尚月地『艶漢』2
絵はなんかどんどん作者の好みにつっぱしってる感じで、でもきっとその方が合ってる作家さんなんだろうな。傘屋は暗黒舞踏じみてきた気がする。
お話はあまり進んでないけれど、普通に面白かった。けどちょっとなんというか、アラが気になったところもある。たとえば銅像作家の娘の男性恐怖症かつ筋肉フェチとか、ちょっといろいろ狙いすぎてとっちらかってしまったような印象があった。ミスリードを誘うような描写が多くて、それはいいんだけど、噛みつき魔の話とかはああそっちだったのねで終わりというか、絵描きの子は一体なんだったのだ。剥製職人もおじいさんは全く意味ないのかな。一回性の各事件と、兄やの話の兼ね合いも、バランスがちょっと悪い。
あとネームというか、決めゼリフのたぐいがあんまり決まらない感じもする。もう少し語彙を工夫してもいいのではなかろうか。
…なんか文句ばっかりですが、でも全体的には面白かったのですよ。