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2011年11月02日

森本あき『黒い天使の甘い契約』

 周囲の人を不幸にしてしまう体質でついに一人になってしまった受けのもとに、願いを3つ叶えてくれるという黒い天使が現れまして。

 なんかそうとうひどかった…。
 受けのベタベタ設定も軽すぎるし、そんな受けの不幸に酔っ払ったような語りもアレだし、天使も願いの代償がエロとか、正直どうでもいいキャラで魅力ないし、話の展開もベタを通り越してるし思ったよりひどかったし…。

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 最近愚痴めいた感想ばっかりですみません…。

2011年11月03日

ひらかわあや『國崎出雲の事情』7

 メインの話は、高校の実力者かつ海外で活躍してる御曹司みたいのと出雲のケンカみたいな。いつもどおりな感じだったけど、相手キャラが悪ぶってるかんじの面白い設定だったんだけどややキャラ迷子ぽかったので、もうちょっと描写があったらよかったかも。あと、そのキャラも参加してるらしい高校をとりしきってるぽい団体さんが出てきて、ベタだけど面白くなりそう。
 ほかの短いお話もわりと面白かった。この作者さんは安定感あるなー(笑。

2011年11月04日

丸木文華『罪の蜜』

 これは少し前に読んだ。あと、ねたばれぽいかも。
 芸術一家に生まれながら凡才の受けは、芸大をあきらめて美大に通いつつ、自分も通ってた美大受験予備校の講師をしてる。そしたらなんかイケメンで才能バリバリの高校生が入ってきて、めちゃくちゃ嫉妬するんですけどなんか告白された。

 受けの隠している秘密が結構わからなくて、あと各章の最後にはさまれる女性一人称で語られる部分もどう伏線になってるのか後半までわからなくて、なんかそういうサスペンスぽい部分は結構面白かった。
 攻めと受けの関係はわりあいある感じの、凡人な受けが天才攻めに嫉妬しまくりだけど惚れられてるのが優越感で、という感じで、キャラ自体は普通。だけど、ある地点で明確に関係性がかわるのでもなく、無理やりな場面もありつつでもその後とか含めてみるとちょっと異色な感じで、なんというか、案外にだらだらとした関係性はちぐはぐで目新しくて面白い。
 けど、ラブは若干物足りないかも。受けは結局、攻めに惚れたとかほだされたと言うよりも自分の罪悪感にからめとられたっぽい感じだし、攻めは攻めで、今までのコマのように見てきた周囲の人間と、カラクリをわかったうえで自分に縛り付けるために操作してるような感じになってしまった受けと、執着は別として関係性としてどう違うんだという感じ。

 そんなこんなで、まるっとハッピーエンドという感じではない、それぞれにちょっと後ろぐらい終わり方、という感じで、BL成分は物足りないかもだけど、お話としては結構面白かった。

2011年11月05日

平野耕太『ドリフターズ』2

 そんなわけで、感想を書くのが遅くなりましたが、
 発売日に買いにいちきましたv書店ごとに特典がちがってて、カードとクリアファイルがほしかったので、メイトととらで一冊ずつ買いました…だって豊久がカワイかったんだもの!!絵柄はコレね。

 内容は、相変わらず燃え燃え。豊久かわゆい!信長が豊久立てようとしてんのが面白い!信長の戦術がキタねえ!義経が感じわる!その義経がトラウマになってる与一がかわゆい!エルフに弓おしえる与一も大人気なくてかわゆい!黒王は、あたし見逃してたけど手にアレがあるのね…!オカマの貴族はよくわからない(笑。菅野直はやく出して欲しい!ハンニバルたちも!山口多聞はそういえば名簿に出てたよね!名前だけかと思ってた!
 というわけで、三巻がとっても楽しみなのですv

2011年11月07日

高野和明『ジェノサイド』

 なんというか、最初はすごい!と思ってたんだけど、後半ふつーになってきて、そこに首をかしげるような差し色がはいってきて、結果ちょっと微妙かなあ、という感想になってしまった。

 ほうぼうで賞賛されてるスケールのでかさ、という部分には、あたしはあんまり素直にのめりこめなかった。あまりにスケールがでかいので、ん?それほんと?と、ついつい懐疑的になってしまう。あと、IQ180オーバーの天才にしろ、もっと頭のいいアレにしろ、作者の能力を超えるキャラって書くの大変だよね…という感じだった。
 数カ所並行での展開はうまいし、たしかに輻輳っぷりは面白い。この作者らしい、ハラハラドキドキの展開も面白い。けどそれも中盤までで、重層的な物語をつなぐ軸が見えてしまったあとは、こちらの予想の範囲を越えてきてくれなかったなと思う。終わり方もあんまりそのまんまで、ちょっと残念だった。竜頭蛇尾とは言わないけれど、竜頭鰐尾くらいではなかろうか。
 あまり詳しくは書けないけれど、結局人間が生き延びる可能性を、人間にはいい部分もあるんですよー、ということにしか託せてなくって、ちょっとそれは安易すぎるというか、なんかもう一捻りほしかった…。精神面での話はどうしても陳腐になると思うし、たとえば技術面での担保とかもあったらよかったのに、と思う。まあそれをやってしまうと、人間がアレを越えてしまうから無理かとも思うけど、なんらかのもうちょっと複雑な思想がほしかった。

