映画『これは映画ではない』
いや…その、なんです、ご無沙汰しました。
先月は死ぬほど忙しかったです…。
職場の映画好きの先輩と一緒に見にいちきましたv
反体制とみなされて映画製作を禁止され軟禁状態の、イランの映画監督パナヒが、軟禁中の自宅で映像を撮って出しな一本。
面白いというか、いろいろ考えさせられちゃう感じ。
これは軟禁中にビデオをまわしてつくった、つまりノンフィクションですよ、という身振りがあまりに大きく、かえって作為を感じさせるし、そもそもドキュメンタリであろうと完全なるノンフィクションにはならないであろうし、であれば
まあ、いろんな人から電話が来たり、イグアナや犬がいい動きをしたり、マンションの管理人代理のお兄ちゃんがあまりに都合よかったりと、あまりにタイミングが良すぎるので、仕込みありか、もしかしたら脚本すらあるかも、と思わされる。
あと、iPhoneしょっちゅういじってたり、そこで撮ったiPhoneの動画を挿入したり、自分の過去の映画のDVDをかけてその画像を挿入したりと、いっぱいいっぱいな感じででもそれも演出になっちゃってる感じ。
ようするに、何をしても「ノンフィクション」であり、しかし「ノンフィクション」であることそれ自体がこの映画の映画としての演出ともなっているので、ぐるぐるでウロボロスの蛇みたいな感じ。
それと、映画がつくれない、という拘泥が描かれるので、監督の映画論みたいな部分もあり、役者と場所という要素が必要、つまりテクストとして監督にも不可知の部分がなきゃだめだ、みたいな信念とかも、面白かった。
まあそんなわけで、単純に面白かったとは言い切れないし、いろいろ考えてしまうのだけど、今日は想田和弘さんのトークショーもあって、先輩ともいろいろお話できて、楽しかったのですv