10000ヒット御礼リクエスト特集→リカ様のリクエスト:託生くんとギイがスコットランドの民族衣装のキルトスカートとジャケット、帽子、ハイソ着用でバグパイプを吹いている所(キャンディ・キャンディのアンソニー風)のイラスト&イラストに関連付けたお話
「文化祭のクラス出し物アンケートは以上ですか?」
「はい、これで全部です」
「これが集計表ですが、副級長、どう思いますか?」
「級長、ぼくはこれで決まりだと思います」
「それか……託生って、意外とマニアックだよなあ」
「なんで? だって、面白いじゃないか」
「民族衣装喫茶か……確かに面白いだろうけど、クラスで否決されるだろうなあ」
「そうかな」
「だって民族衣装って、総じて女性用の方が特徴的じゃんか」
「ああ、それはそうかも」
「ここは男子校なんだぞ?」
「あー」
「チャイナドレスとかアオザイとかサリーとか着るってのか? 誰が?
あ、託生が着るのか? それはかなり見たいかも……イテッ! 叩くなよ!」
「そうじゃなくて、別に女装するってわけじゃ、なくって」
「じゃあ、やっぱりつまらないんじゃないか?
民族衣装って大概、女性用の方が華やかなんだし」
「そ、そうだけど、でもでも、とにかくいいんだよ」
「……全然判りません、副級長」
「えっと、男性ものだって華やかな民族衣装もあるじゃないか。
中国服とか着物とかなら、男性ものだって格好いいし、
えーと他にも……アラブの王侯貴族とか……
あ、イギリスの衛兵さんとか、中世フランス貴族とかは?」
「あー、……や、それは民族衣装かどうかは微妙だけど……そっかー、
ヨーロッパ系だと、そうだな、チロリアンな託生とかもいいかもなあ」
「なに?」
「や、何でも。あと、スコットランドのキルトとかは、男性ものの方が発達してるかもな」
「キルト!」
「何だよ」
「すっごくいいね、それ」
「……そうかあ?」
「キルトって言えば、前から気になっていたことがあるんだ」
「下着のことか?」
「そう! 何を穿いてたんだろう?」
「何も、らしいぞ」
「えぇっ!?」
「いや、ほんとに」
「そうなんだ……」
「まあ、そもそもヨーロッパではあんまり下着は発達してなかったみたいだしな」
「……」
「どうした?」
「じゃあ、キルト担当になる人は、大変だね……」
「(託生、本気なのか……)」
その晩、夢を見た。
ぼくは、広い、どこまでも続いていそうな草原に立っている。
「託生」
呼ばれた声に振り向くと、キルト姿のギイが立っていた。
(ほら、やっぱり
「ギイ、格好いいね」
「託生だって。よく似あってるぞ」
「ぼく?」
見れば、ぼくも何時の間にか、ギイと同じようなキルトを身につけていた。
でも、
「僕は、どうでもいいよ」
「何だそれ。似たような格好なのに」
「ううん。ギイが、格好いいんだよ」
「そうか? ……よくわからないけど、」
ギイはふわりと笑う。
「託生に褒められるってのは、うれしいもんだな」
その笑顔がとてもきれいで、
(ああ、そうか
ぼくはすとんと、腑に落ちた気がした。
(ぼくはこういう、
色んな国の衣装とか、ギイが着たら、
きっと似合って素敵だろうなって、
思ってたんだ
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リクエストをくださったリカ様、ありがとうございました!期限を過ぎてお待たせしてしまい、すみませんでした。
今回、リカ様ご本人に教えていただきましたJapanese Introduction to the Edinburgh Military Tattooと、Regimental Drum Major Association Home Pageとを、デザインなどの参考にさせて頂きました。こちらのサイトで見られる軍隊(軍楽隊?)用キルトが、それはもう、ものすごーく恰好良い!のです。
ただ、着方に関してとか、おそらくいろいろな決まりごとがあるのでしょうが、その辺りは全然判らなかったので、このデザインは本当に雰囲気だけという感じです。バグパイプの構造もよくわかりませんでした…。いろいろスルー(by章三)してやってください…。
と、まあそんな感じで一人盛り上がり、ちょっとアンソニーからは程遠いところへ来てしまった気がします…すみません(ところでキャンディと言えばわたしはテリーが一番好きです、…判りやすいですね。
タクミくんの絵は久々に描いたような気がします。どうもわたしのタッチで普段通りに描くと、タクミくんっぽくなくなってしまう気がするのですが、その辺りも含めて趣味丸出しという感じですね…(ギイの立ち方とか、自分ではちょっとジョジョっぽいなあと思いましたが)…これまたすみません…。
ということで、ちょっと早いですが、文化祭でした。
って、もう九月なんですね。文化祭準備にはちょうどいい頃合でしたね…ちっとも早くないぞー(笑。
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