 ただ、さまざまなモチーフがカノンのように後から後から意味付けられていくありようは、巧いし美しかった。チンパンジーのジェノサイドを見る人間の構図が、人間とアレの関係の暗喩だったとことか。
 けどだからこそ、ん?コレはなんの意味があったの?と思ってしまう部分が逆に気になってしまったわけだけれど…。アマゾンでもすでにたくさん指摘があるけれど、そこここに無意味に(としか思えないのだが)挟み込まれる歴史観とか、日本の文化をことさらに軽視した言説とか、あれらはいったいなんなんだろうね…。日本人の行った虐殺について自省的に語るのに、広島や長崎に落とされた爆弾については威力の単位としてしか考えないなど、まなざしがあまりに限定的一面的すぎると思う。これは視点人物の大学院生の思考だ、という留保をつけたいとこだけど、それもできないような描写なんだよね。
 日本人の傭兵だって、彼の過去が後で語られてフォローされんのかと思ってたら、スルーだったし…あれじゃただの嫌な人じゃない。彼の行動がなければみんな死んでたかも、と一応のフォローはされてるけど、あまりに扱いが軽くて誰からも想像力を向けられなくて、もう逆にかわいそうだとすら思ってしまった。
 逆に、やたら親切で賢い韓国人留学生とか、軍隊がらみでなんか裏があんのか…とか思ってたらなんもないし、まるで大江健三郎の描くやたら美しい韓国人青年のまずいパロディみたいだった(笑。ホームから転落した外国人を云々、というとこもふくめて、なぜ韓国(人)だけをクローズアップしてんのか、わからない。
 もっとさまざまな国や民族にかんする、さまざまな角度からの言及があれば、こんなに違和感はなかったかもしれない。すくなくともこのテクストの中で示されたのは、日本(人)とアメリカ(人)は悪で、韓国(人)は善、という構図でしかないし、〈国家〉も個人もそんなに単純な存在ではないはずなので、せめてそれぞれ違った面からも描くべきだったと思う。こうした単純な構図はあまりに陳腐で、それが物語をつまらなくしてしまった一因だろうな、という印象だ。

 けどこういうとこが気になってしまうのも、物語の後半(特に末尾)がイマイチだったからかもなあ、という気もする。ともあれ、読み終わっての感想は結局、なんかもったいないなあという感じだった…。

2011年11月08日

氣志團Presents“極東ロックンロール・ハイスクール~枕連~(マクラーレン)”@SHIBUYA O-East その1

 備忘めもその1。今日はPerfumeの夢をみた!なんかあたしと男子二人(誰だかわかんない)で、Perfumeの三人にさじで「あーん」ってしてもらえる権利を得た!(笑、我ながらキモチワルイ。あ~ちゃんがいーかなーのっちがいーかなーとかワクワクしてて(かしゆかは誰かに取られていた!)はっそういえば化粧なおしてない!恥ずかしい!とかますますキモチワルイところで目がさめた!

 備忘めもその2。少女漫画にハマっている男子どもにそれ面白いの?と聞いたら、面白い!相手役がまじイケメン!とか力説された…みんな、イケメンが見たくて読んでいるらしい…。

 というわけで枕連にいちきましたv


01. ダンスウィズゴッド
02. I THINK I CAN
03. Ride on shooting star
04. コミックソニック
05. I know you
06. FUNNY BUNNY
07. TERMINAL HEAVENS ROCK
08. バビロン 天使の詩
09. ワンライフ
10. この世の果てまで
11. THIERD EYE
12. ハイブリッドレインボウ


