那州雪絵『魔法使いの娘』8
最終巻。
終わった…きれいに終わったなー!
この作品はわりとよくある除霊ものというか、ネタや小道具もよくあるものが多く、お話もそんなに目新しいものではなかったのだけれど、それでもお話として斬新さを持っていたと思う(初音とパパの物語とかね)し、何しろとっても面白かった。
たとえば、除霊ネタではないのだけれど、兵吾の初音への気持ちとか、すごいうまく使ってたなーと思う。
兵吾の恋心って、漫画でわりとよくあるような身近な異性へのラブって印象もあったんだけれど、それがラストシーンでまさかこんなにうまく活きるとは…と驚かされた。ていうか兵吾って、巻き込まれただけのモブっぽいキャラかと思いきや、パパと重なるんだよね。そういう兵吾の軽さと意外な重要さが面白く、うまいなあと思う。
それに、ちょうど実家だったので、既刊をあわせて読み返したら、ものすごいめいっぱい伏線はりまくりで、きっちりラストまで構成考えられてたんだなあとびっくり感心した。
失礼ながら那州雪絵って、『グリーン・ウッド』の頃にはむしろ萌えとか勢いで押し切る作風なのかと思っていたんだけれど、その後の活躍を見てると、むしろしっかり構成してお話きっちり書く作家さんなんだよなあ、と思う。
なので、ちょう意外な事だったのだけれど、逆にBLは萌えが足りなくてイマイチなんじゃないかって気がするんだけれど!(笑
そんなわけで魔法使いの娘、とっても面白くいい作品でした。
本誌で続編がはじまったそうで…買っちゃった。ウイングス初めて買った!
…兵吾の髪型がかわいくなくなってた(涙。