最後の方では、攻めは勿論めろめろで、周囲の他の人にも受け入れられ始めてたけど、もう少し受けのターンをたっぷり読みたい…。

2019年07月25日

森世『あいとまこと』

 オメガバース、アルファの双子に拾われた借金持ちのオメガ。
 面白かったというか、実は3Pものが好きかもしれないと最近思い始めました。難しい設定なので、面白い3Pものは貴重だとも思う。やっぱりフィクションなので、現実にはよろしくない設定も面白いと思う。
 執着し合う双子と受けに対する温度差の昇華や、その中にうまく居場所をみつけていく受けが、とても面白かった。

2019年07月26日

山本小鉄子『今夜も眠れない』1~3

 悪魔と普通の青年。
 なんだか悪魔の婚約者が外見も性格も一番かわいいので、私にしてはめずらしく主役CPにあまり興味が持てず、なんとなく消化不良。

山本小鉄子『キミトコレカラ』1、2

 『今夜も眠れない』の続編。
 悪魔の元婚約者と悪魔の彼氏の家の前に住んでるオカルト青年の話。
 元婚約者はかわいいのだけれど、オカルト青年があまり魅力を感じられずにやはり少々消化不良。

森世『ロマンティック上等』

 アルファに養ってもらいたいオメガの受けは、ベータの幼馴染セフレにお世話になりつつ合コン三昧、でも番になったアルファはハーレム志向で。
 これは…キツイ…面白いとか面白くないとか以前に、個人的に無理な展開だった…。

朝香りく『ロマンチストは止まれない!』

 Kindle Ultimated。
 片思いしていた高校の同級生と再会し、相手は社長になったのに自分はチンピラで気後れがしてしまうけれど、向こうからぐいぐい押してきて。
 王道で面白かった。攻めは予想通りの事情持ちだった。

2019年07月27日

三坂ニウム『純愛ドロップアウト』

 コーヒーショップの店員が、常連のリーマンいいなと思っていたら実はド変態でそんなことになり。
 読み切りの予定だったのではなかろうか、第一話が強烈な感じなのだけれど、二話からわりと普通のBLなので、なんだかちぐはぐな印象だった。

市梨きみ『3分インスタントの沈黙』

 両親の再婚で兄弟になった女嫌いの兄と、女遊びの激しい弟。弟の進学をきっかけに同居することになって。
 兄のトラウマとか進路のこととかタイトルにもあるインスタントラーメンのこととかいろいろ特色を出そうとしているとは思うんだけれど、うまくまとまっていない感じで、本筋はわりとよくある話なのであまり印象が残らなかった。

松本蜜柑『スウィートホームアローン』

 少し前に読んだ。
 人当たりはいいが来るもの拒まずな編集者とスランプ中の作家。作家がやばいのかと思えば編集者もやばかった話。作家の対応が最終的に力技になっていた。

紫能了『出張ホストNYU BOY』

 少し前に読んだ。
 カップルのふりして出張ホストを頼んで彼氏といちゃいちゃするのを味わいたかった受け。前半ギャグ色強いのに後半まじめに盛り上がり、ギャグも落差もトンデモだけど、なかなか面白かった。

カサイウカ『​ごめんね、おじさん!』

 おじさんフェチのイケメンの家に来た何でも屋のなんでもないおじさんがかわいい話。
 普通に面白かった。

梅松町江『​ごまかしきかないまがいもの』

 少し前に読んだ。
 大学教員が売り専の子を初めて頼んでみたら自分の講義とってる子で。
 普通に面白かった。

久間よよよ『錆のゆめ』上下

 セクサロイドに改造された受けと実験?を押し付けられた研究者。
 受けが可哀想かわいいけれど、前半はやはり可哀相が勝っていてエグい。後半は意外なくらい日常的な話になり、家の外の世界はどうなっているんだろうという疑問はあるけれど、二人が幸せならいいかという気分になる。

ハジ『坊主と蜘蛛』

 蜘蛛の妖怪とお坊さん。後半は竜宮の王子様と蛸。
 蜘蛛が蜘蛛になると手足がいっぱいでシュールだ…。竜宮の王子様がかっこいい。

朝香りく『純愛エクスタシー』

 Kindle Ultimated。
 違法賭博で借金をつくったチャラい大学生が、支払いを待ってもらうかわりに夜の街の帝王をたぶらかせと言われまして。
 こういう嘘からはじまるお話って好きです。現実にはやったらだめなことだけど、フィクションとして面白いので。嘘がバレたあとにどう修復するのかが面白いです。
 というわけで面白かったし好みだったけど、嘘がバレたあと、今までの受けの素直さも嘘だったのかとか、いやそれが本性だったのかとかいう辺りも書いてほしかったという物足りない部分も少しだけあった。