 ピロウズのセトリのみですが。とりあえず。感想はまた明日にでも。

2011年11月09日

氣志團Presents“極東ロックンロール・ハイスクール~枕連~(マクラーレン)”@SHIBUYA O-East その2

 きのうの夢は寝る前にライブ映像を見たせいかな、と思ったので、今日はピロウズの夢が見られるかも~と思ったけどそれはなかった(笑。

 というわけで、きのうはマリィさんと枕連にいちきましたv
 最初の寸劇は面白かったvシンチ人形w

 セトリは、最初のダンスウィズゴッドで、おや?対バン意識せずにマイペースにいくのかしら、と思ったけれど、後はアンセム揃い踏みって感じで燃えた!
 アイシンクからライドンはフリクリの曲だし、つづいてコミックソニックと、タイアップ曲を並べてキャッチーだったv
 アイノウユーは久々!だけど一時期のライブ定番曲だし、さわお的に鉄板なんだろなーと思う^^
 ファニバニ、ターミナルヘヴンズロック、バビロンとこれも定番で大好きな曲ばかり、でもバビロンは久々かも。なんか希少な感じがして、やってくれるとうれしくなる曲だ。
 ワンライフはこのラインナップではちょっと意外だったかも。
 この世の果ても鉄板で、サードアイもこの中ではやや地味かな?でもかっこいいしノリやすい曲だしいいよね^^
 そしてラストがハイブリ…!!何もいうことはない!
 でもさわおはなんかいっぱいいっぱいっぽかったけど、いつもこんな感じだっけ??年かしら…。

 さわおはなんで呼ばれたのかわかんないんだけど、あいつらもしかして俺達のことすきなんじゃねえの?とかゆってるのが可笑しかった^^髪の毛まとめようとして、なんかイヌみたいな頭になってたのもカワイイ(笑
 シンイチロウさんは、たぶんマクラーレンってタイトル先に思いついたんでしょうけど、とかゆってて、らしくってよかった。
 メンバー紹介なかったのはちょっと残念。

 氣志團のほうは、後ろのほうで聞こうとしたらちょっと観づらかった…(汗。フリを覚えるのが楽しそうだけど大変そう!でもかわいい!曲は全然知らなかったのだけれど、ピロウズ以外のバンドを久々に聞くと、しかもこうして聞き比べる感じになると、一曲が長いんだなあと感じる。ボーカルはなんか時々飛鳥っぽい声というか発声だったのでちょっと意外だった。影響をうけた世代なのではなかろうか。
 MCは意外にピロウズ二期ネタが多かったのと、さわおのMCをうけて好きに決まってんじゃん!!というのがうれしかったv

 アンコ前にプロポーズとかいろんな曲つないだアレンジ流れてて面白かった。
 アンコールは氣志團がリトバスを演奏してくれてリーゼントのさわおが一緒に歌ってて、うれしかったvなんかまたさわおはお酒飲んでたが(笑、どうやら差し入れの地ビールだったらしい。

 そんなわけで、時間長かったし疲れたけど、楽しかったですv

2011年11月10日

空知英秋『銀魂』42

 よかったあぁ久々にがっつり面白かった!!
 漫画家ネタはだいたい面白いよね。しかし鯱はいつの間に漫画書き始めてたんだ(笑。メタ漫画も、最初は肩パッドて…と思ってたけど、チャゲをディスりまくりのタイトル決めから内容は面白かったv
 ホスト話も面白かった!あと何人イケメンが必要か聞いてる、とかイケメンのつもりの銀さんがカワイイ!ナンパする銀さんがカッコつけててカコイイ!w近藤さん…そろそろエサの時間だなはなさすぎる!wwそして土方沖田は素でカコイイ!黒沖田!土方はついに天パとおりこして毛玉よばわり!マダムはちょっと上さまとかぶってた!
 そして見廻組はなんか唐突だなーという気がしたけど、そして鉄のメガネはずした顔が無理やりだったけど、後半話がよくわからんかったけど、いまさらバラガキって言葉にたよるのかとか、銀時が白夜叉だったこと今まで新撰組は知らんかったのかとか、このタイミングで白夜叉おおっぴらにすんのはどうなんだろうとか、土方なんでフェンシング選手みたいなんだろうとか、信女なんの意味があったんだろうとか(まあ見廻組ふくめてまた出てくるんだろうけど)、でもよかった。なにしろ土方過去編だし!ベストに白シャツの土方カワイイィ!白夜叉銀時カワイイィ!!もうそれだけで十分なくらい、とにかく二人ともカワイイ…!!!

 しかしなんか今回ほんと銀時がイケメン化してた気がするなー。ダメダメでカワイくてカコイイ。パーフェクト。
 あとさわおがパーマかけてからなんか銀さんと似てる気がするせいもあって、最近ますます銀さんすきになってきた、気がする(笑

2011年11月11日

中村光『聖☆おにいさん』7

 ちょっと前に読んだ。
 マックをさわったらりんご成分が発揮されてしまう話とかおかしかった。
 同窓会の話、ふつうに面白かったけど最後に漁師兄弟がでてきてうれしいvそしてドミネ・クォ・ヴァディスがこんなところで使われるなんて…(笑。
 蜂郎さんオススメのPVの話はくだらなくてよかったwミカエルと天部の二人が入ってきた瞬間、もうだめだこのPV思うとこがおかしい。お互いに相手のPVがヤバイと思っているのに自分のはまともだと思ってるのもおかしい。あとアルカイックスマイル動画て(笑
 ラーフラの話もよかった。ナチュラルにブッダをやばい呼ばわりとかもおかしい。

