山田芳裕『へうげもの』1
うーん、んん?
面白かった…よね?
なんというか、ちょっと中途半端というか、どっちつかずで、それは別にいいんだけど、そのどっちつかずさがイマイチ活きていない印象。武士としての人生と数寄者としての人生の振幅は、あるいはそれこそが古田織部っぽいのかもしんないけど、でも漫画でそれを展開するにはもうちょっと振幅周期をゆるくしてもいいんではないだろうか。コミックスでまとめて読むからかもしれないが、毎回のように武士として生きよう!とか決心しなおしてる印象があって、ちょっとくどい印象があるというか、もっと数寄者エピソードが読みたいと思ってしまう。
その意味では第一話のバランスなんて見事だった。数寄者としてフラフラしながらそれが信長にもうまい感じで伝わっていく様子とかうまい構成だし、そこに介在してこない秀吉なんかもふくめて各キャラクターの魅力もつたわってくる。
一話以降も、宋易の茶室の描写なんかはほぼ期待どおりの山田芳裕だし(笑、面白かったんだけど、後半になるにつれて政治的な話が増えてなんだかなあと思った。や、それはそれとして面白いんだけど、やっぱりそういうのは期待していなかったからかなあ。ちょっと欲求不満だった感じ。でもなんというか、これはそういう話(基本線は歴史がメイン)なんだろうなあ。