リバティー。
リバティーの話をしよう。
あれは今から7年前…、いや16年前だったか、まぁ、いい。ピロウズにとっては過去の曲だが、バスターズにとっては多分、『ターンバック』の一曲目だ。
この曲には二期らしいリリックがあるから、なんて呼べばいいのか…。確か、最初に聴いたときは…ラズベリーキッス、もしくは甘い恋人。そう、あれはゴボウソングだった…ピロウズの方向転換前の曲だからな。まぁ、いい曲だよ。
というわけで、リバティーは、たしかグッドドリームスの直後くらいに出た、ピロウズのミニアルバム『ターンバック』の一曲目なのです。
「キャンパスに広がる白い空、無限の四角い窓を開けたら。僕らはじっとしてられなくて、砂袋全部投げ捨てた気球に乗り込んだ~♪
…と、根岸崇一というか愛咲ルイ(@岡田あーみん)みたいな歌詞に、グッドリ時代のバスターズはド肝を抜かれたりしたものなのですが、
「午後の空に隠れてる星のように。優しい暗闇を、待っている。
なんてとこで、やっぱりさわおの歌詞はいいよなあ、と思わされるわけです。こういう言葉の重ね方がいいなあと思うのですよ。ありきたりな言葉を、いかに異化するか、ということなのかもしれない。
たとえばレディバードガールは「初めてキミと出会ったときを」じゃなくて「初めてキミと出会ったときの場面を」だから、「再放送中」とか不思議なことになれたのだと思う。あと、バビロン天使の詩では、「僕の姿ちゃんと見えるのはもうキミだけしかいなくて」って、こんなのなんどもさわおが歌詞にしてる内容のはずなのに、にもかかわらずこんなにステキな歌詞で更新できたこととか、なんかそんな感じ。たぶん。
「いつか唄った、永遠のラブソング。まだ憶えてるなら、リバティー。
最後の一節で、この「永遠」のとこで最高音が来るのがいかにもさわおらしい音への乗せ方な気がするのです。
「雨上がりに、見た幻を」の部分をあそこに配置してあのメロディにのせてることとか、空中レジスター「神様が逃げた不完全な地球上で」 の「不完全」や「地球上」の音への乗せ方とかも、だいたいそんな感じ。
何が言いたいのかというと、あたしにとってピロウズらしいかどうか、というのは必ずしも評価の基準ではなくって、だから新しいこととかかわったことにチャレンジしてる曲は大好きなんだけど、こういうとこ、なんというかさりげないこまやかな曲作りという部分がブレてしまうと、やっぱりイマイチだなあと思ってしまうことが多い気がする。なんで、今のところ、やはりホーンアゲインは言葉の使い方が普通すぎた(少なくともあたしにとっては)んではないか、と思ってるのです。もちろん、どこかでその印象は変わるのかもしれないし、そうだといいなとは思ってるけど。
そして、だからリバティーは、明らかにゴボウだと思うけど大好きなのです。