 そんな感じで全般的に安定して面白くて、ここ数巻、よい感じの安定感があるなあ、という気がした。
 まあなにはともあれ、あたしは漁師兄弟とウリエルがすきなのだなあ、と改めて思った(笑

2011年11月12日

紅蓮ナオミ『魅惑のモデビル』

 なんか…全般にいまひとつ。
 表題作とか、悪魔系エロエロモデル、ということらしいけど、タイトルがいまいち…あとなんだかお話がいきなり展開だしCPがなんとか成立しただけ、という印象で物足りない感じだなあ、と思ってたら、あとがき読んだら打ち切りぽい感じだったのね…。
 表題作もふくめて全般にはっちゃけが足りず、けれどラブもものたりない、といういろんな方面に中途半端な感じだった。

 しかし、あとがき読んで心配になった…。好きなように書けてない/なかったのかな?これ、花音だけの話ならいいのだけれど…。だって、この作家さんからトンデモとエロをとったら何が残るというのだ…。絵はうまい方ではないと云うか、流行りの絵柄というかBLっぽい絵柄ではないと思うし。でもトンデモやエロを抑えても、絵もお話もそこそこ書ける、という評価なのかなあもしかして、だから編集としては、体よく半端に使っていこうとしてるのかなあ…もしそうだとしたら、なんだかなあ。もしこれが花音の問題なんだったら、他のレーベルで書いて欲しいなあ。

2011年11月13日

琥狗ハヤテ『Stranger』

 まおさん…今回のあなたは姫というより、そしてユーロスポーツの解説者さん、あれは王子というより、アプサラだと思いますよ!まおさんの方は本人の意図以上の表現になってしまったってことなんだろうと思うけど、ヨーロッパ人は気付けないんだろうなあと思う。
 まあそれはさておき、シェヘラザードが想像よりとってもよかったのでうれしい!もうちょっと緩急あってもいいんではといつも思うけど、そして今回も同じように思ったけど、アプサラの人間離れした踊りだと思えば気にならない(笑。いずれにしても、リムスキーコルサコフとタラソワとまおさんのオリエンタリズムがとても美しくかわいらしく結実しそうだなと思うし、それが天女っぽいのも不思議だけど、でもがっつりアラビアンであるよりも面白いなあと思う。

 過去の償いのために街を守る保安官とネイティブの交流。

 正直お話はふつーだったのだが、受けの三つ編みがカワイイィv馬もうれしいvもうそれだけであたし的には必要十分v表紙もきれいv
 オビに本格的と書かれていたけど、ファンタジーだしむしろなんちゃってな感じがした。最初のあたりで保安官が数日お風呂にはいれなくってくさいーとかゆってたのに、結末のあとの後日談、…お風呂はどうしてるんだろう?そして二人は言葉が通じないようだったけど、そのあとどうしたんだろう??とか、いろいろ疑問はある(笑。

2011年11月14日

宝井さき『不遜な華を愛すれば』

 呉服屋の放蕩長男が、同じ血の者にしか惹かれないという血筋のせいで父の妾の子に惚れるのだけれど、よく出来た弟はそんな兄がすきでして。
 なんか物足りない…最後が黒いからかな(笑。妾の弟とか周囲がモブで、兄弟ラブを見せつけられないから、という気もする…(笑。うーん、いずれにしても、BLの定義とは?と考えてしまう。やっぱハピーエンドがいいのかな、とか、そのハピーというのは満額に近い幸せでないとなのかな、とか。なんにしても、弟くらいは最後のあたりで出てきてもいいのにね。

 もう一作のほうが長かったんだけど、ぼっちゃん×幼なじみ執事、幼い頃に街でぼっちゃんに拾われたちょっと間抜けなとこのある受けが、ぼっちゃんのためにと頑張る感じ。ぼっちゃんを守ったせいで顔にキズがのこり、その関連でぼっちゃんに会えないかわいそう受けな感じ。
 最後のあたりまでぼっちゃんとちゃんと再会できないので、後日談もあるけどもうちょっと読みたかったなあ。後日談のアホわんこっぽい受けもかわいいし(笑。

2011年11月15日

腰乃『鮫島くんと笹原くん』

 この作家さんの本はじめて買った。雑誌とかで読むと面白いお話もあるので興味をもって。
 コンビニバイトで同じ大学の同級生に告白して、あっさりキモいといわれたり、でも友人でいたいらしかったり、なんか思わせぶりされたり、と、無神経な相手にふりまわされまくり。

