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[ 読書/一般コミック ]

山岸凉子『舞姫(テレプシコーラ)』10

 千花ちゃん…!!!(涙

 あ、一部ラストまで収録されてなかったらどうしよう、巻末が「降」の字(ん?「降」じゃないっけ?)で終わってたらどうしよう、とか心配したんだけれど、一部ラストまでちゃんと入ってましたよ。

 まあそれにしても、一部後半はダヴィンチで読んでおいてよかった。コミックスでいきなり読んでたらこれは辛いよなあ。まあ、コミックスで初めて読んだ場合、ラストのカタルシスがより増したかもしれないけど。
 しかし千花ちゃんの話は連載の時にはなんだか唐突というか、ビックリ展開に感じたものだけれど、一部が終わってあらためて考えてみると、少なくともここまで(一部了まで)の展開は連載当初からあった構想なんだろうなあと思われた。六花がコリオグラファーを目指す、という結末を知ってみれば、すべてはそこに向かうための布石だったなあと思える。

 もちろん一部では途中退場してしまった空美のことも含めてね。
 富樫いわく、自分の身体能力以上の踊りを振付るという六花の欲望は、千花を自らの中に内面化して、理想の踊り手とすることで生まれたものだろうと思うんですよ。だからあの千花関係の展開はやっぱり必要だったんだろう(少なくとも作者の構想にはあったんだろう)と思うし、また、六花の踊りは六花だけでは完成させることが出来ないだろうと思う。そして、だから六花では踊りきれない振りを、空美に踊らせることではじめてそれは形をともなったものになるのだろうとも思う。
 で、そうなると、空美がどう変わっていくのかも見所になるのだろう。空美はテクニックだけはすごいけれど、どう見ても情緒や美貌面には欠けているし、どうやってそれらを獲得していくのかにはすごく興味がある。

 あと、踊り手としての六花にもまだ期待したい。コリオグラファーを目指すと決めたとしても、踊りをやめるわけはないし…でもどうなんだろう?コリオグラファーって普通、どれくらい踊れて、どれくらい踊れないものなんだろう?ベジャールとかって(いやコリオグラファーってほとんど彼くらいしか知らないのだが)ダンスの才能はどうなんだろう?
 まあいずれにせよ、六花の海外留学もアリかなあ、とワクワクですよ。
 六花は恋愛面もワクワク。相手は拓人なのかなあ…拓人には悪いがもう少し、夢を見たい…(笑、あ、六花が留学から帰ってきたらものすごいオトコマエのいいダンサーになっていたり、とか…ハハハ…

 ところで、六花の振りが男性でも踊ってみたいものではあるけれど、白鳥は女性だから、いやマシューボーンとかもあるけどね、という貝塚先生の言葉につい考えてしまった。
 男性が白鳥でも勿論いいんだけれど、でも男性だとトウシューズが履けないんだよね。白鳥はポアントでないとつまらないというか、白鳥のすごく大事なところが抜けてしまうような、そんなイメージがある。マシューボーンとかはポアントだと違っちゃうよなあって気がするし、あれはあれでいいんだけど。王道的な白鳥としてはやっぱりポアントが必要だなあと思うのですよ。男性がポアントで白鳥やってくれるなら、それもいいんだけど。モンテカルロとかの色物系ではなくってね。とりあえずチュチュはなしだな(笑。ポアントで王子的な衣装でやってはどうか。きっと美しいと思うんですけど。そしたら背の低い日本人ダンサーが重宝されるかと思うし…段々何が主張したいのかわからなくなってきた(笑。
 あと、白鳥はバレエの超王道なのに超特殊な踊りだ、だって鳥のマネをするんだから、という六花の言葉にもそうだなあと思わされた。そして山岸凉子が白鳥の手の動き、とか書いていると、ついラーラのことを思い出す(笑
 なんだかまとまらないけれど。

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