2019年07月28日

山田2丁目『狼さん、そろそろ準備はいいですか』

 甘い物好きのこわもて高校生に、後輩が甘い物をくれる話。
 期待よりも普通だった印象。

野原滋『天色の瞳は千年の恋を抱く』

 外国人の血をひいて金髪碧眼の容姿なので忌み嫌われてきた受けが、山の神への生贄にされて、そこで呪われて千年生きている半妖の攻めと出会う。攻めの運命を変えるために、時間を戻す鏡を探しに行って。
 うーん。面白かった。面白かったんだけど、過去を変えたら千年後の半妖の攻めはどうなるんだろうと思っていたら、…これは個人的にはメリーバッドエンドにも思えるのだが…呪われたまま消えるのとは違うのかもしれないけど…でもなあ。ご都合主義でも世界線は収束して、なんかかんかで幸せな人生になっててほしかった。
 あと、ファンタジーなのかもしれないけれど千年たってもそれほど生活が変わってない感じなので、時代設定はどれくらいかなと思った。千年前は庶民は穴居住まいみたいなので、西暦500年→1500年くらいかなあ。

竹若トモハル 『純情ヤンキー、ガチ惚れファイト』

 二年のグループのボスに対抗する一年のグループのボスが、なんかキスされて意識してしまって。
 普通に面白かった。
 ヤンキーものってすごく増えたのと、なんかグループとか作るヤンキーファンタジーみたいのが少しずつ共同幻想化してる感じで面白い。ファンタジーだと割り切れれば面白いと思う。

2019年07月30日

案丸広『底辺部下の逆襲!』

 仕事の出来る男が、何も出来ないので犬扱いしていた部下がエッチが得意とか言い出して、しかも犬に目覚めていたようでちょっと引きつつ。
 面白かったんだけど、部下がずっと暗黒微笑気味なので、もう少し上司への愛を描いてほしかった。
 後半は上司の同僚のタチ専氏がウリ専に抱かれてしまう話で、受けの褐色肌フェチぶりが面白い。受けと前半の同僚が実は仲がいいのも面白い。

HIDERO『ボクが間男なんですか?』

 スポーツエリート校に、学力をあげるためだけの通称家畜として無料で入った受け。スポーツエリート先輩カップルの片割れに興味を持たれたせいで、その恋人に間男としていびられることになり。
 面白かった。絵がちょっと昔のアニメ絵っぽいくせがある。受けが間男という言葉が似合わない(笑。3Pになるのかと思ったらそうではなく、失礼かもしれないが意外としっかり恋愛や成長が描かれていてよかった。

スズカケシュウジ『オールハローズイーヴン』

 Kindle Ultimated。
 非人間がやっているカフェ「安穏」(=アンノウン?)だけど、裏では警察の依頼で不思議な事件を解決している。
 最終的には面白かったけど、最初はよくわからなかった。店員の若者が、店長?のおじさんを好きっぽい?でもなんで?という感じだった。設定がわかってみると結構壮絶で、続きが読みたい。でも連載とかはしていないっぽい?

星名あんじ『30までに死にたい』

 Kindle Ultimated。
 三十歳までに死にたいと思っている男が彼女にフラレて落ち込んでいたら、団地で隣に住んでいるゲイカップルに巻き込まれ。
 結構ジェットコースター。カップルの無口男とパリピはこの作家らしいキャラで、パリピは常にラリってるみたいなテンションだなあと思っていたら本当に薬をやっていた。受けが良くも悪くも普通の人なのでなぜ二人が執着するのかなと思ってたけど、二人にはつなぎが必要で、受けは受け入れてくれる人で、とか、いろいろな結構厳しい条件をくぐり抜けていたんだなあと思った。受けが社会に出て結構うまくやれているのもなんだか分かる気がする。

2019年07月31日

akabeko『落果』

 かわいいウリ専ボーイが恨みをかう話と、罰ゲームで男性向け風俗店に来たノンケホストがメロメロにされ数年後な話と、バツイチ男と家事サービス青年の話。
 どれも面白かったけれど、短編なのでもう少し長めに読みたい感じはあった。

丸木戸マキ『ポルノグラファー』

 手を怪我させてしまったポルノ作家のところで、ポルノ原稿を口述筆記することになった大学生。
 映画になったらしく、映画っぽい展開だった。書き割りがざっと倒れるような感じでの転換があり面白かった。