 うーん…なんか、期待ほどには面白くなかったかも。悪くはないんだけど。
 惚れたほうの子がややキャラ迷子というか、ゲイ?とか潔癖症とか引っ込み思案ぽいとか時々爆発とか、各話で次々新しい設定が出てくる感じでなんだかちぐはぐ。読み終わればなんとなく全体像はある気はしたけど…。あと、絵(特にキャラの顔)が結構不安定なのかも。
 大学生同士友人同士の雰囲気とか、ネームの多めな展開の仕方とかは、独特の感じがあっていいんだけど。ちょっと館野とお子っぽいかも。

2011年11月16日

夏目イサク『デビルズハニー』

 若手の体育教師が、教頭とかに不良グループの更生をおしつけられて、なんか関わってみたら素直で実はいい奴らだし、リーダー格のこにどきどきなのです。

 なんかいろいろと微妙におしいなあ、という感じ。ベタというか、展開もふつーすぎるし、さらっと流れてしまうから、というのもあるけど。いろいろ物足りないのかな。
 イケメンぽい不良が受けなのはいいけど、ぜんぜん乙女っぽくはないほうがよかった…。教頭とか頭固すぎで悪いひとたちすぎで、恋を困難にするためだけの存在という感じでかえってなえるなあ。

2011年11月17日

映画『アンダーグラウンド』

 リマスター版をシアターNで観てきました。映画に詳しい同僚から絶対みたほうがいいよ!と言われて、上映期間も延長されたし、なんとか時間をつくったのです。

 第二次大戦下のセルビアで、パルチザンの活動をし(つつ裏でなんやかやもし)てるマルコとクロは、クロが惚れた女優のナタリアを誘拐したりなんだりしてたのだけど、マルコが(ナタリアに横恋慕して)クロをいいくるめて地下の避難所(というか武器工場)に軟禁する。ナタリアを妻にしてユーゴのパルチザン運動の英雄となったマルコは、地下の人々には戦争が続いていると信じこませながら共産党の要職について、華々しい生活を送って20年の月日が流れたのだけれど、云々。

 …というあらすじが、実はよくわからなくて(笑、カッコ内は後で分かったこととかパンフからの情報なんだけどね(笑。
 なんだろう、いろいろ説明が足りないのかあたしの理解力が足りないのか、お話が結構わからなくって、特に最初のほうはちょっと辛かった。マルコが最初から武器商人だったのもわからなかったし、なんでマルコとナタリアが家を爆破したのかとかもよくわからんかった。
 あとチトーや二次大戦などにかんする記録映像もそこここで使われて、あたしが予期していたよりもずっとメッセージ色の強い映画だった、というのもあるかも。ていうか、たぶんわかりづらかったのは、あたしがユーゴスラビアの歴史にうといせいもあるんだろうなとは思う。ベオグラードはなんでナチスと連合軍と両方から攻撃されてるんだ…と思ったら、すごく複雑なことになっていたのね…。あとあの地下道ってなんなんだろう?フィクショナルな設定…?なの?
 まあそんな感じで、とにかく説明不足なうえにとんでもなく混沌としていて、場面はどんどんうつりかわっていくので、よくわからんまま観てしまった。

 でも、そんな感じだったにもかかわらず、お話が相当不明瞭であった冒頭から、とってもひきこまれてしまった。夜の街路を疾走する物狂おしい男二人の駆る車、その後ろを走って演奏する楽隊という冒頭のシーンが、もうわけがわからないのに魅力的(笑。基本的に絵がとってもあたし好みだったのだろうと思う。
 あとマルコの弟がつとめていた動物園の描写をはじめとして、動物たちが異様なほどに美しいのがすごく不思議で面白かった。弟が相棒にしてたチンパンジーはかわいいし、ラストの牛の群れがドナウを渡るところはすっごくすっごく美しかった。けど、そういう重要な動物ではなくても、たとえば街でばたばたしてるアヒルなんかも、たぶんあまり意味はない登場なのだろうにすごくきれいで、なんだか幻想的でとってもよかった。
 音楽も、冒頭のブラスの曲(↑のユーチューブの映像でも流れてる曲)がすごくうざうるさくって、いい曲だった。これに限らず、そこらじゅうの場面で音楽が流れていて、その上に別の音楽や効果音をどんどん足していくし、登場人物がわめきまくるので、なんだかすっごくうるさい(笑。けど、それがすごくよかった(笑。カオスな雰囲気にとってもあってた。

