"読書/一般コミック"のアーカイブへ


[ 読書/一般コミック ]

高尾滋『ゴールデン・デイズ』

 なんとなーくよくわかんないというか。嫌いじゃないし面白くないわけでもないんだけれど、設定や展開の甘さが目立ってしまって、物語がぐいぐい読者を引き込む力に欠けてるなあって感じ。キャラもいまいち薄っぺらくて、ひととなりがハッキリしない。たとえば光也のバイオリンについての設定とかもっと活かせそうなのに、いきなり弾いちゃっていきなり弾きたくなくなってしまうように見えて、いまいち活きてない。あとお祖父ちゃんにバイオリン習ったって設定初出だよね…?きっと後付だったんだろうけど、一巻冒頭から出てたらもっと活きただろうに…。
 時代考証の甘さとかも、別にそれ自体は構わないんだけど、なんだかお話のゆるゆるっぷりを助長しちゃっているように思えてしまう。
 開き直って(なのか?笑)ボーイズラブぽい設定なのはいいと思うんだが(というか花とゆめは女装男子男装女子路線あたりで見限ったのだが、今どうなってるんだろう。ほんのりジュネだった時代もあったのだから、ボーイズっぽさに活路を見出せばよかったのに、たぶん企業的にも)しかし仁の心情とかもいまいちうまく描けてなくて、ラストの「好きだ」という言葉とか光也の反応とか、もうちょっと説明してよかったんでは。

 うーん。いろんな意味でおいしい設定(タイムスリップ・昭和初期・ほんのりボーイズラブ)なだけに、ついつい要求が高くなってしまうのだろうか。

with Ajax Amazon

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mayoiga.s6.xrea.com/x/mt-tb.cgi/519

with Ajax Amazon