2019年07月 アーカイブ

もくじ

 丸木戸マキ『ポルノグラファー』
 akabeko『落果』
 星名あんじ『30までに死にたい』
 スズカケシュウジ『オールハローズイーヴン』
 HIDERO『ボクが間男なんですか?』
 案丸広『底辺部下の逆襲!』
 竹若トモハル 『純情ヤンキー、ガチ惚れファイト』
 野原滋『天色の瞳は千年の恋を抱く』
 山田2丁目『狼さん、そろそろ準備はいいですか』
 朝香りく『純愛エクスタシー』
 ハジ『坊主と蜘蛛』
 久間よよよ『錆のゆめ』上下
 梅松町江『​ごまかしきかないまがいもの』
 カサイウカ『​ごめんね、おじさん!』
 紫能了『出張ホストNYU BOY』
 松本蜜柑『スウィートホームアローン』
 市梨きみ『3分インスタントの沈黙』
 三坂ニウム『純愛ドロップアウト』
 朝香りく『ロマンチストは止まれない!』
 森世『ロマンティック上等』
 山本小鉄子『キミトコレカラ』1、2
 山本小鉄子『今夜も眠れない』1~3
 森世『あいとまこと』
 野原滋『気高き愚王と野卑なる賢王』
 夜行花『狐の告白 狸の添い寝 -眷愛隷属-』
 夜光花『きつねに嫁入り -眷愛隷属-』
 夜光花『眷愛隷属 -白狐と貉-』
 月東湊『鳳凰様の約束の花嫁』
 野原滋『愛とは美味なるものである』
 野原滋『愛されたがりの嘘つき』
 藤峰式『今は××××以外したくない』
 緒芋みお『会いたくなかった』
 藤峰式『彼のSPは××につき』
 藤峰式『有休オメガ』
 野原滋『いじわる狐とハートの猫又』
 月村奎『片思いアライアンス』
 間之あまの『公爵は愛妻を攫う』
 山本小鉄子『笑う鬼には福きたる』1
 山本小鉄子『ほんと野獣』1~12
 じゃのめ『黄昏アウトフォーカス』
 じゃのめ『門限8時の恋人』
 仁井ちく『超人上司は未経験』
 イシノアヤ『トリガー』
 桂小町『花と純潔』
 S井ミツル『コンプレックス×ジジョウ』
 山本小鉄子『ふくろうくんとカレ』
 山本小鉄子『マッドシンデレラ』1~5
 山本小鉄子『明日はどっちだ!』1~4
 S井ミツル『世界はそんなに悪くない』
 S井ミツル『めぐみとつぐみ』
 歩田川和果『堕天使』
 里つばめ『俺が好きなら跪け』
 あがた愛『23時のタイムシフト』
 あがた愛『僕は君のいいなり』1、2
 イクヤス『発情けもの日和』
 里つばめ『DOGS』
 里つばめ『GAPS』『GAPS RISKY DAYS』『GAPS apples and oranges』『GAPS hanker』
 野原滋『僕の行方』
 野原滋『犬、拾うオレ、噛まれる』
 イクヤス『愛玩男子ラブグロウアップ』
 みちのくアタミ『はじまりはナカから』
 ここのつヒロ『なびかないにもほどがある』
 akabeko『蝶と花の関係性』
 天河『悪いコだけど愛してよ』
 みちのくアタミ『レッドベリルにさよなら』1~3
 赤星ジェイク『グルメのふくらみ』
 赤星ジェイク『バスガイドCスポット』
 松基羊『むせび鳴け、純情』
 那梧なゆた『みはなだペクトライト』
 キサラ『今度は逃さない~執着系に狙われて~』
 三田六十『俺はニーチャ』
 わかちこ『売りオトコに買いオトコ』
 赤星ジェイク『噛ませ指』
 青丸『センセー(仮)のお仕事』
 うさみちこ『一番星のゆくえ』
 椋太郎『マイ・フェア・バージン!』
 フジサワユイ『客と家族になりまして』
 わかちこ『4P!』
 わかちこ『性春スクラップ』
 わかちこ『暴走W王子』
 彩景でりこ『蟷螂の檻』1~4
 那木渡『バーレスクナイト』
 乙吉『藤に竜♡』
 ウノハナ『銀座ネオンパラダイス』
 つむみ『おれの弟の本日のおねだり』
 ゆき林檎『少年と神隠し』
 淀川ゆお『サトリくんとツンデレくん』
 那木渡『ロストバージン』
 もちの米『けものあそび』
 ココミ『オーマイヒーロー!』
 網野素『死神幸福論』
 菊屋きく子『情事のあとで』
 みちのくアタミ『アダムの肋骨』1
 くれの又秋『手中に落としていいですか』
 鈴丸みんた『俺がお前に何をした』
 鈴丸みんた『キューピッドに落雷』
 鈴丸みんた『ゴールデンスパークル』
 sunoma『あっくんとまーくん』
 百瀬あん『俺を見て。』
 大口みなと『想定外』
 夏野寛子『冬知らずの恋』
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