 役者は、マルコとクロ、ナタリアは数十年のスパンを一人で演じててすごいなあと思った。
 特にナタリアは、女優さんは当時30歳くらい?最初の場面なんて若々しくてすごいかわいかったv後々のアルコールに溺れたナタリアと、老いたナタリアは、ちょっと若すぎるかなとは思ったけどそれぞれに魅力的だった。とにかくころころ表情がかわるのがかわいくて、ついついナタリアばかり見入ってしまう…ていうか、知り合いの姫系男子に似てたんだよなあ…や、表情とかしぐさがね。しかしキャラクラーとしての彼女の心の中がよくわからなくて、パンフの監督の言葉に「うすっぺらい娘」という表現があって、ああそうなんだろうなあ、とは思った。でもこずるくて、優しさもあって、ふつうの人なんだろうなとも思う。結局彼を選んだのは不思議だし、愛してたわけではないだろうし、でも理由はどうあれ最後までそれを貫いたんだろうな、とも思った。
 マルコは大戦下では化粧してた?っぽい?役者さんを若作りするためだろうか…(笑。20年後は年取りすぎてて、クロとの差がすごかった。しかし地上での心労のため、という解釈もできるかも。キャラとしては、最初のあたりではよくわかんなかったけど、この人が一番黒いのね。
 クロは20年後がちょっと若すぎた。最初のあたりは妻が気の毒だなあ、という印象だったんだけど、マルコがひどすぎて後半気の毒になってきたり、あと末尾の内戦下での行動をみてると、よくもわるくもまっすぐで、あと理念ではなく自分の中の感情的な要因でつっぱしる人なんだな、という感じだった。
 まあ三人ともある意味しょうもなくって、戦禍にあったかわいそうな人々…ではないのがよかったと思う。

 そんな感じで、とにかくものすごい音と映像のめくるめくカオスと、三人の男女を中心とするよくわからんキャラクターたちで、三時間近い時間はあっという間だった。すごく疲れたけど(笑。
 そしてそんなカオスの果てに、ラストでは爆撃の中でクロのまわりを炎につつまれた車椅子が回り続ける場面とか、ドナウの岸辺に成立したユートピアの船出とか、物語として感動的でもあり、絵的にもすごくきれいで印象的で、そしてメッセージとしても訴えかけるものがある、なんだか全体に怒涛としかいいようのない、なんというか、化け物じみた映画だった…という印象。グロテスクで美しい、カオスでありかつ筋が通っている、時間(上映時間も作品内時間も)も、おそらく物量もものすごいし、いろいろな意味で大きな怪物みたいだなあ、と思うのです。

2011年11月20日

#006「キラ・ヨシカゲ」

 えーと、間が開いてしまいましたが(笑、読んではおりました。あんまり展開が遅くて、感想も特になかったので二話分は抜かしてしまいました。

 今回は少し動くな…と思っていたら、激動してしまい大混乱です(笑。
 上の階の男はやはり彼ではなかったし、ピエールと吉良が半分くらい似てるとか言い出すし、裸の女性はいなくなるし、船医だし、死体が発見されてアレがふたつともないし…でもでもそんなすべてをどんでんがえして、東方家キター!ピエールの名前が~!!(笑、でも本名じゃないんだよね?彼は結局ナゾのまま話がすすむのね…しかしまあそれはさておき、当面の彼の名がこうなったということは、いいような悪いような。世界が一巡して、スティール・ボール・ランの後っていう8部の主人公がどんな人間か?どういう血統なのか?ってのは結構すっごく重要だと思うし、しかもそれが物語の核にすらなりそうで、期待しつつ期待しすぎるのがコワイ感じ(笑。
 あと、名前があかされた最初のスタンドがファン・ファン・ファンか…なんだろう…あたしは大瀧詠一しか思い出せない(笑。

 小冊子で上遠野浩平と西尾維新の対談があってそっちも面白かった。上遠野浩平が語っていることが、二次創作作家としてはあまりにフツーすぎて、なんか納得。パープルヘイズは面白かったけど、ふつうに二次創作だなあ、という印象だったから。
 西尾維新のオーバーヘヴンもちょびっと載ってて期待がたかまってしまう~そして、舞城王太郎はやっぱり相当レアなとこをつっこんでくるっぽいのかな?もしかしてほんとにラブコメ??こっちもすっごく楽しみ~v(アナスイとジョリーンの話がいいなあ…笑

2011年11月21日

剛しいら『ブロンズ像の恋人』

 芸大を出たもののマネキン会社で原型師してる受けは、バイトの若く美しい大学生が気になって彼をモデルにしたブロンズ像をつくはじめるのだけれど、現実の彼がやってきたりして云々。

 直球なピグマリオン話だけど、かわった設定で期待してたもののなんだかいまいちだった…。
 受けはある意味半端な芸術家で、母のつくった世界で育ってしまったせいもあって、人付き合いがあまりうまくなく、つくっている像の幻覚と対話するクセとか面白みがあった。
 その攻めが…若くて受けに初恋一目惚れで、芸術を語るような人間ではなく太陽のようなふつーの青年で、というのはいいんだけど、というかお話的にもブロンズ像ではない生身の人間の象徴だからそれで仕方ないんだけど、それにしたってあんまりにそれだけなので、情緒がなさすぎる感じも。家の事情でお金に困っててあっさり受けの家に住まうことになったり、家に来たら来たですきなようにリフォームおねだりしまくって…なんかさ!そういう強引さ、生身だからこそ出てしまう要求や瑕疵って、それはあるだろうけど…。なんか、魅力がないんだよね。

