恋は桃色
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 こんにちは、クロエです。
 web拍手の調整、完了…したと思われます。たぶんこれで大丈夫だと思います(汗。表示に問題がありましたら、お知らせ頂けるとうれしいです。
 そして、「太陽と星のためのカノン」22、23を更新しましたvこれで終了です~長い間お付き合いくださいまして、本当にありがとうございました…!!!
 いや~しかし、あとがきにも書きましたが、あまりに時間がかかってしまったので、いろいろ不備があるんだろうなあと心配です…そのうち読み返して、手を入れたいなあと思っています。なので、とりあえずの脱稿かな、という気分ではあります。

 それにしても、「太陽と…」はパラレルだったので、原作からずいぶん離れてしまったなあ、という感じがずっとありました。ですが、途中で「赤い糸」をはさんだために気づいたのですが、この原作からの乖離感は、パラレル設定だからというよりも、三人称語りのせいでもあるかもなあ、という気がしてきました…。「太陽と…」を書いている間、文体や語彙はなるべくいつもどおり(わたしの普段の文体ではなくて、コイモモ標準の文体)にしようと心がけていたつもりだったのですが、やっぱりそれでも、三人称だといつもとは違った文体になってしまうんだなあ、と思いました、それが良いか悪いかは別にして。
 そんなわけで、そろそろ初心に帰って、原作ベース&タクミ一人称ものを書きたいなあと思っております。

 また、このエントリのつづきに、「太陽と…」のギイのモノローグをおまけに貼っておきますv終盤で、うまく入りきらなかったものです(汗。もう使えないので、よろしければ、どうぞご覧下さいませ。






 目覚まし時計のアラームが始まる少し前に、目が覚める。
 そういう起き方をするのは神経が高ぶっているせいだと、以前父の秘書に注意を促されたことがある。けれど、緊張ではなく期待からそうなってしまうのだから仕方がないと、ギイは思う。目覚ましが鳴る前に起きれば、まだ眠っている託生を遠慮無く眺めることができるのだ。もっとも、託生はどちらかといえば低血圧というか、まあ言ってしまえばいぎたない方なので、アラームが鳴ろうがしばらくは目覚めないこともしばしばなのだけれど。
 ゆっくりと身体を起こし体勢を変え、向かいのベッドの託生を見つめる。ちょうどこちらに顔を向けていて、カーテン越しの朝の光に、ほんのりと浮かび上がる寝顔は、彼がまだまだ夢の中であることを示している。
 自分とのことを考えてみる、と託生が言ってくれたあの春の日からは少し経って、既に月は変わっていた。けれどギイは、焦らないようにと自分を戒めていた。
 託生にも告げたように、託生を混乱させたのは自分だし、ゆっくりと考えてもらえるだけで充分だと思う―――頭では、そうわかっている。
 けれど気長に待つべきなのだとしても、ここのところの焦燥感には、他の理由もあった。
 託生との間に、以前よりもやや距離があるような気がするのだ。
 ギイが自分の気持ちを自覚する以前、そして託生を傷つける以前には、友人同士としてもう少し屈託なく付き合えていた。でもその親しさにはきっと、託生の努力という担保があったのだろうとは思う。なぜなら友人だった頃というのは、託生が自分に片恋してくれていた期間でもあるのだから。それに、今こうして互いに距離をはかりあっているような状態では、 確かに何もなかったかのようには振る舞えないのも仕方がない。
 わかっては、いるのだ。端的に言ってしまえば、ギイは淋しいのだった。
 託生にもっと、近づきたい。もっと親しく語り合って、触れ合いたい。
 だから気が急いてしまう。同時に、決して焦ってはいけないとも思う。
 だって、託生をもう失いたくないのだ。自分は託生でなければだめだと、気づいてしまったから。
 眠っている託生をぼんやり見つめながら、ギイは考える。一体、どうしたらいいんだろう。自分はただこのまま、託生を待っているべきなのか、それとも―――時計を見た。今日も一日が始まる。

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