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[ 読書/一般コミック ]

藤田和日郎『からくりサーカス』36

 ほんとすいません。流石にもう鬱憤が溜まっているので(なら読むなと言われそうですが…)エグイこと書きます。ファンの方は読まんでください。


 何がアタマに来るって、ここ最近の展開のひどさ(いきなり登場の大富豪だとかヘンな小型記録ロボットだとかの、これだけのベテラン漫画家がやるかよ?という感じの後出しじゃんけんや、フェイスレスのやりくちのツマラナサ、そしてオートマータ軍団対人類という構図は仕方ないにしてもあまりに陳腐なその展開、などなど)にも、鳴海の登場だけで目をつぶって来たわたしにとって、今回の大富豪の「いや~、鳴海にフランシーヌがエレオノールを産みたがったんだっていっちゃったよ~、間違いだったんだネ!」は本っ当にゆるせない展開でありセリフであり、もう何にどう怒ったらいいのかよくわからん。とにかく一番腹が立つのは、この展開って鳴海対しろがねという悲愴な構図をつくりたかったがためにくっつけただけなんだろうなと思えてしまうことだ。ギイのしろがねフォローに耳も貸さない鳴海ってのも、彼のキャラ的にあんまりふさわしいとは思えないし(だってあまりにひどい論理のなさだった)、だからこそやっぱりこの作者はよほど「二人の悲しいすれ違い」って演出をしたいんだろうなと思えてしまったし、そんな風に使われた鳴海が気の毒でならない。今回、マサルにすらイライラしてきたのは流石に自分の心根が曲がっているような気もしたけれど、でも同じように感動の演出を第一目的としてキャラを動かすそのあり方がはなについてきたってせいも絶対ある。
 もっと物語に力を入れて書いてくれれば自然に感動したんだろうにと思えるだけに、勿体無いし腹が立つ。もうここまでついてきてしまったのでラストまでつきあうけれど、願わくば演出のためのみにキャラクタが殺されないことを。

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