 そんな感じで、ん?と思わされちゃう攻めを、受けの幻覚がちくちく攻めていくので、かえって居心地が悪い。受けがノンケ(だと思っていた)の攻めに惹かれる愚かさや、欲望むらむらな攻めの本心への疑いとか、攻めに利用されているのではという疑いとかを露悪的に語る幻覚は、受け自身の無意識によるものだし、それは読者が攻めに感じてた違和感とシンクロするし、結局そうした疑いは宙吊りなままなので、なんだかなーという感じ。そういうモヤモヤや幻覚をガツン、と打ち砕いてくれるような強い≒魅力的な攻めではなかったなあ、という感じ。

2011年11月22日

深瀬アカネ『かわいくてごめんね』

 初めて読む作家さんである。たぶん。

 女装して悩み相談や勉強教えたりとかしてる高校接待部の面々のオムニバス。

 …設定がすごいのはさておき(笑。
 他校のおさななじみに女装なんかすんな、とか言われてる受けは、顔がいまいちだった…。
 優等生イケメン→美女×たよりない新人の先生は、結末がちょっとそのまんますぎるというかお手軽だったかも。
 先生に叱られてばかりとか思ってたら心配されてたのがわかってうんぬん、なかわいこちゃんは王道だなあという感じ。
 ほかにもあったけど、全般に、一話完結なせいもあって薄めだなあという感じで、設定のキバツさも最近の男の娘ばやりにのったというだけな感じだし、あまり印象に残らなかった。

2011年11月24日

凪良ゆう『真夜中クロニクル』

 出た頃に買ってたんだけど、作者さんのブログを読んだらすごく気負わされたというか重荷になってしまって、積んでました(笑。

 光線過敏症の受けは、小学校でいじめにあったりして今では好きな音楽をしつつ通信高校に籍置きつつひきこもり。そんなある日夜の散歩で母親の帰省でやってきた小学生と出会って云々。

 タイトルどおり、小学生×高校生→高校生×20代前半→大学生×二十代後半とエピソードがわかれてた。

 のだけれど、最初のエピソードは当然ラブ未満だったけれどこれが一番よかった。
 ただ、攻めが小学5年生にしてはやたら子どもすぎ素直すぎで、ちょっと正直きもい気もする(笑。素直でかわいくてまっすぐでおひさまのようで、ちょっとジョルノっぽくていいんだけどね(笑。でもかわいそう受けにまっすぐ向かってく感じが王道ながらよい感じだし、夜の出会いから逃避行まで、ファンタジックなかわいさもあって、タイトルにある真夜中という言葉もしっくりくる。

 2つめのエピソードはタイトルが使い古された語句の引用で、それがアレンジなしでそのまんま使われてるのがちょっとなえる。あと脇キャラもいってたけど、毎週末受けの町に通ってくる高校生って…けなげすぎる(涙。しかし攻め視点だからおおむねもんもんとしてる感じだし、攻めも高校生になって、まっすぐさは残ってるものの多少の分別がついたり、一段と社会でも苦労してきてたり、という、おひさまのまんまでは居られない感じが正直残念でもある。クロニクルなのだから仕方ないのかもしれないが、年代記は成長期でなくてもいい気がする。

 そして3つめのエピソードにいたると、もはや受けいい加減にしろい!という感じになってくる…攻めが気の毒すぎる。受けもそれを自覚しててなおあんまし動かないし。受けの思い切った行動に攻めは感動してたけど、しかしその前に攻めを怒らせたある種のでしゃばりと似たような行動でもあると思うんだが…なんにせよ、受けの危機に攻めが華麗に現れすぎだし、この最後のエピソードの影響か、全体的に受けに都合のいいテクストだったなあ、という印象になってしまった。

2011年11月25日

『小説Chara』1月号

 超常現象を一切信じない、人を人とも思わぬドS塾講師×天然ぼんやり霊能力の才能ちょっとありな受け、の『不浄の回廊』の新作、「キミと見る永遠」が読みたくて購入。
 『二人暮らしのユウウツ』で終わっちゃうのかと思ってたので、受けがのっとられてワガママぽいままのイメージで終わっちゃうのはやだなあと思ってたので、すごくうれしい!!!そしてまだまだ続きが読みたい!!

