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ぼくがそう聴くと、赤池くんはちょっといじわるっぽくニヤリと笑った。
「葉山は、記憶を取り戻したいんだよな?」
「それは、勿論」
「だったら、葉山はあいつに会いに行かなきゃ、だろ。三洲が言わなかったのは、わざとだな。あいつら、相性悪いからなあ」
赤池くんはなにやらそうつぶやいて、ぼくは首をかしげた。
「あいつ、って、誰?」
「葉山は誰だと思う?」
「ってことは、ぼくが一年の時から知っている人?」
と言っても、たとえクラスメートであっても、ちゃんと覚えている自信はないのだけど。
「あ、利久のこと?」
「片倉じゃない」
会ってからのお楽しみ、なんて言い置いて、赤池くんはぼくを270号まで送ると、ひとりで出て行ってしまった。
ぼくが会うべき人とは、一体誰なんだろう?





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