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「記憶喪失、ですか」
「そうとしか考えられないね」
中山先生と、ぼくのルームメイトだそうなその同級生は、そう言い合って互いに目配せした。中山先生はぼくの方を振り返って、今度はぼくに質問する。
「葉山くん、体調はどうだい?」
「は、はい。なんともないです」
「君は温室で倒れて居たらしいんだけれど、何かそのことで覚えているかい?」
「温室、ですか? 全然、覚えてない、…です。」
温室……? ぼくはなぜ、そんな場所に居たんだろう?
「君を見つけてくれたっていう下級生にも、詳しく話を聴いた方がいいな。それから、念のため精密検査を受けた方がいいだろうね。三洲、同室者の君には色々お願いすることになるだろうから、病院から一度連絡するよ。生徒会の仕事も忙しいだろうけど、よろしく頼むよ」
「はい、任せてください。同室者として、出来る限りのことはします」
三洲くん、という名のその同級生は、にっこり笑うと一礼した。





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