 内容も、冒頭でいきなり攻めが甘い言葉をささやきだすのがベタに面白かったv大筋はがっつり心霊現象がらみで、末尾は意外に(?)今後を見据えた展開だった。末尾で結構いろいろ動いてたので、逆説的に今までふたりは安穏としてたんだよね、と思ったけど、これまでずいぶん苦労してきた二人だし、もうちょっと新婚生活させたげたかったですね…という気も。
 しかしまだまだこの先が読みたいなあ。だらだらしてしまってもぜんぜん構わないから、長期シリーズにしてほしいvというか、むしろだらだらが読みたい(笑

 表紙のカラーもかわいいなあ。中身のカラーはアレなシーンばかりでかえって残念…(笑。しかし小山田あみさんは最近仕事しすぎではなかろうか。デッサンしっかりしてる人だし大丈夫とは思うけど、万一この人の絵が残念なことになるようなことがあれば、ほんとうにほんとうに残念なことだぞ…当社比で。

2011年11月26日

さんじゅう『ふしだら星の王子様』

 Kindle Ultimated。
 トランクにのって地球にやってきた宇宙人の王子様が地球を滅ぼそうとするので、楽しいことを教えてそれを止めたい宇宙の研究をしている大学生。
 ファンタジーだけどお話はしっかりあってよかった。
 併録の、小説家と桃の少年?の話はせつない。

2011年11月27日

渡海奈穂『兄弟とは名ばかりの』

 これは結構前に読んだけどかなりお気に入りv
 父親の再婚で、去年同じクラスだったいけすかない委員長が茶髪だらしない自分の兄になってしまいまして、お互いキライなので両親の前だけ取りつくろって学校ではシカト、なんてしてるうちに歩み寄り。

 わーこういうの好きだわ(笑。
 なんか最近やっとわかってきたんだけど、こういう水と油な二人で反目しあってるうちに相手のいいとこいっぱい見えてきて、好きになったらそれはもうメロメロ…というのはやっぱひとつの王道だなあと思う(や、こんなこと書きつつジョルアバを想定してるあたり、ちっとも王道ではないんだけど、笑

 そんなわけで、チャラ男が父子家庭だったから料理うまいこととか、結構将来の目標ちゃんともってるとことか、いいんちょがマジメ堅物なだけではなくて、すごく母親思いのとことか、お互いに認めていく過程もいいし、互いにのめり込んでいって、いいんちょがすっごくカワイくなってしまって、チャラ男がそれをカワイイィ!とか思ってるのもカワイくてよいですね。
 あと高校生ものなので、いいんちょの頑なで融通きかない感じの不器用さとか、チャラ男の適当さルーズさや売り言葉に買い言葉的なそそっかしさとか、そういう未熟なとこもすごく子どもらしくて
かわゆい。
 ちなみに、堅物朴念仁な父親と、良妻賢母なピアノ教師の母親もいい感じ。
 そんなわけで、なんかもう全体的にかわゆいのでいいか!という…(笑。たぶん、王道でふつーに面白いのと、あたしのツボにはまってくれたのでとってもいい感触なのかなあ、と思う。
 欲を言えば、タイトルはそのまんますぎたかも…あと絵はあんまし合わなかった気もする。

2011年11月29日

仁茂田あい『トラブル×プリンス』

 短篇集。
 表題作は、元天才子役の売れない俳優が、イケメンとアイドルユニットを組むことになり、過去を隠してオレ様女王様キャラを演じるのだけれど云々。
 おいしい設定なのに、なんだろうこのもったいない感じは…。子役は本天才と言われるわりには、ぜんぜんタカビーキャラ演じきれてない感じだし、演技の才能がないのでは、と思ってしまう。マンガ表現として、タカビーじゃない内心は表情以外のところで表現すればいいのに…。それとも、実は演技はへただったのかな…。攻めはあんましキャラたってない。いきなりオッサンみたいになるし。

 社長秘書の訓練とかゆって秘書先輩にエロい技仕込まれる話は、ベタだけどすき。もうちょっと長い話で読みたかった。
 柔道部の先輩に惚れてかわいこぶってる話は、柔道部なのに髪の毛くりんくりんに巻いてく受けが…しかもちょっと髪型がへんで…あと先輩もいまいちだった。
 二卵性の三つ子で、そっくり美人の優秀なふたりとぜんぜん似てない地味っ子の話はすごく好みな設定…でもこれもいまいち物足りなかったかなあ。短いからもうちょっと読んでみたかったし、地味っ子がショタすぎたのもちょっと残念。

2011年11月30日

桃季さえ『ブーランジェリーの王子さま』

 大人気のパン職人王子のお店を出店してもらうために、デパートづとめの受けは人身御供にされて、王子のマンションにもちかえられる。

 トンデモかつベタ、という、一見矛盾した、しかしBL世界ではよくある状況で(笑、でもそれだけかな、という感じ。攻めは才能ある一見悪そうなイケメンで、受けは健気素直っぽい普通のこ。パン屋関連の描写があんまりなのと、キャラの表情やポーズがなんか妙に垢抜けなかったり不自然だったりわざとらしかったりするので興ざめだった感じかなあ。
 脇キャラCPも、受けはともかくとして攻めは唐突すぎて残念。

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