高河ゆん『LOVELESS』5
こんなに時間が経っているがとうぜん既に初回限定版で購入してた(だって限定版には同人誌がついていたのだからしょうがない。というか…限定版の同人誌、そろそろ力尽きてやめるんではないかと思ってたんだけど…、頑張るなぁ。その頑張りの意味は本編を読んでみて理解したのだけれど。

ということで、まず本編から。いや、こんなに読まないで放置していたのは、本誌を立ち読みしてた折に毎号10Pとかしか載せてなかったひどい時代の辺りが収録されてる巻だと思っていたためで(それは4巻だったみたい?若干絵が荒れてた)もうそういう部分は抜け出ていて(いや書き足しもあったみたいだけれど)とにかくすっごいおもしろかった!
というか清明、清明とそれにまつわる人々が、すごい…(笑。とくに草灯。いや草灯はいつもすごいというか、とにかく最低なんだけど(耳ないし、笑)今回はほんとにつくづくこいつ最低だなぁ~と思った。例えば
「だけど一ミリも揺らがない信頼なんてそれだけで狂気だ」
てあなた、それあんなに必死に清明とそしてあなたを信じようとしている立夏のことじゃあないか。そして更にメンヘラーな立夏母に対するドギツイ批判、しかも投げつける相手は母にすがってしか生きられない立夏という…。草灯は確かに立夏に対してなんらかの気持ちを抱いているんだろうけれど、草灯の愛情表現だって十分狂的だ。だって立夏が一番イタい思いをしてる。さんざん立夏に服従を誓いつつ何にもしてくれない、どころか立夏を一番傷つけるって、わりと斬新だ。SMで主導権を握るのはM、というのとも若干違うのだけれど、でもそんな絶対君主というか蝶ド級にワガママな草灯がしかしわたしは好きなのだ。
ともあれ、ラブレスの売りはとにかく吾妻草灯がサイテーだということだと思うので(笑「でも草灯は立夏のことラブだからついああいうこと言っちゃうんだよ!」とは絶対思いたくない)草灯にはこれからも頑張って最低ロードをつきすすんでもらって、そんでいつかは立夏と幸せになってほしいですね。
ちなみに清明もどうやら生きていて、どうやら意外と最低そうなキャラなのでまた面白くなりそうだな~(笑。あと、立夏にもきちんと戦闘機が居るようで、それも楽しみだ。
いやしかし話を戻すと、連載のアレっぷりを見ていて「あ、ラブレスももうダメかな…」と正直かなり不安に思っていたので、今巻を見てすごいイキイキとしているので安心したというか持ち直したことにビックリした。わたしは高河ゆんを読み始めたのはつい最近のことで、ラブレス以前はほとんど連載を追っかけたことがなかったから、今回初めてイタイ目を見るのかと思っていたけれど(まだ)大丈夫みたいだ。しかも連載が持ち直したのってもしかして初めてだろうか。その意味でもラブレスはやはり今までの作品となにかが違うような気がする。アニメも始まるそうだし(多分見ないけど。でも今回でかなり絵がかわったなぁと思った。若返り続けるなぁ高河ゆん。
そんなわけで、そういう勢いが限定版同人誌にも波及したようで、今回は同人誌もすごかった。漫画の分量が多い。そして、その内容もなんというか誠意あふれる感じ(笑。読んでしまえばわりあいありがちなネタかもしれないけれど(コロンブスの卵だ)ラブレスにすごく合っていたし、魅せ方もよかった。
立夏の誕生日ネタというのが個人的にいろいろ感慨というかなんというかがあった。自分などと比べてしまうのは非常におこがましいのだが、丁度裏ジョジョで誕生日ネタを準備したところだったので、似たようなネタがこんなふうに料理されているのを見てただもう参りましたと言うより他にない。
というわけで、ラブレス、若い子さん達によるコスやキャラ萌えも勿論結構なのだけれど、お話もきちんと面白いので(や、戦闘シーンとか笑ってまうけれど)古きよき高河ゆんファンにも読んでほしいなぁと思うのだ。